近年、地球温暖化をはじめとしたさまざまな環境問題が顕在化しており、世界各国では持続可能な社会の実現へ向けたサステナビリティの取り組みのなかで環境・エネルギーも注目されています。ここでは、環境・エネルギー業界の開発現場に役立つ基礎知識やトレンド、ノウハウを紹介します。
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脱炭素社会の実現に向けて「水素エネルギー」の活用に注目し、産学官からの水素エネルギーに関する取り組みを紹介していく本連載。第5回目は、引き続き水素エネルギー普及に向けたサプライチェーンを構築しようとしている「産(民間企業)」に注目します。今回は、川崎重工業株式会社の液化水素運搬船開発部部長の村岸治氏に、同社が持つLNG(液化天然ガス)運搬船建造のノウハウから開発した液化水素運搬船で用いる真空断熱による極低温技術や、液化水素を船から地上の貯蔵タンクへ搬送する設備の開発についてお話を伺いました。
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脱炭素社会の実現に向けて「水素エネルギー」の活用に注目し、産学官からの水素エネルギーに関する取り組みを紹介していく本連載。第4回目は、引き続き水素エネルギー普及に向けたサプライチェーンを構築しようとしている「産(民間企業)」に注目します。今回も、川崎重工業株式会社の水素戦略本部副本部長の西村元彦氏に、水素の低コスト化のため同社が「褐炭」に着目した理由と、褐炭から高純度の水素を取り出す方法、水素の大量輸送のための膨張タービンを用いた水素液化システムについてお話を伺いました。
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脱炭素社会の実現に向けて「水素エネルギー」の活用に注目し、産学官からの水素エネルギーに関する取り組みを紹介していく本連載。第3回目は、水素エネルギー普及に向けたサプライチェーンを構築しようとしている「産(民間企業)」に注目します。今回は、世界と日本の水素エネルギー活用に向けた動きを紹介した後、2010年から水素インフラの確立を目指し技術開発を進めている川崎重工業株式会社の水素戦略本部副本部長の西村元彦氏に、同社が水素に注目した理由と、水素サプライチェーン構築への取り組みについてお話を伺いました。
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脱炭素社会の実現に向けて「水素エネルギー」の活用に注目し、産学官からの水素エネルギーに関する取り組みを紹介していく本連載。第2回目は、2009年に全国に先駆けて2050年までのCO₂排出量を実質ゼロにする「ゼロカーボンシティ」を表明し、山梨大学を中心に水素・燃料電池の研究開発を行っているた山梨県に注目します。今回は、山梨大学 燃料電池ナノ材料研究センターに、太陽光発電による電力で水素を製造し貯蔵するシステム、燃料電池の低コスト化に資する材料開発など、産学官連携による取り組み事例についてお話を伺いました。
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二酸化炭素の排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの実現に向け、世界各国で「脱炭素化」の政策が発表され、さまざまな取り組みが進んでいます。そんな中、脱炭素化の切り札とも言われ、近年改めて注目を集めているのが水素からエネルギーを取り出す、水素エネルギーの活用です。本連載では、この「水素エネルギー」に注目し、産学官からの水素エネルギーに関する取り組みについてご紹介していきます。連載第1回目は、序章として、40年以上前から水素エネルギーの研究開発をしている山梨大学に、水素エネルギーと燃料電池、燃料電池自動車(FCV)について解説して頂きます。
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再生可能エネルギーの中で大きな割合を占めている太陽エネルギーに注目し、日本太陽エネルギー学会の監修により基礎解説をしていく本連載。3回目は、メガソーラー(大規模太陽光発電所)や住宅の屋根などに設置されている「太陽光発電システム」についてです。今回は、太陽光発電でよく耳にするパワーコンディショ(パワコン,PCS)の役割や、MPPT制御アルゴリズムである「一定電圧制御」「山登り法」の特徴、「追尾式」と「集光式(CPV)」太陽光発電システムの特徴を解説した後、太陽光発電システムの環境性能について解説します。
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地熱発電は、輸入に頼らない純国産のエネルギーであり、マグマの蒸気を使ってタービンを回すためCO₂排出量が他の再生エネルギーより少ないなどのメリットがあります。しかし、日本はそのポテンシャルを十分に生かしきれておらず、それは稼働までのハードルが高いことが大きな要因となっています。今回も引き続き、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)に、地熱発電開発が遅れている要因を伺うとともに、地熱有望地域開拓のため行われる空中物理探査技術、温泉事業者など地域と共存共栄を図る取り組みについてお話を伺いました。
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地熱発電は、マグマで熱せられた高温・高圧の蒸気と熱水の高いエネルギーを電力に変えることによって行います。環太平洋火山帯に属した日本の地下には、このマグマが大量に溜まっており、世界第3位の地熱資源量を保有しています。しかし、1925年日本最初の地熱発電に成功した以来、大きな発展は見られず、地熱発電量は世界10位と、豊富な資源を生かしきれていないのが現状です。今回は、地熱資源開発推進のサポートを行っている独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)に、日本における地熱発電の現状と、地熱発電の適した場所の条件や仕組み、メリットについてお話を伺いました。
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本連載は、再生可能エネルギーの中で大きな割合を占めている太陽エネルギーに注目し、日本太陽エネルギー学会の監修により基礎解説をしていきます。2回目は、政府が表明した2030年度の温室効果ガス排出を2013年度比46%削減するという目標の達成に向けて、その活用が期待されている「太陽電池」についてです。太陽電池の構成単位、太陽電池モジュールの製造プロセス及び性能指標、発電効率を向上させる条件や最新技術について解説します。
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2021年3月3~5日に、東京ビッグサイトにて「第17回スマートエネルギーWeek 2021、第3回 資源循環EXPO」が開催されました。本展示会は、毎年東京と大阪でそれぞれ開催される、来場者数万人規模の大規模な展示会です。名前の通り、再生可能エネルギー、自然エネルギー、省エネ・節電など、エネルギーに関するさまざまな技術が展示されている会です。今回は、バッテリー・シェアリング技術や、太陽光発電モジュールの下の緑化技術、再生可能エネルギー発電所の余剰電気の最適な充放電技術など最新技術についてご紹介します。
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沖縄科学技術大学院大学(OIST)の量子波光学顕微鏡ユニット代表、新竹積教授の電子顕微鏡や波力発電など多岐にわたる研究テーマに注目し、同氏の今までの研究活動や「ものづくり」への姿勢について伺う本連載。最終回は、5回目で登場した「海流発電」の実現の難しさから、次に取り組んでいる「小型波力発電」に関して、発電機の制作話や本波力発電の特徴、今後の課題についてお話伺いました。また、同氏が考案中である波力揚水発電とでも呼ぶ発電技術についてもお聞きしました。
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沖縄科学技術大学院大学(OIST)の量子波光学顕微鏡ユニット代表、新竹積教授の電子顕微鏡や波力発電など多岐にわたる研究テーマに注目し、同氏の今までの研究活動や「ものづくり」への姿勢について伺う本連載。5回目は、加速器の研究をされてきた同氏が「発電」の研究開発をするようになったきっかけのほか、波力も海流も風力発電も同じ方程式で解けることに気づいた同氏が取り組んだ、沖合浮体方式の「海流発電」のモデル実験成功(小型)と大型化を実現するための課題について伺いました。
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新型コロナウィルスにより大きな影響を受けた世界経済の回復にあたり、世界では再生可能エネルギーなどへの投資を含む「緑の復興」(グリーン・リカバリー)に取り組み始めています。また、2020年からスタートしたパリ協定に対しても、2050年までのカーボンニュートラルを見据え、再生可能エネルギーが将来のエネルギーの主力になろうとしています。本連載では、再生可能エネルギーの中で大きな割合を占めている太陽エネルギーに注目し、日本太陽エネルギー学会の監修により基礎解説をしていきます。連載1回目は、序章として世界と日本の再生可能エネルギーの割合と導入推移についてご紹介したいと思います。
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2020年9月9日~11日にインテックス大阪で「第8回 関西スマートエネルギーWeek」が開催されました。東京と大阪で年に2回、再生可能エネルギーや自然エネルギー、電池、省エネ・節電、リサイクル、環境保全対策などの技術を開発・提供する企業や団体が多く出展します。今回は、電池向け溶着技術やバイオマスを使った熱利用技術に加えて、バッテリー駆動のクレーン、配管探査向け尺取虫型ロボットなどについてご紹介します。
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化石燃料を使わず発電時にCO2を排出しない太陽光発電は、循環型エネルギーとして注目されています。この太陽光発電の課題は、ソーラーパネルの「汚れ」による発電効率の低下。日本と比べあまり雨が降らず、膨大な数のパネルを人力で掃除していた中東に、砂漠環境に最適化した掃除機構を有する掃除ロボットを提案した未来機械。今回は、未来機械に前例がなかったソーラーパネル掃除ロボットの開発ストーリーを伺いました。
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2020年2月26〜28日に東京ビッグサイトで「第8回国際風力発電展」が開催されました。本展示会は、「スマートエネルギーWeek2020」の風力発電部門であり、発電やメンテナンス、部品開発や導入コンサルなど風力発電に関わる企業が出展していました。今回は、風力発電分野のものづくりに注目し、「発電効率が高いレンズ風車」、「研磨や切削を一切施さない高精度の金型」、「機械の不調を音で検知する計測機」の3つの展示を紹介します。
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金属を接合する圧接方法のひとつである「摩擦圧接」。「摩擦接合」の最前線に注目するなかで、中編では低温度で接合部の強度低下を抑え、極力素材を変形させずに接合できる「低温摩擦接合」を取り上げます。前編に引き続き大阪大学接合科学研究所の副所長藤井英俊教授グループに、低温摩擦接合技術が生まれたきっかけや、その技術がもたらすCO₂排出量抑制などの効果について詳しくお話をお伺いします。
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「モノの生産」は、深刻な環境汚染や資源枯渇など、さまざまな地球的課題を生み出した。それらの解決を図り、持続可能な循環型経済モデルである「サーキュラー・エコノミー」の取り組みが始まっている。ものづくりが持続不可能な社会を作らないためにどうすればいいか。(株)情報工場が厳選した3冊の書籍から考察する。
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近年、各地に甚大な被害をもたらすようになった台風。その度、被災地にはボランティアが集まり、復旧作業に尽力されています。実はこの“台風の力”をもうまく活用して発電する、風力発電機が開発されているのを、みなさんはご存知でしょうか? 今回はこの風力発電機「垂直軸型マグナス式風力発電機」を開発し、再生可能エネルギーシフトを目指す株式会社チャレナジーの取締役CTOの小山晋吾さんにその技術についてお伺いしました。
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2019年9月25日(水)〜27日(金)に「第7回 関西スマートエネルギーWeek 」がインテックス大阪にて開催されました。関西における新エネルギー技術に関する本総合展示会では、太陽光発電の「FIT後」「卒FIT」に注目した自家発電・自家充電・自家消費関連の展示や、全固体リチウムイオン電池などの次世代二次電池、鉛蓄電池などの出展が目立ちました。今回は、これら注目展示内容に加え展示者インタビューをお伝えします。