日本のものづくりを自動車業界ともに支えたのは、生活家電や情報通信機器などを世に送り出したエレクトロニクス業界です。21世紀初頭の半導体微細化による飛躍的なデバイス性能向上が社会のデジタル化を加速し、すべてのモノがインタネットと繋がるIoT社会の実現が近づいています。ロボットやドローンなどのトピックスに加え、エレクトロニクス業界の開発現場に役立つ基礎知識やトレンド、ノウハウを紹介します。
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自動運転社会の実現に向けて、ドライバーが必要ない自動運転車(レベル4以上)の開発が加速化しています。一方、車や車自体に載せるセンサーなどのアプリケーション開発だけでは、自動運転の安全確保には不十分であり、それを補う交通インフラの安全サポートは必ず必要になるといいます。今回は、情報通信分野を専門とする国の唯一の公的研究機関である情報通信研究機構(NICT)に、自動運転向け交通安全をサポートするために開発している「電子カーブミラー」と、その役割についてお話を伺いました。
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2020年12月9~11日に、東京ビッグサイトでナノテクノロジーに関する国際総合展示会「nano tech 2021 第20回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」が開催されました。本展示会は環境・エネルギー、次世代電池、自動車などさまざまな分野への応用が出来るナノテクノロジーの技術が出展されていました。今回はラマン分光分析装置や走査電子顕微鏡(SEM)など分析装置の最新技術を中心にご紹介します。
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遠隔医療ものづくり技術の最新動向について医療現場からの声をもとに紹介する本連載。3回目は、聴診時の悩みに答える「デジタル聴診デバイス」の開発秘話を紹介します。医師が聴診器を長時間使用する時、聴診器の耳に挿入する部分が耳介を圧迫し、耳が痛くなるという悩みがあるといいます。このような悩みに答えるために、ヘッドフォンで聴診できるよう生体音をデジタル化する聴診デバイスを開発している株式会社シェアメディカルに、開発のきっかけや開発過程について伺いました。
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電力、航空、化学といった複数のグローバル企業と共同で点検用ロボットやサービスを開発している株式会社ハイボット。今後もスマートメンテナンス市場へ付加価値を提供し続けるため、ロボットに求められる機能すべてを完璧にこなすより、ロボットが得た情報をどう利用するかを考えるべきだといいます。今回は引き続き、同社にロボット技術革新の課題に関して伺うほか、協力企業と共に生み出されたロボット活用事例を紹介します。
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2020年11月11~13日に、東京都立産業貿易センター浜松町館にて「光とレーザーの科学技術フェア2020」が開催されました。光とレーザーの分類ごとに7種のフェアに分かれて開催され、それぞれ専門性の高い業種関係者が一堂に集う10回目の展示会です。コロナの影響もあり来場者数は減少したものの、多くの研究者・技術者の技術交流や商談会が盛んに行われていました。今回は、スペックル・ノイズの定量的な測定技術や半導体レーザーを使った光無線給電技術などについてご紹介します。
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地震や水害など災害現場で人を救助、人の代わりに危険な場所を点検・測定するなど、多様な目的で進化し続けているロボット。このようなロボットの進化には、アナログからデジタル制御への転換やクラウド・サービスの登場が大きな影響を与えているといいます。今回は引き続き、株式会社ハイボットに、アナログからデジタル制御への転換のなかで実現したコンパクトなロボットづくりに加え、創業者たちが起業時に抱いた思いについて伺いました。
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2020年12月2〜4日に、パシフィコ横浜で「国際画像機器展2020」が開催されました。本展示会では、ロボットビジョンやセキュリティなどのテーマごとにカメラをはじめとする画像を扱う企業が多数出展しました。また、同展示会の中で、「精密加工測定展2020」も同時開催。今回は、畜産業界で活用が期待される非接触3Dスキャンや職人技術の教育に活用が期待されるメガネ型視線計測システムなどについてご紹介します。
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2020年10月28~30日に幕張メッセにて「第11回Japan IT Week[秋]2020」が開催されました。これまでの展示会でも多く出展されていたハード、ソフト技術、AI、IoT、5Gなど最先端のIT技術に加え、話題の電子契約、電子はんこ技術など実にさまざまな技術の展示がされていました。コロナ禍でありながらも来場者が2万人超と、大盛況のうちに閉幕した本展示会。今回は、ポスト5G時代向け通信用部品やウェアラブル通知システムなどについてご紹介いたします。
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発電プラントやインフラ施設のパイプ、配管内などの狭い環境を点検・測定するヘビ型ロボットをご存じでしょうか。このようなロボットには、コンパクトであると同時に、高温、高湿度の環境下での安定性、防水性や放射能への耐性などが求められると言います。本連載では3回にわたり、RAAS(Robot as a Service)という考え方でロボット分野のデジタル・ツインを目指す株式会社ハイボットに、同社のロボット技術とサービス、そして同社がロボットに込めている思いについてお伺いました。
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西陣織の老舗から生体データを扱うウェアラブルデバイス企業への転身に成功、生地の製造から生体データの管理までをワンストップで手がけているミツフジ株式会社。当社の強みの一つは、多様な業界・団体との協業を可能にするコラボ力だといいます。今回も引き続き、同社の生体データによって実現したい姿を他社とどう協業しているかの事例と、そのような協業が実現できる秘訣について伺いました。
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自社の強み技術をもっている企業は、その技術を活かして需要の高い市場で勝負するにはどうすればよいかという悩みを多く抱いていると思います。その答えのヒントになる企業が、64年前西陣織工場として創業し、数年前からウェアラブルデバイス市場に参入、様々な組織と協業を行っているミツフジ株式会社です。今回は、同社の西陣織工場から生体データを扱うウェアラブルデバイス企業への転身ストーリーをご紹介します。
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最近よく耳にする「5G」。5Gは携帯電話やスマートフォンの通信を高速化するだけでなく、AIやスマートシティ、自動運転などの発展に欠かせない重要な技術であり、世界各国で普及が進められています。なかでも中国は5G分野において高い技術力を持つ企業が多く存在し、中国の動向は世界から注目されています。今回は、4Gの違いから学ぶ5G特徴のほか、中国の5G活用事例と最新動向についてご紹介します。
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人をアシストする人間支援ロボットには色んなタイプがありますが、平田教授の研究チームが注目したのは、「人の力をいかにうまく使って足りない機能を助けてあげるのか」という技術だといいます。今回は、引き続き東北大学の平田教授に、永守賞を受賞したパッシブブレーキと回生ブレーキの組み合わせによる「足漕ぎ車椅子ロボット」や、ファントムセンセーションを利用した「振動モーター」など人間支援ロボットへの応用事例について伺いました。
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「ロボティクスというのは、出口戦略が重要で、何か人間の役に立たないと単におもちゃを作ったことになってしまう」という平田教授。今回は、引き続き東北大学の平田教授に、ブレーキによってロボットの運動特性を変化させる「パッシブブレーキ」技術が、災害地などの陸上、漁業が行われる水中、私たちの生活場などで役立つ仕組みについてお伺いしました。
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人と協調して作業を行うロボットを設計する方法は色々ありますが、モーター等で能動的に駆動されるのではなく、ロボットに加えられる外力に対して受動的(パッシブ)に動くように設計しようとする「パッシブロボティクス」という概念があります。本連載では3回にわたり、「パッシブロボティクス」に基づいた非駆動型ロボットを研究し人を支援しようとする、東北大学ロボティクス専攻知能機械デザイン学分野の平田泰久教授に、研究テーマとその応用事例についてお話を伺いました。今回は、主に「パッシブロボティクス」の概念についてお話を伺いました。
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半導体は今や100億個のトランジスタを集積する時代になり、もはやこの複雑な一連の設計作業は人手に負えなくなった背景のもと、半導体を自動設計するためのソフトウェアを提供する「EDAツールベンダー」が登場しました。また、こうした設計専門会社が生まれたことで、半導体製造専門の「ファウンドリ」が誕生します。今回は、「EDAツールベンダー」が台頭した背景やその成長戦略、台湾の「ファウンドリ」事業が日本を逆転するまで強くなった理由をご紹介します。
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2020年9月14日、ソフトバンクグループ(以下SBG)は、半導体CPUコアベンダーのArmを400億ドルでNVIDIAに売却することで合意したと発表しました。モバイル機器のCPUコアで採用が進むArmに対しIoT端末のCPUとして有望であることから3兆円以上の投資を惜しまなかったSBGが約4年でArmを手放した理由、更にArmを手に入れたNVIDAが目指すことはなんでしょうか。この買収劇の背景を連載「半導体入門講座」の著者津田建二氏がArm、SBG、NVIDIAのそれぞれの視点で探っていきます。
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半導体は“産業のコメ”とも呼ばれ、日本に始まって、世界中の経済を支えてきました。複雑な工程が必要とする高集積半導体ICですが、1960年代くらいまでは半導体メーカー1社がほぼ設計から製造まですべての工程を担ってきましたが、1970年代から分業化が進み、現在の「デザインハウス」、「ファブレス」、「ファウンドリ」などの分業体制が確立します。今回は、半導体産業の業界構造の変遷に注目し、日本企業が半導体ビジネスで没落した理由を詳しくご紹介します。
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スマートロックや温湿度センサーなど、あらゆる分野で私たちの生活に浸透しているIoT(モノのインターネット)。一方でIoTの普及に伴い電源問題が浮き彫りになっています。身近な振動や動きで発電する振動発電がその一端を担う技術になるかもしれません。今回は、逆磁歪効果を利用した振動発電技術の基本原理(平行梁型)を発明した金沢大学の上野敏幸准教授に、電池フリーのIoTデバイス実用化に向けた振動発電技術について伺いました。
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AI開発国と聞いて真っ先に思い浮かぶのは米国かもしれませんが、そんな米国に迫る勢いで存在感を増しているのが中国です。中国は2030年までにAI技術を世界最先端のレベルにまで引き上げると発表するほか、AI応用関連の特許出願やAI人材育成に力を入れています。今回は、中国がどのようにして世界をリードするAI大国になろうとしているのか、また中国AI技術の最新動向を8つの事例でご紹介します。