日本のものづくりを自動車業界ともに支えたのは、生活家電や情報通信機器などを世に送り出したエレクトロニクス業界です。21世紀初頭の半導体微細化による飛躍的なデバイス性能向上が社会のデジタル化を加速し、すべてのモノがインタネットと繋がるIoT社会の実現が近づいています。ロボットやドローンなどのトピックスに加え、エレクトロニクス業界の開発現場に役立つ基礎知識やトレンド、ノウハウを紹介します。
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2020年2月5~6日に広島産業会館で「ひろしまAI・IoT進化型ロボット展示会2020」が開催されました。本展示会は、東京で開催される「国際ロボット展」の地方版として始まり、全国から広島県内の需要に期待したロボット関係企業や、地元の自動車産業の関連企業などの趣向を凝らした展示が特徴です。今回は、広島の企業に注目し、「無人稼働を目指す次世代スマートファクトリー」と「地元企業が作る、新しい形の産業用制御ロボット」をご紹介します。
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長年、多くの多結晶線材が使われてきた機能部品は、製造プロセスに関して何十年も画期的な技術革新がなされておらず、単結晶により市場ががらっと変わることが期待されます。液からの単結晶成長方法で、成型加工や切削加工を施すことなく、高融点のイリジウムの融液から直接、安価かつ簡単にイリジウム線材を作製したという東北大学吉川彰研究室。今回は、引き続きイリジウム単結晶を作る苦労と、単結晶合成技術や温度計などさまざまな応用事例を紹介します。
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イリジウムやその合金材料は裂けやすいため加工性が低く、冷間加工を行うことはほとんど不可能であり、熱間加工で少しずつ何工程にも分けて成型していく必要があることから、人工的に作成することが難しいといわれています。今回は、引き続き東北大学金属研究所先端結晶工学研究部の吉川彰教授に、単結晶の作り方を説明頂きつつ、研究テーマであるイリジウムの単結晶の開発経緯などについてお話をお伺いします。
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2020年1月29~31日に東京国際展示場で「コンバーティングテクノロジー総合展2020」が開催されました。本展示会では、フィルム・シートや不織布、合成紙などのウェブ・シート素材を加工する技術とその関連機器の展示が行われています。今回は、ものづくりのワザのコラボレーション・集積に注目し、「MR流体を使ったブレーキ開発技術」、「セルロースナノファイバーで作る透明な紙」、「先端技術と伝統工芸の融合技術」の3つの展示をご紹介します。
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2020年1月29~31日にインテックス大阪にて「Japan IT Week関西2020」が開催されました。ハード、ソフト技術はもちろんAIやIoT、5Gなど最先端のIT技術に触れ合える多様な構成の展示会として幅広い業種業態の来場者が来ていたようです。今回は、ものづくりやシステム開発に注目し、「軽量かつ安価な自然空冷式ヒートシンク」、「ゲリラ豪雨をピンポイントで観測できる雨量観測システム」、「工場内で物を移動させる自律型ロボット」の3つの最先端技術をご紹介します。
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私たちの身の回りには、半導体や水晶など、単結晶の技術によってできたものが多数存在します。そしてその単結晶は長い研究開発によって人工的に作成することに成功しました。本連載では3回にわたり「単結晶」について、さまざまな物質で単結晶を作り、工業技術のイノベーションに役立てようとする東北大学金属材料研究所先端結晶工学研究部の吉川彰教授にご解説頂きます。今回は、研究テーマについて説明していただく前に、単結晶について基礎的なことをお伺いしました。
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材料の表面にミクロンサイズ以下の微細なパターンを付加する微細加工は「設計領域を拡大できる」ことで注目されており、光学部品や医療機器などの高付加価値コンポーネント開発にも活用されています。そんな微細加工技術の受託製造サービスが存在することをご存じですか?今回は、情報記録メディアの製造・開発で培った技術を応用し、微細加工を行う株式会社富士フイルムメディアクレストに同社の提供するサービスの魅力をお聞きします。
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2020年2月5〜7日に第41回工業技術見本市「テクニカルショウヨコハマ2020」がパシフィコ横浜で開催されました。加工や産業用・生活支援ロボットなどテーマごとに7つのゾーンで構成され、横浜を舞台に過去40回の開催の歴史があり、地域に根ざした同イベント。今回は、電磁波シールド樹脂めっき、金型レスにより短納期を実現した試作部品提供サービスやロボットなど、時代の変化に伴うニーズに対応した技術に注目しました。
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2020年から日本国内のサービス開始が予定される次世代通信規格「5G」。低遅延や高速・大容量、IoT機器の同時接続や省電力、低コストなどが特徴ですが、5G化で需要が高まる分野は、例えば製造業・ものづくり分野ではいったい何でしょうか。この記事では、取り上げた最新技術キーワードをAI予測サービスに分析させます。さらに、分析結果を改めて編集部が意味づけ・解釈する新たなアプローチによって、今後需要が高まっていく研究分野・事業を可視化していきます。
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『部品の仕事』特別編後編では、引き続き「スバルの仕事」をお送りします。今回は、「クルマは動物」の思想から生まれた予防安全技術“アイサイト”の開発経緯に加え、どのような技術進化が行われてきたのか紹介し、中島航空機時代より「技術のパイオニアであれ」と叩き込まれてきた「スバルの仕事」の魅力を野地秩嘉氏独自の視点でひもときます。
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エアロネクスト社は、4D GRAVITY(R)技術をコア・コンピタンスに社会に実装していくことを目的とした会社ですが、そのビジネスモデルは、「技術」と「特許」と「ブランド」を同社が持つ4D GRAVITYという商品にまとめ、これをドローンメーカーのライセンスするものです。今回は、同社が知財戦略を非常に重視している理由、さらにこれからのドローン前提社会に向けた次なる戦略についてエアロネクスト代表取締役CEO田路圭輔氏にお伺いします。
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野地秩嘉氏の連載『部品の仕事』特別編として、“スバルの仕事”をお送りします。戦前「中島飛行機」という東洋有数の軍用機メーカーを前身とする、日本の自動車メーカーSUBARU(スバル)。全世界に“スバリスト”と呼ばれる熱狂的なファンを持つ『スバルの仕事』とは、どのようなものなのでしょうか。戦前に技術指導を行ったアンドレ・マリー技師の教え「搭乗者を守る」をルーツに持つ、スバルの安全に対する考え方を詳しく野地秩嘉氏が聞き出します。
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小型のカメラを搭載し上空からの撮影を目的としてリリースされた無人航空機(ドローン)。その用途も空撮から測量点検へ移行し、2019年からは次なる物流まで広がっています。今回は、ドローン・アーキテクチャの研究開発を行うエアロネクストに、当社の中核となる重心制御技術「4D GRAVITY (R)」を解説頂くことで物流ドローンならではの設計思想に触れつつ、ドローン前提社会に向けた戦略までお伺いします。
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『部品の仕事』第16回は車載エレクトロニクスに特化した会社クラリオンの後編です。前編に引き続き、カーオーディオにおける音のチューニング方法、同社が提供する「フルデジタルサウンド」の特性やユーザーにもたらす効果をお伺いしました。更に、インタビュー後に野地氏がデモンストレーション・カー試乗し、ユーザー起点の「部品の仕事」として創られた音像環境を体感した様子もご紹介します。
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2020年1月15~17日に、東京ビッグサイトにて「ネプコンジャパン2020」が開催されました。本展示会はエレクトロニクスにおける製品開発・製造に関する展示会です。今回は、クルマの電動化・電子化を見すえた展示に注目し、独自積層技術により開発された黒鉛熱伝導シートと、クリーン環境で高精度な微細加工を実現するブラスト技術をご紹介します。
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2019年12月18~21日に、東京ビッグサイトにて「2019国際ロボット展」が開催されました。本展示会は、ロボット利用技術の向上と市場の開拓、ロボットの市場創出のために開かれたロボット技術総合展です。今回は、人と機械が協働する社会の姿に注目し、産業用や生活に身近なロボットとして「バリ取りロボット」・「アバターロボット」・「射出成形機に搭載する振動制御ロボット」の展示内容をご紹介します。
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2020年1月15~17日に、東京ビックサイトで「第12回 オートモーティブワールド2020」が開催されました。同展示会では、CASE時代に向け自動車業界のみならず、その周辺の関連技術も多く出展されていました。今回は「SiCパワーデバイス半導体を利用したワイヤレス給電インホイールモータ」、「空中浮遊ディスプレイ」、「温度制御用ペルチェ素子」という3つの展示に注目し、CASE時代に向けた取組みをお伺いしました。
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野地秩嘉氏の連載『部品の仕事』第15回は、車載エレクトロニクスに特化した会社のクラリオンです。同社が製品開発を行うのが、自動車を購入すると標準で搭載されているオーディオシステム。ベアリングやワイヤハーネスなどの自動車会社と部品会社の技術者が一体で行ってきた自動車部品開発とは異なり、ユーザーの好みを知ることが重要です。今回は、カーオーディオの変遷と車内空間におけるサウンドチューニングの必要性など伺いながら、ユーザー起点の「部品の仕事」を探っていきます。
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2019年12月11~13日に、東京ビッグサイトにて「SEMICON JAPAN 2019」が開催されました。本展示会は、半導体製造の全工程、自動車産業やエレクトロニクス産業など製造サプライチェーンのために開催されています。今回は、異物混入対策にもなるクリーンな近赤外線加熱ユニット、生産性向上に寄与する真空ベローズ・ゲートバルブを提供する2社に注目し、半導体の研究開発や製造に欠かせない製品開発について詳しくお話をお伺いしました。
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日々新しい製品が登場する家電業界。そんな中、「おもしろくて役に立つ」を基本コンセプトに面白家電で急成長を遂げているのが秋葉原にオフィスを持つ「サンコー(THANKO)」です。今回は、アイデアの商品化までの企画や開発におけるユニークな手法や苦労について、同社の商品企画部や広報部の社員に直接お話をお伺いしました。