資本主義のもと大量生産・大量消費が宿命づけられた製造業も、デジタル化が進行しモノに縛られない価値観が生まれるなか変革期を迎えています。ものづくり・製品開発の在り方を変えうる技術として注目を集める3Dプリンター。 ここでは、様々な材料(プラスチック樹脂・金属)・手法による、3Dプリンタの基礎知識やトレンド、事例紹介に関する記事を集めました。
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金沢大学設計製造技術研究所でのモノづくり研究開発動向を紹介する連載第4回では、引き続き古本達明教授に高精度化に向けた金属AM(金属3Dプリンター)の研究開発について伺います。同研究では、高速度カメラ用いて金属AM造形時のスパッタやヒュームの発生などを可視化することで、その発生要因を探っています。今回は、高速度カメラによる可視化の特徴をはじめ、造形と切削を交互に繰り返す技術を用いた水管の高精度金型加工の実例をご紹介します。
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地域のモノづくり技術を活かし、新たなオープン・イノベーションを模索する金沢大学 設計製造技術研究所でのモノづくり研究開発動向を紹介している本連載。第3回は、金属AM(金属3Dプリンター)に注目し、金属AMによる金型製作の高精度化研究を行う金属AM研究班の古本達明教授に、金属AMの課題や高精度化に向けた研究アプローチについてお伺いしました。
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電子顕微鏡や表面分析装置、金属3Dプリンター・・・先端的なものづくり現場で使用される装置ですが、共通するパーツは何だかご存知でしょうか?その答えは、電子源。電子線の放出源となる、なくてはならないパーツです。今回は、電子源の中でも世界に数社しかないといわれる金属単結晶を使用した電子源を製造し、米国オレゴン州に拠点を置くApplied Physics Technologies, Inc.(APTech)の製品とその技術力について迫ります。
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3Dプリンターは、自由自在な形状が実現できることや、従来の工法では複数の部品を組み合わせる必要があったパーツを一体で造形できるなど、さまざまな利点があります。一方で工法として造形物のサイズ制約や造形時間・コストなどの課題が存在し、「限界」もあります。10回にわたって連載してきた「樹脂3Dプリンター入門講座」、最終回では3Dプリンターの「限界」とそれを乗り越えようとする3つの取り組みについてご紹介します。
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産業の空洞化だけでなく、地域医療の存続も課題となっています。高度な技術を要する外科手術では、構造が複雑かつ独特な質感の臓器を扱うため、経験に頼る部分が大きいものでした。こうした経験不足を埋め若手医師や研修医の技術を高めるため、地場の中小企業2社と地域医療機関が手を組み、安価、かつ精巧な臓器模型を製作する取り組みが始まっています。今回は、引き続き伊那市で進められている共同開発プロジェクトについてご紹介します。
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3Dプリンターの世界では装置だけでなく、3Dプリンターで使う材料も日々、進化を続けています。装置により使われる材料のバリエーションは異なりますが、廉価な装置でも使用可能な材料が増えているだけなく、造形の難しさを解消する新材料も開発されています。今回は、FDM(熱溶解積層)と粉末焼結積層造形における3Dプリンター向け新材料について、様々な材料メーカーの開発動向をご紹介していきます。
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試作といえば、真先に3Dプリンターを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。今やモノを作る過程で欠かせない3Dプリンターですが、3Dプリンター以外の加工方法は非常に多岐にわたり、自分の試作に最適な方法を選択する必要があります。今回は、3Dプリンターのメリットデメリットを解説しながら、CAEや切削加工、成形加工など試作でよく使われる加工方法についてご紹介します。
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3Dプリンターで樹脂造形品を作る時、どのような材料を選べばよいのでしょうか。材料の選定は3Dプリンターの機種で決まる部分もありますが、各材料の特徴や用途を知っておけば、作る目的に最適な材料を選ぶことができます。今回は、PLA、ABS樹脂等の汎用プラスチックやPC、ポリアミド(ナイロン樹脂)のエンジニアリングプラスチックなどの材料の特徴と用途についてご紹介します。
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これまでの連載では、3Dプリンターの代表的な造形手法を紹介してきましたが、その他にも、汎用的な3Dプリンターとしては一般的ではないものの、特徴のある造形手法があります。今回は、シート積層法、DLS、ペレット溶解積層方式、SHSといった4つの造形手法に注目し、概要や特徴、利点など他の手法と比較しながら解説していきます。
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製品のアイデアを具体化して世に出すためには、製品開発を通じて企画から設計・試作、量産化までのフローが行われます。本連載は、知ってるようで知らなかった、実際の製品の量産試作についての基礎知識を解説します。今回は、製品企画から量産試作までの全体的な進め方に注目して、注意すべき製品の仕様と「デザインの肝」の理解、3段階の試作工程について解説します。
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FDM(熱溶解積層)、光造形(SLA、DLP)、粉末焼結積層造形など、樹脂3Dプリンターの主な造形手法では、単色(1色)の造形物が得られます。しかし、一つのパーツでも面ごとに色を変えたり、マーブル模様といった出力ができる機種も存在し、試作の時点でカラーの検討が可能になるだけでなく3Dプリンターのボクセルデータ対応と合わさることで、用途が拡大しています。今回は、フルカラーの造形物が作れる3Dプリンターについて紹介します。
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一部の3Dプリンターでは使用される素材から排出される物質に対し、安全性を懸念する声もあります。しかし近年、その安全性を考慮した3Dプリンターが登場したことをご存知でしょうか?今回は、安全性や後処理の簡素化、更にはセキュリティ面などの「これまでの3Dプリンターの課題を解決する」と謳う3Dプリンターを製造している米ボストンのメーカー、RIZE(ライズ)CEOのAndy Kalambi氏にその特徴とSmart Spacesコンセプトについてお話を伺いました。
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3Dプリンターの造形手法「粉末焼結積層造形」は、他の造形手法とは異なりサポート材が不要であり、さらに強度と耐久性に優れるという特徴を持ちます。本手法は、金属造形で良く知られていますが、樹脂造形の方が先に誕生しています。今回は、樹脂の粉末焼結積層造形法に注目し、そのなかでも選択的レーザー焼結法(SLS)の開発経緯や造形原理についてご紹介します。
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3Dプリンターの4つの主な造形手法の中で、最も古く開発されたといわれている光造形法(SLA、DLP)。光造形法3Dプリンターは、スピーディになめらかな面を作ることができる特徴を持ち、試作向け造形機として用いられてきました。今回は、その光造形法3Dプリンター開発の歴史に加え、各々の光造形法の原理について詳しく解説していきます。
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近年、製造開発において多種多様な3Dプリンターが活用されています。従来はプラスチック素材の利用が主でしたが、金属、カーボン複合材・ガラス繊維などのコンポジット(複合材)を扱うことのできる3Dプリンターが登場しています。今回は、3Dプリンターの開発状況や3Dプリントのメリットを最大限に生かすための考え方「DFAM」について、3D Printing Corporationの最高技術責任者 古賀洋一郎(こがよういちろう)氏にお話をお伺いしました。
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熱溶解積層法(FDM)を開発した3Dプリンターメーカーであるストラタシス・ジャパンは、2019年に産業グレードの3種類(Antero840CN03, Diran 410MF07, ABS-ESD7)の新たな熱可塑性プラスチック材料を発表しました。今回は、FDM 3Dプリンターに使われる熱可塑性プラスチック材料の開発動向や、同社が発表した新たな熱可塑性プラスチック材料の特徴や用途についてお話を伺いました。
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3Dプリンターの代表的な造形手法として、FDM(熱溶解積層)、光造形法(SLA、DLP)、インクジェット式、粉末焼結積層造形の4つが知られています。今回は、4つの造形手法のうち、FDM、光造形法、インクジェット式にフォーカスし、造形工程などを解説しながら、近年の3Dプリンターの価格や機能・機種の変化などのトレンドも紹介していきます。
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3Dプリンターには造形手法が複数存在しており、それらは組み合わせて使われたり、これら組み合わされた手法を「独自手法」としてうたったりするものもあるため、体系的に理解することが難しい課題があります。今回より、プラスチックを対象とした3Dプリンターにおける積層造形に注目し、その中でもよく知られているFDM、光造形法、インクジェット式、粉末焼結積層造形の4つの手法や用いられる樹脂材料について解説していきます。
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低価格のエントリー機の登場により一躍注目の的となった3Dプリンター。自由な形がすぐに作れる「魔法の箱」のように持て囃される一方、基礎となる積層造形技術は製造業ではすでに一般的な技術であり、実は日本人が最初に特許出願していたことなどはあまり知られていません。本記事では、樹脂3Dプリンターに注目し、これまでの3Dプリンターの歴史や特徴、製造業における代表的な3つの用途について解説します。
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近年AM(付加製造:Additive Manufacturing)と呼ばれる3Dプリンターを利用し製造される金属部品のなかには、金属粉末射出成形(MIM)向けの材料が使用されるものもあります。では、AMはMIMの領域を侵食するものなのでしょうか? いえ、むしろMIMの市場が拡大するうえで共存共栄できるのです。最終回は、AMの現状とMIMとの違い、金属3Dプリンターによってお互いが共存できるモデルについてご紹介します。