20世紀の航空宇宙産業を牽引したのは、軍事需要でした。
-
低コストかつ短期間で開発可能な超小型衛星の実用化によって、これまではまったく宇宙とは縁のなかった企業も宇宙ビジネスに参入しだしています。その背景には超小型衛星で取得したデータを活用しビジネスをしたいというニーズの増加があるといいます。今回も引き続き、九州工業大学の趙孟佑教授に、そういったニーズに答えるべく設立した超小型衛星試験センターの活用事例や宇宙産業の多様化に向けた今後の取り組みについてお話を伺いました。
-
従来の宇宙開発は、NASAやJAXAなどの国家機関が主導して行われてきました。高信頼性を追求した大型の宇宙システムが多用されるため、民間企業や途上国にとって宇宙利用には高い障壁がありました。しかし近年、重量1kg〜数十kgの超小型衛星が開発され、次々に打ち上げられています。今回は、1辺約10cmの立方体の超小型衛星の研究開発をリードする九州工業大学の革新的宇宙利用実証ラボラトリーの趙孟佑教授に、超小型衛星普及の背景やその可能性についてお話を伺いました。
-
2020年11月4~6日まで、東京ビッグサイトにて「N+ エヌプラス(新たな価値をプラスする素材・技術・機械の展示会)」が開催されました。「新たな価値をプラスする」という言葉の通り、出展社がここぞという独自の技術やサービスをアピールする場となっていました。また同時開催のフライングカーテクノロジーなど車両関係の展示会なども大変盛況でした。今回は、電食を防止する表面処理技術や人命救助向け大型ドローンなどについてご紹介します。
-
2020年10月20日~21日に神戸国際展示場で「エンジンフォーラム神戸」が開催されました。本展示会は、航空エンジンや産業用ガスタービンエンジン等に特化した国際的な展示商談会で、日本での開催は初めてです。コロナ禍とはいえ海外からの参加社や団体も多く見受けられ、さらに大手企業と国内の他産業とのマッチングなども盛んに行われていたようです。今回は、航空機関連のものづくり技術と各地の航空機クラスターの様子についてご紹介します。
-
航空機産業に携わる中小企業を支援する取り組みも行っている東京都立産業技術研究センター(以下都産技研)。製品開発における各種試験用設備・機器やソフトウェア解析環境などが主な支援内容です。今回は、産業分野においてドローンの普及を妨げてきた代表的な技術的課題「飛行時間」の向上にむけ、ドローン向けガソリンエンジンの製品化を行った株式会社コバヤシ精密工業に、都産技研と産学連携で挑んだ開発ストーリーを伺いました。
-
中小企業単独での製品開発は、専門性や設備面、費用面で限界があるなか、東京都立産業技術研究センター(都産技研)は、中小企業と研究開発や試験分析を共同で行うなど、設計や開発をバックアップしてきました。今回は、都産技研が行う航空機産業に携わる中小企業支援の取り組みにフォーカスをあて、その背景や支援事例を伺います。また、コロナ禍において人の移動が制限され航空機産業に逆風が吹くなか、中小製造業が生き残るヒントもお聞きしました。
-
100kgの高精細小型SAR(Synthetic Aperture Radar)衛星、「イザナギ」はご存知でしょうか?マイクロ波を使って地表面を観測する衛星は過去にもありましたが、同衛星は独自構造の超軽量展開型パラボラアンテナにより1mの高分解能と従来品約1/20の軽量化を実現しています。今回は、九州大学発の宇宙ベンチャー企業であるQPS研究所に、地場企業の協力によりわずか1年半で高精細小型衛星の開発に成功したストーリーをお聞きします。
-
エアロネクスト社は、4D GRAVITY(R)技術をコア・コンピタンスに社会に実装していくことを目的とした会社ですが、そのビジネスモデルは、「技術」と「特許」と「ブランド」を同社が持つ4D GRAVITYという商品にまとめ、これをドローンメーカーのライセンスするものです。今回は、同社が知財戦略を非常に重視している理由、さらにこれからのドローン前提社会に向けた次なる戦略についてエアロネクスト代表取締役CEO田路圭輔氏にお伺いします。
-
小型のカメラを搭載し上空からの撮影を目的としてリリースされた無人航空機(ドローン)。その用途も空撮から測量点検へ移行し、2019年からは次なる物流まで広がっています。今回は、ドローン・アーキテクチャの研究開発を行うエアロネクストに、当社の中核となる重心制御技術「4D GRAVITY (R)」を解説頂くことで物流ドローンならではの設計思想に触れつつ、ドローン前提社会に向けた戦略までお伺いします。
-
テクノロジーの発展により製品の姿が変わってしまい、これまで使われていた部品の製作を担っていた加工事業者のなかには経営危機を迎える企業が出てきています。由紀精密はそんな危機を乗り越え、自社の技術力を生かし、航空宇宙などの先端分野に事業をシフトすることで、業績をV字回復させました。事業の転換を図っていった経緯について技術開発事業部 事業部長の永松純(ながまつ・じゅん)氏にお話を伺いました。
-
2040年、月には1,000人が居住し、年間に数万人が月面旅行に訪れる時代が来ると言われ、世界各国で民間による月面着陸ミッションが進んでいます。その中でも注目される日本のスタートアップであるispaceは、30kgほどの積載量の小型着陸船と、無人探査ローバーを開発しており、2021年の月面着陸に向けて準備を進めています。今回は月を目指す理由やispaceが開発する過酷な環境に耐えうるローバーやランダーについてお伺いします。
-
スマートフォンやタブレットなどの機器や電子部品、自動車や航空機に至るまで、あらゆる工業製品に組み込まれたレアメタルの安定確保は、製造業界にとって重要な課題です。今回は、非鉄金属専門商社としてトレーディング、リサイクル、コンサルティングの3領域で課題解決を行う矢野金属株式会社の矢野和義代表取締役に、同社の特徴や強み、今後の展開についてお聞きました。
-
航空ジェットエンジンの重要パーツであるタービンブレード。高温、高い遠心力に耐えることができる金属材料を複雑な形状に加工する「精密鋳造技術」の進展によって、タービンブレードの高性能化、ひいてはジェットエンジンの燃費向上が実現されてきました。今回は航空宇宙分野の市場動向に触れつつ、同分野における精密鋳造技術の開発状況を詳しく解説します。
-
精密鋳造法の中でも最も広い用途に用いられているロストワックス精密鋳造法は、1930年代以降に工業用技術として確立されてから、航空機用ジェットエンジン用のタービンブレードなど多くの機械構造部品製造に利用されてきました。今回はその歴史に触れつつ用途や加工方法の特徴について解説します。
-
ドローン製品の中では主流とはいえないシングルローター機ですが、実際にはメジャーなマルチコプタータイプでは敵わない長所が多くあります。株式会社プロドローンでは、その長所を活かし航続距離の長い軽量型のシングルローター機も開発しています。今回は同社が追求し続ける工夫から生まれた、プロドローン式のシングルローター機の設計思想や開発指針についてお話を伺いました。
-
現在ドローンは、農業や産業などの業種分野、空撮や測量などの用途で幅広く活用・研究されています。なかでも注目されているものが、産業用インスペクション(調査・点検)ドローンです。今回は「ものづくり」の観点から、国産ドローン専門メーカーである株式会社プロドローン開発1部の伊藤聖人氏と山口明彦氏、製造・フライヤー・サービス部の林信秀氏にドローン開発で蓄積してきた経験とノウハウについてお話を伺いました。
-
航空宇宙産業が盛んな愛知県で、医療用機器向けの電磁弁や流体機器の中堅専門メーカーとして国内外で高い評価を受けてきた創業60周年の高砂電気工業。この企業も航空宇宙分野へ意欲的に進出しようとしています。その戦略を浅井社長はじめ担当者の方にお伺いしました。
-
近年、合従連衡と寡占化が進む世界の航空機産業。ボーイング社とエアバス社の下に続く中型機メーカーもほとんどが外国勢です。日本ではMRJが、そこに割って入ろうとしていますが、そう簡単ではありません。今回、航空機の構造体組み立てや艤装、塗装などを主な業務として行う愛知県弥富市の株式会社エアロに現状を伺いました。
-
現在、空の移動手段と言えば主に飛行機とヘリコプターです。しかし、目下期待されているのが人を乗せて空中を移動する「空飛ぶクルマ」です。日本には空飛ぶクルマを目指して活動する企業や団体がいくつかありますが、今回、空飛ぶクルマの共同開発を行う有志団体CARTIVATORと株式会社SkyDriveの2つの組織に、そのビジョンや技術的な実現性についてお話を伺いました。
-
戦前から日本の航空産業を支えてきた愛知県。この系譜は敗戦でいったんは途切れたものの、戦後初の国産機YS-11の生産が愛知県小牧市で行われたことで息を吹き返します。今回、愛知県を中心とした中部地域が牽引する国内航空宇宙産業の現状と愛知県の支援内容について愛知県経済産業局の方にお話を伺いました。