日本のものづくりを支えてきた自動車も、2016年にダイムラー社が提唱したCASE (Connected, Autonomous, Shared, Electric)への対応が進められ、ものづくりも大きな変革期を迎えました。自動車業界の開発現場に役立つ基礎知識やトレンド、ノウハウを紹介します。
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最近よく耳にする「MaaS」ですが、民間の事業者の中ではMaaS事業を実際どうしたらいいのか悩んでいる方も多いらしいです。「マルチタスク車両」の取り組みがそのヒントになるかもしれません。今回は、用途によって車内レイアウトを変更できるMaaS向け「マルチタスク車両」を発表したMONET Technologiesに、その開発経緯や車内レイアウトの架装、次世代MaaS向け車両の要件についてお伺いいたします。
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「ものづくり」の雄のトップから「ものづくり日本」再興の指針へのヒントを伺う連載第2回では、引き続きアルプスアルパインの栗山社長に、コロナ禍における経営戦略について伺いました。1948年に前身となる「片岡電気」として総勢23人の町工場からはじまり、従業員4万人を超えるグローバル企業に成長した当社が進めてきた「ニッチトップ」戦略。その戦略はコロナという逆境でも、変わりません。
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新型コロナウィルスは世界に感染を広げ、経済、社会に大きな影響を与えています。グローバル化が進む製造業のサプライチェーンを寸断、日本の経済を支えてきた製造業もその洗礼を受けています。本連載では、ニューノーマルにおける「ものづくり」の雄のトップから「ものづくり日本」再興の指針へのヒントを伺います。
第1回は、電子部品事業と車載情報事業を中核にすえ、世界展開するアルプスアルパインの栗山年弘社長です。コロナ禍におけるものづくりや、見通しや経営戦略、テレワーク実態についてお伺いしました。
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車椅子が必要な障がい者が、ベッドから車椅子に乗るという一瞬の動作は、障がい者の全体重を支え立ち上がらせるなど介助者に身体的負担になっているそうです。今回は、様々なロボット開発の実績を持ち、障がい者が一人でも前傾姿勢で乗り込んで日常生活しやすい乗り物を開発した株式会社テムザックに、ユニバーサルなビークルの開発ストーリーだけでなく、将来のスマートモビリティとしての可能性まで伺いました。
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旅先や、公園、大学の構内などを移動するのに、目的地までのあと少しの距離、ラストワンマイルを埋める乗り物があると便利だと思いませんか。しかも、その乗り物が、風船のように膨らませて乗ることができて、折り畳めてバックに入る大きさだとしたら?今回は、本電動バイクの開発を主導するERATO川原万有網プロジェクトの佐藤宏樹氏に、その開発ストーリーに加え未来のモビリティの概念についてもお伺いしました。
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『部品の仕事』第22回(最終回)は自動車内外装のトータルサプライヤーである名古屋の林テレンプ後編です。EV時代を迎え自動車業界が大きく変化していくなか、車の内装部品の一つであるフロアカーペットの機能を高めるためにはどのような研究開発が行われているのでしょうか。万人が好きな静かさを追求するために当社が構築した「音」の研究開発現場を伺いながら、「部品の仕事」をする人物像について野地氏が迫ります。
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今回で第21回となる、1年近く連載を続けてきた野地秩嘉氏の『部品の仕事』。最後にご紹介する会社は、永きにわたって自動車内外装を手掛けてきた名古屋の林テレンプです。私たちが車に乗るたびに目にし、触れる、身近な“部品”である車の外装と内装。以前は単に“加飾”としてだけの内装が、近年、より具体的な機能を求めて開発されてきたと言います。今回は、車の内装部品の一つであるフロアカーペットの製作過程やその機能を伺いながら、「内装部品の仕事」を探っていきます。
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『部品の仕事』第20回はボールジョイントなどの自動車部品を開発・製造している浜松のソミック石川の後編です。自動車には欠かせないボールジョイントですが、『利益の10%は耐久試験、開発にまわす』同社において、その性能を高める技術や方法には何があるでしょうか。さらに、技術者が語るボールジョイントに対する思いと「完成車開発の一端を担っている」部品の仕事へのモチベーションについて野地氏が探ります。
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野地秩嘉氏の連載『部品の仕事』第19回は、ボールジョイントなどの自動車部品を扱う浜松のソミック石川です。どんな車にも必ず装備されているボールジョイントは、タイヤとサスペンションアームの間で関節のように働き、路面からの衝撃や振動を吸収する、言わば事故を起こさないために壊れてはいけない部品です。今回は、ボールジョイントの基本的な役目から、設計ノウハウまで伺うなかで、「走っている車の数だけ売れる部品」の仕事に迫ります。
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『部品の仕事』第18回はクラッチを開発・製造している会社エフ・シー・シー(F.C.C)の後編です。ギアシフトが必要ないとも言われるEV時代に今後クラッチメーカーはどういう形で対応し、クラッチはどう活用されていくのでしょうか。レースによって磨かれるというクラッチの技術をお伺いしながら、試作部門と開発研究部門がチームになって必死に考えて提案をしていくという部品会社での仕事の魅力や将来性を野地氏が探ります。
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クラッチ、と聞けばマニュアル自動車を運転したことがある読者ならば馴染み深い言葉でしょう。運転好きなら「半クラ」という足さばきがお得意な方もいらっしゃるでしょう。野地秩嘉氏の連載『部品の仕事』第17回では、長くクラッチの製造を手掛けている静岡のエフ・シー・シー(以下F.C.C.)を訪ねました。野地氏はここでクラッチの奥深さを知ることになります。
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ブレイクスルーであるSPCCI(火花点火制御圧縮着火)技術を生み出し、こだわり抜いて開発されたスカイアクティブX。しかし、スカイアクティブXは、発売前に急きょ発売が延期されます。そこにはどのような事情があったのでしょうか。最終話となる今回は、発売延期の理由とそもそも画期的新エンジンを生み出せたメーカー「マツダ」がもつ理念についてお伺いしました。
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ガソリンエンジンならではの伸びのよさに、ディーゼルエンジンの優れた燃費・トルク・レスポンスといった特長を融合したマツダ「スカイアクティブX」。HCCIの研究に50年を費やした研究者もいる中で、このエポックメイキングなSPCCIエンジンは、どのような発想、技術から開発されたのでしょうか。今回も引き続き、マツタのエンジニアの方々に開発に至るまでの長い道のりと乗り心地についてお話をお聞きします。
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2020年2月5~6日に、名古屋市の吹上ホールにて「第9回 次世代ものづくり基盤技術産業展 TECH Biz EXPO」が開催されました。次世代産業の基盤技術を中心に既存産業、産学官連携などとの融合を目指した本展示会では、主に自動車産業に関する基盤技術、素材技術、製造加工技術などが多く展示されていました。今回は、その中から炭素繊維と表面処理の技術に注目し、「炭素繊維のリサイクル技術」、「小型化に成功したASP窒化処理」、「炭素繊維の低価格化への試み」の3つをご紹介します。
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2020年2月5~6日に広島産業会館で「ひろしまAI・IoT進化型ロボット展示会2020」が開催されました。本展示会は、東京で開催される「国際ロボット展」の地方版として始まり、全国から広島県内の需要に期待したロボット関係企業や、地元の自動車産業の関連企業などの趣向を凝らした展示が特徴です。今回は、広島の企業に注目し、「無人稼働を目指す次世代スマートファクトリー」と「地元企業が作る、新しい形の産業用制御ロボット」をご紹介します。
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世界中の自動車メーカーが開発を急ぐHCCI(予混合圧縮着火)の圧縮着火の原理を、独自の技術で応用しSPCCI(火花点火制御圧縮着火)エンジンを実現したマツダ「スカイアクティブX」。本連載では、マツダ株式会社の担当エンジニアの方々にお伺いした「スカイアクティブX」開発ストーリーをお届けします。今回は、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの“良いとこ取り”を実現した燃料噴射のタイミングの調整、ピストンの形状などさまざまな工夫をご紹介します。
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2020年1月29~31日に東京国際展示場で「コンバーティングテクノロジー総合展2020」が開催されました。本展示会では、フィルム・シートや不織布、合成紙などのウェブ・シート素材を加工する技術とその関連機器の展示が行われています。今回は、ものづくりのワザのコラボレーション・集積に注目し、「MR流体を使ったブレーキ開発技術」、「セルロースナノファイバーで作る透明な紙」、「先端技術と伝統工芸の融合技術」の3つの展示をご紹介します。
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2020年2月5〜7日に第41回工業技術見本市「テクニカルショウヨコハマ2020」がパシフィコ横浜で開催されました。加工や産業用・生活支援ロボットなどテーマごとに7つのゾーンで構成され、横浜を舞台に過去40回の開催の歴史があり、地域に根ざした同イベント。今回は、電磁波シールド樹脂めっき、金型レスにより短納期を実現した試作部品提供サービスやロボットなど、時代の変化に伴うニーズに対応した技術に注目しました。
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2020年2月7~12日に、インドの首都デリー近郊の街グレーター・ノイダにて世界有数の自動車ショー「AUTO EXPO 2020(デリーモーターショー)」が開催されました。インドは自動車マーケットの次なるフロンティアとして注目されていますが、国内経済格差が存在し自動車が一家に一台にはまだ遠い現状です。今回は、税制の優遇措置をうけ普及が進む人気車種トレンドや中国勢の攻勢に注目し、ガラパゴス化が進むインドの自動車市場動向を紹介します。
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『部品の仕事』特別編後編では、引き続き「スバルの仕事」をお送りします。今回は、「クルマは動物」の思想から生まれた予防安全技術“アイサイト”の開発経緯に加え、どのような技術進化が行われてきたのか紹介し、中島航空機時代より「技術のパイオニアであれ」と叩き込まれてきた「スバルの仕事」の魅力を野地秩嘉氏独自の視点でひもときます。