イノベーションを創出するためには、現在のトレンドに対する最先端の科学技術動向に加え、幅広い業界の将来予測の把握が必要不可欠といえます。航空宇宙業、輸送機械、家電業界等、さまざまな業界で活躍されている方にお話をお伺いしました。
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2021年5月26~28日に、東京ビッグサイトにて「第30回 Japan IT Week [春] 2021」が開催されました。Japan IT Weekは、ITシステム、IoT、5G、AIなどのIT系の企業が出展する展示会です。今回はオフライン開催に併せ、6月のオンライン展示会の開催によって、より多くの人に向けて企業交流、技術展示が行われていました。今回は、山間部に設置したカメラ内蔵LoRaデバイスを使った画像監視システムや感圧センサーに使える導電性の不織布などの最新技術をリアル展示会から紹介するほか、スタンドアローンで使用可能なキャリアボードをオンライン展示会からご紹介致します。
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2021年4月14~17日に、東京ビッグサイトにて「INTERMOLD2021/金型展2021/金属プレス加工技術展2021」が開催されました。同展示会は、国内外の工作機械などの設備機器メーカーや金型メーカー、プレス加工メーカーなどが出展している、最先端の金型加工技術が集結する専門展です。新型コロナウイルスの影響でオフラインでの開催は2年ぶりとなります。今回は、超硬合金のCVDコーティングや、超短パルスレーザによる摩擦特性に優れた切削工具製作など、最新金属加工技術についてご紹介します。
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ブレイン・マシン・インターフェース(以下BMI)技術は、頭皮の外側から脳波を計測する装置を搭載したヘッドギアをつけて行う「非侵襲型」が主流ですが、脳との間に隔たりがあるため脳波にノイズが混ざり精度に欠けてしまうのが難点となっています。そこで、頭蓋骨を外して電極を挿す、つまり身体に手を加える「侵襲型」が提案されていますが、その普及には心理的ハードルが懸念されているようです。今回は、アンドロイド研究の第一人者である株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)の石黒浩氏に、「侵襲型」BMI普及における心理的ハードルに関する見解と、その普及が社会にもたらすインパクトについてお話を伺いました。
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人間の脳波を利用して脳とマシンを直接つなぎ、頭で動けと念じるだけでモノを動かせる技術、「ブレイン・マシン・インターフェース(以下BMI)」をご存じでしょうか。従来、BMIは身体の麻痺や欠損による障がいを補うことを主な目的として研究が進められてきました。しかし、最近の研究により健常者にとってもBMI使用は脳機能向上などメリットがあることが示唆されました。今回は、BMI使用による人間の身体機能拡張への可能性を研究している株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)の西尾修一氏に、BMIを用いた「第3の腕」を動かす実験や、その結果得られた健常者へのメリット、また実用化までのハードルについてお話を伺いました。
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高血圧症は、がんに次ぐ日本人の死因である脳心血管病の重大な危険因子であり、現在日本には約4,300万人の患者がいると言われています。高血圧症の治療は適切な血圧値を維持するための薬を服用し続ける必要がありますが、多くの患者は薬をもらうための通院が続けられず治療を中断してしまうといいます。今回は、高血圧症患者が通院せず自宅でも薬を服用し続けられるサービスを提供している一般社団法人テレメディーズの谷田部淳一医師に、高血圧のオンライン診療の仕組みと今後と課題についてお話を伺いました。
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地熱発電は、輸入に頼らない純国産のエネルギーであり、マグマの蒸気を使ってタービンを回すためCO₂排出量が他の再生エネルギーより少ないなどのメリットがあります。しかし、日本はそのポテンシャルを十分に生かしきれておらず、それは稼働までのハードルが高いことが大きな要因となっています。今回も引き続き、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)に、地熱発電開発が遅れている要因を伺うとともに、地熱有望地域開拓のため行われる空中物理探査技術、温泉事業者など地域と共存共栄を図る取り組みについてお話を伺いました。
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都市鉱山の存在が知られるようになったのは、2017年東京大会でアスリートに授与される総計約5000個の金・銀・銅メダルの材料を都市鉱山からつくるという取り組みからでした。都市鉱山リサイクルでは、スマートフォンなど電子機器基板等に含まれている金・銀等の貴金属やレアメタル(希少金属)をどのように抽出するのでしょうか。今回は、廃電子基板から金属を抽出し再資源化している株式会社アステック入江に、都市鉱山リサイクルの重要性や、都市鉱山リサイクル方法、エッチング用塩化鉄液のリサイクル方法についてお話を伺いました。
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2021年4月9~10日に、インテックス大阪にて「第47回ジャンボびっくり見本市」が開催されました。ジャンボびっくり見本市とは、東京、大阪にて1975年から開催されている電設業界の大規模な展示会です。新型コロナウイルスの影響で中止された昨年の見本市から約2年ぶりの開催となります。今回は、ハンズフリーの「拡声器」や、搬送用「電動シリンダー」、「リニアコンベアモジュール」など、電設業界の最新動向についてご紹介いたします。
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2021年4月7~9日に、ポートメッセなごやにて「第6回 名古屋ものづくりワールド2021」が開催されました。ものづくりワールドとは、東京、名古屋、大阪にて年に数回開催される機械部品や工場設備、計測機器などに関する大規模な展示会です。本回は新型コロナウイルスの影響が若干落ち着きを見せていた時期と重なったこともあり、昨年より多くの企業の出展が見られました。今回は、ディンプル加工用「タイリング工具」や、「ファインセラミックス加工」などものづくり最新動向をご紹介致します。
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2021年4月14~16日に、東京ビッグサイトにて「Medtec Japan」が開催されました。Medtec Japanは、今年で12回目となる医療機器の製造・設計に関する展示会です。400弱の国内外企業や団体などが、医療機器のさまざまな最新技術や製品を展示・発表していました。今回は、もともと医療機器メーカーでなかったものづくり企業が自社の加工技術を応用して医療機器などを制作している例も多く、「医療用のコネクター」、曇らない「フェイスシールド」などの最新動向をご紹介致します。
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キウイの栽培に必要な主な気象条件は、キウイの栽培者が蓄積してきた栽培ノウハウといえます。しかし、実際にある土地で栽培をしてみなくても、衛星リモートセンシングデータと地上で得られるさまざまなデータをかけあわせることで、栽培に適した気象条件を満たすキウイの栽培最適地を見つけることができるといいます。今回は、引き続き宇宙ビッグデータを解析・加工し、ビジネスや公共事業向けに提供している株式会社天地人に、農業や観光業などにおける宇宙データ活用事例などを伺いながら、宇宙ビジネスの今後についてお話を伺いました。
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ICTの発展により、近未来の社会が大きく変わるのは間違いない。例えば、すでに「良いものを作れば売れる」という時代は終わりを告げている。これからは、モノを介した「価値」や「体験」の、継続的な提供に成功した企業が顧客に選ばれる。そのような時代に備え、モノづくり企業にはどのような変革が必要となるのか、2冊の書籍から考察する。
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本連載は、再生可能エネルギーの中で大きな割合を占めている太陽エネルギーに注目し、日本太陽エネルギー学会の監修により基礎解説をしていきます。2回目は、政府が表明した2030年度の温室効果ガス排出を2013年度比46%削減するという目標の達成に向けて、その活用が期待されている「太陽電池」についてです。太陽電池の構成単位、太陽電池モジュールの製造プロセス及び性能指標、発電効率を向上させる条件や最新技術について解説します。
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遠隔医療ものづくり技術の最新動向について医療現場からの声をもとに紹介する本連載。6回目は、引き続き「可聴及び可視データで診る聴診器」を紹介します。熊本県の山間地にある人口約700人の町では病院がなく、週2回医師が町の診療所に出張して診察を行っていました。遠隔医療に対応できる聴診器を開発しているAMI株式会社は、この町と遠隔診療の実証事業を進めています。今回は、この町で診療に携わる循環器専門医の丸山英樹氏に、本遠隔診療の特徴と患者さんの反応についてお話を伺いました。
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遠隔医療ものづくり技術の最新動向について医療現場からの声をもとに紹介する本連載。5回目は「可聴及び可視データで診る聴診器」について紹介します。自然災害による被災地やへき地などでは医療機器や医師の不足などにより質の高い医療を受けられない状態にあります。この問題を解決すべく、遠隔医療で高度な診断を可能にするにはどうすべきかを考え、遠隔医療に対応できる聴診器を開発しているAMI株式会社に、同社が遠隔聴診システムを開発したきっかけや今進めている新しい取り組みについてお話を伺いました。
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アルミホットスタンプとは、アルミニウム合金(以下、アルミ)の板材を加熱して軟らかい状態で型に沿って成形する加工技術です。アルミホットスタンプの適用先として、自動車の衝突安全性を高めるためにパネル材料への複雑な構造付与があります。自動車軽量化の流れのなか、パネル材料も鋼板からアルミ板材への変更検討が多く使われるようになり、冷間プレスやダイカストと比較したとき耐食性、内部欠陥の少なさ、成形のしやすさでバランスの良いアルミホットスタンプが注目されています。今回は、適用範囲が広がるアルミホットスタンプに関する技術のメリット・デメリットから開発状況、将来の展望について取材しました。
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シリコンフォトニクスとは、シリコン基板上に光導波路、光スイッチ、光変調器、受光器などの素子を集積する技術です。その経済性、高集積密度、エネルギー効率といった特徴から注目を集めており、近年では通信やセンサ機器への活用、さらにはIoTや5Gの発展と普及に向けた応用が期待されています。今回は、光集積回路をデザイン・提案し、幅広いファウンドリとのネットワークを活かしたサービス提供を行うVLC Photonics社協力のもと、シリコンフォトニクスの基礎知識や研究開発・実用化に関する事例などをご紹介いたします。
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2021年3月17~19日に、東京ビッグサイト(青海展示場)にて「第7回 東京ケアウィーク'21」が開催されました。本展示会は、第7回CareTEX東京をはじめとする6つの展示会を同時開催して毎年行われる、介護、医療、健康施術、関連技術、サービス、まちづくりに関する展示会です。今回は、高齢者向け握力トレーニング装置やオゾン水によって除菌できる手洗い装置、医療現場向け強化磁器など多様な分野の最新動向についてご紹介します。
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2021年3月3~5日に、東京ビッグサイトにて「第17回スマートエネルギーWeek 2021、第3回 資源循環EXPO」が開催されました。本展示会は、毎年東京と大阪でそれぞれ開催される、来場者数万人規模の大規模な展示会です。名前の通り、再生可能エネルギー、自然エネルギー、省エネ・節電など、エネルギーに関するさまざまな技術が展示されている会です。今回は、バッテリー・シェアリング技術や、太陽光発電モジュールの下の緑化技術、再生可能エネルギー発電所の余剰電気の最適な充放電技術など最新技術についてご紹介します。
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2021年2月24~26日に、インテックス大阪にて「第7回 医療と介護の総合展 [大阪](メディカル ジャパン)」が開催されました。本展示会では、病院・クリニックの運営支援、医療機器などの医療分野と、介護、看護をはじめとした介護分野に関わる製品、技術、サービスなどを展示しており、例年は2万人以上が来場する大規模な展示会です。今回は、ガスクロマトグラフィー(GC)の前処理時間を短縮する装置からウイルスが含まれる飛沫をシミュレーションサービスまで、最新医療技術についてご紹介します。