イノベーションを創出するためには、現在のトレンドに対する最先端の科学技術動向に加え、幅広い業界の将来予測の把握が必要不可欠といえます。航空宇宙業、輸送機械、家電業界等、さまざまな業界で活躍されている方にお話をお伺いしました。
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生活に欠かすことのできない電気は、利用するまで幾度となく電力変換が行われています。ところが、この電力変換時における電力損失は、全発電量の10%超を占めることをご存知でしょうか。電力損失を低減させる半導体素子として「パワーデバイス」が注目されており、様々な次世代材料が開発されています。今回は、独自の結晶成長技術により低損失化と低コストを両立した「コランダム構造酸化ガリウム」の開発ストーリーをご紹介します。
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化石燃料を使わず発電時にCO2を排出しない太陽光発電は、循環型エネルギーとして注目されています。この太陽光発電の課題は、ソーラーパネルの「汚れ」による発電効率の低下。日本と比べあまり雨が降らず、膨大な数のパネルを人力で掃除していた中東に、砂漠環境に最適化した掃除機構を有する掃除ロボットを提案した未来機械。今回は、未来機械に前例がなかったソーラーパネル掃除ロボットの開発ストーリーを伺いました。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第3回は、日本電信電話株式会社(以後NTT)から光ファイバー技術を紹介します。2021年夏のオリンピックでは光のネットワークがさまざまな新技術の基盤となって、新しい技術レガシーを生むことは間違いありません。一方で、私たちがごく自然に日々使っている無線通信の先には、電線ではなくガラス質の光ケーブルが使用され、光ネットワークが構築されていることを認識したことがあるでしょうか。今回は、光ネットワークの基盤を作る光ファイバーに注目し、その歴史や研究の進み方を解説頂きました。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第2回目は、引き続き日本電信電話株式会社(以後NTT)から光の最新実用技術を紹介します。今回は、“電気から光”の技術を開発するNTTの研究所から生まれた3つの光の最新実用技術として、超高臨場通信、道案内システム、生体信号を計測する素材を取り上げ、NTTが光通信の活用に執念を燃やす理由について野地氏が迫ります。
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少子高齢化が進む日本で製造業が生き残るために、製造現場の自動化は必要不可欠といえます。そのなかで活用の機会が増えている産業用ロボットは、予めプログラムを教え込む「ティーチング」作業の負荷が大きく、決められた作業の繰返しとなる工場等での利用がメインでした。今回は、ロボットに「目」と「脳」を与え「考えさせる」技術で、様々な労働環境での生産性向上を実現するMUJINに、工場・物流倉庫内作業の自動化技術とその成功の要因について伺いました。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の新連載第1回目は、日本電信電話株式会社(以後NTT)から光の最新実用技術を紹介します。後世に残る業績「レガシー」、1964年の東京オリンピックでは「ピクトグラム」と呼ばれる絵文字によるサインシステムが初めて本格的に導入され、その後世界に広まっていきました。「みんさく」ではTokyoオリンピック2020で期待される各社さまざまな「技術レガシー」に注目します。今回は、「技術レガシー」の定義を行うとともに、NTTが披露するフォトニクス(光)技術を探っていきます。
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緊急事態宣言と自粛要請により、日本の新型コロナウイルス新規感染者数はいったんは押さえ込まれた。だが宣言を解除し、経済活動が再開され、人々が以前と同じ行動様式に戻ると、大都市を中心に感染が再び広がり始めたようだ。今後は経済活動を止めることなく、コロナウイルスと共生する社会への転換が急がれるが、そのためにも、人間とウイルスの関係性、特に社会のあり方や人々の行動様式が感染症拡大に及ぼす影響のメカニズムとの関係をよく理解する必要がある。
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産業の空洞化だけでなく、地域医療の存続も課題となっています。高度な技術を要する外科手術では、構造が複雑かつ独特な質感の臓器を扱うため、経験に頼る部分が大きいものでした。こうした経験不足を埋め若手医師や研修医の技術を高めるため、地場の中小企業2社と地域医療機関が手を組み、安価、かつ精巧な臓器模型を製作する取り組みが始まっています。今回は、引き続き伊那市で進められている共同開発プロジェクトについてご紹介します。
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農業従事者の高齢化や若者の農業離れに加え、コロナウィルスの影響で外国人就労者が減少し、深刻な人手不足に悩む日本の農家。特に人手が足りないのが、毎日一つひとつの収穫の時期を見極める必要のある「選択収穫」作業です。今回は、「雇う人が半減しても、農家の所得が2倍になる未来」をめざし、自動収穫ロボットを開発しているinaho株式会社に、日本の農業の課題と、その解決策についてお伺いました。
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省エネによるCO2削減が喫緊の課題となってきた昨今、グラスウールより軽く断熱性が優れた「エアロゲル」がそのカギになるかもしれません。高価な装置を用いなければ作製することができなかったエアロゲルを、独自の技術で機能を向上しつつ、コストを従来の1/60に削減することに成功したティエムファクトリ株式会社。今回は、技術開発ストーリーだけでなく、サステナブルな社会の実現に向けた想いについて同社代表取締役の山地正洋氏にお話を伺いました。
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AIというと大量の情報を処理する「ソフトウェア」のイメージが強いと思います。実は、このAIも半導体という「ハードウェア」がその進化の鍵を握っているといえます。また、今より高速計算が可能だと言われている量子コンピュータでも、この半導体による制御が重要になります。今回は、AIと量子コンピュータにおける半導体の重要性と、日本の半導体企業の市場状況について紹介します。
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野地秩嘉氏の新連載『TOKYOオリンピック2020と技術レガシー』に先立つ企画対談の後編です。野地氏と、TOKYOオリンピック2020の通信技術をになう日本電信電話株式会社の川添雄彦氏による対談が進むなかで、光技術の可能性や東京オリンピックで登場する技術レガシーだけでなく、研究開発に対する想いまで語って頂きました。
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コロナ禍により、延期決定された2020年東京オリンピック。オリンピックはスポーツの祭典でありながら、さまざまなレガシーを生み出してきた新技術のショーケースでもあります。今回、『部品の仕事』を連載した作家 野地秩嘉氏の新連載『TOKYOオリンピック2020と技術レガシー』に先立ち、野地氏とオリンピックの通信技術を担う日本電信電話株式会社 常務執行役員 研究企画部門長 川添 雄彦氏の技術革新に関する対談が実現しました。
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2020年2月26~28日に幕張メッセで「日本ものづくりワールド2020」が開催されました。本展示会は、製造業の短期開発、生産性向上、品質向上などに関する、設計・製造ソリューション展を軸とする6つの展示会で構成されています。
今回は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けるなかでもユニークな製品展示を行っていた中小企業に注目し、「産業用ロボット向けアクチュエーター」、「圧縮と引っ張りに対応できるスプリング」、「屋内向け広角平面ミラー」についてご紹介します。
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人が立ち入ることが出来ない場所での災害対応や、二次災害の恐れのある災害時の復旧作業を迅速に行えるようにしたい。そんな思いを実現すべく建機の汎用無線遠隔操縦ロボット「アクティブロボSAM」を開発したのが水陸両用車などの特装車を製造販売するコーワテックです。今回はそのロボットの特長と開発経緯について設計部顧問の大橋啓史氏にお話を伺いました。
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2020年2月26~28日にインテックス大阪で「第6回 医療と介護の総合展 [大阪](メディカル ジャパン)が開催されました。本展示会は、東京と大阪の年2回開催されており、医療や介護分野に関わる製品、技術、サービスなどが出展されています。今回は、「歩行訓練情報を見える化する医療用キャスター」、「医療・ライフサイエンス分野の産学連携を支援する関西広域連合」、「医療現場を支えるものづくり技術」についてご紹介します。
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2020年2月13~14日に、京都パルスプラザにて「京都ビジネス交流フェア2020」が開催されました。本展示会には、ものづくり企業やソリューション技術を提供する企業などが多く出展していました。今回は、京都ならでは技術・製品に注目し、「マシニングセンタで作った高温対応真空チャック」、「内歯車の歯面研削技術」、「電動部品用セラミック・ヒートシンク」、「プラスチックの染色技術」の4つをご紹介します。
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『部品の仕事』第18回はクラッチを開発・製造している会社エフ・シー・シー(F.C.C)の後編です。ギアシフトが必要ないとも言われるEV時代に今後クラッチメーカーはどういう形で対応し、クラッチはどう活用されていくのでしょうか。レースによって磨かれるというクラッチの技術をお伺いしながら、試作部門と開発研究部門がチームになって必死に考えて提案をしていくという部品会社での仕事の魅力や将来性を野地氏が探ります。
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100kgの高精細小型SAR(Synthetic Aperture Radar)衛星、「イザナギ」はご存知でしょうか?マイクロ波を使って地表面を観測する衛星は過去にもありましたが、同衛星は独自構造の超軽量展開型パラボラアンテナにより1mの高分解能と従来品約1/20の軽量化を実現しています。今回は、九州大学発の宇宙ベンチャー企業であるQPS研究所に、地場企業の協力によりわずか1年半で高精細小型衛星の開発に成功したストーリーをお聞きします。
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クラッチ、と聞けばマニュアル自動車を運転したことがある読者ならば馴染み深い言葉でしょう。運転好きなら「半クラ」という足さばきがお得意な方もいらっしゃるでしょう。野地秩嘉氏の連載『部品の仕事』第17回では、長くクラッチの製造を手掛けている静岡のエフ・シー・シー(以下F.C.C.)を訪ねました。野地氏はここでクラッチの奥深さを知ることになります。