イノベーションを創出するためには、現在のトレンドに対する最先端の科学技術動向に加え、幅広い業界の将来予測の把握が必要不可欠といえます。航空宇宙業、輸送機械、家電業界等、さまざまな業界で活躍されている方にお話をお伺いしました。
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2020年9月3日~4日に、神戸国際展示場(神戸ポートアイランド)で「国際フロンティア産業メッセ」が開催されました。本展示会は、ものづくり、電気・電子、ロボット、健康・医療、産学連携など、産業のあらゆるジャンルが集う産業総合展示会です。今回は、凸凹壁面も把持する真空吸着グリッパやニッケル系の抗菌めっき技術など様々なジャンルの技術についてご紹介します。
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最近よく耳にする「MaaS」ですが、民間の事業者の中ではMaaS事業を実際どうしたらいいのか悩んでいる方も多いらしいです。「マルチタスク車両」の取り組みがそのヒントになるかもしれません。今回は、用途によって車内レイアウトを変更できるMaaS向け「マルチタスク車両」を発表したMONET Technologiesに、その開発経緯や車内レイアウトの架装、次世代MaaS向け車両の要件についてお伺いいたします。
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AI開発国と聞いて真っ先に思い浮かぶのは米国かもしれませんが、そんな米国に迫る勢いで存在感を増しているのが中国です。中国は2030年までにAI技術を世界最先端のレベルにまで引き上げると発表するほか、AI応用関連の特許出願やAI人材育成に力を入れています。今回は、中国がどのようにして世界をリードするAI大国になろうとしているのか、また中国AI技術の最新動向を8つの事例でご紹介します。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第10回は、引き続きセコムの警備システムを紹介します。「オリンピックの警備は恩返し」というセコム。本大会に向けて、不審者など異常を早期発見する民間警備業の視点から生まれた、上空(俯瞰)、陸上(仮設)、警備員(対人)という3つの視点から統合監視システムを開発しました。今回は、現場担当者に抜擢されたセコムの高橋哲也氏に、技術レガシーとして残っていくことが期待される「統合監視システム」の開発ストーリーをお伺いします。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第9回は、セコムから警備システムを紹介します。夏季大会は競技数や参加選手の数が増加傾向にあることから、大会の警備に多くの大会では軍人が動員されたそうです。しかし、今回の大会では軍人が動員されることはなく、民間警備員や警察官、大会ボランティアが対応する見込みです。今回は、大規模スポーツイベントの警備経験がほぼなかったというセコムが、どのようにして警備システムの開発や大会の警備体制構築を進めていったのかご紹介します。
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私たちの生活を支える、社会インフラ機器などの部品で広く使用されている工業用クロムめっき。しかし、同めっき液に含まれる6価クロムによる廃棄後の土壌汚染や地下水汚染、健康被害の発生が報告されるなど環境や人体に有害な物質としても知られ、EUでは6価クロムの使用を制限する規制が施行されています。今回は、日立製作所 研究開発グループの兼元主任研究員と川村研究員に、このクロムめっきの代替として、クロムめっきに相当する耐食性・耐摩耗性を実現した「多層硬質ニッケルめっき技術」の特徴を解説頂くと共に、同研究成果が持続可能なモノづくりの実現にどのように貢献できるかお伺いしました。
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未来のモビリティ社会に向けて、環境負荷の低減を目的に自動車の消費ガソリンの削減や電気自動車の航続距離の伸長が重要な課題として議論されています。その中で、自動車の軽量化によってこれらの課題に貢献できるとされている炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は、構造部材として実用化に至るケースも見られる一方、コストや量産性といった課題が存在しています。今回は、日立製作所 研究開発グループの近藤研究員に、「動的共有結合樹脂」に注目し生まれた熱硬化性CFRPが持つ二次加工性の特徴や、同材料を用いた自動車の軽量化へ向けた展望についてお伺いしました。
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ITの3大要素となる「コンピュータと通信と半導体」。1980年代半導体メモリが急速に進化しているなか、「通信」ではまだ黒電話のアナログ回線が主力でした。その音声通信を高速のデジタル通信へと牽引したのは、デジタル電話である携帯電話や急速に普及したインターネットでした。今回は、通信トレンドと半導体の関わりに加え、IoTや自律化などが注目される将来の「ITメガトレンド」時代における半導体の役割についてご紹介します。
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車椅子が必要な障がい者が、ベッドから車椅子に乗るという一瞬の動作は、障がい者の全体重を支え立ち上がらせるなど介助者に身体的負担になっているそうです。今回は、様々なロボット開発の実績を持ち、障がい者が一人でも前傾姿勢で乗り込んで日常生活しやすい乗り物を開発した株式会社テムザックに、ユニバーサルなビークルの開発ストーリーだけでなく、将来のスマートモビリティとしての可能性まで伺いました。
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旅先や、公園、大学の構内などを移動するのに、目的地までのあと少しの距離、ラストワンマイルを埋める乗り物があると便利だと思いませんか。しかも、その乗り物が、風船のように膨らませて乗ることができて、折り畳めてバックに入る大きさだとしたら?今回は、本電動バイクの開発を主導するERATO川原万有網プロジェクトの佐藤宏樹氏に、その開発ストーリーに加え未来のモビリティの概念についてもお伺いしました。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第8回は、引き続き機能性寝具を紹介します。眠ることは幸せであり、健康と考えるエアウィーヴ。今回は、アスリートに注目しスポーツビジネス、スポーツマネジメントの進化をうながしたとも言える同社の広告宣伝戦略を紹介します。また、東京2020大会におけるスポーツ記録の進化に注目し、食事、ユニフォームに続き個別化される「睡眠」を実現するふたつの技術レガシーを探ります。
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トランジスタを互いに接続することで構成される集積回路(IC)。IC化は特にコンピュータ分野で大きく進展しましたが、このグローバル化で欠かせなかったものが、デジタル信号の送受信において取り決める約束事、すなわち世界標準のプロトコル(protocol)決定でした。今回は、コンピュータ発展の歴史に注目し、集積回路(IC)の誕生から、世界標準のプロトコルが定められた背景、更にコンピュータ普及に向け割高な専用IC化を解決すべく開発されたマイクロプロセッサ(MPU)とメモリについてご紹介します。
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従来の材料開発より時間とコストを大幅に削減できるという、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)。後編では引き継ぎ、日立製作所研究開発グループの岩崎主管研究員にMIの応用事例をお伺いします。本記事では、異種材料界面の密着強度を高精度でシミュレーションすることで、樹脂、金属に留まらずセラミックスやDNAにまで対象を広げた異種材料接合の設計・導入事例を詳しくご紹介頂きながら、これからのMIや材料研究の展望を探っていきます。
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新型コロナウイルス感染拡大は、なかなか収束しない。仮に収束しても、さらに未知の新型ウイルスがいつ出現するかわからない。そのたびに都市封鎖を繰り返していては、経済は停滞し、社会が崩壊に向かうに違いない。コロナ以前の社会がウイルス感染症に「脆弱」だったのだとすれば、ウィズコロナ/アフターコロナの社会は、その脆弱性をどう解消するかにかかっている。本稿では、そのための方向性を考えてみたい。
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2020年7月29日~31日に、インテックス大阪で開催された「メンテナンス・レジリエンスOSAKA 2020」は、コロナ禍という社会情勢にも関わらず1万人を超える方々が来場しました。本展示会は、工場設備の維持管理・保全技術を対象にし、プラント、インフラをはじめ、ロボットや労働安全など幅広い内容で構成されています。今回は、鉄筋の結束ロボットなどプラントやインフラ現場での活用が期待される技術や衛星システムに頼らないドローンなどの技術についてご紹介します。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第6回目は、引き続き日本電気株式会社(以後NEC)から顔認証技術を紹介します。顔認証システムは、歩いている間に顔の照合は全部終わり、その間「なりすまし入場」を識別するなど、さりげない警備の実現への貢献が期待されています。今回は、これまでの警備員の目視による入場管理と「顔認証」の違いから顔認証技術の特徴を探るほか、生体認証技術における「収集データの質」の重要性について野地氏が迫ります。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第5回は、日本電気株式会社(以後NEC)から顔認証技術を紹介します。「人間ひとりひとりの顔は違う」ことから開発され、主に警備や犯罪捜査などで利用されている顔認証技術。東京オリンピックでは、IDカードを持つ約30万人の選手と関係者が顔認証により会場へのスムーズな入場実現が期待されます。今回は、半世紀以上も生体認証技術を培ってきたNECの顔認証技術に注目し、生体認証研究の歴史に加え、顔認証技術の活用事例についてご解説頂きます。
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昨今のコロナ禍を背景に空気環境の改善に対するニーズが高まっています。殺菌力が高い紫外線を利用した室内空調装置は市販されていますが、「人がいる空間」では利用が難しかったといいます。今回は、「人がいる空間」でも設置でき、ランニングコストを抑えながら浮遊菌を減少できる紫外線照射技術を開発したエネフォレスト株式会社に、商品開発に至る想いとコロナ時代における空気改善に関する意識改革について伺いました。
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日本農家の深刻な人手不足問題を解決すべく、農林水産省は「農業界と経済界の連携による生産性向上モデル農業確立実証事業」を推進し、2016年から2020年にかけて「スマート農業」関係の約60個のプロジェクトを採択し支援しています。今回は、先端農業連携機構で代表を務める株式会社クニエに、同事業に採択された「スマート農業」事例を2つ紹介すると共に、農業と先端技術を組み合わせる際の難しさやコツについてお伺いしました。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第4回は、引き続き光ファイバー技術を紹介します。2000年頃、光通信をいかに家庭まで光を届けるかという、いわゆるFTTH(ファイバー・トゥ・ザ・ホーム)が課題になってきました。今回は、光ネットワーク普及のトリガーとなった、曲げても折っても光信号が届くNTT「曲げフリー光ファイバー」の開発秘話をお伝えするとともに、オールフォトニクスの世界を実現する光トランジスタ開発に注目します。