インタビューや実例をもとに、どのような場面でどのような材料・加工方法が用いられているのか、また、トラブル回避のために起こりやすい不具合事例の紹介や事故原因の解説を集めました。
-
年々存在感を増している大学発ベンチャー。一方、研究開発型ベンチャーの研究成果が事業化まで進めず「死の谷」で終わってしまうケースも多いといいます。この「死の谷」を越えるためには、リスクマネーの供給も重要だそうです。今回は、九州地域から新たな産業を生み出すべく、九州大学を筆頭に九州全域の大学発ベンチャーを支援する「QBファンド」に、同ファンドを設立した経緯や、大学発ベンチャーがビジネス競争のスタート台に立てるための同ファンドの役割について伺いました。
-
今まで見ることのできなかった対象や現象を「見る」ことで理解が進んだり、新しい応用分野、産業が拓けていくことも多くあります。この見える化を可能とするキーテクノロジーが「センサー」です。今回は、このセンサーに注目し、医療向けCTスキャンやX線イメージング技術などの最新センサー技術を解説します。更にセンサーのさらなる社会実装のため乗り越えるべき課題を押さえたうえで、見える化で独自の技術をもつベンチャー企業についてもご紹介します。
-
日本人の死因の上位に入る「脳血管疾患」。多くの場合は手指に麻痺が残り日常生活への影響が大きいと言われています。この手指の動きを助けるリハビリ用装具は、手指の関節が多く骨格が複雑なため、技術的ハードルが高く実用化が難しいと言われてきました。今回は、手指の筋電を感知し動きをサポートする小型で安価なリハビリ用ロボット装具を開発している「メグウェル」に、地場企業と大学がタックを組んだ経緯など開発ストーリーを伺いました。
-
2020年9月9~11日に愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo)で「第5回 名古屋ものづくりワールド2020」が開催されました。ものづくりワールドは、東京、名古屋、大阪で年に3〜4回開催され、機械部品や工場設備、計測機器などに関係する企業や団体が毎年1,000社以上出展している展示会です。今回は、板バネを使った軸継手(カップリング)のような機械部品や、バリ取りの自動化など金属・樹脂加工時の新しい技術についてご紹介します。
-
人類が道具を使い始めた頃にさかのぼるとされる接着・接合技術。原油に含まれる天然のアスファルトからニカワ、漆などまで古くから接着に用いられる材料は多数ありますが、接着のメカニズム自体は、現在においても十分に解明されてはいないそうです。今回は、接着・接合技術の基本的な原理を解説しながら、軽量化、小型化、コスト低減の要求に応えることが期待される通電接合や、難接着材料をくっつけるための表面改質に注目し、接着・接合で独自の技術をもつベンチャー企業についてご紹介します。
-
車やスマートフォン、ドローンといった様々な「最終製品」は技術進歩が非常に早い分野です。これらの分野における技術進歩のカギは、バッテリーやセンサーなど各種の部品であり、その部品を構成する材料が着目した「材料開発」が活発に行われています。今回は、材料開発が活発に行われる理由(企業側のモチベーション(動機))に加え、同分野で注目を集めるマテリアルズ・インフォマティクス(MI)の取組みやそれに関わる計算手法を解説しながら、独自の材料開発技術をもつベンチャー企業をご紹介いたします。
-
新型コロナウイルス感染症への対応の中で、保健所への感染者の報告がファックス経由であるなど、日本のデジタル化の遅れが浮き彫りになった。一方で、デジタル化に対し、あらゆる人の行動がデータ化・監視されたり、自動化技術やAIで人の仕事が奪われたりといった懸念の声も小さくない。今後避けることが難しい「デジタル化時代」に、誰もが自由で豊かになる社会を実現するにはどうすればいいのか。
-
2020年9月9日~11日にインテックス大阪で「第8回 関西スマートエネルギーWeek」が開催されました。東京と大阪で年に2回、再生可能エネルギーや自然エネルギー、電池、省エネ・節電、リサイクル、環境保全対策などの技術を開発・提供する企業や団体が多く出展します。今回は、電池向け溶着技術やバイオマスを使った熱利用技術に加えて、バッテリー駆動のクレーン、配管探査向け尺取虫型ロボットなどについてご紹介します。
-
スマートロックや温湿度センサーなど、あらゆる分野で私たちの生活に浸透しているIoT(モノのインターネット)。一方でIoTの普及に伴い電源問題が浮き彫りになっています。身近な振動や動きで発電する振動発電がその一端を担う技術になるかもしれません。今回は、逆磁歪効果を利用した振動発電技術の基本原理(平行梁型)を発明した金沢大学の上野敏幸准教授に、電池フリーのIoTデバイス実用化に向けた振動発電技術について伺いました。
-
2020年9月3日~4日に、神戸国際展示場(神戸ポートアイランド)で「国際フロンティア産業メッセ」が開催されました。本展示会は、ものづくり、電気・電子、ロボット、健康・医療、産学連携など、産業のあらゆるジャンルが集う産業総合展示会です。今回は、凸凹壁面も把持する真空吸着グリッパやニッケル系の抗菌めっき技術など様々なジャンルの技術についてご紹介します。
-
最近よく耳にする「MaaS」ですが、民間の事業者の中ではMaaS事業を実際どうしたらいいのか悩んでいる方も多いらしいです。「マルチタスク車両」の取り組みがそのヒントになるかもしれません。今回は、用途によって車内レイアウトを変更できるMaaS向け「マルチタスク車両」を発表したMONET Technologiesに、その開発経緯や車内レイアウトの架装、次世代MaaS向け車両の要件についてお伺いいたします。
-
AI開発国と聞いて真っ先に思い浮かぶのは米国かもしれませんが、そんな米国に迫る勢いで存在感を増しているのが中国です。中国は2030年までにAI技術を世界最先端のレベルにまで引き上げると発表するほか、AI応用関連の特許出願やAI人材育成に力を入れています。今回は、中国がどのようにして世界をリードするAI大国になろうとしているのか、また中国AI技術の最新動向を8つの事例でご紹介します。
-
金沢大学設計製造技術研究所でのモノづくり研究開発動向を紹介する連載第6回(最終回)では、引き続き立野大地助教にプレス加工によるCFRPの量産技術の研究開発について伺います。同研究室では、強度を保つために炭素繊維の最適な長さを検討し、金型に入れてプレス加工可能なCFRPの研究開発を行っています。今回は、CFRPの加工における課題をふまえつつ、粘土のように加工の自由度の高いCFRPの作成方法や、金型を使ってCFRPをプレス加工する際の工夫点についてご紹介します。
-
『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第9回は、セコムから警備システムを紹介します。夏季大会は競技数や参加選手の数が増加傾向にあることから、大会の警備に多くの大会では軍人が動員されたそうです。しかし、今回の大会では軍人が動員されることはなく、民間警備員や警察官、大会ボランティアが対応する見込みです。今回は、大規模スポーツイベントの警備経験がほぼなかったというセコムが、どのようにして警備システムの開発や大会の警備体制構築を進めていったのかご紹介します。
-
製品開発の現場では、製品の競争力を高めるために、部品のコスト削減や軽量化が重要な課題となっており、厳しい設計条件が課せられています。このような中で、製品事故を防止し製品全体の信頼性と安全性を確保するために、設計者には迅速で正確な設計計算が求められています。今回は、株式会社日立製作所研究開発グループが提供している機械設計効率化ツール「e設計ハンドブック」の特徴や具体的な使用方法についてご紹介します。
-
地域のモノづくり技術を活かし、新たなオープン・イノベーションを模索する金沢大学 設計製造技術研究所でのモノづくり研究開発動向を紹介している本連載。第5回は、熱可塑性CFRP(炭素繊維強化プラスチック)の量産技術に注目し、プレス加工によるCFRPの量産技術を研究している立野大地助教に、CFRPが量産品でなかなか使われない理由に加え、CFRPを金属のように加工するため強度の方向性を均一化する研究内容についてお伺いしました。
-
金沢大学設計製造技術研究所でのモノづくり研究開発動向を紹介する連載第4回では、引き続き古本達明教授に高精度化に向けた金属AM(金属3Dプリンター)の研究開発について伺います。同研究では、高速度カメラ用いて金属AM造形時のスパッタやヒュームの発生などを可視化することで、その発生要因を探っています。今回は、高速度カメラによる可視化の特徴をはじめ、造形と切削を交互に繰り返す技術を用いた水管の高精度金型加工の実例をご紹介します。
-
車椅子が必要な障がい者が、ベッドから車椅子に乗るという一瞬の動作は、障がい者の全体重を支え立ち上がらせるなど介助者に身体的負担になっているそうです。今回は、様々なロボット開発の実績を持ち、障がい者が一人でも前傾姿勢で乗り込んで日常生活しやすい乗り物を開発した株式会社テムザックに、ユニバーサルなビークルの開発ストーリーだけでなく、将来のスマートモビリティとしての可能性まで伺いました。
-
旅先や、公園、大学の構内などを移動するのに、目的地までのあと少しの距離、ラストワンマイルを埋める乗り物があると便利だと思いませんか。しかも、その乗り物が、風船のように膨らませて乗ることができて、折り畳めてバックに入る大きさだとしたら?今回は、本電動バイクの開発を主導するERATO川原万有網プロジェクトの佐藤宏樹氏に、その開発ストーリーに加え未来のモビリティの概念についてもお伺いしました。
-
地域のモノづくり技術を活かし、新たなオープン・イノベーションを模索する金沢大学 設計製造技術研究所でのモノづくり研究開発動向を紹介している本連載。第3回は、金属AM(金属3Dプリンター)に注目し、金属AMによる金型製作の高精度化研究を行う金属AM研究班の古本達明教授に、金属AMの課題や高精度化に向けた研究アプローチについてお伺いしました。