インタビューや実例をもとに、どのような場面でどのような材料・加工方法が用いられているのか、また、トラブル回避のために起こりやすい不具合事例の紹介や事故原因の解説を集めました。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第9回は、セコムから警備システムを紹介します。夏季大会は競技数や参加選手の数が増加傾向にあることから、大会の警備に多くの大会では軍人が動員されたそうです。しかし、今回の大会では軍人が動員されることはなく、民間警備員や警察官、大会ボランティアが対応する見込みです。今回は、大規模スポーツイベントの警備経験がほぼなかったというセコムが、どのようにして警備システムの開発や大会の警備体制構築を進めていったのかご紹介します。
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製品開発の現場では、製品の競争力を高めるために、部品のコスト削減や軽量化が重要な課題となっており、厳しい設計条件が課せられています。このような中で、製品事故を防止し製品全体の信頼性と安全性を確保するために、設計者には迅速で正確な設計計算が求められています。今回は、株式会社日立製作所研究開発グループが提供している機械設計効率化ツール「e設計ハンドブック」の特徴や具体的な使用方法についてご紹介します。
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地域のモノづくり技術を活かし、新たなオープン・イノベーションを模索する金沢大学 設計製造技術研究所でのモノづくり研究開発動向を紹介している本連載。第5回は、熱可塑性CFRP(炭素繊維強化プラスチック)の量産技術に注目し、プレス加工によるCFRPの量産技術を研究している立野大地助教に、CFRPが量産品でなかなか使われない理由に加え、CFRPを金属のように加工するため強度の方向性を均一化する研究内容についてお伺いしました。
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金沢大学設計製造技術研究所でのモノづくり研究開発動向を紹介する連載第4回では、引き続き古本達明教授に高精度化に向けた金属AM(金属3Dプリンター)の研究開発について伺います。同研究では、高速度カメラ用いて金属AM造形時のスパッタやヒュームの発生などを可視化することで、その発生要因を探っています。今回は、高速度カメラによる可視化の特徴をはじめ、造形と切削を交互に繰り返す技術を用いた水管の高精度金型加工の実例をご紹介します。
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車椅子が必要な障がい者が、ベッドから車椅子に乗るという一瞬の動作は、障がい者の全体重を支え立ち上がらせるなど介助者に身体的負担になっているそうです。今回は、様々なロボット開発の実績を持ち、障がい者が一人でも前傾姿勢で乗り込んで日常生活しやすい乗り物を開発した株式会社テムザックに、ユニバーサルなビークルの開発ストーリーだけでなく、将来のスマートモビリティとしての可能性まで伺いました。
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旅先や、公園、大学の構内などを移動するのに、目的地までのあと少しの距離、ラストワンマイルを埋める乗り物があると便利だと思いませんか。しかも、その乗り物が、風船のように膨らませて乗ることができて、折り畳めてバックに入る大きさだとしたら?今回は、本電動バイクの開発を主導するERATO川原万有網プロジェクトの佐藤宏樹氏に、その開発ストーリーに加え未来のモビリティの概念についてもお伺いしました。
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地域のモノづくり技術を活かし、新たなオープン・イノベーションを模索する金沢大学 設計製造技術研究所でのモノづくり研究開発動向を紹介している本連載。第3回は、金属AM(金属3Dプリンター)に注目し、金属AMによる金型製作の高精度化研究を行う金属AM研究班の古本達明教授に、金属AMの課題や高精度化に向けた研究アプローチについてお伺いしました。
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ビルや工場における二酸化炭素(CO₂)濃度の上昇は、眠気や倦怠感、頭痛を引き起こすなど人体への悪影響を及ぼします。そこで固体を利用したCO₂吸着分離法として「ゼオライトCO₂除去材」が広く使用されていますが、空気が大気レベルの水分を含むだけで吸着性能が大きく低下することが課題です。今回は、日立製作所 研究開発グループの吉川研究員に、水分雰囲気下でも効率よくCO₂を除去する材料である「酸化セリウム(CeO₂)系CO₂除去材」の特徴と活用可能性についてお伺いしました。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第8回は、引き続き機能性寝具を紹介します。眠ることは幸せであり、健康と考えるエアウィーヴ。今回は、アスリートに注目しスポーツビジネス、スポーツマネジメントの進化をうながしたとも言える同社の広告宣伝戦略を紹介します。また、東京2020大会におけるスポーツ記録の進化に注目し、食事、ユニフォームに続き個別化される「睡眠」を実現するふたつの技術レガシーを探ります。
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金沢大学設計製造技術研究所でのモノづくり研究開発動向を紹介する連載第2回では、引き続き喜成年泰教授にCFRPについて伺います。同大学では、粘性が高い熱可塑性CFRPの加工性を高める形状としてテープ状のシートに注目し、三次元形状成形が可能な「組紐プレス工法」も開発中です。今回は、組紐プレス工法の特徴をはじめ、組紐技術を用いた熱可塑性樹脂CFRPのバイオミメティクス(生物模倣)応用をご紹介します。
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アーク溶接、肉盛溶接など、ものづくり現場で行われている金属接合技術は多岐にわたります。そのなかで、爆薬が爆発する時に放出する瞬間的な高エネルギーを利用した「爆発圧着」という金属接合技術をご存じでしょうか。爆発圧着技術で製造された高性能材料「BAクラッド(R)鋼板」は、化学工業・石油精製・石油化学・電力プラントなど、強度と信頼性が求められる環境で使用されています。今回は、爆発圧着技術を50年以上にわたって研究・事業化してきた旭化成に、技術の特徴や活用事例、新たな技術開発の展望について伺いました。
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北陸地域にはかつて繊維関係の企業が多く、繊維機械を製造する機械工業から、部品や工具などを納める工作機械メーカーまで、その要素技術も発達してきました。本連載では地域のモノづくり技術を活かし、新たなオープン・イノベーションを模索する金沢大学設計製造技術研究所でのモノづくり研究開発動向をご紹介します。今回は、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)に注目し、喜成年泰教授にCFRPの用途や成形工法、同研究所が注目する組紐技術を使ったCFRPの可能性についてお伺いしました。
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新型コロナウイルス感染拡大は、なかなか収束しない。仮に収束しても、さらに未知の新型ウイルスがいつ出現するかわからない。そのたびに都市封鎖を繰り返していては、経済は停滞し、社会が崩壊に向かうに違いない。コロナ以前の社会がウイルス感染症に「脆弱」だったのだとすれば、ウィズコロナ/アフターコロナの社会は、その脆弱性をどう解消するかにかかっている。本稿では、そのための方向性を考えてみたい。
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私たちが普段使っている自動車や電子機器などにはたくさんの材料が使われており、製品の性能を向上すべく新材料開発が求められています。従来の材料開発は、理論計算と実験による試行錯誤を前提とし、研究者の経験や勘に頼らざるを得ず、膨大な時間とコストがかかっていました。一方、近年、情報科学技術を材料分野にも応用して、時間とコストを削減するマテリアルズ・インフォマティクス(以下MI)が注目されています。今回は、MIの基礎知識や適用事例、課題を解説したうえで、日立製作所研究開発グループの岩崎主管研究員にMIを応用した異種材料の密着強度予測技術についてお伺いしました。
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航空機産業に携わる中小企業を支援する取り組みも行っている東京都立産業技術研究センター(以下都産技研)。製品開発における各種試験用設備・機器やソフトウェア解析環境などが主な支援内容です。今回は、産業分野においてドローンの普及を妨げてきた代表的な技術的課題「飛行時間」の向上にむけ、ドローン向けガソリンエンジンの製品化を行った株式会社コバヤシ精密工業に、都産技研と産学連携で挑んだ開発ストーリーを伺いました。
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2020年7月29日~31日に、インテックス大阪で開催された「メンテナンス・レジリエンスOSAKA 2020」は、コロナ禍という社会情勢にも関わらず1万人を超える方々が来場しました。本展示会は、工場設備の維持管理・保全技術を対象にし、プラント、インフラをはじめ、ロボットや労働安全など幅広い内容で構成されています。今回は、鉄筋の結束ロボットなどプラントやインフラ現場での活用が期待される技術や衛星システムに頼らないドローンなどの技術についてご紹介します。
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中小企業単独での製品開発は、専門性や設備面、費用面で限界があるなか、東京都立産業技術研究センター(都産技研)は、中小企業と研究開発や試験分析を共同で行うなど、設計や開発をバックアップしてきました。今回は、都産技研が行う航空機産業に携わる中小企業支援の取り組みにフォーカスをあて、その背景や支援事例を伺います。また、コロナ禍において人の移動が制限され航空機産業に逆風が吹くなか、中小製造業が生き残るヒントもお聞きしました。
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何十年もの間、その道一筋を貫く中で生み出された中小製造業のニッチな技術。このニッチな技術と最先端の研究シーズが出会ったらどんな相乗効果が起きるのでしょうか。今回は、細くしなやかな銅線をつくる随一の技術をもつ「中小製造業」と、超伝導線の研究を行っている「研究機関」がタックを組んで、長い間実現することが難しいとされた「超極細」超伝導ワイヤーの開発ストーリーを伺いました。
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昨今のコロナ禍を背景に空気環境の改善に対するニーズが高まっています。殺菌力が高い紫外線を利用した室内空調装置は市販されていますが、「人がいる空間」では利用が難しかったといいます。今回は、「人がいる空間」でも設置でき、ランニングコストを抑えながら浮遊菌を減少できる紫外線照射技術を開発したエネフォレスト株式会社に、商品開発に至る想いとコロナ時代における空気改善に関する意識改革について伺いました。
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日本農家の深刻な人手不足問題を解決すべく、農林水産省は「農業界と経済界の連携による生産性向上モデル農業確立実証事業」を推進し、2016年から2020年にかけて「スマート農業」関係の約60個のプロジェクトを採択し支援しています。今回は、先端農業連携機構で代表を務める株式会社クニエに、同事業に採択された「スマート農業」事例を2つ紹介すると共に、農業と先端技術を組み合わせる際の難しさやコツについてお伺いしました。