インタビューや実例をもとに、どのような場面でどのような材料・加工方法が用いられているのか、また、トラブル回避のために起こりやすい不具合事例の紹介や事故原因の解説を集めました。
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XRとは、「クロスリアリティ」あるいは「エックスアール」と呼ばれ、現実空間とバーチャル空間を融合して新しい体験を生み出す画像処理技術である、AR、VR、MRの総称です。XR技術は、VRを活用したゲームやITソリューションだけでなく、デバイスの進化やコロナ禍によるリモートソリューションへの需要拡大などを背景に人材不足や技術継承に課題を抱える製造業の現場でも広く活用されています。本記事では、XRの基本と導入事例をご紹介いたします。
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IoTとは、「Internet of Things」の略語で、あらゆるものをインターネットに接続し効率化や利便性の向上を目指す技術のことを指し、さまざまな分野で研究開発がなされています。最近では家電や医療分野でのIoT技術の普及など、より人々の生活に近いところでの実用化が話題ですが、ものづくりの現場でも生産設備の稼働の監視や最適化をはじめとした導入事例が生まれており、注目されています。そこで本記事では、IoTの基本とものづくり現場での導入事例をご紹介します。
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有機ELでものづくり日本を取り戻そうとする活動を紹介する本連載。世界トップレベルの印刷有機EL技術を保有する山形大学は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)研究成果展開事業大学新創業創出プログラム(START)プログラム(2021~2023年度:3年間)に採択され、印刷有機ELの社会実装を目指す研究開発を進めています。後編では、前編に引き続き山形大学大学院の城戸卓越研究教授に、JST-STARTプログラムの概要やマイクロLEDと比較したときの有機ELの優位性について紹介して頂くともに、ものづくり日本を取り戻すための提言をお伺いします。
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有機EL(有機エレクトロ・ルミネッセンス(Organic Electro-Luminescence))は、電圧をかけ電気を流すことにより有機物が自ら発光する現象を意味し、その特徴を活かし次世代ディスプレイとして腕時計デバイス、テレビをはじめとした様々な製品に使われています。これら実用化に向けたブレイクスルーとなったのが、山形大学の城戸教授による白色有機ELの発見です。世界の誰も試みていなかった白色有機ELが、どのように開発されていったのかを御存じでしょうか?本連載では、有機ELでものづくり日本を取り戻そうとする活動に注目します。前編となる今回は、山形大学大学院の城戸卓越研究教授に、白色有機EL開発ストーリーについてお伺いしました。
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コンクリート業界の脱炭素化の取り組みを紹介する本連載。建設用3Dプリンターは、建設分野で用いられる3Dデータをもとにロボットが自動で立体形状を造形する3D構造物の製造装置ですが、世界でこの建設用3Dプリンターが注目される理由をご存じでしょうか?注目される理由として、工期短縮、高い造形自由度、廃棄物・二酸化炭素排出削減という3つの特徴が挙げられており、日本も2018年に官民連携組織「3Dプリンティングによるコンクリート構造物構築に関する研究委員会」が発足しました。そうしたなか、日本でいち早く海外から建設用3Dプリンターを導入し、事業着手したのが會澤高圧コンクリートです。後編では、前編に引き続き會澤高圧コンクリートに、モルタルを使った建設用3Dプリンターの特徴や導入事例を紹介して頂くともに、コンクリート業界の脱炭素化に向けた提言をお伺いします。
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有機農業は、化学的に合成された肥料や農薬、遺伝子組換え技術を利用せず、環境への負荷をできる限り低減した農業です。地球環境への優しさに加え、生産者および消費者の人体への悪影響の可能性がなく、豊富な栄養を含んだ作物が育つこともメリットがある一方で、農薬を使わないため、栽培に手間がかかり、労働時間は慣行農業の1.5倍かかるデメリットが存在します。この労働時間の多くを占めるものが、雑草を抜くまたは抑草のための除草作業です。この除草作業を自動化するロボット「アイガモロボ」の開発に取り組むのが、東京農工大学発ベンチャーでスタートアップの有機米デザイン株式会社です。今回は、アイガモロボの開発者でもある同社取締役の中村氏にアイガモロボの開発ストーリーに加え、同ロボット活用による日本の農業存続への期待についてお話を伺いました。
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リハビリ支援ロボットとは、事故や疾病などを原因とし後遺症が残った対象者にその能力を回復させる目的で実施する訓練や療法、リハビリテーションを支援するロボットです。日本人の三大疾病に数えられている脳血管疾患(脳卒中)を例にとると、厚生労働省の調査によれば、2017年の患者数は111.5万人に上ります。発症して死を免れたとしても、重い麻痺が残り、歩けなくなったり、介護を必要としたりするケースも多いことから社会問題にもなっています。今回は、脳卒中患者のリハビリをサポートし、社会復帰を促すためのロボット「ウェルウォーク」を開発するトヨタ自動車株式会社新事業企画部の中村氏に、リハビリ支援ロボットの開発ストーリーをお伺いしました。
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コンクリートに入ったひび割れ(クラック)をバクテリアが自動的に修復する「自己治癒コンクリート」は、オランダのデルフト工科大学で発見されました。この自己治癒コンクリートを用いることによるコンクリートの長寿命化に注目し、デルフト工科大学の研究チームが大学発スタートアップとして設立したBasilisk BVと量産技術の共同開発に着手したのが、北海道に拠点を構えるコンクリートメーカーの會澤高圧コンクリートです。本連載では、コンクリート業界の脱炭素化について注目します。前編となる今回は、同社代表取締役社長の會澤氏、常務取締役の酒井氏に、脱炭素化に向けたコンクリート業界の課題や、「自己治癒コンクリート」量産技術確立に向けた開発ストーリーに加え、本技術の導入事例についてお伺いしました。
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雨天時浸入水とは、本来流れ込むはずのない地下に埋設された汚水管に侵入する雨水のことです。雨天時浸入水の一例として、大雨によりマンホールから汚水が溢れ出す現象が知られています。この原因は汚水管(主にコンクリート製)の老朽化による破損ですが、地中に埋められた汚水管の破損箇所を特定するには多大なコストと労力がかかるため、補修がなかなか進まないのが現状でした。そうしたなか国土交通省は2019年「雨天時浸入水対策ガイドライン策定検討委員会」が立ち上がり、本格的な問題解決に乗り出します。今回は、同プロジェクトに参画し、AIによる音響解析を用いた下水道雨天時浸入水検知システムを開発した株式会社建設技術研究所の石川氏、鈴木氏にお話を伺いました。
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自動車産業は100年に一度の大変革を迎えるといわれており、世界各国で自動運転などの技術開発が活発に行われています。日本でも各自動車メーカーが自動運転システムを搭載した自動車の開発を進めているだけでなく、国としても力を注いでいる分野でもあります。自動運転が普及すると交通事故、渋滞の低減だけでなく物流や新たなサービスの提供など様々な効果が期待されていますが、現在の自動運転はどこまで進んでいるのでしょうか。日本、世界の6つの事例から自動運転の最新動向をご紹介します。
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サプライチェーンマネジメント(SCM)とは、連鎖的につながる調達、製造、在庫管理、販売、物流といったプロセス全体(サプライチェーン)を見直すことで、効率化と最適化を行う経営管理手法のことです。昨今グローバル化をはじめとしたビジネス環境の変化によりその重要性が高まっています。さらに、2020年から始まった新型コロナウィルス(COVID-19)の世界的な流行により、世界各国にまたがるサプライチェーンの品質管理が課題として浮上してきています。本記事では、サプライヤ品質サービスを展開する株式会社日立ハイテクの協力のもと、サプライチェーンマネジメントの概要と一連のプロセス、品質改善事例をご紹介いたします。
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物流ロボットとは、物流現場における「ピッキング」や「仕分け」といった業務を担うロボットであり、完全無人の環境下だけでなく、人との協働を行うものも存在します。多忙を極める物流の現場では、大量の荷物を効率よく運ぶために欠かせないものが格子状の台車「カゴ台車」が普及していますが、搬送に人手がいることや人身事故の発生といった課題を抱えていました。物流システムを扱う株式会社オカムラは、物流倉庫などでカゴ台車を掴んで搬送する自律走行搬送ロボットを開発しています。今回は、物流システム事業本部の山崎氏、田中氏に、同社が手がけるSLAM技術とAIの組み合わせでカゴ車を自動搬送する自律移動ロボットの開発ストーリーをお伺いました。
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量子コンピュータとは、原子や電子、分子といったミクロな粒子の状態や挙動を説明する理論である量子力学の特徴を巧みに利用して動作するコンピュータです。量子コンピュータは、従来のトランジスタ・コンピュータでは計算に膨大な時間がかかっていた問題を早く解ける特徴が注目され、高機能材料や薬品などの物質探索やシミュレーション、機械学習などへの活用が期待されています。本連載では、沖縄科学技術大学院大学(OIST)で行われている量子コンピュータの研究開発に注目します。今回は、超伝導方式の量子コンピュータの周辺ハードウェア技術の研究開発を行うOISTの久保氏に、量子コンピュータの種類や原理、仕組みについてご解説頂きました。
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LNG(液化天然ガス)は、天然ガスを超低温で冷却し無色透明な液体としたものです。液化の際に体積の600分の1となる特徴を活かし、大量のLNGがLNGタンカーにより海上輸送されています。LNGは蒸発して天然ガスに戻る(再ガス化)の際に、周囲から熱を奪い冷却する現象「冷熱」が生じます。この冷熱利用で注目されているFSRU(浮体式LNG貯蔵再ガス化設備)です。FSRUは、洋上でLNGを受け入れてタンクに貯蔵し、必要に応じてLNGを温めて再ガス化した高圧ガスを陸上パイプラインに送出する浮体式設備です。今回は、LNG導入の低コスト、短期間での実現を目指すFSRUプロジェクトを手掛ける商船三井の近藤氏、中山氏および岡氏に、プロジェクト開発のお話を伺いました。
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スーパーコンピューターの民間利用は、主に科学技術計算用途で大規模かつ高速な計算を行うスーパーコンピューターの計算資源を中小企業などの民間において産業利用する取組みです。公益財団法人計算科学振興財団は、産業利用向けのスーパーコンピューターを持ち、民間利用の普及活動を行っています。今回は、製品開発などのものづくりにおけるスーパーコンピューター活用に注目し、計算科学振興財団に中小企業での利用例や課題を伺いました。
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モノづくり現場でのスーパーコンピューター「富岳」活用について、「富岳」研究チームを率いる理化学研究所計算科学研究センター坪倉誠氏にお話を伺う本連載。ハイパフォーマンスコンピューティングの課題解決のため、遺伝的アルゴリズムやAIの活用、独自ソフトウェア「複雑現象統一的解法CUBE」の開発を進めてきた「富岳」。後編では、研究事例としてAIを使ったサロゲート・モデルやCUBEを使ったトポロジー最適化を紹介頂き、今後のモノづくり現場でのハイパーコンピューティングの使われ方についてお話を伺いました。
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塗装設備を導入するには、必ず押さえておくべきポイントがあります。塗装で使用する塗料や溶剤は、労働安全衛生法によって有機溶剤中毒予防規則が定められており、設置すべき換気設備の規模などは法令遵守を徹底する必要があります。そのほかにも環境に配慮した塗料の使用や働く人の健康を考慮することも欠かせないと言います。今回は、広島県福山市にある、塗料や塗装関連の設備や機器の提案・販売を行う藤野商事株式会社に塗装設備を導入する際のポイントや注意点などについてお話を伺いました。
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社会課題を地球規模で解決する衛星データに注目する本連載。後編では、地球観測衛星によって収集された衛星データの分析事例について紹介します。引き続きJAXA(宇宙航空研究開発機構)地球観測研究センター主任研究開発員の大吉氏に、地球観測衛星による衛星データを用いた、農業や新型コロナのパンデミックの前後での地球環境や社会経済活動の変化の分析事例についてお伺いしました。
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地球観測衛星は、宇宙から地球を観測する、リモートセンシングを目的に打ち上げられた人工衛星です。食料安全保障や農業、気候変動などの社会課題について地球規模で解決するため、こうした衛星データの解析、利用が進められています。今回は、社会課題を地球規模で解決する衛星データに注目し、2回にわたってJAXA(宇宙航空研究開発機構)地球観測研究センター主任研究開発員の大吉氏に話を伺いました。前編では、地球観測衛星の役割や機能についてご紹介します。
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2022年1月26〜28日の3日間、東京ビッグサイトにて「第16回 再生可能エネルギー世界展示会&フォーラム RENEWABLE ENERGY 2022」が開催されました。本展示会では、省エネ・再エネのようにエネルギーをうまく活用することで化石資源の消費抑制を図り、地球温暖化の防止と持続可能な社会の実現を目指すための様々な技術が紹介されていました。今回は、「太陽光パネルお掃除ロボット」、「プラスチック製雨水貯留浸透施設用ブロック」、「肌になじみやすい特殊ポリレフィン」および「様々な素材に適用できるメッキ用プライマー」の展示内容を紹介します。