材料・加工方法の選定など、多くの知識や経験が必要となる試作開発。材料・加工・計測解析などの基本知識に加え、発注時に注意したいポイント、さまざまな加工技術の紹介など、試作開発に関わるTIPSを集めました。
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ナイロンメッシュは目開きが1μm〜数百μmと加工精度が高く、耐久性に富む特徴から様々な分野で利用されています。本記事ではナイロンメッシュの基本とふるい効率を高めるための選定のポイントをご紹介します。株式会社NBCメッシュテックの協力のもと、ナイロンメッシュをはじめとするメッシュのふるい効率を高める技術についても事例を交えてご紹介します。
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Auスタッドバンプとは、いわゆる「金の突起電極」のことで、ICチップの回路の端子と基盤の回路をつなぐためのものです。スタッドバンプには、Auスタッドバンプのほかに、はんだのスタッドバンプなどいくつか種類がありますが、その中でも高い信頼性や精度が求められる製品には、Auスタッドバンプが使われるそうです。今回は、電子部品の製造や検査など半導体の後工程のものづくりを手がける北海道函館市にある函館電子株式会社にAuスタッドバンプがIoTの流れの中で存在感を高めている理由についてお話を伺いました。
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金属加工よりも難易度が高いというセラミックス加工。セラミックスと一口に言っても、硬いものから軟らかいものまで非常に多くの種類があるので、加工する際の条件設定がかなり難しいのが特徴です。加工に使用するダイヤモンド工具も材料に合わせて都度変更する必要があり、加工にはかなりの知識と経験が求められると言います。今回は、佐賀県杵島郡にあるセラミックス加工と金属加工の会社で、電子機器用基盤や機械部品などの製作・加工を行う有限会社武富工業にセラミックス加工の難しさや金属加工への進出についてお話を伺いました。
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ペロブスカイト太陽電池の研究開発ストーリーや特徴などについて、同太陽電池の研究開発を主導した桐蔭横浜大学の特任教授 宮坂力氏にお話を伺う本連載。ペロブスカイト薄膜は、ペロブスカイトの原料液を垂らし、溶液の溶媒が揮発することでペロブスカイトの単結晶ができるというシンプルの製法ですが、研究者個人としての成膜を作る達人の存在が重要になるといいます。後編は、ペロブスカイト太陽電池の構造、製造方法、ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた特性研究、従来のシリコン太陽電池との比較などについてお話を伺いました。
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ペロブスカイト太陽電池の研究開発ストーリーや特徴などについて、同太陽電池の研究開発を主導した桐蔭横浜大学の特任教授 宮坂力氏にお話を伺う本連載。中編では、化学でもあり物理学でもあるペロブスカイト太陽電池研究の特徴や、ペロブスカイト太陽電池の実現するまで重要な役割を果たした研究者同士のつながり、開発中のペロブスカイト太陽電池の課題を、色素増感太陽電池の全固体研究成果を適応して解決した開発ストーリーについてお話を伺いました。
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太陽電池は、環境への配慮など持続可能な社会を支える上で利用が増えていますが、その材料として広く使われているのがシリコンです。一方、透明で柔軟、軽いという特性をもつ「ペロブスカイト」を使った太陽電池の研究開発も盛んに進んでいます。今回は、このペロブスカイト太陽電池に注目し、3回にわたって、同太陽電池の研究開発を主導した桐蔭横浜大学の特任教授 宮坂力氏に、ペロブスカイト太陽電池の研究開発ストーリーや特徴などについてお話を伺いました。前編は、学生の提案によりペロブスカイトによる太陽電池の研究を行った経緯についてのお話です。
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ファブレス半導体企業は、半導体ICの設計にフォーカスし、「なにを作るか」を具現化する半導体メーカーです。ファブレス半導体企業はIDM(設計と製造を手掛ける統合メーカー)よりも成長率が高く、工場を持たない企業ながら半導体売上高ランキングTOP10でも6位以降に複数の会社が入るほどの規模にまで大きく成長しました。今回は、このランキングを参考に、「Qualcomm」「Broadcom」「NVIDIA」「MediaTek」「AMD」など代表的なファブレス半導体企業5社に注目し、世界のファブレス半導体企業の動向についてご紹介します。
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紫外線の遮蔽や悪臭の分解などの特徴を持つことから、化粧品や医薬品、工業製品などの分野で使用される酸化亜鉛。酸化亜鉛などの、粉体の機能性の高さを決めるのは、素材そのものではありません。粉体の機能性は、粒子の大きさや形によって決まるため用途に応じて、粉体を適したサイズや形に制御する技術のニーズが高まっていると言います。今回は、高知県にある石灰加工製品をはじめ、酸化亜鉛など無機粉体や農薬であるICボルドーの製造販売も手掛ける井上石灰工業に粉体のサイズや形が変わることで、機能性はどのように変わり、用途はどのように広がるのかお話を伺いました。
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半導体業界の変遷や現状を理解するために、半導体市場動向調査会社が発表する「半導体売上高ランキング」を参考する方法があります。ランキングには、半導体トップ数十社のその年の売上高、前年度比の成長率、前年比のランキング変動、事業形態(IDM、ファブレス、ファンドリー)、本社所在地などが記載されています。今回は、2020年半導体売上高ランキングのトップ5企業「Intel」「Samsung」「TSMC」「SK Hynix」「Micron」に注目し、半導体業界の変遷と現状を解説します。
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私たちの生活をさまざまな場面で支える産業用モーターは、急な故障や動作不良を起こさないよう適切な保全が求められます。モーターの故障は大きな損害につながるもので、鉄道業界の場合は数年に1度法定点検を行いますが、他の産業用モーターにおいても定期的なメンテナンスを実施し、長く使い続ける工夫が大切だそうです。今回は、神奈川県平塚市にある、産業用モーターの点検・修理・修繕、歯車装置の修理・更新、制御機器の製造・修理を手掛ける東洋工機株式会社にモーターを長く使い続けるために知っておきたいポイントや、同社の強みについてお話を伺いました。
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二酸化炭素の排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの実現に向け、世界各国で「脱炭素化」の政策が発表され、さまざまな取り組みが進んでいます。そんな中、脱炭素化の切り札とも言われ、近年改めて注目を集めているのが水素からエネルギーを取り出す、水素エネルギーの活用です。本連載では、この「水素エネルギー」に注目し、産学官からの水素エネルギーに関する取り組みについてご紹介していきます。連載第1回目は、序章として、40年以上前から水素エネルギーの研究開発をしている山梨大学に、水素エネルギーと燃料電池、燃料電池自動車(FCV)について解説して頂きます。
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標準化とインターオペラビリティ(相互運用性)の対応に遅れたことが、日本の半導体ビジネスが低迷した原因と考えられます。こうした環境のなか半導体メーカー、例えばマイクロコントローラ(マイコン)やFPGAメーカーは、半導体チップだけでなく、ユーザーがプログラムできるソフトウエア開発環境の提供も行っています。今回は、半導体メーカーがハードウエアだけでなくソフトウエア開発環境も提供する理由とその事例、そして標準化とインターオペラビリティの対応に遅れた日本の状況についてご紹介します。
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半導体において低コスト技術の開発が一つの重要テーマになっていた米国と比べ、日本は相変わらず先端技術の開発に重きが置かれていました。低コスト化に注目すると、半導体メモリのような大量生産品は設備投資を続け生産能力を上げるという製造にて対応が行われてきましたが、システムLSIのような少量多品種へ移行すると設計と製造の両面からアプローチが必要となっています。今回は、米国と日本の意識の違いを注目しつつ、プラットフォーム化により実現したシステムLSIの低コスト化を解説します。
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システムLSIの少量多品種に移行し、世界でリードしていたDRAMの大量生産を止めた日本。2020年に東芝がシステムLSIを生産しないという決断をし、システムLSIで成長し生き残っているのは、ルネサスエレクトロニクスだけになりました。なぜシステムLSIで日本がうまくいかなったのでしょうか?今回は、日本の半導体業界の変遷を振り返りつつ、システムLSIで日本がうまくいかなかった理由を明らかにするに加え、部品提供からソリューション提供へと変化する半導体ビジネスについて解説します。
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セキュリティや量子コンピュータにおいて半導体が使用される背景として、サイバー攻撃による被害の顕在化が挙げられます。サイバー攻撃は、従来のように企業サーバーやデータセンターのような大きなシステムを攻撃するだけでなく、個人のパソコンやインターネットにつながるIoTにもその危険が潜んでいます。そのため、ソフトウエアやハードウエアにおけるセキュリティ対策が開発されていますが、こういったセキュリティ強化にも半導体の存在が重要になっています。今回は、セキュリティで使用される半導体の3つの事例として「ID」、「認証システム」、「暗号化」、量子コンピュータで使用される半導体の2つの方式「ゲート方式」と「量子アニーリング方式」について解説します。
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自律化は、最近の大きなITメガトレンドの一つです。例えば、家庭向けの癒し系ロボットは、これまで予めプログラムされている言葉を話すこと「自動化」を行っていたのに対し、今後AIの自然言語処理技術により、相手の意味を理解し、対応すべき候補から応答してくれる「自律化」が期待されています。こういった自律化の応用では半導体が重要な機能を果たしています。今回は、半導体の果たす重要な機能に注目し、自律化の3つの応用事例として自動運転車、ドローン、癒し系ロボットについて解説します。
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地熱発電は、輸入に頼らない純国産のエネルギーであり、マグマの蒸気を使ってタービンを回すためCO₂排出量が他の再生エネルギーより少ないなどのメリットがあります。しかし、日本はそのポテンシャルを十分に生かしきれておらず、それは稼働までのハードルが高いことが大きな要因となっています。今回も引き続き、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)に、地熱発電開発が遅れている要因を伺うとともに、地熱有望地域開拓のため行われる空中物理探査技術、温泉事業者など地域と共存共栄を図る取り組みについてお話を伺いました。
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地熱発電は、マグマで熱せられた高温・高圧の蒸気と熱水の高いエネルギーを電力に変えることによって行います。環太平洋火山帯に属した日本の地下には、このマグマが大量に溜まっており、世界第3位の地熱資源量を保有しています。しかし、1925年日本最初の地熱発電に成功した以来、大きな発展は見られず、地熱発電量は世界10位と、豊富な資源を生かしきれていないのが現状です。今回は、地熱資源開発推進のサポートを行っている独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)に、日本における地熱発電の現状と、地熱発電の適した場所の条件や仕組み、メリットについてお話を伺いました。
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ミリ波(5G)通信は、携帯電話だけでなくIoTへの利用が見込まれています。5G対応のスマートフォンも販売されましたが、2021年時点で大きく普及しているとは言い難い状況です。この普及のカギを握るのが、無線回路で用いられる半導体ICです。今回は、無線回路やミリ波を用いた高速通信技術を簡単に解説した後、ミリ波(5G)通信用アンテナに使われる半導体ICの技術動向についてご紹介します。
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シリコンフォトニクスとは、シリコン基板上に光導波路、光スイッチ、光変調器、受光器などの素子を集積する技術です。その経済性、高集積密度、エネルギー効率といった特徴から注目を集めており、近年では通信やセンサ機器への活用、さらにはIoTや5Gの発展と普及に向けた応用が期待されています。今回は、光集積回路をデザイン・提案し、幅広いファウンドリとのネットワークを活かしたサービス提供を行うVLC Photonics社協力のもと、シリコンフォトニクスの基礎知識や研究開発・実用化に関する事例などをご紹介いたします。