製品開発に失敗はつきものです。ムダな失敗を減らし、有意義な失敗をするために押さえておくべきポイントをまとめました。
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沖縄科学技術大学院大学(OIST)で超伝導方式の量子コンピュータにおける周辺ハードウェアの研究開発を行う久保氏に、最近の量子コンピュータ研究開発状況を伺う本連載。量子コンピュータの測定の際に利用されるマイクロ波信号はエネルギーが極めて小さく、低温で効率良く信号を増幅する増幅器が必要になると言います。後編では、同氏が研究開発を進めるスピンメーザー増幅器の原理や、その開発ストーリーについてお話を伺いました。
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2021年12月8〜10日の3日間、幕張メッセにて「第12回 高機能素材Week」が開催されました。4万人以上が来場した本展示会では製品の高付加価値化に繋がる素材技術に関する様々な展示が行われており、前編では機械・高機能素材についてレポートしました。後編となる今回は、「エレクトロニクス編」として印象に残った酸素イオン伝導性・遮熱性を持つジルコニア粉体、医療機器に用いられる耐屈曲性に優れた極細銅箔糸、反射防止性や熱吸収性に優れた真っ黒いステンレスやチャック用の摂氏17℃で凍る凝結剤の展示内容をご紹介します。
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地震や水害など災害現場で人を救助、人の代わりに危険な場所を点検・測定するなど、多様な目的で進化し続けているロボット。このようなロボットの進化には、アナログからデジタル制御への転換やクラウド・サービスの登場が大きな影響を与えているといいます。今回は引き続き、株式会社ハイボットに、アナログからデジタル制御への転換のなかで実現したコンパクトなロボットづくりに加え、創業者たちが起業時に抱いた思いについて伺いました。
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自動車の更なる軽量化を実現するためにアルミ合金部品の製法に求められているのは、鍛造と同等以上の強度、ダイカストに近い生産性、鉄と同等以上のコストレベルだといいます。その実現に挑んでいる企業のひとつが、アルミの半凝固スラリーを用いて高圧鋳造する「半凝固ダイカスト法」を開発しているHGプレシジョンです。今回も引き続き、同社に「半凝固ダイカスト法」から鍛造並みの強度を得るために改良中の「半凝固プレス法」の開発ストーリーと自動車の軽量化への可能性について伺いました。
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鉄やアルミ合金などの金属材料の鋳造法として広く使われている「ダイカスト法」。この加工法は、複雑な形状の製品をひとつの工程で量産し生産コストを削減できる等の長所がある一方、加工品の精度を落とす「気泡巻き込み」や「引け巣」の欠陥が生じうるという短所もあります。今回はその欠陥を減らす方法の一つとして、アルミニウムの「半凝固状態」に着目し、「半凝固ダイカスト法」を開発しているHGプレシジョンに話を伺いました。
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実験中に偶然、高い耐破断性をもつ高強度「ダブルネットワークゲル」を発見以来、どうして強くなるかについて十年近く研究を続けてきた、北海道大学のグン・チェンピン教授の研究室。そこでようやく基本概念が確立して、社会に広く応用してもらえそうな研究成果もでてきたといいます。今回は、引き続き「ダブルネットワークゲル」から発展した研究として、自己修復するゲルや産学連携で進めている人工軟骨材料の研究などをご紹介します。
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軟骨やクラゲなど自然界のゲル(gel)を、人工的に完全に再現できるまでには至りませんが、ある物性だけに特化すれば人工的なゲルの方が自然界のゲルより性能が高いといいます。例えば構造を最適化すれば軟骨を超える強度を持つゲルを人工的に作ることはできるそうです。今回は、引き続き北海道大学のグン・チェンピン教授と中島祐准教授にゲルの作り方を説明頂きつつ、研究テーマである高強度ダブルネットワークゲルの開発経緯などについて伺いました。
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年々存在感を増している大学発ベンチャー。一方、研究開発型ベンチャーの研究成果が事業化まで進めず「死の谷」で終わってしまうケースも多いといいます。この「死の谷」を越えるためには、リスクマネーの供給も重要だそうです。今回は、九州地域から新たな産業を生み出すべく、九州大学を筆頭に九州全域の大学発ベンチャーを支援する「QBファンド」に、同ファンドを設立した経緯や、大学発ベンチャーがビジネス競争のスタート台に立てるための同ファンドの役割について伺いました。
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金沢大学設計製造技術研究所でのモノづくり研究開発動向を紹介する連載第6回(最終回)では、引き続き立野大地助教にプレス加工によるCFRPの量産技術の研究開発について伺います。同研究室では、強度を保つために炭素繊維の最適な長さを検討し、金型に入れてプレス加工可能なCFRPの研究開発を行っています。今回は、CFRPの加工における課題をふまえつつ、粘土のように加工の自由度の高いCFRPの作成方法や、金型を使ってCFRPをプレス加工する際の工夫点についてご紹介します。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第7回は、株式会社エアウィーヴから機能性寝具を紹介します。五輪の選手村に寝具を提供し、多くのアスリートに寝具を使ってもらうというエアウィーヴの機能性寝具。2007年商品がリリースしてから4年の間殆ど売れなかったそうです。今回は、大手企業が寡占している寝具業界で、「機能性」という概念を取り込んだ高反発素材の寝具がどのように開発され、試行錯誤を重ねて誕生したのか探っていきます。
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航空機産業に携わる中小企業を支援する取り組みも行っている東京都立産業技術研究センター(以下都産技研)。製品開発における各種試験用設備・機器やソフトウェア解析環境などが主な支援内容です。今回は、産業分野においてドローンの普及を妨げてきた代表的な技術的課題「飛行時間」の向上にむけ、ドローン向けガソリンエンジンの製品化を行った株式会社コバヤシ精密工業に、都産技研と産学連携で挑んだ開発ストーリーを伺いました。
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中小企業単独での製品開発は、専門性や設備面、費用面で限界があるなか、東京都立産業技術研究センター(都産技研)は、中小企業と研究開発や試験分析を共同で行うなど、設計や開発をバックアップしてきました。今回は、都産技研が行う航空機産業に携わる中小企業支援の取り組みにフォーカスをあて、その背景や支援事例を伺います。また、コロナ禍において人の移動が制限され航空機産業に逆風が吹くなか、中小製造業が生き残るヒントもお聞きしました。
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何十年もの間、その道一筋を貫く中で生み出された中小製造業のニッチな技術。このニッチな技術と最先端の研究シーズが出会ったらどんな相乗効果が起きるのでしょうか。今回は、細くしなやかな銅線をつくる随一の技術をもつ「中小製造業」と、超伝導線の研究を行っている「研究機関」がタックを組んで、長い間実現することが難しいとされた「超極細」超伝導ワイヤーの開発ストーリーを伺いました。
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化石燃料を使わず発電時にCO2を排出しない太陽光発電は、循環型エネルギーとして注目されています。この太陽光発電の課題は、ソーラーパネルの「汚れ」による発電効率の低下。日本と比べあまり雨が降らず、膨大な数のパネルを人力で掃除していた中東に、砂漠環境に最適化した掃除機構を有する掃除ロボットを提案した未来機械。今回は、未来機械に前例がなかったソーラーパネル掃除ロボットの開発ストーリーを伺いました。
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『大人の科学マガジン』の付録は、大人に知る楽しさを与える、すなわち夢を与えてくれる付録が次々と形になるまで、その裏では試作と失敗の連続です。今回も引き続き、大人の科学マガジン統括編集長で科学創造研究所所長の西村俊之氏に、2020年に発売されたトイ・レコードメーカーの設計から製造現場までの試行錯誤ストーリーと、大人向け付録製作に対するこだわりについて伺いました。
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小学生の頃、学研が各学年向けに発行していた付録付き雑誌『科学』『学習』を読んだことがある方もいらっしゃると思います。その学研が大人向けに刊行している科学実験雑誌『大人の科学マガジン』でも、斬新性と独自性が詰まった「付録」が人気です。今回は、大ヒット付録「プラネタリウム」、「テルミン」等が誕生するまでの苦労やこだわりについて、大人の科学マガジン統括編集長で科学創造研究所所長の西村俊之氏にお話を伺いました。
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中小企業のものづくりを支援する日本版SBIR(Small Business Innovation Research)制度。この制度を設ける横浜市は、市場調査などの入り口から製品化につながる出口まできめ細かく支援しているのが特徴的です。今回は、横浜市のSBIR制度を2年連続活用して、これまでの産業用ではなく、医療現場などでの立ち仕事をサポートする「ウェアラブルチェア」を開発した株式会社ニットーの藤澤秀行社長に、異分野向けの製品開発秘話を伺います。
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人が立ち入ることが出来ない場所での災害対応や、二次災害の恐れのある災害時の復旧作業を迅速に行えるようにしたい。そんな思いを実現すべく建機の汎用無線遠隔操縦ロボット「アクティブロボSAM」を開発したのが水陸両用車などの特装車を製造販売するコーワテックです。今回はそのロボットの特長と開発経緯について設計部顧問の大橋啓史氏にお話を伺いました。
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100kgの高精細小型SAR(Synthetic Aperture Radar)衛星、「イザナギ」はご存知でしょうか?マイクロ波を使って地表面を観測する衛星は過去にもありましたが、同衛星は独自構造の超軽量展開型パラボラアンテナにより1mの高分解能と従来品約1/20の軽量化を実現しています。今回は、九州大学発の宇宙ベンチャー企業であるQPS研究所に、地場企業の協力によりわずか1年半で高精細小型衛星の開発に成功したストーリーをお聞きします。
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人協働ロボットは工場だけでなく、オフィスにも広がっています。「2019国際ロボット展」でも紹介された人協働ロボット「COBOTTA」は、工場の枠を超え、書面押印や書類の電子化などオフィス定型業務の自動化支援として開発されました。今回は、オフィスのニーズ起点でのサービス開発について、共同開発を行った株式会社デンソーウェーブ、日立キャピタル株式会社、株式会社日立システムズの3社にお話を伺いました。