ものづくりにおいて、製品・モジュールのなかで異なる部品・部材を固定、一体化することが重要です。
ここでは、様々なメカニズム(材料的・化学的・物理的結合など)・手法による、接合・接着に関する記事を集めました。
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家電から産業機器まで幅広く使われている電子回路基板。その組み立てには、「共晶はんだ(鉛はんだ)」が使用されましたが、鉛による環境汚染やEUでの鉛使用制限の規制の影響で、現在は「鉛フリーはんだ」が主流になってきています。この「鉛フリーはんだ」は、鉛はんだより温度コントロールが難しく高い技術を要するといいます。今回は、1983年に創業以来、長年培ってきた「はんだ」によるアッセンブリ技術を持つ株式会社土佐電子に、同社がもつ「鉛フリーはんだ」技術の特徴や、ものづくりへの姿勢について伺いました。
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アーク溶接、肉盛溶接など、ものづくり現場で行われている金属接合技術は多岐にわたります。そのなかで、爆薬が爆発する時に放出する瞬間的な高エネルギーを利用した「爆発圧着」という金属接合技術をご存じでしょうか。爆発圧着技術で製造された高性能材料「BAクラッド(R)鋼板」は、化学工業・石油精製・石油化学・電力プラントなど、強度と信頼性が求められる環境で使用されています。今回は、爆発圧着技術を50年以上にわたって研究・事業化してきた旭化成に、技術の特徴や活用事例、新たな技術開発の展望について伺いました。
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従来の材料開発より時間とコストを大幅に削減できるという、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)。後編では引き継ぎ、日立製作所研究開発グループの岩崎主管研究員にMIの応用事例をお伺いします。本記事では、異種材料界面の密着強度を高精度でシミュレーションすることで、樹脂、金属に留まらずセラミックスやDNAにまで対象を広げた異種材料接合の設計・導入事例を詳しくご紹介頂きながら、これからのMIや材料研究の展望を探っていきます。
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私たちが普段使っている自動車や電子機器などにはたくさんの材料が使われており、製品の性能を向上すべく新材料開発が求められています。従来の材料開発は、理論計算と実験による試行錯誤を前提とし、研究者の経験や勘に頼らざるを得ず、膨大な時間とコストがかかっていました。一方、近年、情報科学技術を材料分野にも応用して、時間とコストを削減するマテリアルズ・インフォマティクス(以下MI)が注目されています。今回は、MIの基礎知識や適用事例、課題を解説したうえで、日立製作所研究開発グループの岩崎主管研究員にMIを応用した異種材料の密着強度予測技術についてお伺いしました。
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前編から中編にかけて「摩擦攪拌接合」や「低温摩擦接合」の技術内容を大阪大学接合科学研究所の副所長藤井教授グループにご説明いただきました。後編では、低温摩擦接合の技術を実用化し、低温2面摩擦接合機として具現化させた株式会社北川鉄工所を訪問。産学連携による技術導入経緯や装置開発状況、2019年に新装置をお披露目した際の反響などについてお話を伺いました。
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金属を接合する圧接方法のひとつである「摩擦圧接」。「摩擦接合」の最前線に注目するなかで、中編では低温度で接合部の強度低下を抑え、極力素材を変形させずに接合できる「低温摩擦接合」を取り上げます。前編に引き続き大阪大学接合科学研究所の副所長藤井英俊教授グループに、低温摩擦接合技術が生まれたきっかけや、その技術がもたらすCO₂排出量抑制などの効果について詳しくお話をお伺いします。
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目的の形状を実現するため複数の素材を結合させる「接合」。中でも、金属接合のひとつである「摩擦圧接」は摩擦熱以外の熱源を必要としないこと、溶接棒やフラックスが不要でかつ接合時にガスやスパッタが出ないことが特徴です。「摩擦接合」の最前線に注目するなかで、前編では接合分野で国際的に研究成果を発表する大阪大学接合科学研究所の副所長藤井英俊(ふじい・ひでとし)教授グループに「摩擦攪拌接合」についてお話を伺います。
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この記事では、軽量で強度の高いプラスチック、繊維強化プラスチック(FRP)の基礎的な知識を解説します。また、FRPが期待されている市場をはじめ、FRPの種類・性質・用途、それぞれの成形法も合わせて紹介します。
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接着剤では、「しっかり接着でき、時間が経っても剥がれない」ことが重要な性能と考えられています。そのなかでセメダイン株式会社は、接着剤の常識とされてきた「剛」から「柔」へ発想を転換し、新たなコンセプトの弾性接着剤『スーパーX』シリーズを生み出します。
今回は、革新的なコンセプトの誕生秘話や、様々な用途で採用される製品が生まれた開発現場について同社 技術本部開発部長 橋向秀治氏にお話をお聞きしました。 -
様々な用途に合わせ、放熱性、導電性、オンデマンド硬化など、多種多様な機能が付加されている接着剤は、ものづくりで抱える課題解決の糸口になるかもしれません。今回は「柔」の発想で接着剤の耐久性を向上させた、セメダイン株式会社の弾性接着剤『スーパーX』に注目します。同社 技術本部開発部長 橋向秀治氏と事業本部 工業材料部課長 關口嘉巳氏に、その特徴や具体的な事例に加え、これからの時代のものづくりに求められる新たな接着剤についてお伺いしました。
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2019年9月18〜20日に名古屋市にあるポートメッセなごやで開催された第2回 名古屋オートモーティブワールド。先端の自動車関連技術だけでなく、要素技術やソフトウエアなど、幅広い業種業態の企業による出展が目立ちました。今回は、自動運転、軽量化、MaaSといった関連技術や研究開発の出展企業に加え、開催事務局長の早田匡希氏にも取材し、東京とは異なる名古屋での展示傾向や見どころをご紹介します。
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多種多様なめっき鋼板の中でも、優れた耐食性・加工性を持つめっき鋼板「ZAM(R)」。日本製鉄株式会社では、多彩なバリエーションのZAM(R)を提供しています。この記事では、ZAM(R)の中でも高い意匠性を持ち、建築業界から自動車、家電まで幅広い用途での活用が期待される「黒ZAM(R)」をご紹介します。
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接着剤は、接着対象や環境など様々な条件に適したものを選ぶことで狙った効果を発揮します。適した接着接合を行うことにより、対象物をより長持ちさせたり、作業効率を向上させたりすることが期待できます。本記事では接着剤の種類と3つの接着剤選びのポイントについて解説します。
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接着剤がどのような原理で「くっつき」、どのような工夫を施すことで「はがれにくく」なっているのかを知ることが、接着接合を理解する第一歩です。この記事では、接着剤の基礎知識として、接着剤の原理とこれからの時代に求められる接着剤がどのようなものかを解説します。
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レーザー溶接の中で注目されるファイバーレーザー溶接は、レーザーの優れた光学特性、消費電力や導入コストの低さを活かし利用拡大が期待される一方で、スパッタ問題と呼ばれる溶融金属飛散の課題があります。三菱電機株式会社と多田電機株式会社は共同でこれを改善する技術を開発し、2018年に発表に至りました。両社にお話を伺うなかで、前編ではファイバーレーザー溶接の基本的な知識と開発に至るまでの背景をご紹介します。
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レーザー発振が初めて観測されたのが1960年。レーザー技術の歴史は比較的短いものですが、紀元前から人類が積み上げてきた材料加工技術のなかでも既にレーザーは利用されています。ここでは、技術進展が著しいレーザー溶接の基礎知識とその応用方法について、代表的な3種類の加工用レーザー光源を中心にまとめました。
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材料(ワーク)を溶融させず、同種・異種金属を高い強度で接合することが可能となる超音波複合振動技術を持つ株式会社LINK-US。大学の研究者が発明したというこの独自技術ははたしてどのようなものなのでしょうか。いままでの超音波接合技術との違いやその特徴を伺ってきました。
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IoTデバイスの急激な発展のなかで、半導体の実装プロセスには、様々な形状・設置環境に対応するだけなく、コスト低減も強く求められています。この記事では、半導体の実装プロセスの難所や課題を明らかにしつつ、次世代実装技術として低温・低加重の接合を実現するコテクテッドジャパン株式会社の「ダメージフリー接合」技術の特徴についてご紹介します。
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溶接は製品や建造物の組み上げの際に非常に重要な工程ですが、一方で完全な自動化が難しく器具の使用や設定、作業者の技量にその完成度が左右されてしまう工程です。溶接における欠陥は、溶接品を組み込んだ製品の安全性にも大きな影響を及ぼす可能性があります。ここでは、溶接品における欠陥の形状から種類を特定し、その主な原因と対応策を紹介します。
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“これからの接合技術”の一つとして、産業分野で存在感が増している『マジックテープ』。組立工程の簡便化、軽量なプラスチックの採用による燃費向上、解体性向上によるリユース・リサイクルの推進といった、世の中の要請に応える技術として自動車・航空分野をはじめとした、さまざまな用途展開が期待される『マジックテープ』について、クラレファスニング株式会社の竹原氏にお話を伺いました。