鉄鋼、アルミ、銅、チタン、マグネシウム、貴金属をはじめとした金属材料の加工技術に関する記事を集めました。
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長い帯状の金属へメッキ加工を行うフープメッキ。フープメッキの方式には、必要な箇所にメッキ処理を行うことができる治具方式とテープ方式がありますが、治具方式は初期コストがかなり高額で滲みを考慮した設計が必要で、テープ方式はメッキ処理の都度テープ加工の時間を要すなどのデメリットがあるそうです。今回は、埼玉県川口市にある株式会社東和企画にスポットメッキのもつ可能性や、治具方式とテープ方式の長所を掛け合わせたマスキングテープ方式のスポットメッキの特徴についてお話を伺いました。
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2021年2月9〜10日に、東京国際フォーラムにて「第7回 町工場見本市2021」が開催されました。町工場見本市は葛飾区およびその近隣地域の製造業かつ中小企業のための展示会。多くの下町の町工場が自慢の技術を持ち寄り、商談から受注につなげようと出展していました。後編では、「町工場だから実現できた」無人小型深海探査機の開発プロジェクトや、同じ地域の町工場だけの技術で実現した「水着専用脱水機」など、町工場ならではの技術や取り組みについてご紹介します。
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2021年2月3~5日に、幕張メッセにて「第32回日本ものづくりワールド2021」が開催されました。本展示会は設計・製造ソリューション展を軸に、製造業に関する企業や団体が出展する9つの展示会がまとまった会です。東京、名古屋、大阪で年に3〜4回開催されてきました。今回は、アプセット鍛造、波動歯車減速機、ピアスナットなど加工法から機械要素まで幅広い分野のものづくり最新動向をご紹介します。
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2021年2月9〜10日に、東京国際フォーラムにて「第7回 町工場見本市2021」が開催されました。町工場見本市は葛飾区およびその近隣地域の製造業かつ中小企業のための展示会。多くの下町の町工場が自慢の技術を持ち寄り、商談から受注につなげようと出展していました。その中から気になったものづくりの展示を2回に分けて紹介します。前編では、コロナ禍で売上が落ち込んだ企業や、年々市場からの需要が減少している企業などの生き残り戦略や、町工場ならではの得意技術についてご紹介します。
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体内の管状の部分を内側から広げるために使われるステントのように、体内留置型の医療部品には超精密な加工が施されます。超精密な加工には工場の温度管理が重要で、例えば鉄は1℃気温が変わると0.002~0.003mmほど膨張するため、削っている先から鉄が膨張してしまうと正確な加工ができません。そのため、工場内は常に徹底的な温度管理が必要とされるそうです。
今回は、超精密な金型を作り続けてきた技術を生かし、海外の医療メーカーからの依頼で医療機器の製造も行う、福岡県鞍手郡にある藤井精工株式会社に高度な技術とものづくりへの姿勢についてお話を伺いました。 -
ステンレスは、硬化しやすい上に、熱伝導率が悪く熱が逃げづらい合金。そのため、刃物に熱が溜まりやすく、刃物の摩耗が早まったり欠損しやすくなったりするので、早めの刃具交換が必要なほか、穴開け加工の際には硬くならないような加工方法の工夫が必要といいます。今回は、ステンレス加工を得意とし、業務用機械器具の部品製造を行っている山形県の有限会社渡辺工作所に、同社が多品種小ロットで、ステンレスから難削材まで幅広い種類の材料の加工が可能なわけについて伺いました。
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レーザー光を集光し金属面に照射、金属を局部的に溶融・凝固させるレーザー溶接。CO₂レーザーやYAGレーザーなど従来のレーザー溶接には、レーザー光線を加工対象物まで近づけにくい、消耗品の定期的交換が必要などのデメリットがあります。一方、これらのデメリットを解消できそうな「ファイバーレーザー」が近年台頭してきました。今回は、30年以上前にレーザー加工を導入し、「ファイバーレーザー溶接」を得意とする岡山県の大松精機株式会社に、同社がもつ「一貫生産システム」の強みや、品質に妥協しないレーザー溶接技術について伺いました。
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さまざまなモノづくりで必要とされる板金加工。板金加工の中でも特に高度な技術が求められるが「精密板金加工」です。精密板金の場合、ほとんどの会社で鉄は取り扱っていますが、ステンレスを扱っている会社は全体の約半分、アルミを扱っているのは3割程度と言われています。今回は、精密板金において鉄、ステンレス、アルミ、真鍮、銅など実にさまざま材料を扱っている名古屋市にある株式会社髙田製作所に、1965年創業以来培ってきた技術力をはじめ、幅広い対応力や提案力について話を伺いました。
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2020年12月7~9日に、東京ビッグサイト・青海展示棟Aホールで「中小企業 新ものづくり・新サービス展2020」が開催されました。本展示会は、「ものづくり補助事業(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助事業)」に参画した事業者のみが出展する展示会で、同事業によって開発された新しい技術や製品を紹介しています。今回は、ノンシアン・ニッケルフリーの合金メッキ処理技術や化学研磨技術を使ったチタン合金の研磨技術などについてご紹介します。
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2020年12月9~11日に、東京ビッグサイトで「SURTECH 2021 表面技術要素展」が開催されました。この展示会は表面処理技術・加工装置をはじめ、表面処理に関するあらゆるモノとサービスが一堂に会するイベント。今回は、「無電解ニッケルめっき」や「アルマイト処理(陽極酸化処理)」などものづくり現場で広く使われている表面処理技術や石炭火力発電所、ゴミ焼却場などで使用する「排水用重金属処理剤」などについてご紹介します。
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金属加工法の一種であり、常温下で金属に金型を合わせて圧を加えることで成形する冷間鍛造。冷間鍛造は、目的の形状に至るまでのプロセスが非常に重要であり、どのように工程を設計するかがその後の製造効率や製品の精度に大きく影響するといいます。今回は、1964年創業以来、冷間鍛造だけでなく金型製作も行い、自動車安全部品や工作機器部品などを製造している株式会社飯塚製作所に、同社の技術力と提案力でより安く、スピーディーに製品を仕上げるノウハウについて伺いました。
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「精密機械加工をどこにどう頼むか」「工具の再研磨やメンテナンスを頼みたい」といった悩みを抱える方々、「ものづくりサポートセンターtomakichi(トマキチ)」をご存じでしょうか。精密機械加工サービスや再研磨丸投げサービス、切削工具などの無料オンラインセミナーなどを提供しているサイトです。今回は、このtomakichiを運営している高知の機械工具専門商社、株式会社TOSAMACHINEに、高知県内外企業とのネットワークを活かした同社のサービスについて伺いました。
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日本のものづくりの根幹を担う産業の一つ、鋳造業。その鋳造に欠かせないのが「型」です。できあがり製品の模型を正確に製作し、その模型によって鋳型を造り、そこに溶かした金属を流し込んで鋳物を生成します。今回は、1946年創業以来、造船、自動車などあらゆる産業で使われている鋳造型を製作している高知機型工業株式会社に、他社と差別化できる鋳造型制作の技術とノウハウについて伺いました。
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自動車の更なる軽量化を実現するためにアルミ合金部品の製法に求められているのは、鍛造と同等以上の強度、ダイカストに近い生産性、鉄と同等以上のコストレベルだといいます。その実現に挑んでいる企業のひとつが、アルミの半凝固スラリーを用いて高圧鋳造する「半凝固ダイカスト法」を開発しているHGプレシジョンです。今回も引き続き、同社に「半凝固ダイカスト法」から鍛造並みの強度を得るために改良中の「半凝固プレス法」の開発ストーリーと自動車の軽量化への可能性について伺いました。
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鉄やアルミ合金などの金属材料の鋳造法として広く使われている「ダイカスト法」。この加工法は、複雑な形状の製品をひとつの工程で量産し生産コストを削減できる等の長所がある一方、加工品の精度を落とす「気泡巻き込み」や「引け巣」の欠陥が生じうるという短所もあります。今回はその欠陥を減らす方法の一つとして、アルミニウムの「半凝固状態」に着目し、「半凝固ダイカスト法」を開発しているHGプレシジョンに話を伺いました。
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時計に使われる精密部品から船舶に使われる数メートルのシャフトまで、様々な金属の機械部品を作る時使用する旋盤加工。機械部品の加工品質を高めるには、ターニングセンタなどの工作機械の使用以外にも、それを使いこなす技術者の腕も欠かせない要素だといいます。今回は、農業機械や建機など大型機械部品の旋盤加工を得意とし、社員数の2/3が勤続15年以上のベテラン技術者で構成されている高須工業株式会社に、当社がもつ大型・薄物部品の旋盤加工技術の特徴や、品質第一へのこだわりについて伺いました。
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2020年10月7~9日にインテックス大阪で「関西ものづくりワールド2020」、「第8回関西高機能素材Week」が開催されました。コロナ禍の影響が大きく前回の出展社数の約半分の規模になったというものの、関西圏を中心に出展社も戻りつつあるようで、遠隔ではなくやはりリアルな展示会の重要性が再認識されているようです。今回は、ロストワックス精密鋳造によるさまざまな加工事例のほか、家庭向け植物工場、紫外線照射による減菌装置についてご紹介します。
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日本人の死因の上位に入る「脳血管疾患」。多くの場合は手指に麻痺が残り日常生活への影響が大きいと言われています。この手指の動きを助けるリハビリ用装具は、手指の関節が多く骨格が複雑なため、技術的ハードルが高く実用化が難しいと言われてきました。今回は、手指の筋電を感知し動きをサポートする小型で安価なリハビリ用ロボット装具を開発している「メグウェル」に、地場企業と大学がタックを組んだ経緯など開発ストーリーを伺いました。
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2020年9月9~11日に愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo)で「第5回 名古屋ものづくりワールド2020」が開催されました。ものづくりワールドは、東京、名古屋、大阪で年に3〜4回開催され、機械部品や工場設備、計測機器などに関係する企業や団体が毎年1,000社以上出展している展示会です。今回は、板バネを使った軸継手(カップリング)のような機械部品や、バリ取りの自動化など金属・樹脂加工時の新しい技術についてご紹介します。
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アルミニウム材料は様々な形状に加工できる特徴を活かし、薄いアルミホイルから、アルミサッシのようなものから大きな部材まで存在し、建築材料、自動車、産業機械、飛行機などで用いられています。アルミニウムの加工方法には、圧延、鋳造、ダイカスト、鍛造、押出などいくつもの種類がありますが、希望の断面形状に加工できるのが押出加工です。今回は、アルミニウム製品の製造メーカーである、日軽金アクト株式会社の谷津倉政仁氏に、押出加工の基礎知識や輸送機器などの利用事例についてお伺いしました。