自動車、太陽電池、医療、航空・宇宙など、幅広い分野で必要不可欠な材料である金属。アルミ、銅、チタン、マグネシウム、貴金属、鉄鋼などの金属材料に関する記事を集めました。
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構造物に発生する腐食を防ぐ主な手段として溶融亜鉛めっきが挙げられますが、沿岸地域や温泉地ではむしろさびが発生しやすく、構造物のライフサイクルコストがかかるという悩みがあるといいます。その悩みの一つの答えが、ステンレス(SUS316L)に樹脂に配合したハイブリッド塗料「ステンシェル(R)」にあるかもしれません。今回は、創業以来90年以上アルミニウム関連製品の開発・製造を行ってきた東洋アルミニウム株式会社に、同塗料の導入メリットや活用事例について伺いしました。
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自動車の更なる軽量化を実現するためにアルミ合金部品の製法に求められているのは、鍛造と同等以上の強度、ダイカストに近い生産性、鉄と同等以上のコストレベルだといいます。その実現に挑んでいる企業のひとつが、アルミの半凝固スラリーを用いて高圧鋳造する「半凝固ダイカスト法」を開発しているHGプレシジョンです。今回も引き続き、同社に「半凝固ダイカスト法」から鍛造並みの強度を得るために改良中の「半凝固プレス法」の開発ストーリーと自動車の軽量化への可能性について伺いました。
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鉄やアルミ合金などの金属材料の鋳造法として広く使われている「ダイカスト法」。この加工法は、複雑な形状の製品をひとつの工程で量産し生産コストを削減できる等の長所がある一方、加工品の精度を落とす「気泡巻き込み」や「引け巣」の欠陥が生じうるという短所もあります。今回はその欠陥を減らす方法の一つとして、アルミニウムの「半凝固状態」に着目し、「半凝固ダイカスト法」を開発しているHGプレシジョンに話を伺いました。
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2020年10月7~9日にインテックス大阪で「関西ものづくりワールド2020」、「第8回関西高機能素材Week」が開催されました。コロナ禍の影響が大きく前回の出展社数の約半分の規模になったというものの、関西圏を中心に出展社も戻りつつあるようで、遠隔ではなくやはりリアルな展示会の重要性が再認識されているようです。今回は、ロストワックス精密鋳造によるさまざまな加工事例のほか、家庭向け植物工場、紫外線照射による減菌装置についてご紹介します。
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アルミニウム材料は様々な形状に加工できる特徴を活かし、薄いアルミホイルから、アルミサッシのようなものから大きな部材まで存在し、建築材料、自動車、産業機械、飛行機などで用いられています。アルミニウムの加工方法には、圧延、鋳造、ダイカスト、鍛造、押出などいくつもの種類がありますが、希望の断面形状に加工できるのが押出加工です。今回は、アルミニウム製品の製造メーカーである、日軽金アクト株式会社の谷津倉政仁氏に、押出加工の基礎知識や輸送機器などの利用事例についてお伺いしました。
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鉄鋼と聞くと鉄(Fe)をイメージする方も多いと思いますが、鉄鋼は鉄を主成分とした合金で、鉄とは異なる金属材料です。強度が高く、加工性に優れるなどの特徴からものづくりには欠かせない鉄鋼。今回は、みんさく編集部が、ものづくりに携わる人が最低限知っておくべき鉄鋼の基礎、鉄と鋼の違い、特徴、種類、加工方法について簡潔に整理しました。鉄鋼を使うことになった、ものづくり現場への配属が決定したなど、鉄鋼について改めておさらいしたい方は、ぜひご一読ください。
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私たちの生活を支える、社会インフラ機器などの部品で広く使用されている工業用クロムめっき。しかし、同めっき液に含まれる6価クロムによる廃棄後の土壌汚染や地下水汚染、健康被害の発生が報告されるなど環境や人体に有害な物質としても知られ、EUでは6価クロムの使用を制限する規制が施行されています。今回は、日立製作所 研究開発グループの兼元主任研究員と川村研究員に、このクロムめっきの代替として、クロムめっきに相当する耐食性・耐摩耗性を実現した「多層硬質ニッケルめっき技術」の特徴を解説頂くと共に、同研究成果が持続可能なモノづくりの実現にどのように貢献できるかお伺いしました。
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アーク溶接、肉盛溶接など、ものづくり現場で行われている金属接合技術は多岐にわたります。そのなかで、爆薬が爆発する時に放出する瞬間的な高エネルギーを利用した「爆発圧着」という金属接合技術をご存じでしょうか。爆発圧着技術で製造された高性能材料「BAクラッド(R)鋼板」は、化学工業・石油精製・石油化学・電力プラントなど、強度と信頼性が求められる環境で使用されています。今回は、爆発圧着技術を50年以上にわたって研究・事業化してきた旭化成に、技術の特徴や活用事例、新たな技術開発の展望について伺いました。
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何十年もの間、その道一筋を貫く中で生み出された中小製造業のニッチな技術。このニッチな技術と最先端の研究シーズが出会ったらどんな相乗効果が起きるのでしょうか。今回は、細くしなやかな銅線をつくる随一の技術をもつ「中小製造業」と、超伝導線の研究を行っている「研究機関」がタックを組んで、長い間実現することが難しいとされた「超極細」超伝導ワイヤーの開発ストーリーを伺いました。
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2020年2月13~14日に東京国際フォーラムで「第6回 町工場見本市」が開催されました。葛飾区を中心とした中小製造業のための本展示会では、多くの展示にて町工場ならではの多種多様な努力と工夫、斬新な技術を見ることができました。今回は、町工場のこだわりのある技術に注目し、「流体を垂れずしっかりカットできるカットノズル」、「馴染み感ある加圧式ステッカー」、「加工の難しい真鍮を用いたものづくり」をご紹介します。
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鋳造性に優れ、自動車や二輪などの輸送機器などに使用される 「鋳造用アルミニウム合金」は、砂型・金型鋳造用合金とダイカスト用合金の2つの系統があるといいます。適用する鋳造法によって要求特性が異なるため、JIS規格では鋳造法別に分類して規定されているのです。今回も引き続き日軽エムシーアルミ株式会社 開発部長の堀川宏氏に、鋳造用アルミニウム合金の2つの系統や、顧客の求める特性やスペックを実現するメーカー開発合金について詳しくお話をお伺いします。
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軽くて強く、リサイクル性も汎用性も高い金属、アルミニウム。飲み物の缶や自動車、新幹線、ロケットなど幅広い分野で使われています。本連載では、6回にわたってアルミニウムの基礎知識についてアルミニウム合金の開発を主力事業に据える日本軽金属グループに解説していただきます。今回はアルミニウムが持つ9つの特長と展伸用アルミニウム合金について、日軽エムシーアルミ株式会社の開発部長・堀川宏氏にお話を伺いました。
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2020年から日本国内のサービス開始が予定される次世代通信規格「5G」。低遅延や高速・大容量、IoT機器の同時接続や省電力、低コストなどが特徴ですが、5G化で需要が高まる分野は、例えば製造業・ものづくり分野ではいったい何でしょうか。この記事では、取り上げた最新技術キーワードをAI予測サービスに分析させます。さらに、分析結果を改めて編集部が意味づけ・解釈する新たなアプローチによって、今後需要が高まっていく研究分野・事業を可視化していきます。
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金属3Dプリンター向けに開発された新素材「アルミニウム合金粉末(アルミニウム・パウダー)」。アルミニウム合金の持つ軽量性・耐食性に加え、後加工などで重視される高い快削性といった特徴から金属積層への適用に強い期待がある一方で、新素材開発には材料特有の課題がありました。今回、この新素材について私たちが知っておきたいことを、アルミニウム粉末の国内生産を行う東洋アルミニウムの今井宏之氏にお伺いしました。
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みんなの試作広場(以下みんさく)では、研究開発者向けに材料選定のノウハウやポイント、材料や加工技術の基礎知識や最新情報を掲載し、数多くの研究開発者に記事閲覧して頂いています。本記事では、みんさく掲載記事のなかで「ものづくり」で広く用いられる金属や樹脂に注目し、材料や加工方法に関する基礎知識や注目技術の解説、欠陥原因の推定など材料にまつわる技術者ノウハウなど、仕事に役立つ学べる連載をご紹介します。
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2019年12月4~6日に幕張メッセで開催された「第10回 高機能素材Week」。本展示会は、フィルム・プラスチック・複合材・金属・セラミックスなど、製品の高付加価値化に欠かせない素材技術を持つ企業が出展する展示会です。今回は、切削性・耐食性に優れた黄銅、透明性と高屈折率を両立する難燃性ポリマー、異素材接合となる陽極酸化皮膜の表面処理といった新素材やものづくり要素技術についてレポートします。
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スマートフォンやタブレットなどの機器や電子部品、自動車や航空機に至るまで、あらゆる工業製品に組み込まれたレアメタルの安定確保は、製造業界にとって重要な課題です。今回は、非鉄金属専門商社としてトレーディング、リサイクル、コンサルティングの3領域で課題解決を行う矢野金属株式会社の矢野和義代表取締役に、同社の特徴や強み、今後の展開についてお聞きました。
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製造する部品に最も適した金属加工方法を選定するには、加工品の形状、強度、寸法精度、生産数・・・さまざまな要件を検討することが必要です。今回は、鍛造加工を中心に、他の加工方法と比較を交えながら、押さえておくべき各種加工方法の特徴や考慮すべきポイントについてご説明します。
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航空ジェットエンジンの重要パーツであるタービンブレード。高温、高い遠心力に耐えることができる金属材料を複雑な形状に加工する「精密鋳造技術」の進展によって、タービンブレードの高性能化、ひいてはジェットエンジンの燃費向上が実現されてきました。今回は航空宇宙分野の市場動向に触れつつ、同分野における精密鋳造技術の開発状況を詳しく解説します。
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多種多様なめっき鋼板の中でも、優れた耐食性・加工性を持つめっき鋼板「ZAM(R)」。日本製鉄株式会社では、多彩なバリエーションのZAM(R)を提供しています。この記事では、ZAM(R)の中でも高い意匠性を持ち、建築業界から自動車、家電まで幅広い用途での活用が期待される「黒ZAM(R)」をご紹介します。