機械製品から玩具まで至るところに用いられている「ばね」に代表される機能部品、新素材開発などさまざまな研究開発で欠かせない試験片に関する記事を集めました。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第12回は、引き続きブリヂストンのバリアレス縁石を紹介します。縁石開発は、これまで同社が培ってきたタイヤ開発の知見が根本にあるというブリヂストン。運転手ストレスの軽減と、乗客の乗降時間短縮を両立するバリアレス縁石は、どのようにして開発され、どのような工夫がされているのでしょうか。今回は、ブリヂストンの研究施設プルービンググラウンドだけでなく、奇しくも同じ日に普通のバスでも乗り降りを行った野地氏が、技術レガシーとなりうると感じた「バリアレス縁石」の顧客提供価値に迫ります。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第11回は、ブリヂストンからバリアレス縁石を紹介します。夏季大会は、選手や関係者を選手村から各競技会場へ運ぶバスがほぼ24時間運航するといいます。競技に遅れることはできない選手にとって、車いすに乗っても大きな荷物を持っても素早くバスに乗り降りできることは重要であるため、バリアレス縁石が採用されることになりました。今回は、タイヤのようなゴム製品で知られたブリヂストンが縁石を提供することになった経緯について、那須塩原にあるブリヂストンの研究施設プルービンググラウンドで話を伺いました。
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家電から産業機器まで幅広く使われている電子回路基板。その組み立てには、「共晶はんだ(鉛はんだ)」が使用されましたが、鉛による環境汚染やEUでの鉛使用制限の規制の影響で、現在は「鉛フリーはんだ」が主流になってきています。この「鉛フリーはんだ」は、鉛はんだより温度コントロールが難しく高い技術を要するといいます。今回は、1983年に創業以来、長年培ってきた「はんだ」によるアッセンブリ技術を持つ株式会社土佐電子に、同社がもつ「鉛フリーはんだ」技術の特徴や、ものづくりへの姿勢について伺いました。
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「ものづくり」の雄のトップから「ものづくり日本」再興の指針へのヒントを伺う連載第5回では、引き続きシグマの山木和人社長に、本インタビュー総括としてニューノーマルにおける日本のものづくりの展開についてお伺いました。日本のものづくり空洞化で製造業を希望する若者が減っているなかでも、「おしなべて優秀で倫理観、道徳意識も高く、ミニマリズムみたいな美的感覚も持っている日本の若者」は十二分に競争力はあるそうです。
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2020年9月9~11日に愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo)で「第5回 名古屋ものづくりワールド2020」が開催されました。ものづくりワールドは、東京、名古屋、大阪で年に3〜4回開催され、機械部品や工場設備、計測機器などに関係する企業や団体が毎年1,000社以上出展している展示会です。今回は、板バネを使った軸継手(カップリング)のような機械部品や、バリ取りの自動化など金属・樹脂加工時の新しい技術についてご紹介します。
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「ものづくり」の雄のトップから「ものづくり日本」再興の指針へのヒントを伺う連載第4回では、引き続きシグマの山木和人社長に、コロナ禍における生き残り戦略のポリシーについて詳しくお伺いました。雇い止め等雇用調整が進むなかでも「雇用を守ることが会社の経営目標の上位にある」という当社の「メイド・イン・ジャパン」のこだわり。そのこだわりはコロナ禍でも変わらず、エンジニアの提案を注視する当社ならでの製品を造っていくそうです。
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スマートロックや温湿度センサーなど、あらゆる分野で私たちの生活に浸透しているIoT(モノのインターネット)。一方でIoTの普及に伴い電源問題が浮き彫りになっています。身近な振動や動きで発電する振動発電がその一端を担う技術になるかもしれません。今回は、逆磁歪効果を利用した振動発電技術の基本原理(平行梁型)を発明した金沢大学の上野敏幸准教授に、電池フリーのIoTデバイス実用化に向けた振動発電技術について伺いました。
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「ものづくり」の雄のトップからニューノーマルにおける「ものづくり日本」再興の指針へのヒントを伺う本連載。第3回は、海外に工場を持たず日本で造ることにこだわりつづけている日本有数の光学機器メーカー、シグマの山木和人社長です。ものづくり現場におけるテレワークの実態や、「濃密な、協力し合う人間関係の中から最高のものを作る方が強み」という当社の生き残り戦略についてお伺いいたしました。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第10回は、引き続きセコムの警備システムを紹介します。「オリンピックの警備は恩返し」というセコム。本大会に向けて、不審者など異常を早期発見する民間警備業の視点から生まれた、上空(俯瞰)、陸上(仮設)、警備員(対人)という3つの視点から統合監視システムを開発しました。今回は、現場担当者に抜擢されたセコムの高橋哲也氏に、技術レガシーとして残っていくことが期待される「統合監視システム」の開発ストーリーをお伺いします。
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「ものづくり」の雄のトップから「ものづくり日本」再興の指針へのヒントを伺う連載第2回では、引き続きアルプスアルパインの栗山社長に、コロナ禍における経営戦略について伺いました。1948年に前身となる「片岡電気」として総勢23人の町工場からはじまり、従業員4万人を超えるグローバル企業に成長した当社が進めてきた「ニッチトップ」戦略。その戦略はコロナという逆境でも、変わりません。
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新型コロナウィルスは世界に感染を広げ、経済、社会に大きな影響を与えています。グローバル化が進む製造業のサプライチェーンを寸断、日本の経済を支えてきた製造業もその洗礼を受けています。本連載では、ニューノーマルにおける「ものづくり」の雄のトップから「ものづくり日本」再興の指針へのヒントを伺います。
第1回は、電子部品事業と車載情報事業を中核にすえ、世界展開するアルプスアルパインの栗山年弘社長です。コロナ禍におけるものづくりや、見通しや経営戦略、テレワーク実態についてお伺いしました。
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『部品の仕事』第22回(最終回)は自動車内外装のトータルサプライヤーである名古屋の林テレンプ後編です。EV時代を迎え自動車業界が大きく変化していくなか、車の内装部品の一つであるフロアカーペットの機能を高めるためにはどのような研究開発が行われているのでしょうか。万人が好きな静かさを追求するために当社が構築した「音」の研究開発現場を伺いながら、「部品の仕事」をする人物像について野地氏が迫ります。
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今回で第21回となる、1年近く連載を続けてきた野地秩嘉氏の『部品の仕事』。最後にご紹介する会社は、永きにわたって自動車内外装を手掛けてきた名古屋の林テレンプです。私たちが車に乗るたびに目にし、触れる、身近な“部品”である車の外装と内装。以前は単に“加飾”としてだけの内装が、近年、より具体的な機能を求めて開発されてきたと言います。今回は、車の内装部品の一つであるフロアカーペットの製作過程やその機能を伺いながら、「内装部品の仕事」を探っていきます。
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『部品の仕事』第20回はボールジョイントなどの自動車部品を開発・製造している浜松のソミック石川の後編です。自動車には欠かせないボールジョイントですが、『利益の10%は耐久試験、開発にまわす』同社において、その性能を高める技術や方法には何があるでしょうか。さらに、技術者が語るボールジョイントに対する思いと「完成車開発の一端を担っている」部品の仕事へのモチベーションについて野地氏が探ります。
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野地秩嘉氏の連載『部品の仕事』第19回は、ボールジョイントなどの自動車部品を扱う浜松のソミック石川です。どんな車にも必ず装備されているボールジョイントは、タイヤとサスペンションアームの間で関節のように働き、路面からの衝撃や振動を吸収する、言わば事故を起こさないために壊れてはいけない部品です。今回は、ボールジョイントの基本的な役目から、設計ノウハウまで伺うなかで、「走っている車の数だけ売れる部品」の仕事に迫ります。
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『部品の仕事』第18回はクラッチを開発・製造している会社エフ・シー・シー(F.C.C)の後編です。ギアシフトが必要ないとも言われるEV時代に今後クラッチメーカーはどういう形で対応し、クラッチはどう活用されていくのでしょうか。レースによって磨かれるというクラッチの技術をお伺いしながら、試作部門と開発研究部門がチームになって必死に考えて提案をしていくという部品会社での仕事の魅力や将来性を野地氏が探ります。
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クラッチ、と聞けばマニュアル自動車を運転したことがある読者ならば馴染み深い言葉でしょう。運転好きなら「半クラ」という足さばきがお得意な方もいらっしゃるでしょう。野地秩嘉氏の連載『部品の仕事』第17回では、長くクラッチの製造を手掛けている静岡のエフ・シー・シー(以下F.C.C.)を訪ねました。野地氏はここでクラッチの奥深さを知ることになります。
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ブレイクスルーであるSPCCI(火花点火制御圧縮着火)技術を生み出し、こだわり抜いて開発されたスカイアクティブX。しかし、スカイアクティブXは、発売前に急きょ発売が延期されます。そこにはどのような事情があったのでしょうか。最終話となる今回は、発売延期の理由とそもそも画期的新エンジンを生み出せたメーカー「マツダ」がもつ理念についてお伺いしました。
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ガソリンエンジンならではの伸びのよさに、ディーゼルエンジンの優れた燃費・トルク・レスポンスといった特長を融合したマツダ「スカイアクティブX」。HCCIの研究に50年を費やした研究者もいる中で、このエポックメイキングなSPCCIエンジンは、どのような発想、技術から開発されたのでしょうか。今回も引き続き、マツタのエンジニアの方々に開発に至るまでの長い道のりと乗り心地についてお話をお聞きします。
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世界中の自動車メーカーが開発を急ぐHCCI(予混合圧縮着火)の圧縮着火の原理を、独自の技術で応用しSPCCI(火花点火制御圧縮着火)エンジンを実現したマツダ「スカイアクティブX」。本連載では、マツダ株式会社の担当エンジニアの方々にお伺いした「スカイアクティブX」開発ストーリーをお届けします。今回は、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの“良いとこ取り”を実現した燃料噴射のタイミングの調整、ピストンの形状などさまざまな工夫をご紹介します。