多くの製品化には欠かせない材料・加工・計測解析などの技術情報について、企業で研究・開発に従事される方や加工技術をサービス提供する企業の専門家など、各分野で活躍されている方にお話をお伺いしました。
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太陽電池は、環境への配慮など持続可能な社会を支える上で利用が増えていますが、その材料として広く使われているのがシリコンです。一方、透明で柔軟、軽いという特性をもつ「ペロブスカイト」を使った太陽電池の研究開発も盛んに進んでいます。今回は、このペロブスカイト太陽電池に注目し、3回にわたって、同太陽電池の研究開発を主導した桐蔭横浜大学の特任教授 宮坂力氏に、ペロブスカイト太陽電池の研究開発ストーリーや特徴などについてお話を伺いました。前編は、学生の提案によりペロブスカイトによる太陽電池の研究を行った経緯についてのお話です。
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IPランドスケープとは、英語でいうと「Intellectual Property Landscape」で「自社、競合他社、市場の研究開発、経営戦略等の動向及び個別特許等の技術情報を含み、自社の市場ポジションについて現状の俯瞰・将来の展望等を示すもの」であり、知財に関する環境と見通しを意味します。今回は、ビジネス・オーナーと知財アナリストをマッチングする場を提供し、IPランドスケープを使ってビジネス開発をしようとする「NBIL-5」という任意団体に焦点をあてた連載の後編として、NBIL-5の活動事例を紹介します。水素内燃機関の事業化に取り組んでいるi Labo株式会社 代表取締役社長 中山泉氏に、水素内燃機関の技術と意義、NBIL-5によるIPランドスケープなどの具体的な知財サポート事例についてお話を伺いました。
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新規事業創出に知的財産(以下、知財)の活用を考えられている方々は、「NBIL-5」をご存知でしょうか?「NBIL-5」とは、ビジネス・オーナーと知財アナリストをマッチングする場を提供し、IPランドスケープを使ってビジネス開発を支援する任意団体です。成長する多くの企業に蓄積されている独自開発技術やノウハウ。これら知財として守ることで新たな事業展開や業務提携などにつなげていくことが重要です。一方で、その事業に詳しい知財のプロフェッショナルを見つけるのは簡単ではありません。今回は、「NBIL-5」に焦点をあてて、2回にわたってその活動概要と新規事業創出の事例をご紹介致します。前編は、NBIL-5のファウンダーの一人、正林国際特許商標事務所の齋藤拓也氏にNBIL-5の活動の紹介や、特許を取得するメリットなどについてお話を伺いました。
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1969年の「アポロ計画」以来半世紀を経て、再び月を目指す新しいプロジェクト「アルテミス計画」。その計画の第一弾として2022年初頭に打ち上げ予定の「アルテミス1号」には、無人宇宙船ORIONのほか、13の「相乗りミッション」が実施されます。その13のうち、日本から2つが採用。本連載は、この2つのプロジェクト「OMOTENASHI」「EQUULEUS」の技術やミッションについて、JAXAの各プロジェクトリーダーからお話を伺いました。第4回目は、「EQUULEUS」後編として、同プロジェクトの3つ科学観測ミッションと水推進エンジンを採用した理由についてお話を伺いました。
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1969年の「アポロ計画」以来半世紀を経て、再び月を目指す新しいプロジェクト「アルテミス計画」。その計画の第一弾として2022年初頭に打ち上げ予定の「アルテミス1号」には、無人宇宙船ORIONのほか、13の「相乗りミッション」が実施されます。その13のうち、日本から2つが採用。本連載は、この2つのプロジェクト「OMOTENASHI」「EQUULEUS」の技術やミッションについて、JAXAの各プロジェクトリーダーからお話を伺いました。第3回目は、「EQUULEUS」前編として、同プロジェクトが目指す「ラグランジュ点」についての解説と、軌道制御や通信技術についてお話を伺いました。
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標準化は知財を抱える大企業のみが行うものではなく、地域の業界環境や社会課題に目を向け、自社事業の生き残りと課題解決の手段として中小企業も取り組み始めています。今回は、知的財産の標準化に焦点をあてた連載の後編として、標準化を見据えて新たなビジネスモデルに取り組んでいる郡山観光交通株式会社の代表取締役 山口松之進氏に、社会課題の解決に期待される「定額タクシー」「産直レストラン」のような標準化の具体例をご紹介して頂きました。
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オープン戦略としての国際標準化は、これまで自社でクローズし独占してきた知的財産(知財)を開放することで広く多くに使ってもらうといった方法であり、これまで多くの事業で成功事例を生み出し、多様な市場の拡大に即してきました。このような企業の新たな事業展開や業務提携等において考慮すべき「標準化」について皆さんはどれくらいご存じでしょうか。今回は、知的財産の標準化に焦点をあて、2回にわたって概念説明と事例紹介を致します。前編は、日本知財標準化事務所の知財標準化事業部長、マーケット・クリエイション・プロデューサーである藤代尚武氏に、これまでの日本での標準化が抱えていた課題や、国際標準化の進め方について解説頂きました。
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1969年の「アポロ計画」以来半世紀を経て、再び月を目指す新しいプロジェクト「アルテミス計画」。その計画の第一弾として2022年初頭に打ち上げ予定の「アルテミス1号」には、無人宇宙船ORIONのほか、13の「相乗りミッション」が実施されます。その13のうち、日本から2つが採用。本連載は、この2つのプロジェクト「OMOTENASHI」「EQUULEUS」の技術やミッションについて、JAXAの各プロジェクトリーダーからお話を伺いました。第2回目は、「OMOTENASHI」後編として、アルテミス1号から分離して月に着陸するまでの着陸技術などについて伺いました。
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人類が初めて宇宙飛行士を月面に着陸させた1969年の「アポロ計画」。半世紀を経て、再び月を目指して「アルテミス計画」という新しいプロジェクトがNASA主導で進められています。そのアルテミス計画の第一弾として2022年初頭に打ち上げ予定の「アルテミス1号」には、無人宇宙船ORIONのほか、13の「相乗りミッション」が実施されます。その13のうち、日本から2つが採用。本連載では、この2つのプロジェクト「OMOTENASHI」「EQUULEUS」の技術やミッションについて、JAXAの各プロジェクトリーダーからお話を伺いました。第1回目は、「OMOTENASHI」前編として、同プロジェクトのミッションやそのミッションが持つ意味などについて伺いました。
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国連(UN)が2015年に採択した17の「持続可能な開発目標(SDGs)」のうち、目標6である「安全な水とトイレを世界中に」。世界の人びとに安全な水と衛生へのアクセスを確保することが掲げられており、自宅にトイレのない生活を送っている約20億人など不衛生な環境に置かれている人々のための施策が求められています。今回も引き続き、水を使わずに微生物の力で排泄物を処理する「バイオトイレ」を開発・販売している正和電工株式会社 代表取締役 橘井敏弘氏に、ベトナムの世界遺産・ハロン湾に導入したバイオトイレなど発展途上国での利活用事例についてお話を伺いました。
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前編では、日本のトイレの9割が公共下水道または合併処理浄化槽を使って処理されていますが、1割はまだ汲み取り式などの非水洗トイレであり、そうしたトイレにバイオトイレが適しているという解説と、正和電工がバイオトイレの開発を始めるきっかけについて紹介をしました。しかし、上水道も下水道も浄化槽も必要なく、糞尿が消滅し、匂いもしない、良質な肥料ができるトイレがあることを、世間にはなかなか認知してもらえず、国内では法律の障壁もあり、認められるまでには長い年月がかかりました。中編では、日本で認められるまでのストーリーを紹介します。
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トイレは私たちが当たり前のように毎日使用していますが、日本のおよそ9割が使用している水洗式トイレは、都市部のように下水道が整備なしでは使用できない設備であり、人口密度の低い農村部などでは汚水処理の設備が整っておらず汲み取り式トイレが使われています。日本のおよそ1割が使うこの汲み取り式トイレは、衛生面で安全とは言えません。今回は、水を使わずに微生物の力で排泄物を処理する「バイオトイレ」を開発・販売している正和電工株式会社 代表取締役 橘井敏弘氏に、バイオトイレが必要な理由と、26年前から開発を始めたきっかけ・商品化までの道のりについてお話を伺いました。
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イオンエンジンの推進剤としてキセノン(Xe)が一般的ですが、高圧ガスタンクが必要であることから安全性が懸念されています。そこで、月面着陸したアポロの時代からその可能性が示唆されていた「水」に再び注目し、水推進エンジンの研究を進めているグループがあります。今回も引き続き第3回目として、小型エンジンの研究をリードしている、東京大学大学院新領域創成科学研究科の小泉宏之准教授に、同研究グループの水推進エンジンの方式と特徴を伺うほか、水推進エンジンの宇宙ビジネスにおけるメリットについてお話を伺いました。
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宇宙科学研究所(ISAS)によって打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ」や、超小型深宇宙探査機「プロキオン」には、姿勢制御、軌道遷移、緊急対応などのために「エンジン」が必要であり、これらの探査機には「イオンエンジン」というロケットエンジンが使用されています。今回も引き続き第2回目として、小型エンジンの研究をリードしている、東京大学大学院新領域創成科学研究科の小泉宏之准教授に、超小型イオンエンジンとは何か、その特徴や、イオンエンジンの推進剤として使われている「キセノン(Xe)」の限界についてお話を伺いました。
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民間宇宙飛行士を乗せた米国の宇宙開発企業の宇宙船が国際宇宙ステーション(ISS)へのドッキングに成功するなど、宇宙ビジネスは花盛りを見せています。その宇宙ビジネスで注目されているのが超小型衛星であり、その要素技術の研究開発も活発に進んでいます。今回は、超小型人工衛星に搭載する「エンジン」に注目し、小型エンジンの研究をリードしている、東京大学大学院新領域創成科学研究科の小泉宏之准教授に、ロケットエンジンの基礎から最新研究について3回にわたって解説頂きました。第1回目は、ロケットエンジンの種類や、はやぶさにも使用されたイオンエンジンの仕組みについてお話を伺いました。
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大きく重量もある機械装置の製造は、経験がなければうまく組み立てられないこともあります。組み立てや溶接の順番を間違うと、それ以上回転させたり移動させたりができなくなることもあり、品物にならないこともあるほどで、大型製品の製造は、経験を積んだ職人でなければ難しいと言います。今回は、福岡県古賀市にある、商業施設や工場に設置される空調機関連製品、消音機、キューピクル、配電盤、非常用発電機の燃料タンクパッケージといった大型機械装置の製缶加工を行う株式会社柴垣製作所に大型の製品に対応できる設備や技術力についてお話を伺いました。
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貼り加工とは、木材や金属などの基材に接着剤を塗り、シート状になった別の素材を熱や圧力をかけて貼り付ける加工のことです。金属製品にも、貼り加工を施すことで、製品に意匠性を持たせるだけでなく、傷を防止したり基材そのものを劣化しづらくしたりといった機能を持たせることができるそうです。今回は、福岡県柳川市にある金属や木材、プラスチック、ガラスなどさまざまな基材に幅広い材料の貼り加工を施す株式会社モノリスに貼り加工のメリットと同社の特殊な貼り加工技術についてお話を伺いました。
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PLCは、産業用機器を制御するために必要なコントローラーで、工場などの機械や設備を自動で動かすために使われます。業界によって求められるPLCの仕様は異なり、企業によって状況や課題もさまざまであるため、お客様が何に困り、何を求めているのか、徹底的に聞き出すことが重要だと言います。今回は、滋賀県彦根市にある産業用自動化設備のエンジニアリング、システムインテグレーターを手掛ける株式会社PRO-SEEDにPLCの特徴や潮流、業界ごとに異なる仕様についてお話を伺いました。
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サステナビリティに対する意識が世界的に高まっている中、環境に大きな負荷を与える既存の材料を見直す動きが出てきています。例えば、製造工程で多くの二酸化炭素を排出するほか、海洋プラスチック問題を起こしているプラスチックや、枯渇が危惧されている水・森林資源でつくる紙に代われる素材への研究開発がなされています。今回は、石灰石から紙・プラスチックの代替素材を開発している株式会社TBMに、石灰石からつくる環境面でのメリットや、代替素材としての特徴についてお話を伺いました。
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人間の脳は約1,000億個のニューロンが存在しますが、昆虫の脳は人間の100万分の1である約10万個のニューロンしかありません。それにもかかわらず、高度な情報処理を行なって素早く行動することができる理由は、人間とは異なる情報処理がなされているからだと言われています。今回も引き続き、昆虫の嗅覚を使って匂い源探索システムを開発している東京大学先端科学技術研究センターの照月大悟特任助教に、昆虫の器官をそのまま利用した「バイオハイブリッド技術」の可能性についてお話を伺いました。