多くの製品化には欠かせない材料・加工・計測解析などの技術情報について、企業で研究・開発に従事される方や加工技術をサービス提供する企業の専門家など、各分野で活躍されている方にお話をお伺いしました。
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産業機器とは、会社や工場内で製造をするために必要な物や設備すべてを指します。産業機器の製造では、使用時の環境や運ぶ物の重さなどを加味しながら、一つひとつ製品の図面を引き、実際に加工可能な状態まで仕上げ、蓄積した知識やノウハウを最大限に生かすことで、スピーディーで高品質な一貫生産を実現できると言います。今回は、広島県東広島市にある業務用洗濯機や物流用パレットなど、産業機器の一貫生産を行っている有限会社ハイマックスに設計から部品製造、組立、塗装まで一貫生産できることの強みについてお話を伺いました。
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化学産業にイノベーションを起こすことが期待されるマイクロ波を紹介する本連載。後編では、マイクロ波を活用した化学品製造プロセスの実用化状況に注目します。内部から直接、特定の分子だけにエネルギーを伝達する電子レンジに使われているマイクロ波の特徴を活かし、消費エネルギー1/3、加熱時間1/10、工場面積1/5の削減可能性がある技術を開発したマイクロ波化学。同社はどのように本技術の社会実装を進めてきたのでしょうか?後編では、引き続きマイクロ波化学代表取締役の吉野氏に、マイクロ波を活用した化学品製造プロセス実用化に向けた取り組みや将来的な技術開発展望についてお伺いします。
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化学産業は医薬品、化粧品から農業、食品、製造、輸送など幅広い分野へ原材料や触媒などを提供してきた一大産業であり、2013年度時点で化学産業のエネルギー消費量は日本の全産業の40%、二酸化炭素排出量では22%を占めています。脱炭素社会を目指す日本にとって、化学品製造プロセスの省エネルギー化が求められています。一方で、従来の化学品製造プロセスは熱と圧力を使ったものが主流であり、100年以上の歴史のなかで変化がありません。今回は、化学産業にイノベーションを起こすことが期待されるマイクロ波に注目し、2回にわたってマイクロ波化学代表取締役の吉野氏へお話を伺いしました。前編では、マイクロ波の化学品製造プロセス実用化に向けた開発秘話をご紹介します。
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検査治具とは、目的に合わせてゲージや測定機を使って製品の良し悪しを判断・検証する工具のことです。検査治具は、誰でも、簡単に、正確に、製品の良し悪しが判断できます。例えばゲージによる検査は作業者の技量の差が出づらく、扱いやすいというメリットがあり、目的に合わせた製品の良し悪しを、誰もが素早く判断することができるそうです。今回は、宮城県にある金型製作や精密部品加工、各種自動機の設計製作など、金属加工を専門に行う、大研工業株式会社に検査治具に関する基本事項や潮流、加工時の要件などについてお話を伺いました。
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宇宙開発ビジネス動向を紹介する本連載。後編では、有人宇宙開発で必要とされる閉鎖型生態系による生命維持システムに注目します。閉鎖型生態系による生命維持システムCELSS(Closed Ecological Life Support System)は、宇宙空間に閉鎖型の生態系を人工的に作り出し、理想的にはすべての資源を作り出し、再利用し、コントロールするシステムです。CELSSは宇宙空間での資源リサイクルの取り組みとして国内外で様々な取組みが行われています。後編では、宇宙システム開発代表取締役広崎氏に、閉鎖型生態系による生命維持システムの概要や将来的な有人宇宙開発の展望についてお伺いします。
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宇宙スタートアップは、小型の人工衛星を目標の軌道上まで打ち上げて運用し、サービスを提供するというビジネスモデルです。一方で、彼らのビジネス提供には人工衛星の安定運用を実現するため地上システムが必要です。地上システムとは、大きく、利用・研究システム、ミッション運用システム、追跡管制システムに分かれており、人工衛星の軌道投入までの計画作成、過去や未来の軌道などの計算、人工衛星の観測計画の立案、観測機会検索の最適化などを行うものです。今回は、宇宙開発ビジネス動向に注目し、2回にわたって地上システムや有人宇宙技術などの開発を行う宇宙システム開発株式会社へお話を伺いしました。前編では、地上システムの概要や地上システムのサービス提供を行う会社設立の背景についてご紹介します。
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製缶加工では小型の製品の場合、一般的に製缶加工ですべてを組み立ててから機械加工しますが、大型製品を機械加工するとなると対応できる機械が限定され、機械加工に膨大なコストが掛かります。しかし、組み立て順序を加味し、製缶技術で溶接しながら部品を組み立てることで指定の公差を守ることができ、機械加工したのと同じ精度の製品に仕上げることができ、高い精度を保ちながらもトータルコストを抑えられるそうです。今回は、産業機械部品における製缶加工と機械加工、メンテナンスの3事業を手掛ける北海道伊達市にある株式会社ミヤタ技研工業に躍進し続ける理由や原動力についてお話を伺いました。
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産業用ロボットは、生産設備に導入することで危険な場所での作業の安全化や重量物を扱う作業の効率化などのメリットが得られますが、導入したいと思ってもロボットを買いさえすればいいわけではありません。ロボットは決まった動きしかしないので、動きを教えるティーチング工程やロボットを導入することでその前後の工程に変更を加えたり、ロボットの動作に合わせた台が必要になると言います。今回は、群馬県高崎市にある、産業用機械の設計・開発から設置まで一貫して行う株式会社山和エンヂニアリングに産業用ロボット導入のポイントなどについてお話を伺いました。
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金型とは、プレス加工などの様々な製品の生産に使用される金属で作られた型のことです。金型の製造は高いイメージがありますが、それなりの強度の金型であれば安く製造でき、精密板金で作るより製品の質が安定します。また、製造コストが3〜4割安くなる場合もあると言います。今回は、兵庫県姫路市にある金属加工の会社で金型の設計・製造から機械組み立てまで一貫して行うパイオニア精工株式会社に金型を使用したコストダウンと品質の安定化についてお話を伺いました。
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金属に熱を加え、硬くしたり軟らかくする金属熱処理。金属熱処理にはいくつかの方法がありますが、炉内を真空にした状態で加熱を行う真空熱処理は、酸素に触れないため、表面の酸化や脱炭を防ぐことができ、酸化膜ができないので後処理の工程が少なくて済むほか、硬さにムラもなく光輝性を持った仕上がりになると言います。今回は、福岡県古賀市に本社を構え、真空炉による金属熱処理を行う有限会社賀川熱処理に真空熱処理のメリットについてお話を伺いました。
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2021年11月17日に、マリンメッセ福岡にて「第6回しんきん合同商談会2021」が開催されました。しんきん合同商談会は、九州北部地域3県の信用金庫が異業種の中小企業間のビジネス・マッチングをBtoB方式でコーディネートする商談会で、1日で約2,200件の商談が行われるといいます。今回は、主催する信金の方々に、合同商談会の主催意義や信金が企業の間に立つメリットなどを伺うほか、スポーツソックスや電磁波シールド素材など出展企業4社の製品やサービスをご紹介致します。
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脱炭素社会の実現に向けて「水素エネルギー」の活用に注目し、産学官からの水素エネルギーに関する取り組みを紹介していく本連載。第10回目は、福島県・浪江町に「福島水素エネルギー研究フィールド(以下FH2R)」という再生可能エネルギーを利用した水素製造施設を立ち上げた「産(民間企業)」と「官」の取り組みに注目します。今回も、9回目に続いてFH2Rの取り組みと活用事例、電力系統の需給バランスの調整(ディマンドリスポンス)の重要性についてお話を伺いました。
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脱炭素社会の実現に向けて「水素エネルギー」の活用に注目し、産学官からの水素エネルギーに関する取り組みを紹介していく本連載。第9回目は、福島県・浪江町に「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」という再生可能エネルギーを利用した水素製造施設を立ち上げた「産(民間企業)」と「官」の取り組みに注目します。今回は、福島県が復興に向けて「再生可能エネルギー」と「水素」に注目した背景や、再生可能エネルギーの活用拡大における課題についてお話を伺いました。
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近年北海道では酪農の集約、大規模化が進んでいますが、従来の日本の酪農方法である「舎飼い」では生産効率が上がらないなどから、「放牧」への転換が注目されています。しかし、大規模な放牧でも、「放牧のエリア選定」や「牛追い」など人手不足による課題があるといいます。今回の後編では、人手不足を解決する北海道の「宇野牧場」の取り組みの中で、システム開発会社と協業しAIやドローンなどIT技術を駆使し放牧の課題を解決しようとする事例についてご紹介します。
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酪農は、広大な土地を生かして古くから北海道で盛んに行われており、現在も日本の生乳生産量の50%以上を占める一大酪農地域となっています。一方、他の第一次産業と同様に人手不足という問題に直面しています。今回は、酪農の人手不足を解決する取り組みに注目し、その一つの例として、北海道の「宇野牧場」が行っている取り組みについて2回にわたってご紹介します。前編では、日本の酪農の動向、特に酪農の「大規模化」の動きや、それに伴う従来の「舎飼い」から「放牧」への転換、「放牧」の特徴についてご紹介します。
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Auスタッドバンプとは、いわゆる「金の突起電極」のことで、ICチップの回路の端子と基盤の回路をつなぐためのものです。スタッドバンプには、Auスタッドバンプのほかに、はんだのスタッドバンプなどいくつか種類がありますが、その中でも高い信頼性や精度が求められる製品には、Auスタッドバンプが使われるそうです。今回は、電子部品の製造や検査など半導体の後工程のものづくりを手がける北海道函館市にある函館電子株式会社にAuスタッドバンプがIoTの流れの中で存在感を高めている理由についてお話を伺いました。
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金属3Dプリンターの造形方法には、主にパウダーベッド方式とパウダーデポジション方式があります。金属3Dプリンター造形は、一般的に装置、粉体ともに機械加工に比べ値段が高く、造形精度等で課題があり、最終製品への適用は航空宇宙業界などの軽量化、部品点数削減などによるメリットが生まれる高付加価値部品に留まるケースが多いと考えられています。本状況下にて、光学機械などを製造・販売する株式会社ニコンは得意とする光学設計などの技術を活用し、パウダーデポジション方式に分類される金属3Dプリンターを開発しました。今回は、金属3Dプリンターの造形方法を整理しつつ、同社が開発した3Dプリンターの特徴や開発コンセプトに加え、金属3Dプリンターの適用先拡大や装置開発の展望までお伺いしました。
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大型の台風や地震などの自然災害に備えて、ニーズが高まっている非常用発電装置。用途によって設置場所や稼働時間はさまざまですが、設置場所が限られている、設置場所に合わせて細かくカスタマイズしたい場合にはオーダーメイドした方が良いと言います。今回は、福岡県糟屋郡にある発電装置メーカーで発動発電装置や無停電電源装置、充電器の開発・設計・製造・検査・据付・メンテナンスを一気通貫で行う株式会社栄興技研に難しいオーダーにも応える対応力と技術力についてお話を伺いました。
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ペロブスカイト太陽電池の研究開発ストーリーや特徴などについて、同太陽電池の研究開発を主導した桐蔭横浜大学の特任教授 宮坂力氏にお話を伺う本連載。ペロブスカイト薄膜は、ペロブスカイトの原料液を垂らし、溶液の溶媒が揮発することでペロブスカイトの単結晶ができるというシンプルの製法ですが、研究者個人としての成膜を作る達人の存在が重要になるといいます。後編は、ペロブスカイト太陽電池の構造、製造方法、ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた特性研究、従来のシリコン太陽電池との比較などについてお話を伺いました。
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ペロブスカイト太陽電池の研究開発ストーリーや特徴などについて、同太陽電池の研究開発を主導した桐蔭横浜大学の特任教授 宮坂力氏にお話を伺う本連載。中編では、化学でもあり物理学でもあるペロブスカイト太陽電池研究の特徴や、ペロブスカイト太陽電池の実現するまで重要な役割を果たした研究者同士のつながり、開発中のペロブスカイト太陽電池の課題を、色素増感太陽電池の全固体研究成果を適応して解決した開発ストーリーについてお話を伺いました。