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貼り加工とは、木材や金属などの基材に接着剤を塗り、シート状になった別の素材を熱や圧力をかけて貼り付ける加工のことです。金属製品にも、貼り加工を施すことで、製品に意匠性を持たせるだけでなく、傷を防止したり基材そのものを劣化しづらくしたりといった機能を持たせることができるそうです。今回は、福岡県柳川市にある金属や木材、プラスチック、ガラスなどさまざまな基材に幅広い材料の貼り加工を施す株式会社モノリスに貼り加工のメリットと同社の特殊な貼り加工技術についてお話を伺いました。
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PLCは、産業用機器を制御するために必要なコントローラーで、工場などの機械や設備を自動で動かすために使われます。業界によって求められるPLCの仕様は異なり、企業によって状況や課題もさまざまであるため、お客様が何に困り、何を求めているのか、徹底的に聞き出すことが重要だと言います。今回は、滋賀県彦根市にある産業用自動化設備のエンジニアリング、システムインテグレーターを手掛ける株式会社PRO-SEEDにPLCの特徴や潮流、業界ごとに異なる仕様についてお話を伺いました。
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金属を溶かして接合する溶接には、ロボットによる溶接と手作業による溶接があります。溶接は、扱う材料の材質や形状に合わせて、一つの製品でも箇所により動かす手の速度や電流の高さなどを調節しつつパルス波で電流の強弱をつけるなど、非常に細やかな判断が求められます。形状が複雑なものや場所によって細やかに設定を変える必要があるものなどは、手作業による溶接が向いていると言います。今回は、徳島県阿南市にある溶接とレーザー加工を中心とした板金加工業を営む、有限会社遠藤産業に手作業溶接だけでなくロボット溶接のメリットも含め、歪みなく溶接する難しさなどについてお話を伺いました。
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「ロストワックス製法」とは、鋳造方法の一種です。ロストワックス製法で部品を製造する際に、最初に金型にワックス(ロウ)を流し込んで原型を作りますが、その原型を粉末床溶融結合法で製作することで、金型レスで原型を作ることができるため、試作に最適だそうです。今回は、島根県安来市にある金属加工の会社でロストワックス製品の機械加工及び組立を中心に、MIM製品の機械加工、射出成形機部品製造、粉末焼結積層造形品の製作などを行っている株式会社ナカサに金型レスの試作についてお話を伺いました。
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私たちの生活をさまざまな場面で支える産業用モーターは、急な故障や動作不良を起こさないよう適切な保全が求められます。モーターの故障は大きな損害につながるもので、鉄道業界の場合は数年に1度法定点検を行いますが、他の産業用モーターにおいても定期的なメンテナンスを実施し、長く使い続ける工夫が大切だそうです。今回は、神奈川県平塚市にある、産業用モーターの点検・修理・修繕、歯車装置の修理・更新、制御機器の製造・修理を手掛ける東洋工機株式会社にモーターを長く使い続けるために知っておきたいポイントや、同社の強みについてお話を伺いました。
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圧力容器とは、内部や外部からの圧力に耐えられるよう設計された密封容器のことです。圧力容器の溶接はボイラー溶接士の資格がなければできません。変形や歪みをできるだけ抑えるには、容器の形や大きさに適した治具をゼロから作る必要がありますが、資格や免許があるからといって優れた治具を作れるわけではないと言います。今回は、長崎県諫早市にある、プラント向けの圧力容器をはじめ、配管や架台等の設計、製作を手掛ける株式会社界工業になぜ他社が断わる特殊案件が集まるのかお話を伺いました。
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近年、熱処理で得られる機能に注目が集まるアルミ。アルミを熱処理すると、硬度と粘りが出て耐久性が向上し、軽量さと強度の両立が叶います。一方で硬度を求めるほど歪みが出やすくなる特徴があり、硬さと歪みはトレードオフの関係にあると言います。硬さを求めて低い温度で急冷すると、強度は高くても歪みは大きくなり、そこがアルミの熱処理の難しいところだそうです。今回は、岡山県笠岡市にある小型鋼材製造と金属熱処理を事業の柱にする光陽産業株式会社にアルミ熱処理で得られる機能、気をつけるべきポイントについてお話を伺いました。
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難易度の高いコア技術の真空技術と低温技術。研究開発で使われる製品になると、指紋が一つでも内部に残っていたら、分子レベルのガスが発生する原因になって研究結果に差が出てしまうため、そこまで理解して仕上げる必要があるそうです。今回は、東京都大田区にある、精密機器の設計・製造・販売会社で大学・官公庁の研究所をはじめ、民間企業の基礎研究所に向けた実験機器の開発・製造において優れた品質と信頼性に高い評価を得る、北野精機株式会社に同社の強みと、ものづくりへのこだわりについてお話を伺いました。
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周囲が山に囲まれており、アクセスが良いとは言えないため、一般的に見れば商売をするには不利な環境といえる中山間地域。入ってくる情報自体は少ないですが、少ないがゆえに選別もしやすいなど、物理的な不便さが逆に強みになっていると言います。今回は、プラスチックをはじめ、アルミダイキャストやウレタンなど金型設計、開発、および製造を手掛ける岡山県真庭市にある、山陽精機株式会社になぜ金型生産・供給のグローバルネットワークを構築できたのかお話を伺いました。
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ゴムの成形を行う場合、通常は製品の金型が必要です。しかし切削加工でゴムの成形を行う場合、ゴムブロックを直接削るため金型は必要がなく、金型を製作する工程がなくなるため、その分の納期の短縮とコストダウンを実現することができるそうです。今回は、約50種類のゴムから製品に合わせた材料を選び、半導体装置メーカーから造船や発電プラントまで幅広い業界の製品を製造している、長崎県西彼杵郡にある有限会社津野田ゴム加工所に得意とするゴム切削加工の強みや長所についてお話を伺いました。
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一般的な抗菌塗装で使用する抗菌・防カビ塗料は、塗料中に抗菌剤を混ぜ合わせた製品がほとんどです。塗装の際にはハケ・ローラー塗りや、簡易なスプレーで塗布することが多く、アルコールの入った除菌剤や薬品洗浄にも弱く、洗浄後は抗菌剤が除去されてしまうなどの問題点があります。しかし、塗膜表面にのみナノ分散・固着させる「塗膜一体化技術」であれば、アルコールで拭いても抗菌剤微粒子が剥落することがないと言います。今回は、愛知県江南市にある、塗装業を中心に、改修・修繕工事などを行う株式会社ペイントサービスに独自の抗菌塗装や、研究開発に関するお話を伺いました。
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複数工程の加工を1台で終わらせることができる同時5軸複合旋盤装置。同時5軸複合旋盤装置を導入することで、汎用機を使い、人の手で3日かけて行っていた作業を1〜2日の納期短縮ができ、製品の精度にばらつきが出ないと言います。また、同時5軸複合旋盤装置は、量産にも向いているので、受注できる製品の幅も広がったそうです。今回は、北海道旭川市にある農業用器具やベルトコンベアの設計から製造、据え付け、メンテナンスまでを一貫して行っている三榮機械株式会社に加工技術やものづくりへの思いについてお話を伺いました。
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ギアは動くものに必ず必要な部品です。ギアは、金型自体を作ることができても、金型通りに成形できるわけではありません。形状提案や成形条件等、さまざまなノウハウが必要なので、設備があるからといってすぐに製品化できるわけではないと言います。今回は、愛知県岡崎市に拠点を構え、主に樹脂部品の金型設計・製作、成形加工。自動車部品などを中心に、提案型の試作開発と量産を行う株式会社ハマダ工商にこれまで培ってきた強さについてお話を伺いました。
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金属部品の製造は、業界が違うとそれぞれに求められる品質や条件なども変わるため、豊富な知識と経験が必要となります。お客様が求める以上には手をかけず、求められている部分に関しては必要な手を加えて作ることが大事で、この見極めが意外と難しいそうです。今回は、大分県佐伯市にある金属部品製造の会社で4つの工場で精密板金・機械加工から製缶、塗装、組み立てまで自社で一貫して行うことができる株式会社二豊鉄工所に金属部品の業界別で求められる品質やそれに応えられる同社の技術力についてお話を伺いました。
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装置内に人工的に温風を発生させ、投入した木材を乾かす木材乾燥機。自然乾燥で3〜4ヶ月かかる工程を7〜10日ほどに短縮できる利便性から導入が拡大しています。木材乾燥機は乾燥中に複雑な操作を行う必要がないので、装置の品質が仕上がりを左右するそうです。今回は、木材乾燥機の製造ならびに販売事業を手掛る北海道上川郡に本社を構えるヒグマ乾燥機株式会社に木材乾燥機の概要と製品選びのポイントと、木材乾燥のノウハウを活用した木質バイオマス温風発生装置「エコボイラ」についてお話を伺いました。
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建築金物の種類は、大きいものでは外壁の金属パネルや手すり、小さいものでは傘入れに至るまで、多岐にわたります。特にオーダーメイドの製作金物は、個人の知識と技術を結集して作り上げるもので、設計者や製作の力量が製品の良し悪しに直結するため、常日頃から技術や知識のアップデートが欠かせないといいます。今回は、北海道や東北地方を中心に、建築金物や通信鉄塔事業の設計、製作、施工を手掛ける北海道札幌市にある株式会社郷葉に時代の変化を踏まえて、建築業界や土木業界では今どのような課題があり、どのような解決策を生み出してきたのかお話を伺いました。
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鋼に匹敵する硬度を持つマルテンサイト鋳鉄。通常鋼が硬さを出すためには焼き入れ処理(加熱後、急冷却する処理)を行いますが、焼き入れ処理を行った金属は外周部より内部の方が柔らかくなります。しかし、マルテンサイト鋳鉄の場合には、外周部と内部で硬度の差がほとんどないそうです。今回は、山形県山形市鋳物町に本社を構え、主に重機や昇降機に用いられる機械部品の鋳造を手掛ける有限会社渡辺鋳造所に同社が開発した、鋼と同等の硬さを持つ鋳物が作れる素材「マルテンサイト鋳鉄」についてお話を伺いました。
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金属や石などの材料を使うよりも軽い、耐久性が高い、コストダウンができるなどたくさんのメリットがあるFRP造形。FRPで造形する際には、発泡スチロールを削って土台を作り、その上に直接ガラス繊維を乗せて樹脂を塗り込んでいく方法で製作することで、型取りをする製法よりも短納期で強度の高いモニュメントの製作が可能だと言います。今回は、FRP造形の会社で顧客の作りたい物とサイズ、予算に合わせて、デザインや設計から提案し、製作、設置まで行う、熊本県天草市にある株式会社アクアマリンまつながにFRPによる造形のメリットや同社のFRP造形の技術についてお話を伺いました。
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ろ過装置とは、固体を含む液体などの混合物を、ろ材を通過させて粒子の大きさ別に分離させる装置です。特に工業・産業用途では水槽や水道施設などでの水処理のほか、食品や薬品などの製造工程で利用されるなどあらゆる領域で活用されています。一方、ろ過装置をいかに選定し運用するかによって、ろ過効率や運用コストは大きく変動します。今回は、活性炭を含む吸着材事業は80年以上の歴史を持ち、ろ過装置の吸着焼結カートリッジを開発した味の素ファインテクノ株式会社に、ろ過装置の基本と、効率よくろ過を行うために押さえるべきポイント、効率的なろ過装置の運用を実現するカートリッジ化技術についてお話を伺いました。
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生産コスト削減のために製品またはその部品を他の国内、海外企業などに委託して、製造するOEM。安価な労働力を求めて製造業が多く海外に進出していますが、確かな品質や迅速な対応を追求していくと、やはり国内で生産した製品は間違いありません。しかし、国産の確かな品質といっても、価格に競争力がなければ顧客には選んでもらえないそうです。今回は、鳥取県鳥取市に本社と2つの関連会社があり、グループ3社で各種電気機械や器具のODM・OEM商品について設計・開発から組立・納入まで一貫して手掛ける、株式会社鳥取スター電機に国内生産にこだわるメリットについてお話を伺いました。