新型コロナウイルス感染拡大により、身近なものになりつつある「遠隔医療」。遠隔医療で使われる技術は1970年代頃から、診療科や地域の偏在による医療現場からの強いニーズから発展しました。この連載では、遠隔医療のものづくり技術の最新動向について、ものづくり側だけでなく医療現場からの声もご紹介します。
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遠隔医療ものづくり技術の最新動向について医療現場からの声をもとに紹介する本連載。第11回は、引き続きデジタルパソロジー」について紹介します。遠隔診療は、コロナ禍や医師不足、地方の過疎化、高齢化が進むなか注目が集まっていますが、その中でも患者の細胞を顕微鏡で観察して病状を診断する「病理医」の業務を遠隔化する「テレパソロジー(遠隔病理診断)」にもデジタルパソロジーが大きく関わっています。今回は、実際にデジタルパソロジーを利用している病理医であり、その普及を推進するデジタルパソロジー研究会会長の長崎大学大学福岡順也教授に、医療現場の課題やデジタルパソロジーの在り方、普及のために欠かせない視点を伺いました。
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遠隔医療ものづくり技術の最新動向について医療現場からの声をもとに紹介する本連載。6回目は、引き続き「可聴及び可視データで診る聴診器」を紹介します。熊本県の山間地にある人口約700人の町では病院がなく、週2回医師が町の診療所に出張して診察を行っていました。遠隔医療に対応できる聴診器を開発しているAMI株式会社は、この町と遠隔診療の実証事業を進めています。今回は、この町で診療に携わる循環器専門医の丸山英樹氏に、本遠隔診療の特徴と患者さんの反応についてお話を伺いました。
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遠隔医療ものづくり技術の最新動向について医療現場からの声をもとに紹介する本連載。4回目は、引き続き「デジタル聴診デバイス」を紹介します。非破壊で、尚且つ記録が残せるレントゲンの功績のように、聴診器からの生体音を録音して残し、患者の経過を観察、議論し、若い医師にも知識の継承ができるようにしたいという株式会社シェアメディカル。今回は、同社のデジタル聴診デバイスが遠隔診療に及ぼす影響と医療現場での活用事例について伺いました。
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遠隔医療ものづくり技術の最新動向について医療現場からの声をもとに紹介する本連載。3回目は、聴診時の悩みに答える「デジタル聴診デバイス」の開発秘話を紹介します。医師が聴診器を長時間使用する時、聴診器の耳に挿入する部分が耳介を圧迫し、耳が痛くなるという悩みがあるといいます。このような悩みに答えるために、ヘッドフォンで聴診できるよう生体音をデジタル化する聴診デバイスを開発している株式会社シェアメディカルに、開発のきっかけや開発過程について伺いました。
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遠隔医療ものづくり技術の最新動向について医療現場からの声をもとにご紹介する本連載。引き続き、2回目は、日本遠隔医療学会専務理事・事務局長 高崎健康福祉大学の東福寺幾夫教授に、オンライン診療が法律上の制約である「対面診療の原則」の壁を越えて医療として認められた90年代末からの変遷について伺いました。また、オンライン診療のメリットやデメリット、今後の遠隔医療の可能性や課題についてもご紹介します。
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