半導体なくして、私たちの生活で欠かせないコンピュータが世に広まることはありませんでした。 そして現在、大手IT企業であるGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)だけでなく、通信事業者やソフトウェア企業も自社向け半導体の開発に力を入れています。 本連載では、半導体の基礎について、具体的な事例を用いて解説していきます。
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津⽥建二氏の『半導体入門講座』の連載第38回(最終回)は、最終章の後編となる総論として、日本半導体復活に向けた提言を取り上げます。最終回では、これまで本連載を続けてこられた津田氏に、半導体産業を取り巻くベンチャーキャピタル(VC)、大学ベンチャーをはじめとするアカデミア動向紹介に加え、企業のみならず日本という国自体が具体的になにを行なえばよいのか日本半導体復活に向けた提言を行って頂きます。
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今回で第37回となる、津⽥建二氏の『半導体入門講座』。最終章の中編では、日本で復活した半導体メーカー2社の事例を紹介していきます。彼らはなにをおこなうことで復活を遂げたのでしょうか? 中編となる今回は、ルネサスエレクトロニクス株式会社とエルピーダメモリ株式会社の半導体メーカー2社を取り上げ、総合電機からの脱皮と外国人の積極的な採用を進めダイバーシティそのものが企業文化になった両社の事例から日本半導体復活について論じて頂きます。
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今回で第36回となる、津⽥建二氏の『半導体入門講座』。最終章として、今回から3回にわたり日本半導体復活に向けた提言を書き示していきます。同氏は、半導体製造分野では衰退していった日本においてもまだ復活できる分野があるといいます。一方で、過去の失敗を明確に見極め、反省し、そして、復活の道筋をつけることが大切です。前編となる今回は、日本で半導体産業が衰退した理由を把握していきます。
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これまで日本の半導体メーカーが失敗した理由について、半導体のテクノロジー潮流や日本企業の特殊性に注目した分析内容をご紹介してきました。それでは、半導体産業の日本と世界の根本的な違いはどこにあるのでしょうか?今回は、半導体産業における日米の会社業態の違いに注目し、世界の半導体産業に関する分析内容をご紹介します。
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これまでトップ企業とも言えるArmの成り立ち、IBMのビジネスの変遷、単なるコンピュータメーカーから半導体まで製造しはじめたAppleに注目して、その生き残り策とも言える戦略を簡単にご紹介してきました。一方で、なぜ日本の半導体産業は、ほとんどが生き残れなかったのでしょうか。日本の半導体メーカーが失敗した理由について、半導体のテクノロジー潮流や日本企業の特殊性に注目した分析内容を紹介します。
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1980年代後半から1990年初めにかけて日本に負けた米国がどうやって回復したのか、米国企業を取材すると、その経営戦略は筋が通っていました。前回は、世界的な半導体企業、研究機関3社(Texas Instruments・Onsemi・imec)に注目し、半導体ビジネスで世界を牽引する企業が、衰退していった日本の企業となにが違い、なぜ強くなっていったのかを見ていきました。今回は、引き続き日本の半導体産業とはまったく異なるやり方で成長する世界的な半導体企業3社(Arm・IBM・Apple)の経営戦略を紹介します。
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日本の半導体産業をダメにしたのは、勝つための経営戦略ではなく、DRAMメーカー同士を合併させよう、あるいはロジックメーカー同士をくっつけよう、と安易に規模を拡大したためです。一方で、世界的な半導体企業が、衰退していった日本の企業となにが違い、なぜ強くなっていったのかを知ることは、日本企業に参考になります。今回は、日本の半導体産業とはまったく異なるやり方で成長する世界的な半導体企業、研究機関3社(Texas Instruments・Onsemi・imec)の経営戦略を紹介します。
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半導体材料とは、半導体デバイスを製造するプロセスで使用される多種多様な材料であり、半導体の素材となるシリコンウェーハだけでなく、製造プロセスで用いられるフォトレジスト液などの消耗材やボンディングワイヤー、接着剤などの最後まで残る材料が含まれます。今回は、材料別の半導体材料メーカー動向を把握することで、日本企業が存在感を持つ半導体材料について理解を深めていきましょう。
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半導体関連企業は、顧客の設計データに基づいて半導体製造サービスを提供するファウンドリ(Foundry)半導体企業ではなく、半導体製造に欠かすことができないEDA(Electronic Design Automation)ツールを提供する半導体設計EDAツールベンダーや、半導体製造装置メーカー、半導体検査装置メーカーなどで構成されます。今回は、半導体設計EDAツールベンダー3社や半導体製造装置メーカー10社の概況を把握することで、半導体関連企業の現状を読み解いていきましょう。
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ファウンドリ(Foundry)半導体企業は、顧客の設計データに基づいて半導体製造サービスを専門にしている半導体メーカーです。ファウンドリ半導体企業は、半導体企業でありながら自社ブランドの製品は持っていないため、その売り上げは半導体市場と別に算出されているといいます。今回は、市場調査会社TrendForceにおけるファウンドリ企業の2021年第2四半期業績ランキングを参考に、連載第27回で紹介したTOP1のTSMCを除く「Samsung」「UMC」「GlobalFoundries」「SMIC」など4社に注目します。世界の代表的なファウンドリ半導体企業に加え日本企業の状況を把握することで、世界のファウンドリ半導体企業の動向を読み解いていきましょう。
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ファブレス半導体企業は、半導体ICの設計にフォーカスし、「なにを作るか」を具現化する半導体メーカーです。ファブレス半導体企業はIDM(設計と製造を手掛ける統合メーカー)よりも成長率が高く、工場を持たない企業ながら半導体売上高ランキングTOP10でも6位以降に複数の会社が入るほどの規模にまで大きく成長しました。今回は、このランキングを参考に、「Qualcomm」「Broadcom」「NVIDIA」「MediaTek」「AMD」など代表的なファブレス半導体企業5社に注目し、世界のファブレス半導体企業の動向についてご紹介します。
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半導体業界の変遷や現状を理解するために、半導体市場動向調査会社が発表する「半導体売上高ランキング」を参考する方法があります。ランキングには、半導体トップ数十社のその年の売上高、前年度比の成長率、前年比のランキング変動、事業形態(IDM、ファブレス、ファンドリー)、本社所在地などが記載されています。今回は、2020年半導体売上高ランキングのトップ5企業「Intel」「Samsung」「TSMC」「SK Hynix」「Micron」に注目し、半導体業界の変遷と現状を解説します。
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標準化とインターオペラビリティ(相互運用性)の対応に遅れたことが、日本の半導体ビジネスが低迷した原因と考えられます。こうした環境のなか半導体メーカー、例えばマイクロコントローラ(マイコン)やFPGAメーカーは、半導体チップだけでなく、ユーザーがプログラムできるソフトウエア開発環境の提供も行っています。今回は、半導体メーカーがハードウエアだけでなくソフトウエア開発環境も提供する理由とその事例、そして標準化とインターオペラビリティの対応に遅れた日本の状況についてご紹介します。
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半導体において低コスト技術の開発が一つの重要テーマになっていた米国と比べ、日本は相変わらず先端技術の開発に重きが置かれていました。低コスト化に注目すると、半導体メモリのような大量生産品は設備投資を続け生産能力を上げるという製造にて対応が行われてきましたが、システムLSIのような少量多品種へ移行すると設計と製造の両面からアプローチが必要となっています。今回は、米国と日本の意識の違いを注目しつつ、プラットフォーム化により実現したシステムLSIの低コスト化を解説します。
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システムLSIの少量多品種に移行し、世界でリードしていたDRAMの大量生産を止めた日本。2020年に東芝がシステムLSIを生産しないという決断をし、システムLSIで成長し生き残っているのは、ルネサスエレクトロニクスだけになりました。なぜシステムLSIで日本がうまくいかなったのでしょうか?今回は、日本の半導体業界の変遷を振り返りつつ、システムLSIで日本がうまくいかなかった理由を明らかにするに加え、部品提供からソリューション提供へと変化する半導体ビジネスについて解説します。
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セキュリティや量子コンピュータにおいて半導体が使用される背景として、サイバー攻撃による被害の顕在化が挙げられます。サイバー攻撃は、従来のように企業サーバーやデータセンターのような大きなシステムを攻撃するだけでなく、個人のパソコンやインターネットにつながるIoTにもその危険が潜んでいます。そのため、ソフトウエアやハードウエアにおけるセキュリティ対策が開発されていますが、こういったセキュリティ強化にも半導体の存在が重要になっています。今回は、セキュリティで使用される半導体の3つの事例として「ID」、「認証システム」、「暗号化」、量子コンピュータで使用される半導体の2つの方式「ゲート方式」と「量子アニーリング方式」について解説します。
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自律化は、最近の大きなITメガトレンドの一つです。例えば、家庭向けの癒し系ロボットは、これまで予めプログラムされている言葉を話すこと「自動化」を行っていたのに対し、今後AIの自然言語処理技術により、相手の意味を理解し、対応すべき候補から応答してくれる「自律化」が期待されています。こういった自律化の応用では半導体が重要な機能を果たしています。今回は、半導体の果たす重要な機能に注目し、自律化の3つの応用事例として自動運転車、ドローン、癒し系ロボットについて解説します。
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ミリ波(5G)通信は、携帯電話だけでなくIoTへの利用が見込まれています。5G対応のスマートフォンも販売されましたが、2021年時点で大きく普及しているとは言い難い状況です。この普及のカギを握るのが、無線回路で用いられる半導体ICです。今回は、無線回路やミリ波を用いた高速通信技術を簡単に解説した後、ミリ波(5G)通信用アンテナに使われる半導体ICの技術動向についてご紹介します。
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AIチップとは、例えば自動運転において自転車や歩行者など色んな物体を学習し、学習したデータから特定の物体を推定するような、機械学習やディープラーニングを行う仕組みを持つ半導体チップです。一方で、センサー端末から集めたデータをクラウドなどに上げてデータ収集・管理・保存・解析などを行い、欲しい情報に変換するIoTシステムでも多くの半導体チップが使われています。今回は、AIチップの仕組みやその市場動向に触れつつ、IoTシステムにおける半導体チップの役割についてご紹介します。
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前回に引き続き、WSTS(世界半導体市場統計)が定義する分類に基づいた、半導体製品の種類とその役割について紹介します。今回は、IC(集積回路)に含まれない非IC半導体製品に注目し、パワートランジスタや小信号トランジスタに代表される「個別半導体」、MEMSが大部分を占める「センサ」、受光・発光ダイオードやレーザーなどの「オプトエレクトロニクス」について解説します。