半導体なくして、私たちの生活で欠かせないコンピュータが世に広まることはありませんでした。 そして現在、大手IT企業であるGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)だけでなく、通信事業者やソフトウェア企業も自社向け半導体の開発に力を入れています。 本連載では、半導体の基礎について、具体的な事例を用いて解説していきます。
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半導体は今や100億個のトランジスタを集積する時代になり、もはやこの複雑な一連の設計作業は人手に負えなくなった背景のもと、半導体を自動設計するためのソフトウェアを提供する「EDAツールベンダー」が登場しました。また、こうした設計専門会社が生まれたことで、半導体製造専門の「ファウンドリ」が誕生します。今回は、「EDAツールベンダー」が台頭した背景やその成長戦略、台湾の「ファウンドリ」事業が日本を逆転するまで強くなった理由をご紹介します。
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半導体は“産業のコメ”とも呼ばれ、日本に始まって、世界中の経済を支えてきました。複雑な工程が必要とする高集積半導体ICですが、1960年代くらいまでは半導体メーカー1社がほぼ設計から製造まですべての工程を担ってきましたが、1970年代から分業化が進み、現在の「デザインハウス」、「ファブレス」、「ファウンドリ」などの分業体制が確立します。今回は、半導体産業の業界構造の変遷に注目し、日本企業が半導体ビジネスで没落した理由を詳しくご紹介します。
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半導体ICの高集積度が進むにつれ、一つのチップ上に数十億個のトランジスタが集積されることになり、1個のトランジスタをみるのに肉眼どころか電子顕微鏡を使用せずにはみられない世界になりました。この微細な半導体はどのように作られるのでしょうか。今回は、半導体製造工程を、設計、製造、組立、テストの4つ工程に分けて解説していきます。
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ITの3大要素となる「コンピュータと通信と半導体」。1980年代半導体メモリが急速に進化しているなか、「通信」ではまだ黒電話のアナログ回線が主力でした。その音声通信を高速のデジタル通信へと牽引したのは、デジタル電話である携帯電話や急速に普及したインターネットでした。今回は、通信トレンドと半導体の関わりに加え、IoTや自律化などが注目される将来の「ITメガトレンド」時代における半導体の役割についてご紹介します。
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今では個人に一台の「パソコン」があるのが普通ですが、パソコンが普及する前は数億円もするメインフレーム「コンピュータ」が大企業に1台しかない時代がありました。当時の国内パソコンメーカーは、ハイエンド技術に磨きをかけることだけを一所懸命で1990年代はじめまでメインフレーム向けDRAM市場で日本半導体が活躍しましたが、米国を中心に世界でダウンサイジングが進んでいることに注意を払ってきませんでした。今回は、ダウンサイジング化が進んだ背景と流れ、日本のメーカーたちがその流れに乗れなかった理由についてご説明します。
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私たちの生活に溶け込んでいる家電製品やスマホ等は、ボタン一つで操作が可能なことから製品の中身(技術)に関してはあまり知るきっかけがなかったのではないでしょうか。これからはますます、テクノロジートランスペアレント(テクノロジーが見えない)の時代になってきます。今回は、このような最新製品の舞台裏で溶け込んでいる半導体技術、マイクロプロセッサ(MPU)、マイクロコントローラ(マイコン)、メモリなどの進化を紹介し、その技術の進歩がもたらす「スマート社会」について考えていきます。
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トランジスタを互いに接続することで構成される集積回路(IC)。IC化は特にコンピュータ分野で大きく進展しましたが、このグローバル化で欠かせなかったものが、デジタル信号の送受信において取り決める約束事、すなわち世界標準のプロトコル(protocol)決定でした。今回は、コンピュータ発展の歴史に注目し、集積回路(IC)の誕生から、世界標準のプロトコルが定められた背景、更にコンピュータ普及に向け割高な専用IC化を解決すべく開発されたマイクロプロセッサ(MPU)とメモリについてご紹介します。
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私たちの日常生活に欠かせないコンピュータと高速通信のインターネット。これらの機器で用いられている半導体は、どのように進化していったでしょうか。今回は、第2次世界大戦後急速の技術的進歩を遂げたコンピュータや通信に注目し、デジタルとアナログ回路という切り口から半導体ICの進化について解説します。
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私たちが肌身離さず持ち歩いているスマートフォンはもちろんのこと、あらゆる電化製品は半導体がないと作ることができません。特に、半導体集積回路(IC)は年々進化しており、その用途を拡大しています。今回は、私たちの身のまわりでよく使われている主な半導体ICの種類について簡単に解説しながら、今後の成長が期待される半導体ICとして、パワー半導体ICや高周波半導体ICについても簡単にご紹介します。
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半導体という言葉は、トランジスタの工業化が始まったころは、ゲルマニウム(Ge)やシリコン(Si)結晶といった材料そのものを指していましたが、今は集積回路(IC)や半導体デバイスのことをいうようになりました。今回は、シリコン(Si)から始まり青色LEDなどをつくる化合物半導体へと用途が広がる半導体材料の開発動向と、バイポーラ型からCMOSまでの集積回路(IC)の変遷をふまえたMOSトランジスタの進化についてご紹介します。
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半導体業界では「ムーアの法則」は限界だという声もあり、集積回路(IC)のトランジスタを微細化することは物理的に限界にきているといわれています。それでは、この微細化の限界を克服できる技術はないのでしょうか。今回は、「ムーアの法則」が限界に近づく理由と、その限界を克服する3次元構造トランジスタを解説しながら、半導体ICの高集積度が進む理由について考えていきます。
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スマートフォンやパソコンなど私たちが日常で使用している半導体がどのような企業でどのように製造されているかご存じでしょうか。1970年代ごろは、「設計から製造までの一貫生産体制」が殆どでしたが、今は半導体の設計から製造までさまざまな企業が分業して関わっています。今回は、半導体の「設計」から「製造」工程における分業化と、その分業化に出遅れた日本の半導体業界についてご紹介します。
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1965年に提唱された半導体の集積率は毎年2倍になる「ムーアの法則」のように、集積回路上のトランジスタ数は、いまだに伸び続けています。トランジスタが載せられた半導体チップは、ウェーハを出発点とし、その上に回路を焼き込んで作られます。ウェーハ上の配線で多数のトランジスタをつなげば複雑な回路でも1チップに収まることから、半導体の集積率、トランジスタ数の双方が共に向上してきました。今回は、トランジスタ微細化が伸長する理由や「ムーアの法則」の限界を解説しながら、半導体設計の分業化の動きについて簡単にご紹介します。
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半導体とは文字通り半分導体、つまり導体と絶縁体の中間となる性質を持つ物質です。その性質を活用すれば人間の意のままに電気を流したり止めたりできるデバイスができるのではないか、という発想から半導体が研究されるようになったそうです。また、半導体が広く世の中に普及した背景で、トランジスタの存在は大きなものでした。今回は、半導体の原理と仕組み、そしてトランジスタの誕生とその特徴についてご紹介します。
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AIというと大量の情報を処理する「ソフトウェア」のイメージが強いと思います。実は、このAIも半導体という「ハードウェア」がその進化の鍵を握っているといえます。また、今より高速計算が可能だと言われている量子コンピュータでも、この半導体による制御が重要になります。今回は、AIと量子コンピュータにおける半導体の重要性と、日本の半導体企業の市場状況について紹介します。
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半導体なくして、私たちの生活で欠かせないコンピュータが世に広まることはありませんでした。そして現在、大手IT企業であるGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)だけでなく、通信事業者やソフトウェア企業も自社向け半導体の開発に力を入れています。本連載では、半導体の基礎を解説していきますが、今回は半導体を巡る現状について具体的な事例を用いてご紹介します。