オリンピックはスポーツの祭典であり、様々なレガシーを生み出す「新技術のショーケース」とも言われます。
TOKYOオリンピック2020ではどのような技術レガシーが生み出されるのか、ノンフィクション作家野地秩嘉氏が迫ります。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第26回(最終回)は、今までの連載の総論として、東京大会の技術レガシーを取り上げます。本連載で取り上げた技術レガシー、「顔認証技術」「警備システム」「公式ユニフォーム」「オフィシャルスポーツウェア」「超高臨場感通信」などには、長い開発の歴史があり、数多くのスタッフがかかわって「今まで実現できなかった技術を世界の人たちに体験してもらう」という心意気が込められています。最終回では、これら技術レガシーの取材を行ってきた野地氏に、これまでのオリンピック・パラリンピックのレガシーを振り返りつつ、オリンピック・パラリンピックや技術レガシーの意義や価値について語って頂きます。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第25回は、引き続き日本電信電話株式会社(以後NTT)から超高臨場感通信を紹介します。超高臨場感を実現できる本技術の根幹は光ファイバー、中継器、無線技術といった通信技術であり、運用技術であるといいます。同社が提供する『Kirari!(R)(きらり)』はメジャーリーグで採用され、オリンピック・パラリンピックでの実質的なデビューに向けた準備を進めています。今回は、本技術の実現に向けて開発しなくてはならなかった4つの技術と、臨場感のある観客の応援を届け選手のモチベーションを上げたいという開発者の想いについて迫ります。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第24回は、引き続き日本電信電話株式会社(以後NTT)から超高臨場感通信を紹介します。「自分の体を現地に持っていかれたと感じる」超高臨場感通信技術は、「光ファイバーネットワーク、高速通信技術を進化させたもの」だといいます。一方で、私たちはコロナ禍で、リモートもしくはリアル、安全かそれとも経済かという二極化された状態に置かれています。今回は、同社研究企画部門長の川添雄彦氏に、本技術の開発経緯、およびコロナ禍でのスポーツやエンタテイメントにおける本技術の意義について伺いました。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第23回目は、日本電信電話株式会社(以後NTT)から超高臨場感通信を紹介します。ウインドサーフィンがオリンピック種目であることをご存じでしょうか。競技は海の沖合で行われるため、海岸からは見えないなどの理由から浜辺から見えるサーフィンに比べあまり人気がないといいます。同競技の認知・普及に期待される技術が、沖合での競技を見るものではなく、感じることができるという超高臨場感通信です。今回は同技術『Kirari!(R)(きらり)』を開発しているNTTの横須賀研究開発センタを訪問した野地氏が、2019年に初めて同技術を体感したときのエピソードをご紹介します。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第19回は、引き続きハーフタイムミュージックを紹介します。1964年東京大会で多くの人々に歌われ、愛された三波春夫の「東京五輪音頭」。歌詞のなかにはレスポンス部分があり、拍手するパートもあるため、ハーフタイムにはなくてはならない曲だといいます。今回は、BGMのルーツやコロナ禍に合うハーフタイム用の曲、今回の東京大会用に作られた「東京五輪音頭-2020-」など、スポーツイベントと音楽にまつわる物語をご紹介いたします。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第18回は、ハーフタイムミュージックを紹介します。プロスポーツの試合の合間にあるハーフタイムショー。元々トイレ休憩や飲み物などをお替りして後半の試合に備える時間でしたが、1993年NFLのスーパーボウルでマイケル・ジャクソンのハーフタイム出演以来、舞台美術、音響、照明などが組み合わさり、スーパースターが出演して観客を楽しませるスポーツプレゼンテーションの一部になったといいます。今回は、1964年東京大会のハーフタイムショーから克服した技術的課題やハーフタイムショーの歴史について野地氏が迫ります。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第22回目は、引き続き日本電信電話株式会社(以後NTT)からバリアフリー道案内技術を紹介します。これまで同道案内サービスが集めたバリアフリー通行情報は、夏季大会とラグビーワールドカップが開かれた競技場の周辺地区に過ぎません。今後もっと広い範囲でデータを取得すべく多くのボランティアに加わってもらうため、高齢化社会のなか将来的には自分自身に返ってくるデータだと訴えているといいます。取材を通して取りかかったらやめられない仕事と感じた道案内アプリの開発。今回も引き続き開発チームに、データ収集方法の詳細や同サービスに込めた想いについてお話を伺いました。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第21回は、引き続き日本電信電話株式会社(以後NTT)からバリアフリー道案内技術を紹介します。バリアとは車いす利用者、ベビーカーを押す人、杖を持つ人などが移動する時邪魔になる段差や階段、傾斜のこと。彼らが、外出をサポートしてくれるバリアフリーマップに望んでいる情報は、「バリアがどこにあるか」ではなく、「どの道が通れるか」だといいます。今回は、実際道を歩きながらバリアフリー通行情報をスマホなどで集めるデータ収集イベント現場を野地氏が見学するほか、同道案内技術が開発された背景や課題について開発チームにお話を伺いました。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第20回は、日本電信電話株式会社(以後NTT)からバリアフリー道案内技術を紹介します。未来のための情報通信基盤を作るべく、オール・フォトニクス・ネットワーク(APN)に注目し、低消費電力、大容量、高品質、低遅延のネットワーク実現に向けて取り組んでいるNTT。今回は、光ネットワーク技術を駆使した効率的なバリアフリー情報の整備に動いたNTTが、バリアフリー情報をなるべく簡単に収集するバリアフリー向け道案内技術に取り組む背景をご紹介いたします。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第17回は、引き続きアシックスからオリンピック/パラリンピックのオフィシャルスポーツウエアを紹介します。同社はスポーツウエアについて通気性を担保しながら保温力を高めるなど「矛盾をひとつひとつ解決していくのがスポーツ用品の基本的なモノ作りの考え方」だといいます。今回は、ポディウムジャケット開発ストーリーに加え、1964年当時中学バスケット部員として聖火ランナーの随走者だった同社尾山代表取締役会長CEOに創業者から引き継がれているスポーツ製品開発の考え方を伺いました。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第16回は、引き続きアシックスからオリンピック/パラリンピックのオフィシャルスポーツウエアを紹介します。スポーツウエアに革新をもたらした「新合繊」というポリエステル繊維。以前は木綿の下着、ウールの上着を着て汗をかいたまま体が冷え風邪をひく恐れがあったようですが、通気性と保温性を両立した新合繊の使用で風邪を引く選手は少なくなったといいます。今回は、スポーツウエアの発展と共にした機能性繊維や特殊な競技ウエアの登場、その変遷についてお話を伺いました。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第15回は、アシックスからオリンピック/パラリンピックのオフィシャルスポーツウエアを紹介します。同社は夏季大会で、日本代表選手団のオフィシャルスポーツウエア、シューズ、ポディウム(表彰台)ジャケットのほか、応援グッズやボランティアのユニフォームも手掛けます。今回は、1949年創業以来使用者の意見を取り入れ質を向上させてきた科学的実証主義の方針が、夏季大会でもどのように受け継がれているかについて、アシックスの歴史を交えてお話を伺いました。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第14回は、引き続きAOKIのオリンピック/パラリンピックの公式ユニフォームを紹介します。通気性、伸縮性を重視したポリエステル製の編み地使用や縁起の良さを取り入れたジャケットデザイン、そして標準の体形ではない選手一人一人に合わせた採寸の精度など、ユニフォームに込めた「日本の本物のサービス」について伺いました。創業者が1964年東京大会で抱いた無邪気な夢がどんな思いで技術レガシーとして実現されたか野地氏が迫ります。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第13回は、AOKIからオリンピック/パラリンピックの公式ユニフォームを紹介します。紳士服やスーツの専門店として知られているAOKIですが、夏季大会では、1,600人を超える日本代表選手団の開会式用と式典用公式服装や、テクニカルオフィシャル(審判団、技術役員)のユニフォームをデザイン、作製するといいます。今回は、1964年の東京大会観戦で創業者が抱いた「いつか商売を成功させて、オリンピックの審判団の服を作りたい」という夢が今回の夏季大会にて実現されたエピソードに加え、ユニフォーム素材の技術的な進化についてお話を伺いました。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第12回は、引き続きブリヂストンのバリアレス縁石を紹介します。縁石開発は、これまで同社が培ってきたタイヤ開発の知見が根本にあるというブリヂストン。運転手ストレスの軽減と、乗客の乗降時間短縮を両立するバリアレス縁石は、どのようにして開発され、どのような工夫がされているのでしょうか。今回は、ブリヂストンの研究施設プルービンググラウンドだけでなく、奇しくも同じ日に普通のバスでも乗り降りを行った野地氏が、技術レガシーとなりうると感じた「バリアレス縁石」の顧客提供価値に迫ります。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第11回は、ブリヂストンからバリアレス縁石を紹介します。夏季大会は、選手や関係者を選手村から各競技会場へ運ぶバスがほぼ24時間運航するといいます。競技に遅れることはできない選手にとって、車いすに乗っても大きな荷物を持っても素早くバスに乗り降りできることは重要であるため、バリアレス縁石が採用されることになりました。今回は、タイヤのようなゴム製品で知られたブリヂストンが縁石を提供することになった経緯について、那須塩原にあるブリヂストンの研究施設プルービンググラウンドで話を伺いました。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第10回は、引き続きセコムの警備システムを紹介します。「オリンピックの警備は恩返し」というセコム。本大会に向けて、不審者など異常を早期発見する民間警備業の視点から生まれた、上空(俯瞰)、陸上(仮設)、警備員(対人)という3つの視点から統合監視システムを開発しました。今回は、現場担当者に抜擢されたセコムの高橋哲也氏に、技術レガシーとして残っていくことが期待される「統合監視システム」の開発ストーリーをお伺いします。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第9回は、セコムから警備システムを紹介します。夏季大会は競技数や参加選手の数が増加傾向にあることから、大会の警備に多くの大会では軍人が動員されたそうです。しかし、今回の大会では軍人が動員されることはなく、民間警備員や警察官、大会ボランティアが対応する見込みです。今回は、大規模スポーツイベントの警備経験がほぼなかったというセコムが、どのようにして警備システムの開発や大会の警備体制構築を進めていったのかご紹介します。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第8回は、引き続き機能性寝具を紹介します。眠ることは幸せであり、健康と考えるエアウィーヴ。今回は、アスリートに注目しスポーツビジネス、スポーツマネジメントの進化をうながしたとも言える同社の広告宣伝戦略を紹介します。また、東京2020大会におけるスポーツ記録の進化に注目し、食事、ユニフォームに続き個別化される「睡眠」を実現するふたつの技術レガシーを探ります。
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『TOKYOオリンピック物語』の著者、野地秩嘉氏の連載第7回は、株式会社エアウィーヴから機能性寝具を紹介します。五輪の選手村に寝具を提供し、多くのアスリートに寝具を使ってもらうというエアウィーヴの機能性寝具。2007年商品がリリースしてから4年の間殆ど売れなかったそうです。今回は、大手企業が寡占している寝具業界で、「機能性」という概念を取り込んだ高反発素材の寝具がどのように開発され、試行錯誤を重ねて誕生したのか探っていきます。