九州(福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県)と沖縄県のものづくりに関連する記事を集めています。
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建造物に欠かせない胴縁やブレース。そういった建材の金属加工において精度の高い製品をつくるためには図面を読み取る力が重要で、実際の工程に入るとさまざまな問題が出てくることがあるため問題になりそうな場所を先読みするそうです。今回は、長崎県長崎市にある建材の金属加工を一手に引き受けている有限会社S・Sメタルに同社の事業内容や強み、大事にしていることなどについて話を伺いました。
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複雑な機構を持ち、サイズや精密さにこだわりがある成形品に用いられるプラスチック射出成型金型。金型製作においては、精密加工を精度高く実現できる技術力が重要であることはもちろん、その前の設計段階でどのように構想するか、工夫することも大切だそうです。今回は、福岡県遠賀郡に本社を構える、プラスチック射出成型金型の作成を手掛け、量産の立ち上がりの速さが強みでもある豊洋エンジニアリング株式会社(取材当時)、現在のT・D・Cモールド株式会社にその秘訣とプラスチック射出成形金型のポイントについてお話を伺いました。
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鋳造用木型とは、その字の通り鋳物を作るための型です。鋳物は型に溶かした金属を流し込んで固めたものですが、金属によって膨張率や収縮率が違うため、そのことも加味して型を作らなければなりません。金属の収縮に合わせた、十数種類ある鋳物用の物差しを使いながら製作しますが、これは経験がものをいう世界だそうです。今回は、福岡県北九州市にある鋳造用木型製作を行う有限会社井上木型製作所に職人技とデジタルの融合で挑むよりハイレベルなものづくりについてお話を伺いました。
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建築、機械、土木などの幅広く工業用の材料として使用される鋼材。鋼材の販売は様々な企業が行っていますが、その中から選ばれ、信頼を得ることは簡単ではありません。可能な限り希望に沿った納期での対応や図面から何が必要か、どのような加工をしたいのかを読み取る力などの顧客の立場に立った細やかな対応が大切だと言います。今回は、長崎県長崎市にある鋼材販売業を営む丸二鋼材株式会社に顧客から信頼され続ける理由についてお話を伺いました。
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昔はとにかく価格の安いものが求められたという農業機械。しかし、今は高齢化が進んでいることもあり、まずは機能性が重視され、時代とともに農業機械に求めるニーズも変化していると言います。30年前は不要といわれた野菜や果物が入った重いコンテナを地面からすくい上げ、移動できる運搬機ですが、最近はこの運搬機が見直され、ないと困るという農家も増えてきたそうです。今回は、佐賀県唐津市にある農業機械の開発・製造を手がける重松工業株式会社に現在の農家が農業機械に求める条件についてお話を伺いました。
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品質の要求レベルが高い高精度部品。医療機器などに使われる部品は、部品の傷や打痕、油の付着さえも人命に関わるかもしれないため、鉄、ステンレス、銅材なども、アルミのような柔らかい素材と同じように慎重に取り扱うよう気をつけていると言います。今回は、福岡県柳川市にある、金属の精密加工事業を手掛ける株式会社高口精密工業に幅広い精密部品の加工を高品質・短納期で実現できる強みについてお話を伺いました。
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金属に熱を加え、硬くしたり軟らかくする金属熱処理。金属熱処理にはいくつかの方法がありますが、炉内を真空にした状態で加熱を行う真空熱処理は、酸素に触れないため、表面の酸化や脱炭を防ぐことができ、酸化膜ができないので後処理の工程が少なくて済むほか、硬さにムラもなく光輝性を持った仕上がりになると言います。今回は、福岡県古賀市に本社を構え、真空炉による金属熱処理を行う有限会社賀川熱処理に真空熱処理のメリットについてお話を伺いました。
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金属加工よりも難易度が高いというセラミックス加工。セラミックスと一口に言っても、硬いものから軟らかいものまで非常に多くの種類があるので、加工する際の条件設定がかなり難しいのが特徴です。加工に使用するダイヤモンド工具も材料に合わせて都度変更する必要があり、加工にはかなりの知識と経験が求められると言います。今回は、佐賀県杵島郡にあるセラミックス加工と金属加工の会社で、電子機器用基盤や機械部品などの製作・加工を行う有限会社武富工業にセラミックス加工の難しさや金属加工への進出についてお話を伺いました。
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大型の台風や地震などの自然災害に備えて、ニーズが高まっている非常用発電装置。用途によって設置場所や稼働時間はさまざまですが、設置場所が限られている、設置場所に合わせて細かくカスタマイズしたい場合にはオーダーメイドした方が良いと言います。今回は、福岡県糟屋郡にある発電装置メーカーで発動発電装置や無停電電源装置、充電器の開発・設計・製造・検査・据付・メンテナンスを一気通貫で行う株式会社栄興技研に難しいオーダーにも応える対応力と技術力についてお話を伺いました。
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加工や溶接など製造工程の内容が多岐にわたる特殊案件。協力メーカーと意見交換しながら綿密に連携することで、製作工程の把握が迅速にでき、製作技術の向上にもつながるため、納期を確実に守りながら、品質の高い製品をお客様に提供することができるそうです。今回は、長崎県大村市にある、商社として事業展開する一方、自社工場にて鉄やステンレスを中心とした機械加工品や溶接品の製造を手掛ける有限会社里商会に特殊案件が自然と集まる理由とともに、どのように特殊案件をこなしているのかお話を伺いました。
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大きく重量もある機械装置の製造は、経験がなければうまく組み立てられないこともあります。組み立てや溶接の順番を間違うと、それ以上回転させたり移動させたりができなくなることもあり、品物にならないこともあるほどで、大型製品の製造は、経験を積んだ職人でなければ難しいと言います。今回は、福岡県古賀市にある、商業施設や工場に設置される空調機関連製品、消音機、キューピクル、配電盤、非常用発電機の燃料タンクパッケージといった大型機械装置の製缶加工を行う株式会社柴垣製作所に大型の製品に対応できる設備や技術力についてお話を伺いました。
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貼り加工とは、木材や金属などの基材に接着剤を塗り、シート状になった別の素材を熱や圧力をかけて貼り付ける加工のことです。金属製品にも、貼り加工を施すことで、製品に意匠性を持たせるだけでなく、傷を防止したり基材そのものを劣化しづらくしたりといった機能を持たせることができるそうです。今回は、福岡県柳川市にある金属や木材、プラスチック、ガラスなどさまざまな基材に幅広い材料の貼り加工を施す株式会社モノリスに貼り加工のメリットと同社の特殊な貼り加工技術についてお話を伺いました。
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圧力容器とは、内部や外部からの圧力に耐えられるよう設計された密封容器のことです。圧力容器の溶接はボイラー溶接士の資格がなければできません。変形や歪みをできるだけ抑えるには、容器の形や大きさに適した治具をゼロから作る必要がありますが、資格や免許があるからといって優れた治具を作れるわけではないと言います。今回は、長崎県諫早市にある、プラント向けの圧力容器をはじめ、配管や架台等の設計、製作を手掛ける株式会社界工業になぜ他社が断わる特殊案件が集まるのかお話を伺いました。
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ゴムの成形を行う場合、通常は製品の金型が必要です。しかし切削加工でゴムの成形を行う場合、ゴムブロックを直接削るため金型は必要がなく、金型を製作する工程がなくなるため、その分の納期の短縮とコストダウンを実現することができるそうです。今回は、約50種類のゴムから製品に合わせた材料を選び、半導体装置メーカーから造船や発電プラントまで幅広い業界の製品を製造している、長崎県西彼杵郡にある有限会社津野田ゴム加工所に得意とするゴム切削加工の強みや長所についてお話を伺いました。
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金属部品の製造は、業界が違うとそれぞれに求められる品質や条件なども変わるため、豊富な知識と経験が必要となります。お客様が求める以上には手をかけず、求められている部分に関しては必要な手を加えて作ることが大事で、この見極めが意外と難しいそうです。今回は、大分県佐伯市にある金属部品製造の会社で4つの工場で精密板金・機械加工から製缶、塗装、組み立てまで自社で一貫して行うことができる株式会社二豊鉄工所に金属部品の業界別で求められる品質やそれに応えられる同社の技術力についてお話を伺いました。
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金属や石などの材料を使うよりも軽い、耐久性が高い、コストダウンができるなどたくさんのメリットがあるFRP造形。FRPで造形する際には、発泡スチロールを削って土台を作り、その上に直接ガラス繊維を乗せて樹脂を塗り込んでいく方法で製作することで、型取りをする製法よりも短納期で強度の高いモニュメントの製作が可能だと言います。今回は、FRP造形の会社で顧客の作りたい物とサイズ、予算に合わせて、デザインや設計から提案し、製作、設置まで行う、熊本県天草市にある株式会社アクアマリンまつながにFRPによる造形のメリットや同社のFRP造形の技術についてお話を伺いました。
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農家の課題を解決するために、外部の技術者とタックを組んで新しい農業の仕組みを開発する方法もありますが、「必要は発明の母」というように、農家自ら農業における課題を解決できる仕組みを開発することも一つの方法かもしれません。今回は前編で紹介した農業ベンチャー、AGRIST株式会社のアドバイザーとして、またピーマン農家を営みながら自ら農業向け発明を行っている福山望氏に、同氏が考えた「ピーマン収穫ロボット」の基本概念や、収穫ロボットなど農業ロボットを開発することで実現する人間とロボットの共存についてお話を伺いました。
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「適切に収穫できれば収量も増えるのに、その人手が確保できない」など、日本農業の人手不足は深刻な課題です。人手不足が解決できなければ「儲かる農業」は実現できず、新規就農者や後継者も増えません。そこで、AIとロボット技術でこの課題の解決に挑んでいるのが、農業ベンチャーAGRIST株式会社です。今回は、同社に吊り下げ式、2度切り可能なピーマン収穫ロボットについて、その開発経緯や販売仕組みについてお話を伺いました。
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溶接は歪みや溶接焼け、スパッタの付着などが生じやすく、外観を損なう可能性が高いことが課題です。ファイバーレーザー溶接機は、ほかの溶接方法と比べて入熱が非常に低く、熱による歪みや変形を抑えることができ、溶接焼けも軽減できます。さらに、スパッタもほとんど発生しないため、美しい仕上がりが可能となるそうです。今回は、佐賀県唐津市にある、レーザー加工・銅板曲げ加工・精密板金加工・溶接を主力事業とする株式会社カワセテックに短納期・品質向上を実現するための取り組みや、ハンディタイプのファイバーレーザー溶接機の導入についてお話をうかがいました。
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遠隔医療ものづくり技術の最新動向について医療現場からの声をもとに紹介する本連載。6回目は、引き続き「可聴及び可視データで診る聴診器」を紹介します。熊本県の山間地にある人口約700人の町では病院がなく、週2回医師が町の診療所に出張して診察を行っていました。遠隔医療に対応できる聴診器を開発しているAMI株式会社は、この町と遠隔診療の実証事業を進めています。今回は、この町で診療に携わる循環器専門医の丸山英樹氏に、本遠隔診療の特徴と患者さんの反応についてお話を伺いました。