中国(鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県)と四国(徳島県・香川県・愛媛県・高知県)のものづくりに関連する記事を集めています。
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金属加工の中でも難易度が高い深穴加工。現在はドリルの進化に伴って、径の50倍近い深さまで開けられるようになってきました。しかし、そこまで深い穴を開けるには、内部給油方式の特殊な機械が必要です。そのため、顧客から加工を依頼されても断らざるを得ないケースも多いのだと言います。そんな状況を打破すべく、特殊な機械がなくても径の20倍近い深穴加工を可能にするドリル「Crea Borer(以下、クレアボーラー)」を開発したのが西研株式会社です。今回は、広島県広島市にある西研株式会社に深穴加工の注意点や加工時のコツなどについて話を伺いました。
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塗装設備を導入するには、必ず押さえておくべきポイントがあります。塗装で使用する塗料や溶剤は、労働安全衛生法によって有機溶剤中毒予防規則が定められており、設置すべき換気設備の規模などは法令遵守を徹底する必要があります。そのほかにも環境に配慮した塗料の使用や働く人の健康を考慮することも欠かせないと言います。今回は、広島県福山市にある、塗料や塗装関連の設備や機器の提案・販売を行う藤野商事株式会社に塗装設備を導入する際のポイントや注意点などについてお話を伺いました。
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径が大きく、厚くなるほど加工が難しくなるステンレスパイプ。その硬さから小さいRに曲げるのが難しく、「エルボ」に溶接して曲げることになるため、時間とコストがかかります。特殊なベンダー機を使用することでステンレスパイプに曲げ加工を施すことができますが、機械さえあればいいというものでもありません。ステンレスの特徴を理解し、それに対応した機械と高い技術や経験が必要だと言います。今回は、広島県尾道市にあるステンレスや鉄、銅などのパイプの加工を行うサンライト工業有限会社にステンレスパイプの特徴や同社の加工技術についてお話を伺いました。
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超音波霧化分離とは、混合溶液に超音波を照射して霧化し、物質を分離・精製・濃縮する技術です。徳島県鳴門市に拠点を構えるスタートアップ「ナノミストテクノロジーズ」は、「超音波霧化分離」を用いた独自装置を用いて、従来の化学プロセスで利用されてきた蒸発・蒸留法に比べ使用エネルギーを3〜7割、CO2排出量を4〜8割削減したと発表しました。今回は、化学産業のCO2排出量削減に期待される「超音波霧化分離」の装置開発を行うナノミストテクノロジーズ株式会社代表取締役社長の松浦一雄氏に、超音波霧化分離の原理や概要、同技術の適用事例についてお伺いしました。
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「黒の中の黒」を追求する研究開発を紹介する本連載。後編では、「究極の黒」を身近にするプラスチック製品への「反射防止構造体」成形転写技術の可能性に注目します。金型の表面に微細な形状を施し、転写することで、光を外に出さずに閉じ込め、反射を限りなく抑えることができるという同技術。後編では、引き続き大塚テクノの佐藤氏に、二次加工を必要としない「反射防止構造体」成形転写技術の特徴や用途開発展望についてお伺いします。
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「究極の黒」といえば、入射した可視光の99.965%を吸収する「ベンタブラック」や、2019年に米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)より発表された99.995%カーボンナノチューブが有名です。一方で、医療、精密電子分野を中心に合成樹脂製品の製造・販売を行う大塚テクノ(徳島県鳴門市)がプラスチック製品の可視光吸収率約99.8%を実現する「反射防止構造体」の成形転写技術を開発したことをご存知でしょうか。今回は、「黒の中の黒」を追求する研究開発に注目し、2回にわたって「反射防止構造体」の成形転写技術を開発した大塚テクノへお話を伺いしました。前編では、「反射防止構造体」開発経緯や低反射率を実現する原理、「究極の黒」にしのぎを削る研究開発状況についてご紹介します。
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産業機器とは、会社や工場内で製造をするために必要な物や設備すべてを指します。産業機器の製造では、使用時の環境や運ぶ物の重さなどを加味しながら、一つひとつ製品の図面を引き、実際に加工可能な状態まで仕上げ、蓄積した知識やノウハウを最大限に生かすことで、スピーディーで高品質な一貫生産を実現できると言います。今回は、広島県東広島市にある業務用洗濯機や物流用パレットなど、産業機器の一貫生産を行っている有限会社ハイマックスに設計から部品製造、組立、塗装まで一貫生産できることの強みについてお話を伺いました。
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紫外線の遮蔽や悪臭の分解などの特徴を持つことから、化粧品や医薬品、工業製品などの分野で使用される酸化亜鉛。酸化亜鉛などの、粉体の機能性の高さを決めるのは、素材そのものではありません。粉体の機能性は、粒子の大きさや形によって決まるため用途に応じて、粉体を適したサイズや形に制御する技術のニーズが高まっていると言います。今回は、高知県にある石灰加工製品をはじめ、酸化亜鉛など無機粉体や農薬であるICボルドーの製造販売も手掛ける井上石灰工業に粉体のサイズや形が変わることで、機能性はどのように変わり、用途はどのように広がるのかお話を伺いました。
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金属を溶かして接合する溶接には、ロボットによる溶接と手作業による溶接があります。溶接は、扱う材料の材質や形状に合わせて、一つの製品でも箇所により動かす手の速度や電流の高さなどを調節しつつパルス波で電流の強弱をつけるなど、非常に細やかな判断が求められます。形状が複雑なものや場所によって細やかに設定を変える必要があるものなどは、手作業による溶接が向いていると言います。今回は、徳島県阿南市にある溶接とレーザー加工を中心とした板金加工業を営む、有限会社遠藤産業に手作業溶接だけでなくロボット溶接のメリットも含め、歪みなく溶接する難しさなどについてお話を伺いました。
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「ロストワックス製法」とは、鋳造方法の一種です。ロストワックス製法で部品を製造する際に、最初に金型にワックス(ロウ)を流し込んで原型を作りますが、その原型を粉末床溶融結合法で製作することで、金型レスで原型を作ることができるため、試作に最適だそうです。今回は、島根県安来市にある金属加工の会社でロストワックス製品の機械加工及び組立を中心に、MIM製品の機械加工、射出成形機部品製造、粉末焼結積層造形品の製作などを行っている株式会社ナカサに金型レスの試作についてお話を伺いました。
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近年、熱処理で得られる機能に注目が集まるアルミ。アルミを熱処理すると、硬度と粘りが出て耐久性が向上し、軽量さと強度の両立が叶います。一方で硬度を求めるほど歪みが出やすくなる特徴があり、硬さと歪みはトレードオフの関係にあると言います。硬さを求めて低い温度で急冷すると、強度は高くても歪みは大きくなり、そこがアルミの熱処理の難しいところだそうです。今回は、岡山県笠岡市にある小型鋼材製造と金属熱処理を事業の柱にする光陽産業株式会社にアルミ熱処理で得られる機能、気をつけるべきポイントについてお話を伺いました。
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周囲が山に囲まれており、アクセスが良いとは言えないため、一般的に見れば商売をするには不利な環境といえる中山間地域。入ってくる情報自体は少ないですが、少ないがゆえに選別もしやすいなど、物理的な不便さが逆に強みになっていると言います。今回は、プラスチックをはじめ、アルミダイキャストやウレタンなど金型設計、開発、および製造を手掛ける岡山県真庭市にある、山陽精機株式会社になぜ金型生産・供給のグローバルネットワークを構築できたのかお話を伺いました。
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生産コスト削減のために製品またはその部品を他の国内、海外企業などに委託して、製造するOEM。安価な労働力を求めて製造業が多く海外に進出していますが、確かな品質や迅速な対応を追求していくと、やはり国内で生産した製品は間違いありません。しかし、国産の確かな品質といっても、価格に競争力がなければ顧客には選んでもらえないそうです。今回は、鳥取県鳥取市に本社と2つの関連会社があり、グループ3社で各種電気機械や器具のODM・OEM商品について設計・開発から組立・納入まで一貫して手掛ける、株式会社鳥取スター電機に国内生産にこだわるメリットについてお話を伺いました。
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機械加工とは、機械や工具を使い、製造に必要な形状に材料を加工することの総称です。その中でも、船舶や自動車などに関連する大型機械加工は、製造する業種や企業によって大きさや形状が様々であり、大型機械加工を発注する際、適切な加工メーカーを探すため注意すべきポイントがあるといいます。今回は、岡山県内にある2つの工場を中心に、大型機械と精密機械の加工を行っている桜田工業株式会社に、大型機械加工メーカーを探す際のポイントや同社の技術やノウハウについてお話を伺いました。
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部材の中や表面の欠陥を調べるのに、対象物の形状や機能を損なわず検査ができる非破壊検査。オーダーメイドで作る非破壊検査機器や検査システムは、性能面で過不足がなく、操作性もよく、使い勝手のいい検査システムを構築することができるだけでなく、コストや品質管理などの面でメリットがたくさんあるそうです。今回は、山口県岩国市に本社、韓国に子会社を構え、非破壊検査機器の設計、制作、販売を手掛ける有限会社エヌ・ケイ・システムに「オーダーメイドの非破壊検査システム」には、どのようなメリットがあるかお話を伺いました。
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不織布と聞いてマスクを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、不織布は一般的な紙に比べて繊維長が長く、和紙の雰囲気が残っているため、高級感のある食品包装材として使用されることも多いです。工業分野では、直接、物と物を触れさせないようにするスペーサーとして活用されたり、医薬品の製造工程で濾過膜として使われていたりと、用途は非常に幅が広く、ものづくりにはなくてはならない存在です。今回は、湿式不織布(機能紙)の製造や加工、販売などを行っている高知県土佐市にある廣瀬製紙株式会社に、不織布の機能や活用方法などについてお話を伺いました。
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レーザー光を集光し金属面に照射、金属を局部的に溶融・凝固させるレーザー溶接。CO₂レーザーやYAGレーザーなど従来のレーザー溶接には、レーザー光線を加工対象物まで近づけにくい、消耗品の定期的交換が必要などのデメリットがあります。一方、これらのデメリットを解消できそうな「ファイバーレーザー」が近年台頭してきました。今回は、30年以上前にレーザー加工を導入し、「ファイバーレーザー溶接」を得意とする岡山県の大松精機株式会社に、同社がもつ「一貫生産システム」の強みや、品質に妥協しないレーザー溶接技術について伺いました。
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「精密機械加工をどこにどう頼むか」「工具の再研磨やメンテナンスを頼みたい」といった悩みを抱える方々、「ものづくりサポートセンターtomakichi(トマキチ)」をご存じでしょうか。精密機械加工サービスや再研磨丸投げサービス、切削工具などの無料オンラインセミナーなどを提供しているサイトです。今回は、このtomakichiを運営している高知の機械工具専門商社、株式会社TOSAMACHINEに、高知県内外企業とのネットワークを活かした同社のサービスについて伺いました。
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日本のものづくりの根幹を担う産業の一つ、鋳造業。その鋳造に欠かせないのが「型」です。できあがり製品の模型を正確に製作し、その模型によって鋳型を造り、そこに溶かした金属を流し込んで鋳物を生成します。今回は、1946年創業以来、造船、自動車などあらゆる産業で使われている鋳造型を製作している高知機型工業株式会社に、他社と差別化できる鋳造型制作の技術とノウハウについて伺いました。
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時計に使われる精密部品から船舶に使われる数メートルのシャフトまで、様々な金属の機械部品を作る時使用する旋盤加工。機械部品の加工品質を高めるには、ターニングセンタなどの工作機械の使用以外にも、それを使いこなす技術者の腕も欠かせない要素だといいます。今回は、農業機械や建機など大型機械部品の旋盤加工を得意とし、社員数の2/3が勤続15年以上のベテラン技術者で構成されている高須工業株式会社に、当社がもつ大型・薄物部品の旋盤加工技術の特徴や、品質第一へのこだわりについて伺いました。