関西(滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県)のものづくりに関連する記事を集めています。
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日用品や工業製品など幅広く使用され、あらゆる業界のものづくりを支えているゴム製品。精度の高いゴム加工を行うためには、使用用途や材質に対する適切な知識と加工技術が求められます。今回は、切削加工、ウォータージェット加工などをはじめとしたさまざまなゴム加工を行っている大阪府にある亜木津工業株式会社にゴム加工で失敗しないために知っておくべきことについてお話を伺いました。
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土木金物といえば、ガードレールをはじめとする防護柵やトンネル、土砂崩れ防止のためのライナープレートなど、私たちの生活を陰ながら支えてくれているものです。インフラの一部であるため、強度などを含めた高品質を担保しながら、迅速な大量生産が求められます。今回は、大阪府八尾市にある株式会社天徳工業に、大型の土木金物の量産品を高品質、短納期、ローコストで手掛ける秘訣について話を伺いました。
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スーパーコンピューターの民間利用は、主に科学技術計算用途で大規模かつ高速な計算を行うスーパーコンピューターの計算資源を中小企業などの民間において産業利用する取組みです。公益財団法人計算科学振興財団は、産業利用向けのスーパーコンピューターを持ち、民間利用の普及活動を行っています。今回は、製品開発などのものづくりにおけるスーパーコンピューター活用に注目し、計算科学振興財団に中小企業での利用例や課題を伺いました。
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モノづくり現場でのスーパーコンピューター「富岳」活用について、「富岳」研究チームを率いる理化学研究所計算科学研究センター坪倉誠氏にお話を伺う本連載。スーパーコンピューターが威力を発揮するハイパフォーマンスコンピューティングだからこそ、高精度な計算を行う際に時間的コストが掛かってしまう課題があるといいます。中編では、この時間的コストが掛かってしまうCADデータ修正や最適曲面の探索に対する課題解決アプローチや残された課題についてお話を伺いました。
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スーパーコンピューターとは、科学技術計算用途にて大規模かつ高速な計算が要求されるハイパフォーマンスコンピューティングに用いられる電子計算機です。日本では2019年8月に役割を終えた「京」がスーパーコンピューターとして有名ですが、「富岳」は「京」の後継機として理化学研究所と富士通により開発され2021年3月に共用が開始されました。今回は、モノづくり現場でのスーパーコンピューター「富岳」活用に注目し、理化学研究所計算科学研究センター複雑現象統一的解法研究チームの坪倉誠氏に話を伺いました。前編では、スーパーコンピューター「富岳」がモノづくりにもたらす3つの変化や、企業とのコンソーシアム活動の概要についてご紹介します。
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銅は、鉄やステンレスに比べて加工が難しい材料です。柔らかい素材である銅加工は慎重を要します。品質の高い銅加工を行うため、傷や汚れを付けないための取り扱いや、表面の仕上げ方や汚れをきれいに落とす洗浄方法が重要で多くのノウハウが必要だと言います。今回は、大阪府八尾市にある精密板金製品や精密プレス製品の試作を行う有限会社たくみ精密鈑金製作所に銅加工の流れとノウハウいついてお話を伺いました。
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化学産業にイノベーションを起こすことが期待されるマイクロ波を紹介する本連載。後編では、マイクロ波を活用した化学品製造プロセスの実用化状況に注目します。内部から直接、特定の分子だけにエネルギーを伝達する電子レンジに使われているマイクロ波の特徴を活かし、消費エネルギー1/3、加熱時間1/10、工場面積1/5の削減可能性がある技術を開発したマイクロ波化学。同社はどのように本技術の社会実装を進めてきたのでしょうか?後編では、引き続きマイクロ波化学代表取締役の吉野氏に、マイクロ波を活用した化学品製造プロセス実用化に向けた取り組みや将来的な技術開発展望についてお伺いします。
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化学産業は医薬品、化粧品から農業、食品、製造、輸送など幅広い分野へ原材料や触媒などを提供してきた一大産業であり、2013年度時点で化学産業のエネルギー消費量は日本の全産業の40%、二酸化炭素排出量では22%を占めています。脱炭素社会を目指す日本にとって、化学品製造プロセスの省エネルギー化が求められています。一方で、従来の化学品製造プロセスは熱と圧力を使ったものが主流であり、100年以上の歴史のなかで変化がありません。今回は、化学産業にイノベーションを起こすことが期待されるマイクロ波に注目し、2回にわたってマイクロ波化学代表取締役の吉野氏へお話を伺いしました。前編では、マイクロ波の化学品製造プロセス実用化に向けた開発秘話をご紹介します。
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PCP社会実装に向けた取り組みを紹介する本連載。後編では、産業ガスの高効率貯蔵でエネルギーインフラ改革を目指すPCPの最新事例に注目します。キュビタンは、京都大学発スタートアップAtomisで開発された「Cubic Tank」の略であり、ガスボンベの概念を大きく覆すことが期待されるキューブ型のガス容器です。後編では、Atomis代表取締役浅利氏に、キュビタン概要やPCP社会実装に向けて製品だけでなくビジネスモデル開発も行う同社取り組みについてお伺いします。
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PCP(Porous Coordination Polymer)は、1997年に京都大学の北川進特別教授により発見された多孔性配位高分子であり、金属イオンと有機分子が三次元的に組み合わせられた分子レベルのジャングルジムのような構造を持ちます。PCPはユニークな構造に起因し有用な性質を持つことが明らかになったことでノーベル賞級の発見と言われるほど注目を浴びましたが、コストダウン及び量産化のめどが立たなかったことから実用化が進まない状況が長らく続いてきました。今回は、PCPの社会実装に注目し、2回にわたって京都大学発スタートアップAtomisへお話を伺いしました。前編では、PCPの概要や量産化に向けた取り組みについてご紹介します。
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金型とは、プレス加工などの様々な製品の生産に使用される金属で作られた型のことです。金型の製造は高いイメージがありますが、それなりの強度の金型であれば安く製造でき、精密板金で作るより製品の質が安定します。また、製造コストが3〜4割安くなる場合もあると言います。今回は、兵庫県姫路市にある金属加工の会社で金型の設計・製造から機械組み立てまで一貫して行うパイオニア精工株式会社に金型を使用したコストダウンと品質の安定化についてお話を伺いました。
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機械用のタンクには大きく燃料タンクと作動油タンクがあります。燃料タンクはエンジンを稼働させるための軽油を蓄えておくタンクで中は空洞の構造になっています。一方で、作動油タンクはオイルを出したり戻したりするため、複雑な構造を設計し、かつ漏れのないように溶接するためには高い技術力が必要だと言います。今回は、奈良県磯城郡に本社を構える、建設機械向けのマフラーやタンクなどを主に手掛ける株式会社汎建製作所にタンク、マフラーなど大型ハコモノを手がける工夫についてお話を伺いました。
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PLCは、産業用機器を制御するために必要なコントローラーで、工場などの機械や設備を自動で動かすために使われます。業界によって求められるPLCの仕様は異なり、企業によって状況や課題もさまざまであるため、お客様が何に困り、何を求めているのか、徹底的に聞き出すことが重要だと言います。今回は、滋賀県彦根市にある産業用自動化設備のエンジニアリング、システムインテグレーターを手掛ける株式会社PRO-SEEDにPLCの特徴や潮流、業界ごとに異なる仕様についてお話を伺いました。
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脱炭素社会の実現に向けて「水素エネルギー」の活用に注目し、産学官からの水素エネルギーに関する取り組みを紹介していく本連載。第6回目は、引き続き水素エネルギー普及に向けたサプライチェーンを構築しようとしている「産(民間企業)」に注目します。川崎重工業株式会社の水素戦略本部副本部長の西村元彦氏に、同社が取り組んでいる水素発電のための水素ガスタービン燃焼技術の開発と、水素発電からの熱と電気を近隣施設に供給するコージェネレーションシステム(CGS)の活用についてお話を伺いました。
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脱炭素社会の実現に向けて「水素エネルギー」の活用に注目し、産学官からの水素エネルギーに関する取り組みを紹介していく本連載。第5回目は、引き続き水素エネルギー普及に向けたサプライチェーンを構築しようとしている「産(民間企業)」に注目します。今回は、川崎重工業株式会社の液化水素運搬船開発部部長の村岸治氏に、同社が持つLNG(液化天然ガス)運搬船建造のノウハウから開発した液化水素運搬船で用いる真空断熱による極低温技術や、液化水素を船から地上の貯蔵タンクへ搬送する設備の開発についてお話を伺いました。
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脱炭素社会の実現に向けて「水素エネルギー」の活用に注目し、産学官からの水素エネルギーに関する取り組みを紹介していく本連載。第4回目は、引き続き水素エネルギー普及に向けたサプライチェーンを構築しようとしている「産(民間企業)」に注目します。今回も、川崎重工業株式会社の水素戦略本部副本部長の西村元彦氏に、水素の低コスト化のため同社が「褐炭」に着目した理由と、褐炭から高純度の水素を取り出す方法、水素の大量輸送のための膨張タービンを用いた水素液化システムについてお話を伺いました。
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脱炭素社会の実現に向けて「水素エネルギー」の活用に注目し、産学官からの水素エネルギーに関する取り組みを紹介していく本連載。第3回目は、水素エネルギー普及に向けたサプライチェーンを構築しようとしている「産(民間企業)」に注目します。今回は、世界と日本の水素エネルギー活用に向けた動きを紹介した後、2010年から水素インフラの確立を目指し技術開発を進めている川崎重工業株式会社の水素戦略本部副本部長の西村元彦氏に、同社が水素に注目した理由と、水素サプライチェーン構築への取り組みについてお話を伺いました。
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製造業において、欠かすことのできない重要な要素である品質、コスト、納期(QCD)。これらを継続して守り続けられる企業は多くありません。QCDを達成し、多品種・小ロットの生産や、短納期の発注にも柔軟に対応するために、簡易な加工は中古機械で、高精度の加工は最新の機械で実施するなど、難度やロット数に応じて機械設備を使い分けるなどの工夫がされているそうです。今回は、兵庫県姫路市にある植田金属工業株式会社に材料から完成品まで一貫した金属加工事業を展開し、多種多様な機械設備を揃え短納期・高品質な生産体制を実現する技術や強みについてお話を伺いました。
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日本にはおよそ1万のトンネルが存在し、1960年代高度成長期に建設されたトンネルは老朽化が進んでいます。また、携帯電話などに使われるリチウムイオン電池は、製造時の不良を見つけられず発火や爆発事件を起こしたりします。このような社会課題を解決すべく、「散乱の逆問題」を解くことで「見えないものを見る」技術を開発しているのが株式会社Integral Geometry Scienceです。3回目となる後編では、引き続き同社の創業者であり、神戸大学大学院理学研究科教授の木村建次郎氏に、トンネル等のコンクリート内部の劣化検出装置やリチウムイオン電池の爆発を防ぐための検査装置など幅広い応用事例を紹介して頂きました。
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女性のがんの中で、罹患率が2位の大腸がんに大きく水をあけて1位なのが「乳がん」。従来の乳がん検査方法は「X線マンモグラフィー」「乳腺エコー(超音波)」「MRI」などがありますが、放射線被曝リスク、人体深部での映像化困難、造影剤の副作用などの課題があります。前編に引き続き、株式会社Integral Geometry Scienceの創業者であり、神戸大学大学院理学研究科教授の木村建次郎氏に、応用数学上の未解決問題「散乱の逆問題」を解いたことで開発が可能になった「マイクロ波マンモグラフィー」と乳がん発見の仕組みについてお話を伺いました。