中部(山梨県・長野県・岐阜県・静岡県・愛知県・三重県)のものづくりに関連する記事を集めています。
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焼付塗装とは、塗料を塗って乾燥炉に入れ、100度以上の高温で加熱して塗料を硬化させる塗装方法で、耐候性・耐薬品性・耐磨耗性が高く、剥がれにくいといった特徴があります。塗装をする上で剥がれは一番大きな問題ですが、剥がれを防ぐには下処理や適正な温度帯での焼き付けなど、きちんとした工程を踏むことが大切だと言います。今回は、知県名古屋市に本社を構える焼付塗装と精密板金加工の会社である株式会社ミヤモトに焼付塗装のポイントについてお話を伺いました。
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受託研究開発は、機械や施設、研究員を自社で用意する必要がないので、開発にかかるコストの大幅削減を実現することができます。また、それだけでなく自社では解決できない課題に直面したとき、自社にはない技術を持った外部に委託することで、他の解決方法を試すことができるそうです。今回は、愛知県瀬戸市にあるセラミックスメーカーの合資会社マルワイ矢野製陶所に受託研究開発の強みや長所についてお話を伺いました。
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さまざまな製品やデバイスの軽量化・小型化が進み、限られたスペースに極小な部品を高密度で実装することが求められ、製品の心臓部として重要性が増していくと考えられるプリント基板。プリント基板を用いた試作では、基板の素材やサイズ、スペックなどが基板の製造コストや納期に影響を与えます。そのため、試作したい製品のイメージをある程度固めてメーカーに相談するのがスムーズに試作を進めるポイントだと言います。今回は、三重県松阪市にあるプリント基板製造メーカーの株式会社松和産業にプリント基板の種類やメーカー選びの注意点についてお話を伺いました。
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エアバックや小型高機能計測器、介助用ロボットなど様々なものに利用されるセンサー技術。センサー技術を使った制御技術の応用で困りごとを解決するには、目的に合わせて必要な機能だけを選定する目利きが大切で、この機能ならこのセンサーといった選定をすることでコスト削減につながるといいます。今回は、愛知県豊田市に本社をもち自動車用部品や電子機器の開発・設計・製作などを手掛ける野場電工株式会社に小型で、安価で、性能がいい競争力のある製品を生み出し続ける秘密についてお話を伺いました。
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空中を飛ぶドローンが農業や輸送など様々な商業利用に期待される一方、水中を泳ぎ回る「水中ドローン」は漁業の人手不足解消へ期待されています。水中ドローンはケーブル式が実用化されていますが、深い海底設備の点検や漁業分野に応用するためには、ワイヤレス式の技術開発が望まれます。今回は、水中でワイヤレス給電とデータ通信可能な高周波電流を用いた方式を開発している豊橋技術科学大学 田村昌也准教授に、同方式の動作原理や他のワイヤレス給電方式との違い、実証実験の成果についてお話を伺いました。
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一般的な抗菌塗装で使用する抗菌・防カビ塗料は、塗料中に抗菌剤を混ぜ合わせた製品がほとんどです。塗装の際にはハケ・ローラー塗りや、簡易なスプレーで塗布することが多く、アルコールの入った除菌剤や薬品洗浄にも弱く、洗浄後は抗菌剤が除去されてしまうなどの問題点があります。しかし、塗膜表面にのみナノ分散・固着させる「塗膜一体化技術」であれば、アルコールで拭いても抗菌剤微粒子が剥落することがないと言います。今回は、愛知県江南市にある、塗装業を中心に、改修・修繕工事などを行う株式会社ペイントサービスに独自の抗菌塗装や、研究開発に関するお話を伺いました。
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脱炭素社会の実現に向けて「水素エネルギー」の活用に注目し、産学官からの水素エネルギーに関する取り組みを紹介していく本連載。第2回目は、2009年に全国に先駆けて2050年までのCO₂排出量を実質ゼロにする「ゼロカーボンシティ」を表明し、山梨大学を中心に水素・燃料電池の研究開発を行っているた山梨県に注目します。今回は、山梨大学 燃料電池ナノ材料研究センターに、太陽光発電による電力で水素を製造し貯蔵するシステム、燃料電池の低コスト化に資する材料開発など、産学官連携による取り組み事例についてお話を伺いました。
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二酸化炭素の排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの実現に向け、世界各国で「脱炭素化」の政策が発表され、さまざまな取り組みが進んでいます。そんな中、脱炭素化の切り札とも言われ、近年改めて注目を集めているのが水素からエネルギーを取り出す、水素エネルギーの活用です。本連載では、この「水素エネルギー」に注目し、産学官からの水素エネルギーに関する取り組みについてご紹介していきます。連載第1回目は、序章として、40年以上前から水素エネルギーの研究開発をしている山梨大学に、水素エネルギーと燃料電池、燃料電池自動車(FCV)について解説して頂きます。
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ギアは動くものに必ず必要な部品です。ギアは、金型自体を作ることができても、金型通りに成形できるわけではありません。形状提案や成形条件等、さまざまなノウハウが必要なので、設備があるからといってすぐに製品化できるわけではないと言います。今回は、愛知県岡崎市に拠点を構え、主に樹脂部品の金型設計・製作、成形加工。自動車部品などを中心に、提案型の試作開発と量産を行う株式会社ハマダ工商にこれまで培ってきた強さについてお話を伺いました。
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耐熱鋼は、通常の鋼製品だと変形してしまうほど高温な場所で使われる特殊な金属です。耐熱鋼の加工は、他の素材とは比べものにならないほど大きな摩擦が発生します。そのため、高度な技術やノウハウがなければ加工は難しく、刃物の摩耗も激しい為、選定にも慎重な判断が必要となるそうです。今回は、愛知県名古屋市にある、加工が難しいチタンや耐熱鋼まで幅広い金属棒材の切削加工を手掛ける、有限会社寺西工業に同社が培ってきた技術力とともに、同社が目指すビジョンについてお話を伺いました。
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板金加工の中でもひずみが少なく、切断時間が短いなどの特徴を持つレーザーカット。中でも、三次元レーザーカットはどんな形状も加工することができます。三次元レーザーカットは、二次元レーザーカットに比べて加工機を使いこなすのが難しいですが、対応できるものの守備範囲が極めて広く、柔軟性の高い加工が可能だと言います。今回は、愛知県名古屋市で板金加工を手掛け、特にレーザーカット加工に強みを持つ株式会社レーザテックにレーザーカット加工の特徴や三次元レーザーカットの優位性についてお話を伺いました。
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さまざまなモノづくりで必要とされる板金加工。板金加工の中でも特に高度な技術が求められるが「精密板金加工」です。精密板金の場合、ほとんどの会社で鉄は取り扱っていますが、ステンレスを扱っている会社は全体の約半分、アルミを扱っているのは3割程度と言われています。今回は、精密板金において鉄、ステンレス、アルミ、真鍮、銅など実にさまざま材料を扱っている名古屋市にある株式会社髙田製作所に、1965年創業以来培ってきた技術力をはじめ、幅広い対応力や提案力について話を伺いました。
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米バイデン大統領の就任後パリ協定への復帰や欧州議会での自動車に対する厳しいCO₂規制など、CO₂削減のトレンドが世界的に加速しています。そんな中、コスト面やスペース的にも電動化技術を導入するのが難しいとされる小型車でも、CO₂削減への要求は日増しに強くなっています。今回は、小型車づくりの豊富な経験値をもって小型車のハイブリッド化に取り組んでいるスズキ株式会社のエンジニアに、同社がハイブリッド化に向けて開発した「トランスミッション(自動MT)」の特徴とその可能性について伺いました。
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EV(電気自動車)に必要な電気は、車を動かす電気だけではありません。走行の次に大きなものが、カーエアコンです。そのためEVの航続距離をのばす一つの取り組みとして、カーエアコンの消費電力をいかに減らすかが重要になってきます。前編に引き続き、株式会社デンソーの「ヒートポンプ式省エネエアコン」を担当しているエンジニアに、同カーエアコンが省エネなる仕組みと、EV内の熱エネルギーを有効利用する車両トータルの「熱マネジメント」についてお話を伺いました。
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日本のEV(電気自動車)普及率は0.7%(2020年7月時点)にとどまっており、消費者がEV購入をためらう理由の一つとして、内燃機関(エンジン)車に比べて半分程度の航続距離があげられます。この課題を解決すべく大容量バッテリー開発が進む一方、「省エネ」への取り組みも重要になってきます。今回は、EVにおけるカーエアコン(冷暖房)の省エネに注目し、株式会社デンソーの「ヒートポンプ式省エネエアコン」を担当しているエンジニアに、内燃機関(エンジン)車」と「EV」の冷暖房効率の違いや同カーエアコンを開発した経緯について話を伺いました。
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自動車の更なる軽量化を実現するためにアルミ合金部品の製法に求められているのは、鍛造と同等以上の強度、ダイカストに近い生産性、鉄と同等以上のコストレベルだといいます。その実現に挑んでいる企業のひとつが、アルミの半凝固スラリーを用いて高圧鋳造する「半凝固ダイカスト法」を開発しているHGプレシジョンです。今回も引き続き、同社に「半凝固ダイカスト法」から鍛造並みの強度を得るために改良中の「半凝固プレス法」の開発ストーリーと自動車の軽量化への可能性について伺いました。
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鉄やアルミ合金などの金属材料の鋳造法として広く使われている「ダイカスト法」。この加工法は、複雑な形状の製品をひとつの工程で量産し生産コストを削減できる等の長所がある一方、加工品の精度を落とす「気泡巻き込み」や「引け巣」の欠陥が生じうるという短所もあります。今回はその欠陥を減らす方法の一つとして、アルミニウムの「半凝固状態」に着目し、「半凝固ダイカスト法」を開発しているHGプレシジョンに話を伺いました。
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機械加工を委託する時、どの会社に任せればよいか判断できないと悩んでいる方は少なくないのではないでしょうか。一見、機械加工設備が同じなら、加工品の品質も大きな差がないと思われがちですが、実際はそう単純ではないそうです。今回は、日々見学者が訪れる静岡県の三島・沼津地域の日幸製作所に訪問、工場見学し、最近は医療・宇宙・工業用ロボットなどの新領域にも力を入れる同社が大企業をはじめとするお客様からどのような視点で選ばれているのかを伺ってきました。
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産業の空洞化だけでなく、地域医療の存続も課題となっています。高度な技術を要する外科手術では、構造が複雑かつ独特な質感の臓器を扱うため、経験に頼る部分が大きいものでした。こうした経験不足を埋め若手医師や研修医の技術を高めるため、地場の中小企業2社と地域医療機関が手を組み、安価、かつ精巧な臓器模型を製作する取り組みが始まっています。今回は、引き続き伊那市で進められている共同開発プロジェクトについてご紹介します。
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中小製造業は、顧客から依頼される仕事をこなすのは得意で、自ら新しい商品を開発して事業化することは不得意だと言われてきました。一方で、中小製造業発の「完全地産」の取り組みとして2013年に「製造業ご当地お土産プロジェクト」が長野県伊那市で始まっています。今回は、デジタルモールドという新しい技術で医療やその他の分野でイノベーションを起こそうとする伊那市のものづくり企業を取材しました。