駆け出しの試作設計者の方へ ゼロから学ぶ試作の基本 (1/2)

はじめに

今回は、「試作」とは何か、についてご紹介したいと思います。企業にお勤めの試作未経験者の方や、これから自作でモノを作ってみたい方、ぜひご参考ください。
そもそも「試作」とは、文字通り「試しに作る」ことです。
一般的に、私たちの身の回りにある製品はすべて、「試作」を経た完成品として出回っており、どんな製品を作るにしても「試作」は欠かせません。
では、何のために「試しに作って」いるのか。まずは試作を行う上で重視される観点についてご説明します。

試作を行う上で重視すべき観点

ひとえに試作といっても、製品化までの流れの中で、試作は何回も行われ、その時々に応じて、特に重視される観点は異なりますが、一般的には、大きく以下の観点が重要になります。

(1) 安心・安全性
製品の作り方から使い方まで、危険がなく信頼できるものであるか

(2) 品質
製品の持つ機能、見た目、使いやすさなどが優れいているか

(3) コスト
製品を制作するにあたってどの程度の費用がかかるか

(4) 納期
量産時に材料の仕入れ~製品化までどの程度の期間がかかるか

(5) 環境性
環境への負荷はどの程度か

例えば、コンセプトが決まり、まずカタチにしてみよう!となったときには、「(2)品質」が最も重視され、量産化に向けた生産方法の検討を行う場合は、「(3)コスト」や「(4)納期」が特に重視される傾向にあります。

試作の流れ

先ほど、試作は何回も実施される、と書きましたが、機械製品の商品開発の一般的な流れは<図1>のようになります。

<図1>製品開発のステップ
<図1>製品開発のステップ
企画 製品のコンセプト、企画立案
開発設計 設計仕様、デザインの決定
製品設計 材料、加工、詳細仕様の決定
量産設計 材料調達、生産方法の決定
生産 部品の製造、組み立て
販売 製品の販売
保守 販売された製品に対する問い合わせ・修理保証対応

開発設計、製品設計、量産設計に基づき複数の試作が行われ、様々な材料や加工方法のなかから製品に適応される材料・加工方法が決まっていきます。
製品開発の具体的な流れについては、実際の設計者や加工業者の方々からのお話を元に解説した記事もありますので、そちらも合わせてご参考ください。

基本的に開発~製品設計までに、製品の用途・設計仕様が決定されます。
量産設計では材料が安定的に供給可能か、工場の生産ラインを確保できるかといったことも含めて最終製品や生産方法全体の設計を行います。

それでは次に、試作対象となる構造体や機械部品で利用される材料について、種類と特徴をご説明します。

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