IoT製品のアイデアの試作・検証を無駄なく高速で小さく試す“リーンIoT”とは (1/2)

INTERVIEW

ピクスー株式会社
CEO
塩澤 元氣

いまや新製品の開発にIoTという観点は必須。既存の製品をインターネットにつなげて利便性をより良くするという発想が必要になっています。しかし、新たな装置、サービスを発想したとしても、すぐに製品を試作してクラウドにつなげるには幾多のハードルが存在します。そんなときに相談できる試作会社も最近は増えています。それらの会社の中でも“リーンIoT”という新たな言葉を標榜するピクスー株式会社のCEO塩澤元氣氏に話をおうかがいしました。

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最初はペット用給餌器を作る予定だった

ピクスーの創業は2016年3月。最初に取り組んだのはペット用給餌器「カメラ・スピーカー付きスマート給餌器Pixoo/ピクスー」の開発です。外出していてもスマートフォンでペットに餌をあげられ、備え付けられたカメラを通してペットの様子を見ることができるもの。開発に当たっては、その資金をクラウドファンディングで調達しようとしましたが、500万円の目標額にわずかに届かずファンディングに失敗。あえなく開発を断念することになりました。

<写真1>スマート給餌器Pixoo
<写真1>スマート給餌器Pixoo

しかし元リクルートでWeb開発をやっていた塩澤氏やフランス出身で組み込みシステムのプログラミングに精通したシモハメド ラムラウイ氏ら創業メンバーは、自分たちの強みに改めて磨きをかけ、世の中のニーズに応えるためにリーンIoTというサービスを立ち上げました。

<写真2>ピクスー株式会社のCEO塩澤元氣氏(左)とCTOシモハメド ラムラウイ氏
<写真2>ピクスー株式会社のCEO塩澤元氣氏(左)とCTOシモハメド ラムラウイ氏

リーンIoTとは、どういうものなのか?

「リーン」という言葉を聞いたことがある人もいることでしょう。最近では「リーン・スタートアップ」という起業論としても有名です。英語のLEANには「痩せた、引き締まった」というような意味ですが、ビジネス用語的には「無駄のない」という意味で使われます。となるとリーンIoTとは「無駄のないIoT」ということでしょうか? 塩澤氏はこう応えます。

「新しい製品は試作から始まります。アイディアを形にして、検証して、また新しい形を作っていく。それを繰り返して、確実に製品に仕上げていくことが大切です。一方的な思い込みである方向にだけ製品開発をして無駄なコスト、無駄な時間を生じさせないようにしなければなりません。私たちはこの“繰り返し”を高速に回して、“無駄なく”確実な製品化に突き進むためのお手伝いをしています。
なぜ高速に回すことができるのかというと、一つはIoT関連に特化していること。私はWebサービスの開発経験が長いのでクラウドサービスなどは得意です。一方パートナーのシモハメドは製品作りが得意。この2人でほとんどのIoT試作はできてしまいます。あと、案件はすべてこの2人で回しているので、意志決定も速く、依頼された案件はすぐに実行できます。だから、形にして検証することがすばやく行えます」

そう笑いながら話してくれる塩澤氏には自信のほどがうかがえます。確かに試作であれば、小さな単位で始めるので、実際の作業も小さくまとまっていたほうがいい。外野がいろいろと出てきて、「あーだこーだ」と言われることもない。基本的にクライアントから直接依頼事項を聞いて、すぐに作業に取り掛かって、早ければ2週間後には納品できるそうです。そして2週間で検証して、フィードバックされた試作を繰り返すというわけです。

<図1>リーンIoTでは、初めから完成度の高いシステムはあえて作らず「アイディア」の中から重要な要素だけを抽出することで「試作品」を高速に開発。
<図1>リーンIoTでは、初めから完成度の高いシステムはあえて作らず「アイディア」の中から重要な要素だけを抽出することで「試作品」を高速に開発。

「検証データ」から学習した内容を次フェーズの仕様に反映させ、これを何回か繰り返すことで、本当に役に立つIoTシステムを創っていく。

<図2>開発まで約2週間。検証も2週間で行うスピード感がポイント。
<図2>開発まで約2週間。検証も2週間で行うスピード感がポイント。


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