スピーディに思った通りの試作を実現させるために…設計者と加工事業者のコミュニケーションを円滑にする試作加工コンサルの役割とは?! (1/2)

INTERVIEW

株式会社NCネットワーク
加工事業部
赤井 宣之

製品開発において、研究開発者の知見のない領域での試作が発生した場合、自社の持つネットワークやWEBを通じて、試作加工事業者に仕事を依頼することがあります。しかし、どの試作加工事業者に依頼すると価格、品質、納期の点で内製や個々で見つけた業者と比べメリットがでるのかについては、試作目的に応じて設定される試作品の仕様(要求性能)、試作品製作で採用される加工方法ひとつで大きく変わってきます。

この記事では試作加工事業者の選定方法、試作の進め方といった、試作品製作の実態について、多くの試作加工コンサルティングの実績を持つ(株)NCネットワーク加工事業部の赤井宣之氏にお話を伺いました。

NCネットワーク加工事業部の事業内容と幅広い試作領域

NCネットワーク加工事業部では、量産・試作の両分野で、従来型の系列・業界内取引の枠を超えた調達支援サービスを行っています。材料・図面・加工方法などの仕様条件を元に、生産委託先の選定依頼(加工方法に関する相談にも対応)に対し、1万8,000社以上の膨大な加工事業者データベースから、モノ作りの経験豊富な技術スタッフが最適な生産委託先を探し出します。また、加工事業者を選定するだけでなく、試作加工を実施している中でも加工事業者と連携をし、納期や品質の管理、納品前の試作品評価にも関わります。これにより、開発者はニーズを満たすための最適な加工方法や加工事業者を選定してもらえるだけでなく、NCネットワークを介して複数の加工事業者との取引を集約できるというメリットもあります。

NCネットワークの取り扱い製品は機械加工品(金属・樹脂)、鋳造品、板金加工品、樹脂成形品、組立品(特注の検査装置製作等)が中心で、実際に大手自動車・電機メーカーからの試作部品や量産部品の生産委託実績も数多くあります。

膨大な加工事業者とのネットワークを元に顧客の課題解決に貢献したNCネットワークらしいエピソードを赤井さんにお話しいただきました。

「NCネットワークでは、自動車のエンジンまわりの部品に関するお問い合わせを多く頂いている一方で、医療機器(MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像)やCT(Computed Tomography:コンピューター断層撮影法)検査装置に用いられる部品等)の取り扱い経験などもあります。医療機器の部品は他業種の部品と比べて表面処理に求められる条件は厳しく、一般の加工事業者では対応が難しい場合があります。例えば、部品表面の凹凸部分に血液や体液が入り込み、完全に洗浄しきれないような表面処理加工の品質は許されません。そのため、複雑な部品形状であっても完璧に洗浄できるよう表面を入念に磨く必要があります。この技術には職人技が求められ、数多くの加工事業者から指先の器用な職人の方を見つけ出す必要がある中、わが社がもつ加工ネットワークを用いることで、最適な加工事業者をお客様に紹介させて頂き、部品製作を実現することができました。もし、お客様自身で町工場の職人さんを探すとなると、大幅に時間を要するだけでなく、見つけられない場合もあるのではないでしょうか。」

試作品開発の実際の進め方

NCネットワークを介した試作依頼の一般的な流れは<図1>のようになります。自動車部品の試作をイメージした一般的な納期スケジュールとなっており、品質基準が厳しいため、他の事業分野での試作に比べて長めのスケジュールとなっています。

<図1>NCネットワーク加工事業部へ発注した際の試作の流れ
<図1>NCネットワーク加工事業部へ発注した際の試作の流れ

1. 要件打ち合わせ

顧客からの要求性能や仕様のインプット、それらを満たすことができる技術要件(材料・加工方法)についてヒアリング。最適な加工事業者を選定(複数の加工事業者候補を出す場合もあり)。月2回程度のペースで実施

2. 評価用試作

顧客から依頼された要件を満たすかどうかの評価を行うための試作。通常は1~2個の試作品を製作

3. 試作評価

顧客も交えた試作品に対する評価

4. 納品用試作

試作評価に合格したものに対し、納品用試作品を製作

5. 納品

加工事業者より、顧客に対して納品用試作品を納品

また、他の記事でも試作の進め方や、さらには材料や加工方法に関する基礎知識も紹介しています。そちらも合わせてご参考ください。

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