土木金物のスペシャリスト・天徳工業に聞く。大型の土木金物を高品質、短納期、ローコストで大量生産できる理由

土木金物といえば、ガードレールをはじめとする防護柵やトンネル、土砂崩れ防止のためのライナープレートなど、私たちの生活を陰ながら支えてくれているものです。インフラの一部であるため、強度などを含めた高品質を担保しながら、迅速な大量生産が求められます。今回は、大阪府八尾市にある株式会社天徳工業に、大型の土木金物の量産品を高品質、短納期、ローコストで手掛ける秘訣について話を伺いました。

土木金物を製造して約25年の天徳工業に話を伺いました

株式会社天徳工業は、溶接による大型の土木金物や建築金物の製造を主力事業として、1998年に設立しました。以来、顧客の要望に応え続ける中で事業が拡大。現在は、業界トップクラスの技術力と生産能力を有するまでになり、大型の土木金物や建築金物の量産品に強みがあります。

本社工場外観(提供:天徳工業)
本社工場外観(提供:天徳工業)


土木金物といえば、ガードレールをはじめとする防護柵やトンネル、土砂崩れ防止のためのライナープレートなど、私たちの生活を陰ながら支えてくれているもの。インフラの一部であるため、強度などを含めた高品質を担保しながら、迅速な大量生産が求められます。天徳工業は、大型の土木金物の量産品を高品質、短納期、ローコストで手掛ける仕事ぶりに定評がありますが、なぜそうしたことが可能なのでしょうか。天徳工業の代表取締役・山本歩氏に伺いました。


土木金物の量産体制と品質管理体制を整備

大阪府八尾市に本社を構える天徳工業では、溶接や製缶加工、プレス加工、レーザー加工、曲げ加工などさまざまな加工を手掛けながら、大手建材メーカーや土木資材メーカーの製品作りをサポートしています。そんな同社の優位性は「高品質」「短納期」「ローコスト」の3拍子そろった対応。資材調達から製造まで社内一貫生産体制を構築しながら、顧客が求める大規模な生産能力と厳格な品質管理体制を確立してきたことが背景にあります。

高品質

積極的に導入している最新鋭の加工機械と、高度な技術を有するスタッフによって、精度の高い加工を実現しています。また、品質管理については、専任のスタッフが加工精度を徹底的にチェックし、検査結果を速やかに生産ラインにフィードバック。厳格な品質管理体制により、製品不良率は、業界最高レベルである「0.01%以下」を達成しています。

短納期

例えば、通常は1週間かかるところを、同社では2、3日ほどで対応することは珍しくありません。といっても、特急対応のために生産ラインを空けているわけでもありません。これまで多くの数をこなしてきたスタッフの技術力やノウハウ、経験値、意識の高さが、短納期を可能にする最大の要因です。その他にも、定尺材料を常時ストックしたり、積極的に最新鋭の設備を導入したりするなど、工数の集約化と工程管理を徹底することで生産性を高めています。

ローコスト

材料を低価格で仕入れる努力だけではなく、最新鋭の機械や設備の導入により、加工ロスを最小限に抑えてローコストを実現しています。

土木金物をさまざまに加工できる幅広い技術力

天徳工業で製造する土木金物は、道路関連ではガードレールや防護柵、高速道路の落下物防止柵、遮音壁の支柱など。工事用製品関連ではトンネル(横坑)をはじめ、立坑や深礎坑などに必要な土砂崩れ防止のためのライナープレート部品を製造しています。

建材関連では、工業用フェンスやビル用フェンスといった各種柵や門扉などの製造を受託。その他にも太陽光発電パネルの架台や、ロードサイドに設置される商業用標識のポールやフレームなど、手掛ける土木金物は実に多岐にわたります。それを可能にするのは、大型の金物をさまざまに加工できる以下のような幅広い技術力です。

溶接・製缶加工

熟練の技術者が高度な溶接技術、製缶加工技術を駆使し、幅広い産業分野の土木金物を公差±0.1mm以内という業界最高クラスの精度で加工します。

「道路関連では、例えばガードレールは溶接加工が欠かせません。かつて量産品として扱っていた太陽光発電パネルの架台も、溶接加工で作っていました。現在受注しているものでは、5Gのアンテナポールも溶接加工で作っています」(山本氏)


ロボット溶接用の様子(提供:天徳工業)
ロボット溶接用の様子(提供:天徳工業)


プレス加工

最新鋭の機械を導入しており、薄板はもちろんのこと、加工が難しい最厚16mmの厚板においても、大型の200tプレス機による高精度な加工が可能です。また、最長4mの長尺の板曲げ加工にも、160tブレーキプレス機で対応。いずれも数万ロットの大量生産が可能で、各種ポールやフレーム、機械などの外装に至るまで幅広く対応しています。

「現在は、支柱とガードレールの間隔を維持するために使う『間隔材』と呼ばれる土木金物をプレス加工で多数手掛けています」(山本氏)

レーザー加工

最新鋭のレーザー加工マシンにより、公差±0.1mmクラスの精密加工が可能です。

「例えば、両方向一車線の高速道路の中央分離帯などで見かけるポール。これまでオレンジのやわらかいものが主流でしたが、正面衝突など事故が多いため、現在は鉄のポールへ順次置き換わっています。鉄のポールとポールの間にワイヤーを通して設置することで防護柵になるわけですが、ワイヤーを通すには、丸いポールに溝を作る必要があります。その溝はレーザー加工で作ります」(山本氏)


ワイヤーを通すための溝をレーザー加工で作る様子(左)と完成形(右)(提供:天徳工業)
ワイヤーを通すための溝をレーザー加工で作る様子(左)と完成形(右)(提供:天徳工業)


曲げ加工

加工後の修正が難しく、高度な技術力を要する「U曲げ加工」も、同社の熟練の技術者が同心や直角、平行を維持したまま精度高く仕上げます。また、反りの原因となる残留応力に対しても、蓄積してきた独自の加工ノウハウによってコントロールが可能です。

「ガードレールは、溶接加工やプレス加工に加えて、曲線の道路に合わせて複雑で高度な曲げ加工が求められます。ガードレールの間隔材もプレス加工と曲げ加工で作ります。あとは建築材で使われる『コンクリート止め』も曲げ加工が欠かせません」(山本氏)


U曲げ加工を施した土木金物(提供:天徳工業)
U曲げ加工を施した土木金物(提供:天徳工業)


土木金物「半壁高欄」で培った技術力とスタッフの若さが土台

天徳工業が、土木金物に対して精度の高いさまざまな加工技術を駆使できるようになった理由の一つには、創業まもなく手掛けた案件が大きく関係しています。それは、高速道路をまたぐ橋などに設けられる「半壁高欄」を多く手掛けたこと。半壁高欄は橋から人や車の落下を防ぐために設けられる柵の一種であるため、特に頑丈な構造が必要とされます。

「半壁高欄には、先端に丸いポールがずらっと付いた支柱があるのですが、その支柱に求められる溶接の精度は非常に厳しいものでした。そこで鍛えられ、結果的に当社の技術力は飛躍的に向上し、ノウハウも蓄積していきました」(山本氏)

また、同社の高い技術力には、スタッフがみな若く機動力があることも大きく関係しています。技術者の多くは20代から40代。指導する立場にある同社のトップレベルの技術者も30代です。

「頭が柔らかく、スピーディーに何でもできる若さは重要です。教育に力を入れているので、若くても熟練の腕を持つ職人は育つのです。ですから当社の採用では、スタッフの国籍を問わず、若さを意識しています」(山本氏)

今後について山本氏は、「量産品を中心に何にでもチャレンジをしていきたい」と抱負を語ってくれました。

「グリーンエネルギー関連も大変興味がありますし、量産品になる可能性があるなら開発や試作も積極的にバックアップできればと考えています。大手メーカーの案件を多数手掛けていますが、大学などの研究機関や商社などからのご相談も大歓迎です」(山本氏)

大型の土木金物や建築金物を高品質、短納期、ローコストで大量生産するには、機動力と技術力のあるスタッフの充実、最新鋭の機械の導入をはじめ量産化に対応できる設備の整備、厳格な品質管理体制の確立が欠かせません。量産品の製造や試作品などでご相談やお困り事があれば、ぜひ天徳工業にご相談ください。


株式会社天徳工業
大型の土木金物や建築金物の量産品に強みがあり、溶接やプレス加工をはじめ、さまざまな加工を手掛ける。資材調達から製造まで社内一貫生産体制を構築しながら、大規模な生産能力と厳格な品質管理体制を確立してきたことで、業界トップクラスの技術力と生産能力を有する。
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