精密板金加工での頼れるパートナー。高い技術力と提案力でクライアントの構想を形にする、相馬製作所

イメージ図や図面に落としたものを、実際に製品化していく。その過程には、加工に関する非常に多くの知識と技術、経験が必要になります。埼玉県川口市に本社を構える株式会社相馬製作所は、薄板鋼板の加工を中心とした精密プレスと板金加工の会社です。幅広いジャンルの企業約140社との取引経験から得たノウハウを生かし、設計者やデザイナーのさまざまな「作りたい」に応えています。今回は相馬製作所に、製品化するために必要な技術力や対応力についてお話を伺いました。

60年近く精密板金加工を行っている相馬製作所にお話を伺いました

昭和38年に創業した相馬製作所は、精密プレスと板金加工を行っている会社です。扱っている材料は主にアルミやステンレス、鉄。加えて、真鍮や銅の加工も行っています。埼玉県川口市に本社と本社第2工場、福島県南相馬市に福島工場を有しており、ファイバーレーザー溶接機や高精度ベンディングマシンなど充実した機械を備えています。

今回は、代表取締役社長・羽山勝彦氏と専務・羽山広一氏、取締役で営業の岩鼻久志氏、生産管理・鈴木明氏、営業部の作間大樹氏と菅原和高氏、羽山勝太氏、福島工場・工場長の羽山貴洋氏からお話を伺いました。


本社(上)と福島工場(下)のみなさま(提供:相馬製作所)
本社(上)と福島工場(下)のみなさま(提供:相馬製作所)


・幅広い業種に対応

相馬製作所は、約70人の従業員により医療機器や半導体周辺関係、理化学製品など、業種や分野を問わず幅広い製品を安定供給しています。取引先は、理研計器株式会社、株式会社ナスタ、株式会社オーデン、株式会社トヨタカスタマイジング&ディベロップメント、アコマ医科工業株式会社など約140社。ジャンルレスで多くの企業と取引してきた経験とノウハウ、さまざまな要望に応えてきた対応力の高さが同社の強みです。

・クライアントの手間を削減する一貫生産

同社のもう一つの強みは、一貫生産。金属加工だけでなく、塗装や表面処理も顧客の要望に応じた工法で仕上げています。
「塗装や表面処理に関して10社ほどの協力会社があり、福島工場に関しては一部塗装も自社で行っています。そのため、弊社にご依頼いただければ、お客様は加工や塗装に合わせてあちらこちらに頼まなくてもいい。加工から塗装・表面処理まで完了した製品を納品することで、お客様の手間を減らしています」と羽山勝彦氏は語ります。


・自動化やIoT化で生産効率向上に取り組む

ファイバーレーザー溶接の様子(提供:相馬製作所)
ファイバーレーザー溶接の様子(提供:相馬製作所)


同社は、ロボットで溶接できるファイバーレーザー溶接機や24時間稼働しているファイバーレーザー複合機など、自動化にも積極的に取り組んでいます。これは働き方改革と今後想定される人員不足などに対応するのが目的。今いる人材で生産稼働時間を高めて安定供給することに尽力しています。

また、生産管理システムも導入。これは各機械をIoT化し、機械の稼働状況や人材配置の状況を見える化することで、生産率・稼働率を高めていくものです。誰が何をどの機械で作業しているかをデータ管理することで、空き状況が把握できるだけでなく、何か不具合が起きた場合の原因を調べることが可能です。また、作業時間から人材配置が適切かを判断したり、誰が次に何をするかの「交通整理」をしたりもできるため、導入前よりもさらに生産効率がアップし、業務改善へとつながっています。
「弊社は、少量多品種に対応しているため、製造アイテム数が非常に多いんです。生産管理システムが導入されたことで、各アイテムに付随する外注先や素材の管理も全てシステムでできるようになりました。その結果、営業も製造もそれぞれの業務に集中できるようになり、効率がアップしました」(羽山勝彦氏)


クライアントのイメージを確実に商品化できる高い対応力と提案力

同社の最大の強みは、どの分野ものでも確実に製品化する対応力と提案力の高さにあります。製品化するには、ただ図面通り加工すればいいわけではありません。現在は、3DCADなどによって、データ上では容易に形にできるようになりました。しかし、実際に加工する上ではさまざまな制約があります。
「設計やデザインをされる方で、材料の特性や汎用機でできること・できないことまで把握している方はあまりいません。ですから、お持ちいただいた図面のままでは形にできないことも多いです。加工に関するノウハウは私たちの方が持っていますから、まずは正式な図面になる前から『この設計だと曲げられないから、どこかに切断を入れるか、曲げ位置を変えるかが必要ですね』などとアドバイスしながら、できるだけコストをかけずにお客様の作りたい製品に近づけるお手伝いをしています」(羽山勝彦氏)

ここで、同社の対応力がわかる事例をご紹介します。

事例:お掃除ロボット

「福島イノベーション・コースト構想」が実施されている南相馬市。同市にある福島工場では、ロボット関連の仕事も増えています。その一つが、株式会社クフウシヤが開発した自律型ドライ清掃ロボット。制御関係はクフウシヤが担当し、相馬製作所はメカ部品やボディ筐体を一貫して製造しました。
「このロボットを使用するホテルのオーナーの方から『優しい顔のロボットにしてほしい』という要望をいただき、塗装や質感にはかなりこだわりました」と語るのは、福島工場の工場長・羽山貴洋氏。デザイナーが描いたイメージのままでは加工するのが難しかったため、技術的に実現不可能な部分は別の形を提案するなど、VA提案を行いながら商品化を実現しました。

株式会社クフウシヤの要望に応えて製造したお掃除ロボット(提供:相馬製作所)
株式会社クフウシヤの要望に応えて製造したお掃除ロボット(提供:相馬製作所)


さらに近年は、一部の顧客ではありますが、支給された電気基板などを規格に合わせて組み立て、性能検査も行って包装し、商品として完成させて指定の場所に納品することも行っています。

事例:オイルミスト

オイルミスト「HG511」(左)と「HG220」(右)(提供:株式会社オーデン)
オイルミスト「HG511」(左)と「HG220」(右)(提供:株式会社オーデン)


2016年からは、株式会社オーデンからの委託でオイルミスト「HG511」と「HG220」を製造しています。この製品は、相馬製作所としては初めて、板金だけでなく電気部品関係の組立、製品検査に加え、指定の梱包材で梱包して出荷するところまで対応した製品です。元々は、他社で板金をして組立はさらに別の会社が行っていましたが、増産のタイミングで板金の対応が間に合わないということで、相馬製作所に話が持ち込まれたものでした。
「これまで、部品加工や簡単なアッセンブリーしか行ったことのなかった弊社にとっては新たなチャレンジ。組立や検査をするための場所を確保するなど、環境整備から始めました。作業手順の確立など、経験値のない中で作り上げていくのは大変でしたが、お客様にもご協力いただきながら無事に形にすることができました。お客様も弊社に伝票一枚出せば仕上がってくることにメリットを感じてくださっていて、年間でのお取引となっています。板金加工屋という枠から一つも二つも大きく扉を開くことができました」(岩鼻氏)


精密板金加工でクライアントの信頼に応えられる製品作りを

これまでのノウハウを生かしながら、新しいことにもチャレンジし続けている相馬製作所。新たな挑戦を通して、自社の技術力向上にも非常に熱心です。そんな同社が何よりも大事にしていることは「お客様の信頼を裏切らないこと」
「物作りは形にして終わりではなく、お客様が求める製品の精度や品質をクリアしながら、きちんと使用できるものでなければなりません。お客様の信頼に答えられる品質のもの提供し続けることで、『相馬製作所なら安心して預けられる』と思っていただけるように取り組んでいます。板金だけでなく、ものづくりにおいてお困りのことがあればぜひ一度ご相談いただきたいですね」(羽山勝彦氏)

ホームページも非常に充実しており、工場内の様子がわかる動画などもアップしています。ぜひご覧ください。


株式会社相馬製作所
埼玉県川口市に本社を構える精密プレスと板金加工の会社。板金加工だけでなく塗装や表面処理なども一貫して対応している。取引先約140社という豊富な経験とそこから得たノウハウをもとに、設計者やデザイナーのイメージ図から、高い品質と安全性を実現した製品を作り上げるのを得意としている。
株式会社相馬製作所 動画一覧