省力化機械とは。人手不足や技術の更新などで、今後あらゆる分野で導入が見込まれる

省力化機械製造の導入について、フューメックに話を伺いました

山形県長井市に拠点を置く株式会社フューメックは、電子部品や自動車関連部品の製造装置、搬送装置など省力化機械の製造を多岐にわたって手掛けています。特に、図面や仕様書がなくても対応できる設計力と組立の技術力には定評があり、さまざまなサイズの省力化機械に対応しています。

本記事では、フューメックの代表取締役社長である近野竜也氏に、省力化機械に関する基礎や潮流などについて伺いました。

人による作業を代わりにこなす省力化機械。導入のメリットとは

部品を精密に搬送するための、多関節ロボット搬送の装置(提供:フューメック)
部品を精密に搬送するための、多関節ロボット搬送の装置(提供:フューメック)


省力化機械とは、人が行う作業や人が行えない作業を、代わりにやってくれる機械のことです。

省力化機械によってもたらされるメリット

省力化機械の導入によってもたらされるメリットは、大きく5つあります。

 
1.人手不足の解消
省力化や省人化により、人手を削減できます。

2.生産性の向上
機械による正確な作業が人の手による作業のばらつきや人的ミスを減らし、生産性が向上します。

3.製造コストの削減
省力化や省人化により、生産や製造にかかるコストが削減可能になります。

4.人的リソースの有効活用
省力化機械がこの先さらに深化すれば、人はより知的かつ高度な作業に専念できるようになります。

5.より豊かな社会の実現
専用の省力化機械で、これまでにない新しい画期的な製品の製造が可能になるなら、人々の生活もより豊かなものになるはずです。

ちなみに、省力化機械を導入することで、どれほどの省力化が叶うのでしょうか。
「費用対効果は装置によってさまざまです。何年で機械を減価償却するかによっても違います。ただ、省人化という視点なら、例えば3年から5年で、1台あたり400万円から1200万円ほどの人件費削減につながったという話はよく聞きます」(近野氏)

 

省力化機械に対するニーズ

上記のようなメリットから、省力化機械に対するニーズは年々高まり、近野氏によると「5年くらい前からオーダーは増え続けている」とのこと。要因の1つ目は、少子高齢化による人口減少と人手不足です。2つ目は技術の更新や革新によって、まったく新しい製品の製造を担う装置がほしいという要望が新たに生まれていることです。


省力化機械の種類

・省力化機械の種類

省力化機械には、目的別に大きく5つの種類があります。

大型のものを搬送するコンベア装置(左)と、検査機器であるリークテスト検査装置(右)(提供:フューメック)
大型のものを搬送するコンベア装置(左)と、検査機器であるリークテスト検査装置(右)(提供:フューメック)


1.大型のものを搬送する
ものを自動で一方向に一定スピードで運ぶコンベアなど、大型の製品や部品の搬送を目的とした機械です。

2.組み立てる
「Aの部品とBの部品を組み合わせる」など、部品を自動で組み立てる機械です。

「電子部品や自動車部品など、組立を目的とした省力化機械は分野を問わずいろいろとあって、従来は人が組みつけていたものを機械が代わりに行います」(近野氏)

3.検査する
機械にカメラを付けて画像検査をしたり、部品から気体などが漏れていないかどうか圧力検査をしたり、これまで人が担っていた検査を代わりに自動で行う検査用の機械です。

4.精密なものを搬送する
コンベアのような大型部品の搬送ではなく、いわゆる「精密搬送装置」と呼ばれている機械です。「AのトレイからBのトレイまで並び替える」など、位置決めをした場所に精密な部品を運び、置くことができます。

5.加工する
「Aのこの箇所を曲げたい」「Bのこの部分を切ったあと曲げたい」など、顧客によって千差万別の加工を実現する専用の機械です。

「精密なものを搬送したり、専用の加工をしたりする機械は、もちろん省力化の側面があります。ただ、製品自体の寸法精度が1μm(0.001mm)単位と極小製品もあるため、むしろ人間には作れない『機械でないとできない機械』でもあるのです」(近野氏)

 

汎用機械と専用機械の違い

フューメックが製造した専用のシャーリングマシーン(提供:フューメック)
フューメックが製造した専用のシャーリングマシーン(提供:フューメック)


省力化機械には「何でもできる」がウリの汎用機械と、顧客のオーダーに基づいて必要な機能のみを備え付けた専用機械があります。そのため、汎用機械か専用機械かによって価格や大きさに違いが出ます。

「汎用機械はフルスペックの機能を備えています。裏を返せば、お客様によっては必要のない機能もたくさん付いているということ。しかも、汎用機械は大きくて場所も取ります。ですから『フルスペックは必要ない』『この機能だけほしい』というお客様や、『コンパクトに使いたい』『場所を取りたくない』といった方からのオーダーが多く、必要な機能だけの簡単な装置であれば、汎用機と比べて価格競争力があります。ただ、汎用機ではカバーできない工程を追加する場合は専用機を作るほかないので、汎用機より価格は高くなる場合もあります」(近野氏)


省力化機械の設計と組立が強み

省力化機械製作の様子(提供:フューメック)
省力化機械製作の様子(提供:フューメック)


フューメックの強みは、省力化機械を作る際の、顧客の構想を的確に図面に落とし込める確かな設計力と精密な組立ができる技術力です。そのため、図面や仕様書がなくても、顧客から構想や課題などをヒアリングすれば、目的に適う精度の高い省力化機械を提供することができます。これらのことから、フューメックの元にはさまざまな分野からの依頼が絶えません。

 

・既存機械を改良・改造する
顧客がすでに導入している機械で「何とかしてほしい」と頼まれるものは、ほとんどが他社製です。長年使ってきた機械を「使い勝手の良いものへ作り直してほしい」といったオーダーもあれば、導入したばかりの安価な海外製の機械を「使ってみたら不良率が高く使いものにならないが、すぐ捨てるわけにもいかないから」と改造のオーダーが入ることもあります。

「最近手掛けた海外製の電子部品の加工機は、『不良が多いので、カメラの付いた検査ユニットを追加して不良品を振り分けたい』というオーダーでした。他社製品は設計や製造の考え方が自社とは異なるし、海外製の場合はプログラム言語も日本語ではないので、やはり手間がかかります。ですから、基本的には余力があるときに引き受けています」(近野氏)

 

・省力化機械をゼロから手掛ける
同社は特に、精密な電子部品を高速で組み立てるのが得意です。きっかけは、過去にスマートフォンのバックアップ用バッテリーの製造機械を手掛けたことでした。これは、回転軸を介して縦運動や横運動に変換する「メカ式カム」の経験・技術を生かしたもので、サーボモーターを使用した「電子カム制御」で部品を高速かつ精密に搬送する組立機械です。

「ゼロから手掛けた案件で、開発する際の図面はなし。設計だけで4カ月、部品作りに2カ月、組立にも2カ月、目標のレベルに仕上げるまでにさらに2カ月掛かりました。何とか納品できたものの完全な出来ではなく、お客様のもとに通いながら1年間改良し続けて、製品を生産できる状態まで到達することができました。1号機の経験と反省から、2号機では一から機械設計・電気制御を見直したことで、生産能力を上げた改良機を完成することができました。開発から長期間に渡り大変苦労した案件ですが、そのおかげで複合的なサーボモーターの制御を熟知することになりました」(近野氏)

その結果、技術力は飛躍的に向上し、同社の仕事ぶりを評価する一部上場企業と直接取引する契機となりました。

「ベンチャー企業からのオーダーも多く、図面がないこともよくありますが、今までの経験を踏まえて毎回チャレンジしつつ柔軟に対応しています。どの分野であれ、省力化機械のことならお手伝いできます」(近野氏)

人手不足の解消や生産性の向上など多くのメリットが見込めるため、省力化機械のニーズは年々高まっています。「ものづくりのための機械」でお困り事やご要望があれば、ぜひフューメックにご相談ください。

 

 

株式会社フューメック
1980年創業。省力化機械の製造を多岐にわたって手掛ける。設計力と組立の技術力に定評があり、特に精密な電子部品を高速で組み立てるのが得意。大型から小型のものまで要望に合わせてさまざまなサイズの省力化機械に対応する。
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