産業用ロボット導入のメリットとは。ロボットシステムインテグレータとして、工場のオートメーション化を支える山和エンヂニアリングに聞く

INTERVIEW

株式会社山和エンヂニアリング
代表取締役 山中 隆稔
エンジニアリング事業部長 清水 伸寿

産業用ロボットは、生産設備に導入することで危険な場所での作業の安全化や重量物を扱う作業の効率化などのメリットが得られますが、導入したいと思ってもロボットを買いさえすればいいわけではありません。ロボットは決まった動きしかしないので、動きを教えるティーチング工程やロボットを導入することでその前後の工程に変更を加えたり、ロボットの動作に合わせた台が必要になると言います。今回は、群馬県高崎市にある、産業用機械の設計・開発から設置まで一貫して行う株式会社山和エンヂニアリングに産業用ロボット導入のポイントなどについてお話を伺いました。

昨今は、人材不足や省力化を理由に産業用ロボットの導入を検討している企業が増えてきています。しかし、本当に使えるファクトリーオートメーション(FA)を実現するには、専門の知識と経験が必要です。産業用機械を設計・開発し、製造、試運転、現地据付、電気工事まで一貫して行う株式会社山和エンヂニアリングは、FA化を実現するシステムインテグレータです。代表取締役の山中隆稔氏とエンジニアリング事業部長の清水伸寿氏に産業用ロボット導入のメリットとロボットシステムインテグレータとしての同社の強みを伺いました。

ロボットシステムインテグレータである山和エンヂニアリングに産業用ロボット導入のポイントについて話を伺いました

本社外観(提供:山和エンヂニアリング)
本社外観(提供:山和エンヂニアリング)


山和エンヂニアリングは、産業用機械の設計・開発から、製造、設置までを行っている会社です。お客様のニーズに合わせてオーダーメイドで設計・開発してきました。1973年の創業以来、約3000種もの産業用機械を設計・開発してきた実績があります。また、ロボットを使用した機械システムの導入提案や設計・構築などを行うシステムインテグレータとしても活躍。「FA・ロボットシステムインテグレータ(SIer)協会」にも加盟しており、ロボットをはじめとする自動化装置を扱うエキスパートであると言えます。

2000年には粉体事業部を発足。自社で開発した粉砕設備を活用して、顧客のオーダーに合わせて、食品や医薬品、化粧品の原料などを粉砕加工する事業も行っています。

本記事では、山和エンヂニアリングに産業用ロボット導入のポイントなどについて伺いました。


産業用ロボット導入のメリットと注意点

生産設備に産業用ロボットを導入するメリットは次の4つです。

産業用ロボット導入のメリット

・危険な場所での作業の安全化
・重量物を扱う作業の効率化
・製造ラインの省力化・省スペース化や人材不足への対応
・コロナ禍における対人接触の機会軽減

現時点でも、人が入ると危険な場所での作業や重量物を扱う作業においては、ロボットを導入している工場も多いようです。喫緊の課題として、製造ラインの省力化・省スペース化や人材不足に対応するために、ロボットを導入するケースも増えてきました。また、コロナ禍における人との接触機会を軽減するために、ロボット導入を検討している企業もあります。


山和エンヂニアリングが手がけた産業用ロボット(提供:山和エンヂニアリング)
山和エンヂニアリングが手がけた産業用ロボット(提供:山和エンヂニアリング)


一方で、いわゆる「三品業界」と呼ばれる食品・医薬品・化粧品業界においては、ロボットの導入が遅れています。例えば、食品業界の場合は、扱う物の形状が異なるため、ロボットより人の手で作業する方が効率的な場合もあるからです。しかし、昨今は画像処理技術が飛躍的に向上し、AI技術も発展してきたことから、それらの技術とロボットを組み合わせることで、効率化や省力化を実現することも可能になってきました。

産業用ロボットを導入する際の注意点

・実現したいことが、ロボットの導入で解決するとは限らない
・安全柵の設置やティーチング作業などロボット単体の金額以外のお金もかかる
・ロボットを設置するのに必要なスペースは、人の手で行っていた時よりも広い場合が多い

「製造ラインにロボットを導入したいと思っても、ロボットを買いさえすればいいわけではありません。ロボットは決まった動きしかしないので、動きを教えるティーチング工程も必要になります。また、ロボットを導入することでその前後の工程に変更を加えたり、ロボットの動作に合わせた台が必要になったりと、全体的にきちんと機能するラインにするには、予想以上の金額になることもあります」(山中氏)


ロボットシステムインテグレータとしての強み

ロボットティーチング(教示)の様子。実際にロボットを動かし、品物の特徴に合わせて作っていく熟練作業だ。(提供:山和エンヂニアリング)
ロボットティーチング(教示)の様子。実際にロボットを動かし、品物の特徴に合わせて作っていく熟練作業だ。(提供:山和エンヂニアリング)


山和エンヂニアリングは、システムインテグレータとして、お客様の現状課題を抽出し、それぞれの生産設備に合ったシステムを提案して、設計、製作、試運転、現地据付、電気工事まで自社一貫体制でシステムを構築してきました。すべての工程を解決できる部署と技術力を保有し、自社でクオリティ高く一貫して管理できる点が大きな強みとなっています。

さらに同社には、FA・ロボットシステムインテグレータ協会の会員になる以前から、20年以上にわたり産業用ロボットを導入した生産設備のシステム構築に携わってきた経験値があります。
「決まったメーカーのロボットしか扱えない企業が多いですが、我々はどこのメーカーのロボットであっても扱えます。そのため、ロボットを安く仕入れて支給したり、用途にあったロボットをメーカー問わず選定したりすることが可能です。また、同じようなロボットであっても、メーカーによって使い勝手や特色などが違うもの。そういった情報にも詳しいので、最適なプランを提案できます」(山中氏)

もちろん、必ずしもロボットを導入する必要がないケースもあります。
「目的が省力化や処理能力を上げたいということであれば、ロボットではなく、製造機械を新しくすることで生産性が上がることも多々あります。ですので、お客様が本当に求めているものは何かを把握してご提案することを大事にしています」(山中氏)


システムインテグレータとしてロボットを導入した事例

ロボット化により人材定着を促進

元々、大きな研磨機を人が操作して、アルミの部品を磨いている企業がありました。しかし、重労働であることに加え、研磨作業中に出た粉で作業員は真っ黒になってしまうため、人材が定着せず困っていました。そこで、研磨作業用のロボットを提案。同社が開発・設計したオリジナルロボットを導入したことで、作業員は研磨の仕上がりをチェックしたり、物を出し入れしたりする作業だけで済むようになり、人材不足も解決しました。

「ロボットだけでなく、それを支えている台を回転式にして作業効率を高めたり、ロボット周辺に安全柵を設置したりすることもご提案しました。こうした事例は、当社が一気通貫でできるから実現することです。部品を磨く際の力加減をロボットにトレーニングする工程には苦労もありましたが、お客様のご要望にお応えできたと思います」(清水氏)

ロボットシステムの開発・設計だけでなく安全柵や台なども製作し、ロボットへのティーチングも行った(提供:山和エンヂニアリング)
ロボットシステムの開発・設計だけでなく安全柵や台なども製作し、ロボットへのティーチングも行った(提供:山和エンヂニアリング)


大規模な製造ラインをロボット導入により省スペース化

大きな設備を使った製造ラインで省スペース化を実現し、多品種の製造に対応できるように再構築したいと要望があった事例もあります。お客様のニーズに合ったロボットを4台オーダーメイドで製作しました。同時に4台が動く中で、ロボット同士がぶつからないように設置位置を調整し、ロボットにトレーニングを実施。制御プログラムも自社で構築しました。その結果、従来の製造ラインに比べて、ラインの長さが半分以下になり、省スペース化を実現しました。



システムインテグレータとして、陰から社会のモノづくりを支える

20年以上前から産業用ロボットを扱ってきた経験値をもとに、お客様の用途に合ったロボットをご提案して、最適な生産設備を構築できる山和エンヂニアリング。多種多様な業界との取引実績があり、「今後も幅広い分野で、陰から社会のモノづくりを支えたいと思っています」と展望します。

工場のオートメーション化や産業用ロボットの導入をお考えでしたら、一度山和エンヂニアリングに相談してみてはいかがでしょう。



株式会社山和エンヂニアリング
群馬県高崎市に本社を構え、産業用機械の設計・開発から設置まで一貫して行う会社。多メーカーの産業用ロボットを取り扱い、ロボットシステムインテグレータとしても20年以上の実績がある。また独自開発の粉砕設備を利用して、食品や医薬品、化粧品の原料などを粉砕加工する事業も行う。
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