BSIとは|BSIが認証するBS規格の価値とISOの関係性

BSIとはイギリスの英国規格協会という機関です。BSIはBS規格という規格を定めるために設けられた機関であり、製品・システムなどの基準を制定することで流通や製造の円滑化、品質の統一を目指しています。また、BS規格は日本でもよく知られているISO規格の原案として使用されることが多く、ISOとBSIの関係性はBSI発足当初から深いものです。今回は、BSIとはどんな機関なのか、提供しているサービスはどんなものがあるのかについて解説します。BSIという機関や、ISOの原案とされることの多いBS規格について知りたい方はぜひ参考にしてください。

また、ISOについて詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。

BSIとは英国規格協会のこと

BSI(British Standards Institution)とはイギリスにある「英国規格協会」のことで、1901年に発足した工学標準化委員会が母体です。始まりはジョン・ウルフ・バリー氏が「標準化がいかに重要であるか」を説いたことに関わっており、彼の提唱を機に鉄鋼分野において規格を定めたことから始まりました。(参考文献1)

BSIの発足から現在までの流れは以下の通りです。

  • 1901年:工学標準化委員会 (Engineering Standards Committee) が発足
  • 第一次世界大戦中:工業標準化委員会が定めた規格がイギリス軍や植民地で採用される
  • 1918年:英国工学標準協会 (British Engineering Standards Association) へと発展
  • 1929年:英国王室による勅許(Royal Charter)を得る
  • 1931年:英国規格協会 (BSI) へと団体名を変更

BSIは鉄鋼に特化した委員会として発足しましたが、わずか30年余りで国家規格を制定する王室認可の巨大機関へと成長しました。

 

BSIの3つの理念

BSIはBS規格を取り決める際に3つの目標をクリアすることを掲げています。

【BSIが掲げる3つの目標】

①貿易の促進-共通の産業基準を開発する
②廃棄物の削減-生産と流通を簡素化する
③消費者の保護-規格への適合を識別するためのライセンスマークを使用する

共通の規格を定めることで、製品やサービスの統一化が図られ製造や流通が簡素化されます。これにより、国際的な取引が公平かつ円滑に進むことを促進します。また、BS規格に定められたものは専用のライセンスマークを使用することができるので、見ただけでその製品や企業・サービスなどが規格統一されていることが分かる点も流通の簡素化につながります。

 

BS規格(英国規格)とは

BS規格とはBSIが発行する国家工業規格で、ドイツ連邦規格(DIN)やアメリカのASTM規格と並んで世界的に活用されている規格です。BSIはこの規格を世界中に広めることで、英国企業の競争力を高め、且つ広範囲の品質検査サービスを通じて英国の消費者と供給者の利益を守ることを目的としています。

あまり見慣れない規格ですが、日本でいうところのISO規格と同等と思ってもらえればイメージしやすいのでしょうか。つまり、BS規格は国際的な基準に基づいてマネジメントシステムなどの基準を定めた規格なのです。

BSIからBS規格の認定をもらえるとライセンスマークの表示が許可されて、マネジメントシステム規格の基準を満たした管理体制を有している企業として評価されます。

BS規格(英国規格)とは

BS規格は主に以下のような規格があります。

【BSIが提供する主な規格】

  • BS5750品質マネジメントシステム
  • BS7750環境マネジメントシステム
  • BS7799情報セキュリティマネジメントシステム
  • BS8600苦情対応マネジメントシステム
  • BS25999事業継続マネジメントシステム

BSIは組織の目標達成をサポートするマネジメントシステム分野を得意としています。マネジメントシステムといっても種類は様々で、安定した品質を提供する管理体制を作り上げるための規格や、機密情報などの漏洩をしないように管理体制を作り上げるための規格などがあります。

 

BSIとISOの関係性

 

ISO(国際標準化機構)とは工業規格の国際標準化を目指すための非政府組織です。ISOとはBSI発足当初から関係性があり、権限や規格面において相関関係が見られます。

例えば、BSIは発足当初からISOに正会員として所属しており、当時から総会での議決権を行使しています。これにより、BS規格をもとに採用されたISO規格は数多くあります。以下はその例です。

【BS規格をもとに採用されたISO規格】

  • BS5750品質マネジメントシステム→ISO9001
  • BS7750環境マネジメントシステム→ISO14001
  • BS7799情報セキュリティマネジメントシステム→ISO27001
  • BS8600苦情対応マネジメントシステム→ISO10002
  • BS25999事業継続マネジメントシステム→ISO22301

BSIはマネジメントシステム分野を得意としていることもあり、マネジメントシステム規格の多くがISO規格に反映されています。

 

BSIが実施していること

BSIはBS規格の認定だけではなく、研修の受け入れなど企業にとって有益なサービスも実施しています。マネジメントシステムを得意としているBSIだからこその研修となっており、管理業務を任せる責任者の育成などを課題としている企業は検討してみると良いでしょう。

また、マネジメントシステムの認証・審査はISOの先駆け的存在となっているため、ISO取得を目指している方はBSIの研修でさらに得られるものがあるかもしれません。


マネジメントシステムの認証・審査

BSIが提供するマネジメントシステムの認証・審査は管理体制を整えようとしている企業にとっては非常に価値のあるものとなります。BSIのマネジメントシステム規格はISO規格の先駆け的存在なので、認証を受けるだけで価値があるとされています。

また、認証を受けることでライセンスマークというのを使用する許可がもらえるので、使用するだけで視覚的にマネジメントシステムの評価を受けている企業だと証明できます。なので、対外的に管理体制をアピールしたい企業に適した認証システムと言えるでしょう。


マネジメント研修の実施

BSIは認証サービスだけでなく、研修も実施しています。マネジメントシステムを得意分野としている企業ということもあり、研修の質は高いです。この研修は管理の責任を負う人や、これから現場の中核を担っていく人物に適したの研修と言えます。

また、BSIでは研修と試験をうまく組み合わせることでBSI資格を取得することができ、合格すると信頼の証であるBSI資格マークを使用する権利を獲得します。BS規格という世界基準のマネジメントシステム規格を提供している機関だからこそ、BSIの研修には高い価値があると考えられます。


規格の策定

BSIでは規格の策定も行なっています。BSIの企画を作る能力は100年以上の経験として積み重ねられているので、現代におけるあらゆる新たな独自プロセスに対しても的確な規格を作り上げることを可能にします。

新たなビジネスモデルが続々と生まれる現代において、BSIの規格策定能力は重宝されるべきものであると言えるでしょう。もし、現時点で新たなモデルが出来上がっているが、規格が無い場合はBSIへ相談してみるのも一手です。


認証を取得するまでの流れ

BSIを実際に取得したい場合は以下の内容を参考にしてください。

 

【BS規格を取得するまでの流れ】
1.対象規格の選択
最初に規格の内容・意図をよく確認して、適用可能な規格かどうかを判断した上で認証・審査を希望しましょう。

2.BSI(審査機関)へのコンタクト
システムの導入プロセスの前段階で、審査機関へコンタクトしましょう。そうすると、BSIは企業に対して正式な審査に要する費用を見積りしてくれます。

3.BSIの担当者と打ち合わせ
BSIと契約を結んだら企業に対して担当者が配置され、必要に応じて打合せを実施し、審査登録のプロセスを支援してくれます。

4.研修サービスの活用
対象の規格に関して教育研修を希望する場合は、BSIの研修サービスを利用できます。BSIでは幅広いワークショップ、セミナー、企業内研修、研修コースが用意されているのでマネジメントシステムに関する知識をふんだんに吸収することが可能です。

5.初回審査
初回審査は、選択した規格によって異なるステップで実施されます。

6.認証登録とサーベイランス審査、再認証審査
初回審査の完了後、審査のレビューを経て認証登録が可能と判断されると、認証の適用範囲を明記した認証登録証が発行されます。その後、認定基準で定められた定期的な審査を行い、担当の審査員がシステムの適合性、有効性を確認して継続的な改善活動を進めていきます。

7.認証の状態
認証の授与、拒否、一時停止、復帰、取消し、認証範囲の拡大または縮小を選択することが可能で、それらに対する説明をBSIから受けることができます。

 

まとめ

BSI(British Standards Institution)とは「英国規格協会」のことで、BS規格というISO規格の先駆け的な規格を提供しています。初めは工学標化準委員会という名前の機関として発足し、鉄鋼分野の促進・保護を目的として規格が作られていました。そして、第一次世界大戦を経て1931年に現在の英国王室による勅許(Royal Charter)を得て、英国規格協会 (BSI) へと団体名を変更しました。

BSIはマネジメントシステム分野を得意としていることもあり、規格認定だけでなく研修などのサービスも提供しています。また、ISOの先駆け的な存在として知られているBSIだからこそ、BS規格の取得に注目が集まるのでしょう。



▽参考文献
・参考文献1:「BSIについて」(BSIグループジャパン)
 (https://www.bsigroup.com/ja-JP/)

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