JIS規格とは|JIS規格の重要性を詳しく解説

あらゆる商品・サービスが新たに開発されていく現代において、もし商品同士の互換性などに対する規格がなかったらどうなるでしょうか?電池のサイズが会社ごとで微妙に違う、充電器の差込口は専用のしか使えない、北海道の信号は赤で止まれだけど東京は青が止まれになっている。こんな状況が普通に起こっているかもしれません。こういった問題が発生しないように制定されたものが「JIS規格」です。今回は、JIS規格の詳細と重要性について解説します。

JIS規格とは

JIS規格とは"Japanese Industrial Standards"の略で、日本産業規格のことを指します。主に、JIS規格は製品の型式や形状、データの作成方法や記録方法、といった内容を統一することを目的としています。この規格が策定された背景として、あらゆる製品が開発・量産されていく中で共通の規格が無いことにより、不便な部分をもたらすことが多くなるというのがあります。

規格があれば、共通の目的に対して作られた様々な製品が互換性を持つため、「この部品と製品は一緒に使えない」、「この製品はあの会社が自社開発したものとしか合わない」といった事態になることを防げます。

また、JIS規格はISOなどの国際規格に準じて作られていることから、JIS規格に指定されている製品は国際規格に指定されているものともある程度の互換性を持ちます。


JIS規格の重要性

JIS規格を適用された商品は他製品との整合性が取れるようになるので、他部品との組み合わせが必要な際にアジャストできるメリットがあります。もし規格が無ければそういったアジャストが全くできなくなることの方が多くなるため、消費者にとって不都合なことが発生してしまうでしょう。つまり、JIS規格は消費者の利便性を高めたり、製品開発のコストを下げたりするのに重要な役割を担っているのです。

もし、JIS規格が無ければ以下のようなことが発生していたかもしれません。

・トイレットペーパーの芯の内径がバラバラでホルダーに入るのと入らないのがある
・コピー用紙のサイズがバラバラでコピー機に使える用紙と使えない用紙がある
・チャイルドシートがつけられる車とそうでない車がある

 

JIS規格があることによってこれらの問題が解決できます。また、製造開発側も共通部分の規格があることで、共通部分に設計時間を割く必要が無くなるのでコストも削減可能です。

 

JIS規格の意義

JIS規格を策定して製品やサービスの標準化を図ることは重要なことです。標準化を図る意義は、製品の開発などを自由に放置すれば、多様化・複雑化・無秩序化してしまうモノやコトについてJIS規格でそれらを防ぐという点にあります。
そのため、JIS規格は以下の観点から制定され、全国的に製品・サービスの標準化を図っています。

 

・経済・社会活動の利便性の確保(互換性の確保等)
・生産の効率化(品種削減を通じての量産化等)
・公正性を確保(消費者の利益の確保、取引の単純化等)
・技術進歩の促進(新しい知識の創造や新技術の開発・普及の支援等)
・安全や健康の保持
・環境の保全等

 

共通部分はしっかり規格として定めておくことで、製品開発は共通部分以外のところに独自性や利便性などを追及するようになります。そうすると、余計な部分にコストを使わなくなるので、新たな技術促進に注力することが可能です。

 

 

JISマークの表示制度

JISマーク表示制度とは、産業標準化法に基づいて実施されるJIS規格への適合性評価制度のことを言います。鉱工業品・電磁的記録などに関する品質をJIS規格として定め、製品がその該当するJIS規格に適合していることを第三者機関が評価して、品質管理体制がJISマーク省令等に適合していると認められるとJISマークを付けることができます。
このマークがついていることで、企業間の取引や公共調達の際の容易な識別・信頼の指標になります。また消費者が安心して製品を購入するための指標としても用いられます。


JISマークの種類

JISマークは製品がJIS規格の認証を受けたときに、製品本体・製品の包装・製品の容器に表示することが出来ます。最初JISマークは鉱工業品用の1種類しかありませんでしたが、2004年(平成16年)の工業標準化法の改正によって、JISマークは、①鉱工業品、電磁的記録、役務、②加工技術、③特定側面に表示される3種類になり、マークのデザインも変更されました。(参考文献1)


JIS規格が適応されている製品例

JIS規格は様々な製品に使用されていますが、実際にどんなものに適応されているかと聞かれると、中々思い浮かばない方もいらっしゃると思います。そこで、以下ではJIS規格が適応されている製品の例をご紹介するので、実際にどんな製品がJIS規格に基づいて認証されているのか確認してみてください。

JIS規格は様々な製品に使用されていますが、実際にどんなものに適応されているかと聞かれると、中々思い浮かばない方もいらっしゃると思います。そこで、以下ではJIS規格が適応されている製品の例をご紹介するので、実際にどんな製品がJIS規格に基づいて認証されているのか確認してみてください。

 

【JIS規格が適応されている製品例】

・乾電池の大きさ・電圧
・蛍光灯の長さ・外径・ガラス管の径
・点字ブロックの形状・寸法・配列方法
・トイレットペーパーの芯の内径
・文字コード・プログラムコード
・鉛筆の芯の堅さ

 

どれも規格が適応されずに互換性が無かったら、あらゆる面で不都合が起きていることでしょう。乾電池の電圧に統一が無ければ、おもちゃに入れた際に壊れたり発火したりするかもしれませんし、点字ブロックに規格が無ければ全国の視覚障碍者が戸惑うことになったかもしれません。

 

JIS規格で決められているサイズ一覧

JIS規格では用紙や洋服、帽子のサイズといったものも定めています。その中でも以下では用紙のサイズの一覧表を用意しました。<表1>

<表1>JIS規格で定められている用紙のサイズ

A0 841mm×1189mm B0 1030mm×1456mm
A1 594mm×841mm B1 728mm×1030mm
A2 420mm×594mm B2 515mm×728mm
A3 297mm×420mm B3 364mm×515mm
A4 210mm×297mm B4 257mm×364mm
A5 148mm×210mm B5 182mm×257mm
A6 105mm×148mm B6 128mm×182mm
A7 74mm×105mm B7 91mm×128mm
A8 52mm×74mm B8 64mm×91mm
A9 37mm×52mm B9 45mm×64mm
A10 26mm×37mm B10 32mm×45mm

 

用紙のサイズが規格で定められていることによって全国のコピー機で、同じサイズのコピーをすることが出来ます。他にも、服のサイズが規格で決められていることによって、消費者は自身のサイズに目安をもって店頭で服を選ぶことが出来ます。


JISと国際規格

JIS規格はもともと日本国内の鉱工業品向けの規格として作られたのが始まりです。なので、JIS発足初期のころは海外との整合性を取ることが意識されておらず、国際的な取引においてJIS規格をあまり活用できませんでした。

しかし、平成7年よりWTO(世界貿易機関)/TBT協定(貿易の技術的障害に関する協定)発効に伴って、 国際規格との整合化が少しずつ実施されてきました。JISと国際規格の整合性をとるためには国際規格に合わせる必要があるとされ、現在では国際規格の一つであるISO規格に準じてJIS規格を策定しています。


まとめ

JIS規格には製品の型式や形状、データの作成方法や記録方法に関して基準を設けることで、共通する製品同士の整合性を図る目的があります。JIS規格は国際規格であるISO規格に準じて作成されているので、JIS規格に適合した製品はISO規格でも一定の整合性が保たれています。

あらゆる製品が開発される現代だからこそ、JIS規格やISO規格のように製品の整合性を取っていく規格は重要になってくるでしょう。


▽参考文献
・参考文献1:「JISマーク表示制度」(日本産業標準調査会

 

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