5分でわかる鋳造の工程、5つの工程にわけて解説

鋳造の工程は、製品形状の基となる型を作る造形工程、鋳型に流し込む鉄を溶解する溶解工程、鋳型に溶けた鉄を流し込む鋳込み工程、鋳型から取り出した鋳物に付着する砂やバリなどを除去する後処理工程、完成した製品の検査、塗装などを行う仕上げ工程の5つの工程が存在します。これらの各工程では品質の向上や不良率の低減のためにさまざまな工夫がされています。ものづくりには欠かせない鋳造の技術ですが、鋳造の工程について詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか。今回は、鋳造の5つの工程について解説します。

鋳造とは溶かした金属を鋳型に流し込み、冷やして固める加工法

鋳造とは、鉄・アルミ合金・銅などの金属を高温で溶かし、砂などで作った型に、溶けた金属を流し込み、冷やして固める加工方法です。鋳造に使用する型のことを鋳型(いがた)といい、鋳造でできた製品のことを鋳物(いもの)といいます。古くからある加工法のひとつで、切削などの他工法に比べて、量産性や形状の自由度が高く安く作ることが出来るという特徴をもつため、現在でも様々な分野の大量生産される機械部品などに幅広く利用されています。

鋳造方法の種類

鋳造には用途にあわせていくつかの鋳造方法が存在します。

砂型鋳造法

砂で固められた型に鋳物の原料となる溶融金属を流し込み成型する鋳造法。
大きな鋳物の成形が可能、鋳型が安価で作れるが大量生産には不向きといった特徴があります。

金型鋳造法

砂型の代わりに耐熱合金鋼でつくられた金型を使い鋳物を作る鋳造法。
砂型と違い金型を繰り返し使えるため大量生産に適しているが、金型は切削加工で作られるためコストがかかります。

連続鋳造法

溶けた材料を連続的に鋳型に注ぎ、鋳型内で強制冷却して鋼片を作る鋳造法。
砂型鋳造と比較して金属組織が緻密な鋳物が作れ、大量生産に向いているが、試作などには向いていません。



今回は数ある鋳造法の中でも古くから、そして幅広く用いられている「砂型鋳造法」について詳しく解説していきます。


鋳造工程は5つの工程にわけられる

鋳造には主に下記のような5つの工程が存在します。それぞれどのような作業が行われているのか見ていきましょう。

 1.造形工程:製品形状の基となる鋳型を作る工程
 2.溶解工程:鋳型に流し込む鉄を溶解する工程
 3.鋳込み工程:鋳型に溶けた鉄を流し込む工程
 4.後処理工程:鋳型から取り出した鋳物に付着する砂やバリなどを除去する工程
 5.仕上げ工程:完成した製品の検査、塗装などを行う工程



鋳造工程①:造形工程(製品形状の基となる鋳型を作る)

まずは製品形状の基となる型(木型、または発泡樹脂等)に鋳型の原料となる粘結剤や添加物を含んだ砂を詰め、砂型を作ります。鋳造には上型、下型、空洞がある製品を作るには中子型の3つの型が必要となります。それぞれ砂型が完成したら、砂の表面を溶湯の熱から保護し、鋳肌を改善したり、焼付を防止する目的で鋳型表面に塗型材を塗布します。そうして出来上がった砂型を組み合わせることで鋳型が完成します。組み合わせる際に、中子は鋳型の中に置くだけであるので姿勢が不安定だと、肉厚が不均一になるため、中子が安定した姿勢を保つような工夫が必要となります。

造形工程のイメージ画像
造形工程のイメージ画像


鋳造工程②:溶解工程(鋳型に流し込む鉄を溶解する)

次に、出来上がった鋳型に流し込む鉄(溶湯)を溶解します。この工程では成分調整、温度調整がとても重要となります。主に使われる材料としてスクラップ材や、以前鋳造でできたあまりのリターン材などが用いられます。そこに成分を調整するために炭素(C)およびケイ素(Si)などが加えられます。これらの材料を電気炉で溶かすと溶湯の表面には不純物が浮かび上がってきますが、それを取り除くことで鉄の純度を上げていきます。電気炉で溶湯は約1,500℃まで熱されます。その後、少量の溶湯を取り出して成分分析を行い、必要に応じて成分の調整を行います。

溶解工程のイメージ画像
溶解工程のイメージ画像


鋳造工程③:鋳込み工程(鋳型に溶けた鉄を流し込む)

調整が完了した溶湯は、型に流し込む為の柄杓(ひしゃく)の様な耐火材容器である取鍋に移され、そこから完成した鋳型に注がれます。温度が下がると溶湯は固まってしまうため、鋳込みの際には湯回り不良といった空洞に溶湯が完全に満たされず 凝固 してしまい、鋳造品が部分的に欠落する現象が起こる場合があります。注湯(ちゅうとう)のスピード、湯量だけでなく、鋳型の温度が低い場合にも起こるため注意が必要な工程です。

鋳込み工程のイメージ画像
鋳込み工程のイメージ画像


鋳造工程④:後処理工程(鋳型から取り出した鋳物に付着する砂やバリなどを除去する)

注湯後、完全に凝固した鋳物製品を鋳型を壊すことで取り出します。鋳型から取り出した鋳物には砂やバリなどが残っているためこれらを除去する必要があります。付着した砂はショットブラストという無数の鋼球を鋳物にぶつけることで除去していきます。ショットブラストを行うことで鋳物表面に小さな凸凹ができ、塗装が密着しやすくなり、錆が進行しづらくなるといった効果があります。これ以外にも異なる研掃材を使用したブラスト加工も存在しますが、加工物によって使い分けられます。その後、鋳物にある溶湯を注ぐ湯口などの製品には不要な部分やバリをハンマーやたがね、グラインダーを使用して除去します。

後処理工程のイメージ画像
後処理工程のイメージ画像


鋳造工程⑤:仕上げ工程(完成した製品の検査、塗装などを行う)

仕上げ工程ではまず、製品ごとに定められたポイントに従って製品検査が行われます。検査方法には内眼検査法、機械的検査法、科学的検査法、物理的検査方法があり、寸法、鋳巣の有無、鋳肌の良否、機械的性質成分、組織などが見られます。検査が完了した鋳物にはエアブラシを用いて下地の色の塗料、錆止め塗装、防錆油などを吹き付けるなどの塗装作業が行われます。


まとめ

今回は、砂型鋳造の工程の一例を紹介いたしましたがいかがだったでしょうか。鋳造は、量産性や形状の自由度が高く安く作ることが出来るとメリットもある、ものづくりには欠かせない加工技術です。今回紹介した「砂型鋳造法」以外にもたくさんの鋳造方法が存在するので、それぞれの工程を学ぶことでより良い製品が作れるかもしれません。


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