『第21回 西日本国際福祉機器展』レポート(前編) (2/2)

短時間で身体のすみずみを温めるミストシャワー

短時間で身体のすみずみを温めるミストシャワー

介護施設用のミストシャワー入浴ユニットを出展していたのは、九州エア・ウォーター株式会社(福岡県糟屋郡)という会社です。説明してくださった萩野憲二(はぎの・けんじ)医療ガス関連部部長によれば、同社は大阪に本社があるエア・ウォーター株式会社の地域事業会社だそうです。

グループ会社は、ガス事業とともに医療関係を手がけているそうですが、もともとは北海道で医療用酸素を供給するために設立された北海酸素という会社が母体になっていると言います。

「今回、出展しているリクライニング式の特殊浴槽は、大阪にある本社、エア・ウォーターが開発したものになります。本体はFRP製で改良型に進化してきました。ほかに、コンパクト式、ストレッチャー式、車椅子のチェア式のものがあります」(荻野さん、以下同)


<写真5>
入浴者は、セットになっているリクライニングチェアに乗って本体に入ることになるそうです。
<写真5>
入浴者は、セットになっているリクライニングチェアに乗って本体に入ることになるそうです。


リクライニング式の場合、リクライニングチェアもセットになっていて、通常の車椅子でお部屋から移動されて移乗することになるそうです。リクライニングチェアに座ったままで、入浴する人の身体を顔だけ出して中へ入れるタイプで入浴者のプライバシーを守っているのも特徴と言います。

シャワーはミストで給湯温度は55℃±5℃になっているそうです。本体にミストシャワーの配管があり、シャワーノズルからミストが出てきます。

「弊社は競合他社に比べてミストシャワーの開発は早かったと思いますが、他社に対するアドバンテージとしてはミストシャワーの圧力が高いことがあります。シャワーノズルで300ミクロンの超微粒子ミストを作り出すのが独自技術で、これによって粒子によって汚れを落としやすく心地いい刺激になっています」

ミスト状にしているのは、老廃物を落としやすいという点、そして身体が温まりやすいという特徴があるからだそうです。

「冬季に熱いお風呂に入ると手先が痺れることがありますが、外気との差で血液がなかなか循環しないことが原因の一つです。

ミストシャワーでは、温めた末梢から血流が循環することで、入浴した30分後まで手足の先まで温められていることがわかっています。ミストシャワーが対流し、2分くらいで発汗するほどすぐに身体が温まるのが特徴ですので、皮膚が弱い方などのために5分以上の使用はしないようにお願いしています」


<写真6>
付属のシャワーでチェアに座ったまま、頭髪も洗うことができるそうです。
<写真6>
付属のシャワーでチェアに座ったまま、頭髪も洗うことができるそうです。


電気ガス代、水道代などのコストが1/3になっているのもアピールしたいという萩野さん。さらに、お湯を貯めずに浴槽に入らないので入浴者が溺れる心配もなく、水圧もなく、他の入浴者からの感染症の心配も少ないそうです。

また、失禁などがあってもすぐに次の入浴ができますので、介護者の作業の負担軽減、省人対策にもなると言います。

「安全上、介助者が外部にいなければなりません。介助者がユニットの設定パネルで温度を設定しますが、一般的な入浴介助の場合、施設によっては着替えも含めて5、6名体制でやっているケースもあります。

浴槽タイプで2〜3人必要な介護者が、弊社のミストシャワーですと1/2の1〜1.5人の人数で介助できるようになります。本体とチェア1台、ユニットの1式で770万円という高額の商品になりますので、まずデモをさせていただいて試して評価いただいています」

一般的な介護施設には、床に排水溝のある機械浴室や特殊浴室といった部屋があり、そこに設置するそうです。同社は各エリアにサポート体制を整備し、リプレイス需要や新築から営業しているそうです。



<写真7>
九州エア・ウォーター株式会社 萩野憲二医療ガス関連部部長。ミストの効果で身体の隅々まで短時間で温まると言います。
<写真7>
九州エア・ウォーター株式会社 萩野憲二医療ガス関連部部長。ミストの効果で身体の隅々まで短時間で温まると言います。


文/石田雅彦

【New!】新サービスのご紹介

▽おすすめ関連記事

こちらの記事もおすすめ(PR)