時代を反映したテーマ企画が大盛況!分析機器・科学機器のアジア最大級の展示会『JASIS2019』レポート

2019年9月4日(水)〜6日(金)まで3日間、千葉県の幕張メッセにて開催されたJASIS。分析機器や科学機器に関するアジア最大級の展示会で、毎年1回、開催されています。もともと、日本分析機器工業会主催の分析展と日本科学機器協会主催の科学機器展が、2012年に合同展になったものです。今回は、JASISの来場者や出展社の今年の傾向にフォーカスします。


分析機器・科学機器の展示会『JASIS2019』でみた先端研究開発の現場 | みんなの試作広場

2019年9月に千葉県幕張メッセで開催された、分析機器や科学機器に関する展示会JASIS2019。今年は分析機器や科学機器だけでなく、ものづくり系技術や自動運転などの先端技術などの出展も印象的でした。今回は、会場で注目した「フィルム状の温度センサー」、「非接触生体センサー」、「磁化率による粒子の測定法」の3つの技…

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今年は過去最大級の規模で開催!

今年も千葉県の幕張メッセで開催されたJASIS。JASISコンファレンス、新技術説明会が併催され、ライフサイエンスイノベーションゾーン、オープンソリューションフォーラム、JASIS WebExpo2019も特別開催されました。

過去最高の開催規模だった一昨年2017年と比較しても遜色がない規模で、総出展社数478社、総出展小間数1,428小間で、イベント後の事務局の発表によると火曜日のカンファレンスのみの日を入れた4日間の来場者数は2万3,409人でした。さらに出展各社が最新の製品・分析技術を紹介する新技術説明会には開催期間中の総聴講者数は1万5,844人となりました。

今年も昨年に続いて米国Pittcon/ETC(世界最大級の研究室・実験室設備機器関連カンファレンスと医薬・バイテク系のフォーラム)との合同セッションを実施。また、今年初めて、横浜・鶴見の理化学研究所と連携したサイエンスカフェを開催しました。このカフェは、ライフサイエンスをリラックスした雰囲気で聞くことができます。

さらに、リアルとデジタルのコラボレーション企画として昨年からWebExpoと称した動画や資料などのコンテンツ配信も行っています。今回は9月上旬のJASISに合わせ、7月から昨年のJASISの動画等コンテンツを、会期後の9月末から今年の動画等コンテンツを配信。閲覧できる内容は、デジタル上の出展ブース、オープンソリューションフォーラム基調講演、ライフサイエンスイノベーション基調講演、サイエンスセミナーなどの講演となっていて、認知度の向上によりアクセスが昨年比で3倍以上に伸びている人気サイトになっています。


来場者は例年並み

会期中でしたが、JASISを主催する一般社団法人日本分析機器工業会の若尾豪JASIS事務局長にお話をうかがうことができました。


────今年の来場者の傾向について、どう分析されていますか。

若尾:
一昨年が過去最高規模だったこともあり、昨年2018年の来場者はやや減りました。まだ今年の最終的な数は出ていませんが、一昨年よりは来場者が減少傾向にあるようです。これは国内の経済状況などを反映したものと考えていますが、それでも出展社は478社・機関、小間数1,423小間で一昨年に迫る規模での開催となっています。幸い天候にも恵まれたこともあり、今年の来場者の数は例年並みと考えています。


────出展社の傾向などに変化はございますか。

若尾:
分野的な増減としては、どこの業種・業界とも隆盛なのではないでしょうか。もちろん、働き方改革という時代の変化を反映し、実験室環境の改善やラボ改革といった展示内容が目立つようになってきていますし、セミナーやフォーラムなどの講演内容にも環境問題のマイクロプラスチックが掲げられるといった変化があるようです。

これは昨年のアンケート結果ですが、出展社の感想として、「大変有益であった」と「有益であった」の合計が約74%ということで、大変いい評価をいただいています。

500に迫る出展社がひしめく幕張メッセ
500に迫る出展社がひしめく幕張メッセ

────来場者の反応はいかがでしょうか。

若尾:
おかげさまで、オープンソリューションフォーラムという2016年から始めた特別企画には来場者が大きく増えておりまして、毎回、関心の高いテーマを著名な演者と講演内容で開催しています。

今年は、1日目に化粧品などのパーソナルケア、2日目に味覚などのおいしさ評価、3日目に素材系の接合と表面処理という内容で行い、3テーマとも席数がすべて埋まりました。新技術説明会、JASISコンファレンスなど、合計400以上のセミナーコンファレンスが開かれましたが、会期前にすでに満席になったセミナーもありました。

例えば、日本薬局方セミナーは今年6月に日本薬局方が改正されたことで600席がすぐに埋まるほど人気でしたし、地元の千葉ということでチバニアンについてのセミナーも話題になっていたようです。これは昨年のデータですが、来場者の感想として「大きな成果を得た」と「期待通りだった」を合わせると約70%となり、出展社のみならず来場者にとっても有益なものとして良好な反応をいただいていると思っています。



時代を反映したテーマにも人気が

────今年初めての試みもあったようですが。

若尾:
ゲノムに関する研究成果などのライフサイエンスに関する最先端の情報を、肩肘張らずリラックスした雰囲気で聞いてもらえるよう、横浜・鶴見にある理化学研究所との連携で理研よこはまサイエンスカフェin JASISという企画を初めて催しました。ゲノム研究の第一人者である理化学研究所予防医学プログラムの林崎良英プログラムディレクターを講師にお招きし、会場との対話型の企画でしたが、大変好評でした。

また、時代を反映したテーマとして、国際的にも問題になっているマイクロプラスチックに関する計測と環境影響のプログラムを開催しました。特に注目を集めている内容だったせいか、朝から席が埋まるなどかなり盛況でした。マイクロプラスチックは、まだ定義も評価もはっきりと定まっていませんが、国際的に問題になっているため、どのような規制がかけられるか、化学分野を中心にして業界としても注目しているところだからでしょう。これからさらに注目されていく分野だと思います。


────来場者の分野などはどのような傾向にありますか。

若尾:
これは昨年のデータですが、やはり分析機器・科学機器関係のユーザーが約55%で半数以上を占めます。業種別では偏りが少なく、電子・電機・精密機器、ディーラー、分析技術、インクや香料などの化学、官公庁や公的機関、製薬・医薬・化粧品、食品など、まんべんなく来場していただいています。こうした傾向は例年、特に大きな変化はないようです。


────今年2月には大阪でJASIS関西が初めて開かれましたが。

若尾:
関西で初めてのJASISということで大きな手応えがありました。東京の場合、勤務地別集計で関東甲信越の来場者が75%以上となっています。やはり関西での開催は、今まで幕張のJASISに来場されたことのなかったお客さまが多かったということで、潜在的な来場者をかなりの数、掘り起こすことができたのではないでしょうか。関西でのJASISは、まだ期日も場所も未定ですし定期的にやっていくかどうかもわかりませんが、ぜひ今後も継続してやっていきたいと考えています。


今年もさまざまな業界から数多くの関係者が来場
皆関心のあるブースに立ち寄り、メーカーの話を熱心に聞く人も見受けられた

会場内で出展社や来場者の感想をうかがうと、毎年恒例の展示会だが新たな発見があって刺激を受けるという声やお客さまから指摘や意見を受けて新たな技術開発につながったという意見も多くありました。分析機器・科学機器の展示会として、JASISは新技術の情報交換や意見交換などで出展社や来場者にとって欠かせないイベントになっているようです。来年2020年のJASISは、11月11日(水)〜13日(金)に同じく幕張メッセで開催されます。


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2019年9月に千葉県幕張メッセで開催された、分析機器や科学機器に関する展示会JASIS2019。今年は分析機器や科学機器だけでなく、ものづくり系技術や自動運転などの先端技術などの出展も印象的でした。今回は、会場で注目した「フィルム状の温度センサー」、「非接触生体センサー」、「磁化率による粒子の測定法」の3つの技…

文/石田雅彦

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