計測と測定の違いとは?試験機器や計測・評価に関する総合展『測定計測展2019/TEST2019(総合試験機器展)』レポート

2019年9月11〜13日に東京ビッグサイトにて開催された測定計測展とTEST(総合試験機器展)。2年に1度、奇数年に開催される本合同展では、測定計側展にて光学測定、精密測定など幅広い計測業界の最新の技術や製品、情報など、TESTにて材料試験、環境試験と計測、評価に関する機器が展示されていました。今回は、それぞれの主催者インタビューに加え、展示会レポートを通して計測・測定や評価の最新動向をご紹介します。

測定計測展2019、TEST2019(総合試験機器展)とは?

測定計側展の主催は日本光学測定器工業会と日本精密測定機器工業会、TESTの主催は日本試験機工業会です。
前週に幕張メッセで開催されたJASISが、どちらかといえば主に分析系の技術や製品の展示会なのに比べ、こちらの展示会は物体の測定と計測に重点を置いたものになっています。
工学分野で測定と計測は概念と意味が異なり、日本工業規格(JIS)の定義では、測定が「ある量をそれと同じ種類の量の測定単位と比較して、その量の値を実験的に得るプロセス」となっているのに対し、計測は「特定の目的をもって、測定の方法・手段を考究し、実施し、その結果を用いて所期の目的を達成させること」となっています。ちなみに、計量とは「公的に取り決めた測定標準を基礎とする測定」です。

測定計測展2019の来場者は漸減傾向

測定計側展は、光学測定、精密測定など幅広い計測業界の最新の技術や製品、情報が得られ、ものづくりに不可欠な測定と品質を高めるために欠かせない精密測定に関する多種多様な展示が特徴になっています。出展社50社、117小間という出展状況、今年の来場者数は3日間で12,171人でした。物体の長さ・寸法・距離を測る技術派生品、測定基準器、角度測定機器、熱や光、電磁放射の測定技術や機器、屈折率や偏光などの光学的な特性の測定と計測のための技術や機器といった展示内容です。

この測定計測展について、主催者の日本精密測定機器工業会の斎藤博・専務理事にお話をうかがいました。


────測定や計測とはなんでしょうか。

斎藤:
接触・非接触などで、ものの寸法や形状を数値として検出したり、形状を観察したりするための技術のことです。材料や製品に対し、引っ張り、圧縮、曲げといったように何らかの負荷を与え、強度や剛性、硬度、弾性、粘性、耐久性といった結果を評価するわけです。


────奇数年の隔年の開催ですが、今回の特徴はどういったものがありますか。

斎藤:
データの偽造や捏造といった事件が起きましたので、データの共有化や自動化によって検査ミスや改竄を防ぐような技術や製品が目立つようになってきています。また、試験機器の精度もかなり上がってきていて、ミクロ、ナノはもはや当たり前です。半導体の継ぎ目などに使われている技術ですが、ピコメートル、1000分の1ナノメートルといったレベルまで計測できるようになっています。


────来場者の動向などはどうでしょうか。

斎藤:
2017年の前回は、同時開催でフルードパワーという油圧や水圧などの国際見本市が開かれ、そのために来場者が多かったのですが、今回はそういった同時開催はなくて全体の規模は小さくなったものの、おかげさまで来場者の数は漸減でとどまったという状況になりました。


────国際的な比較でみると日本の測定や計測の分野はどうでしょうか。

斎藤:
例えば、ドイツにはコントロールという品質保証のための国際展示会があります。測定や計測に対する文化や意識、ニーズの違いがあると思いますが、コントロールは展示面積でいえば今回の私たちの数倍以上になるでしょう。品質や環境を保証する技術に対し、日本はまだまだこれからでしょう。


小ぶりの会場ながら多くの関係者が集う測定計測展ブース。
小ぶりの会場ながら多くの関係者が集う測定計測展ブース。

データ改竄や捏造による影響でTEST2019に注目が!

一方、TEST(総合試験機器展)も2年に1回、測定計側展と一緒に開催されてきました。第1回は1991年に晴海で開催され、こちらも材料試験、環境試験と計測、評価に関する国内唯一の総合専門展という内容になっています。この展示会だけで、産業機器の品質管理や向上に不可欠な試験器のすべてがわかるという触れ込みで、出展社61社/団体、114小間の出展状況、今年の来場者数は3日間で12,805人でした。

あらゆる製造業にとってISOやASTMなどの試験規格やそれを計測して評価に値するデータを出すための試験器の存在は、技術基盤を支える重要な要素でしょう。イノベーションや新分野の登場、グローバル化により、試験器の分野や求められる技術的な基準も大きく変わっているようです。そのため、試験機器の市場動向としては、2010年代から材料試験機、環境試験機ともに販売高が急速に伸びています。


TEST(総合試験機器展)について、主催者の実行委員である株式会社ミツトヨの林美昭氏にお話をうかがいました。


────2年に1度の開催ということで前回との変化はありましたか。

林:
今回で15回目になりましたが、試験機器の総合展示会ということでテーマはあらかじめ決まっていますので展示内容など前回と大きな変化はあまりありません。もちろん、新技術や新製品は登場していますが、出展社も来場されるお客さまも目的が大きく異なってくることはないからです。


────では、技術分野ごとの個別の変化には何か特徴的なものはありますか。

林:
この分野はあまり一般の方の目に見えにくい、わかりにくい技術なのですが、例えば電気自動車にしてもやはりモーターの素材などに関する新しい規格や技術は出てきています。また、ゴムや樹脂、金属など、素材ごとにトレンドのような変化があるようです。あと需要は少ないですが、航空宇宙分野では試験条件などが変わってきています。


────2年ごとに開催してみて来場者の増減はいかがでしょうか。

林:
私どもの試験機器に特化した展示会というのは国内でも唯一のものです。不正や隠蔽などの事件が多発したことで、エンドユーザーのお客さまの信頼を得るためにも、最近の傾向として製品の品質に対して各業種業界は一層の努力を求められてきています。試験機器は、まさに製品の品質を保証し、担保する技術であり製品です。そのせいで常に注目を集め、来場されるお客さまの数も毎回安定しているという印象です。



出展社にお話をうかがうと、測定や計測、試験ということで直接のユーザーが多く、行政の関係者も来場するといいます。土木系の橋梁工学など、破壊・非破壊でモルタルや建材などの大きな材料を検査するような大型の機器も展示されていました。前週のJASISがどちらかといえば、化学材料や感応試験などの化学分析に寄っているのに比べ、こちらのほうは素材そのものに対しての測定や計測、試験機器などの物理計測に特化している印象を受けました。



島津製作所は前週のJASISにも大きな展示をしていたが、今回のTESTでは違う製品を展示、紹介しているそう。
TEST2019会場。1フロアで「測定計測展」のほか、「センサエキスポジャパン」、「自動認識総合展」も同時開催されている。

文/石田雅彦

 

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