ロストワックス精密鋳造法の作業工程〜鋳造入門講座(5) (1/3)

ワックスでできた型をセラミックで覆い焼き固めて鋳型を作るロストワックス精密鋳造法。寸法精度が鋳造部品では最も良く、鋳肌が優れており、機械的特性が圧延材とは異なり等方的であるため設計自由度が高いといったさまざまな利点があります。今回は、この鋳造法の金型製作から焼成までの作業工程について詳しくみていきましょう。

▽鋳造入門講座

ロストワックス鋳造法の作業方法

ロストワックス鋳造法は、ワックスでできた型をセラミックで覆い焼き固めて鋳型を作る鋳造方法です。ロストワックス鋳造の作業工程の概要は<図1>の通りです。基本的な工程は、金型設計・製作→中子製作→パターン成形・組み立て→コーティング造型→脱ろう→溶解・鋳造→後工程となっています。以下、作業工程順に作業方法をご紹介します。

<図1>ロストワックス精密鋳造法の製造工程
<図1>ロストワックス精密鋳造法の製造工程

(1)金型設計・製作

最初にワックスパターンを製作するための射出成型用の金型を設計・製作します。
このとき、製品になるまでの収縮量を予測し金型寸法を決定します。中空製品を作るためには、別途水溶性ワックス中子またはセラミック中子を製作するための金型が必要となります。現在は製品図面・金型図面・検査ジグ図面などをCADで設計し、金型キャビテイーの加工もNCフライスを用いてCAD情報を直接加工設備に入力して自動で加工を行います。<図2>にワックスパターンの形状とゲート位置の例と<図3>にその金型組み立ての概要図例を示します。

<図2>ワックスパターンの形状とゲート位置の例
<図3>金型組み立ての概要図例

(2)中子製作

水溶性中子は、高分子グリセリンと炭酸カルシウムを主成分とした水に溶けるワックスを用いて射出成型し、これを通常のワックスパターン成形用金型にセットしてパターンワックスで鋳包み、その後中子のみ水で溶出し中空ワックスパターンを作成し、後工程に進みます。

セラミック中子は、バインダーとセラミック粉末の混合物を射出成型し、その後バインダー除去とセラミックスの焼成作業を行って中子を得ます。セラミック中子もワックスパターン成形時に金型にセットし、パターンワックスで鋳包み、この場合はそのまま次工程に進みます。<写真1>に各種セラミック中子とこれを鋳包んだワックスパターンおよび鋳物を示します。

<写真1>セラミック中子とこれから得られたブレード鋳物およびその内部形状
(①セラミック中子 ②鋳造品外観 ③鋳造品の中空部状態)
<写真1>セラミック中子とこれから得られたブレード鋳物およびその内部形状
(①セラミック中子 ②鋳造品外観 ③鋳造品の中空部状態)

(3)ワックスパターン製作

ワックスパターン製作には、特別に配合されたパターンワックスを用いて射出成型を行います。パターン製作用ワックスは用途に応じて融点、成形時の粘度、成形品の剛性、脱ろう時の挙動などから選択されます。また射出成型機もワックスの性状に合わせて適切な設備を選択します。<図4>に成型機の形式を示しました。

<図4-1>①溶融ワックス式射出成形機
<図4-1>①溶融ワックス式射出成形機
<図4-2>②ペレット式射出成形機
<図4-2>②ペレット式射出成形機
<図4-3>③ビレット式射出成形機
<図4-3>③ビレット式射出成形機


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