フードテックが生みだす未来の「カデン」!家電大手メーカーの「おにぎりロボット」はいかにして開発されたのか? (1/3)

INTERVIEW

パナソニック株式会社アプライアンス社
カンパニー戦略本部 事業開発センター
オニロボプロジェクト 主幹
加古 さおり

家電大手のパナソニックが2016年に立ち上げたプロジェクト「Game Changer Catapult(ゲームチェンジャー・カタパルト)」。このプロジェクトでは新しい生活文化や心躍る体験を実現する“未来の「カデン」”を生み出すという目的を持っています。今回その中から生まれた“未来の「カデン」”として、食べ物╳技術の分野=フードテックの1つとも言える、おにぎりロボット「OniRobot(オニロボ)」の開発について、プロジェクトを立ち上げたパナソニックの加古さおり氏にお話をお伺いしました。

なぜいまおにぎりロボットが必要なのか?

現代では回転寿司の現場でも寿司ロボットが活躍しており、“おにぎりロボット”と聞けば、ほとんどの日本人は感覚的に「おにぎりを作るロボット」だということはわかるでしょう。コンビニで販売されているおにぎりを見てわかるように、形は三角形。すぐに想像することができます。しかしそれのどこが“未来の「カデン」”なのでしょうか。加古氏のお話から紐解いていきます。

「私の本業は、炊飯器を作る技術者です。しかし近年ではお米の消費量が少なくなっています。当然炊飯器の売り上げも落ちています。そういう状況をなんとかしたいという思いから、ゲームチェンジャー・カタパルトが主催しているビジネスアイデアコンテストの第2期目に応募しました。2017年のことです」(加古氏:以下同)

加古氏はそう語ります。彼女のテーマはコンテストを通過した7つのアイデアの中、最下位で企画が通ったそうです。しかし最初に応募した時はごはんの食体験を広げるために、炊飯器と米のセット販売をしようとしていたとか。

「それで活動し始めたとき、炊飯器とお米の販売をセットにするというのは全然新規事業じゃないよねと言われたんです。通過はしたけれど、そのままじゃだめですよと……。それでいろいろと専門家の方々のアイデアをいただきながらプランを練り直して、ビジネスモデルをピボットしたんですね。つまり、お米を売るのではなく、おいしいおにぎりを世界に広げようというコンセプトでご飯を食べてもらう機会を増やしていこうと。そして結果的に日本の農業やお米作りを活気づけるという視点に変えていったのです」

つまり、コンテストに通過したのはごはんの食体験を広げるという“コンセプト”だったと言えるのではないでしょうか。そしてパナソニックの市販技術のノウハウを活用し、米作りの現場を含めて活性化しようとしたところから考えて、最終的におにぎりに行き着いたと。そうした中で、社内に眠っていた技術を見つけ出します。

「いろいろな人のご縁を探るうちに、昔社内でおにぎりマシンを開発して、そのまま使っていない技術があるという話が出てきたんです。そしてその技術者を見つけ出して、その人にもオニロボ・プロジェクトに参画してもらいました」

プロジェクト立ち上げ時のメンバーは4人。その後、技術者、設計者などが加わって1年後には6人になっていたと言います。現在は当初からのコアメンバー3人含め5人体制になっているそうです。



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