非常用発電装置を要望に合わせてカスタマイズ。難しいオーダーにも応える栄興技研

INTERVIEW

株式会社栄興技研
代表取締役
大成 栄晴

大型の台風や地震などの自然災害に備えて、ニーズが高まっている非常用発電装置。用途によって設置場所や稼働時間はさまざまですが、設置場所が限られている、設置場所に合わせて細かくカスタマイズしたい場合にはオーダーメイドした方が良いと言います。今回は、福岡県糟屋郡にある発電装置メーカーで発動発電装置や無停電電源装置、充電器の開発・設計・製造・検査・据付・メンテナンスを一気通貫で行う株式会社栄興技研に難しいオーダーにも応える対応力と技術力についてお話を伺いました。

近年、自然災害の増加により、非常用発電装置の必要性が高まっています。発電装置と一口で言っても、用途によって設置場所や稼働時間はさまざま。しかし、個々の要望に合わせた発電装置を作っている企業は多くありません。福岡県糟屋郡にある株式会社栄興技研は、顧客の要望に応えて発電装置を開発してくれる数少ない会社の一つです。同社の代表取締役である大成栄晴氏に、対応力と技術力について伺いました。

発動発電装置の開発設計から据付・メンテナンスまで一気通貫で対応

本社外観(提供:栄興技研)
本社外観(提供:栄興技研)


福岡県糟屋郡に本社を構える株式会社栄興技研は、発動発電装置や無停電電源装置、充電器の開発・設計・製造・検査・据付・メンテナンスを一気通貫で行っている専業メーカーです。創業当時から発電装置の製造を行っており、蓄積された知識と発想力、それを形にできる技術力で根強いファンがいるほど。開発チームを有し、顧客からのオーダーに応えられるよう、常に技術開発にも力を入れています。

近年は、大型の台風や地震などの自然災害に備えて、国土交通省などの官公庁や地方の行政からの依頼が増えています。災害発生時などに停電すると大事故につながりかねない信号機や道路情報表示、いかなる時も記録を続ける必要がある放射線のモニタリングポストなどが稼働し続けられるよう、非常用発電装置のニーズが高まっているのです。


発電装置をオーダーメイドした方が良いケースとは

非常用発電装置は既製品を販売しているメーカーもありますが、次のような場合は、オーダーメイドの方が便利です。

設置場所が限られている

発電装置を設置するスペースが限られている場合は、オーダーメイドの方が便利です。スペースに合わせて縦型の発電装置にしたり、設置しやすいように大きな燃料タンクと内燃機関を同じボックスに収めたりと、工事しやすい形で製造が可能です。

設置場所に合わせて細かくカスタマイズしたい

既製品は、統一した形式のものを大量に作ることで価格を下げているため、細かい要望には応えてもらえないことが多いもの。しかし、オーダーメイドであれば、工事やメンテナンスのしやすさを考えて、「右から出ている電線や燃料の配管を左から出したい」といった細かい注文にも応えてもらえます。


顧客の視点に立った開発・製造が魅力

設置場所の広さや稼働時間の希望に合わせて、オーダーメイドで発電装置を製造する(提供:栄興技研)
設置場所の広さや稼働時間の希望に合わせて、オーダーメイドで発電装置を製造する(提供:栄興技研)


製造する発電装置の多くがオーダーメイドという栄興技研。同社の強みや大切にしていることをご紹介します。

現場の形にできるだけ合わせる

一般的には、細かいオーダーはメーカーに嫌がられることが多いです。しかし、栄興技研では、できるだけ一つひとつの現場に合わせて作ることを大切にしています。代表取締役の大成栄晴氏は「私たちは、現場の方が苦労しないようにすることに力点を置いています。そのため、営業の方からは『栄興技研の製品は少し高いけれど、現場が栄興技研の製品にしてくれと言うんですよね』と言われたこともあります」と語ります。

柔軟な発想力

発想力も栄興技研の強み。横置きの発電装置しかなかった時代に、省スペースの縦型タイプを開発したのも同社です。最近は、運転時間を長くしてほしいといったオーダーも増えてきており、長いものだと1週間の稼働を求められることも。しかし、1つの発電装置の中に搭載できる燃料(軽油)は最大200リッター未満と、火災予防条例で定められています。そこで、自社で開発した治具を使用し、エンジンの動作を抑えて一番燃費の良い状態をキープできるように調整。そうすることで、顧客の求める精度の範囲で運転時間を担保できる仕組みを作り出しました。
「創業者である先代社長が、非常に技術力や発想力が高く、難しい要望にも答えてきました。その考え方や技術力が、今の開発チームのメンバーや技術者たちに受け継がれている。だから、今も顧客の要望に応え続けられているのだと思います」(大成氏)

ランニングコストを考えた開発

オーダーメイドで気になるのは費用面。「既製品より高くなることが多いですが、弊社ではランニングコストも考え、長い目で見ると安く済むよう工夫しています」と大成氏は語ります。その理由は、動作制御をマイコン制御でなく、リレー制御にしていること。そのため、故障時にも安価な交換部品で素早く交換することができます。
「マイコン制御製品は、故障するとユニットごと交換が必要で、高額になりがちです。しかも、製品がモデルチェンジを繰り返すため、発電装置自体を買い替えなければならない可能性もあります。その点、リレー制御なら部品一つ交換すればいいので1000円程度で済みますし、数十年前の発電装置でも最新の基板と付け替えるだけで動くように作っています」(大成氏)


高い開発力と細やかな対応力で、顧客の要望を実現

顧客からのさまざまな要求に応えてきた栄興技研の技術力がわかる事例をご紹介します。

他社では叶えられなかった要望を実現

右端が、長時間稼働を実現した栄興技研のモニタリングポスト(提供:栄興技研)
右端が、長時間稼働を実現した栄興技研のモニタリングポスト(提供:栄興技研)


東日本大震災で被害を受けた福島県では、福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所周辺地域の安全を確保するため、環境放射能を連続測定するモニタリングポストを設置。リアルタイムに監視を行っています。測定したデータは、環境放射線センターで、常時監視・解析。そのため、「停電時でも常時監視・解析が止まらないよう、非常用発電装置の稼働時間も長くしたい」という相談を受けました。
「元々は、他社の発電装置が使われていたのですが、時代の変遷とともにもっと長い運転時間が必要になったそうです。しかし、従来のメーカーでは要望に応えるにはかなりの金額がかかるとのことで、弊社にご相談がありました。装置を確認したところ、前のメーカーが使用していたエンジンはオーバースペックだったため、その分燃費が落ちていた。そこで、弊社が電気の総量に対してちょうどいいエンジンを使い、同じ燃料量で希望の時間稼働できるものをご提案しました」(大成氏)

約60カ所ある発電装置を一つずつカスタマイズしながら総入れ替え

 山の頂上や狭い建屋の中など、設置場所の広さもサイズも違う発電装置を約60機つくり上げた(提供:栄興技研)
山の頂上や狭い建屋の中など、設置場所の広さもサイズも違う発電装置を約60機つくり上げた(提供:栄興技研)


熊本県のある自治体のご要望で、防災無線の発電装置約60カ所分を既存のものと入れ替える仕事を行いました。場所によって設置条件はさまざまだったため、一つずつ場所に合わせてカスタマイズしながら入れ替えるのは、非常に大変だったそうです。
「既存の発電装置は、建屋を完全に建てる前に設置していたものもありました。しかし、今はすでに壁やドアも付いているので、作業スペースを確保するのも一苦労。持ち込めるサイズまで極限まで分解しなければならなかったり、場所によって配管の向きを変えなければならなかったりと、非常に大変でした」(大成氏)
大変な思いをしつつも、全ての入れ替えを完了。同社の対応力の高さを感じる事例です。



大切にしているのは「お客様目線」。長く使っていただける発電装置を提供し続ける

顧客の要望に細やかに応える栄興技研が大切にしているのは、製造者目線ではなく、お客様目線でものを作ること。
「自分たちの作業の手間が増えたとしても、使いやすいものをご提供することで、長く使っていただけることを大切にしています。また、スピーディーに対応することも重視しています」と大成氏は語ります。

今後は、これまでに培った発電装置の技術を生かし、新しいことにも挑戦したいという栄興技研。電気や予備電源に関する悩みがある方は、ぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか。



株式会社栄興技研
福岡県糟屋郡にある発電装置メーカー。発動発電装置や無停電電源装置、充電器の開発・設計・製造・検査・据付・メンテナンスを一気通貫で行う。創業時から発電装置を製造してきた知見と柔軟な発想力により、顧客の要望に細やかに応えるオーダーメイドでの製造が得意。
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