金属部品を板金・機械加工からアッセンブリーまで一貫製造。さまざまな業界の求める品質に的確に応える二豊鉄工所

INTERVIEW

株式会社二豊鉄工所
代表取締役社長
戸高 信一郎

金属部品の製造は、業界が違うとそれぞれに求められる品質や条件なども変わるため、豊富な知識と経験が必要となります。お客様が求める以上には手をかけず、求められている部分に関しては必要な手を加えて作ることが大事で、この見極めが意外と難しいそうです。今回は、大分県佐伯市にある金属部品製造の会社で4つの工場で精密板金・機械加工から製缶、塗装、組み立てまで自社で一貫して行うことができる株式会社二豊鉄工所に金属部品の業界別で求められる品質やそれに応えられる同社の技術力についてお話を伺いました。

ひと口に「金属部品の製造」と言っても、業界によって求める品質やこだわるポイントは違います。そういった各業界の押さえどころを理解した上で、適切な品質で製品を提供している会社があります。大分県佐伯市にある株式会社二豊(にほう)鉄工所です。精密板金・機械加工から製缶、塗装、組み立てまで自社で一貫して行うことができる同社は、どの工程もそれぞれ専門業者に引けを取らない設備と技術力を有しています。代表取締役社長である戸高信一郎氏に、業界別で求められる品質やそれに応えられる同社の技術力についてお話を伺いました。

金属部品を自社で一貫製造できる設備と人材を備えた二豊鉄工所

工場での作業風景(提供:二豊鉄工所)
工場での作業風景(提供:二豊鉄工所)


株式会社二豊鉄工所は、大分県佐伯市内に4つの工場を構え、金属部品の製造を行っています。自社で精密板金・機械加工から製缶、塗装、組み立てまで一貫して行うことができる設備と人材をそろえているのが特徴です。

主に取り扱う材料は、ステンレスや鉄、アルミを中心に、銅や真鍮など。ご依頼があれば、加工が難しい特殊な金属にも対応しています。

同社のもう一つの特徴は、幅広い業界の仕事に対応していることです。業界が違うとそれぞれに求められる品質や条件なども変わるため、豊富な知識と経験が必要となります。


金属部品の製造に求められる業界別の品質

半導体やFPDの製造装置の部品

半導体やFPDの製造装置を製造している企業は、美観を気にするため、磨き材を使用した際の小さな傷一つも許されない部品が多々存在します。また、どちらもクリーンルームで使用される機器の部品のため、異物の混入を極端に嫌います。中には、拭き上げに使用する布とその使い方が指定されているなどの厳しい清掃基準を設けている会社もあるほどです。そのため、最後の拭き上げや清掃をクリーンルームで行う必要がある場合もあります。

医療機械の部品

医療機器部品(提供:二豊鉄工所)
医療機器部品(提供:二豊鉄工所)


半導体やFPDの製造装置の部品と同様に、異物混入に関しては他の業界よりもワンランク上の対応が求められます。管理や清掃の方法は、半導体やFPDの製造装置の部品とほぼ同じですが、その機器を「どこで使うか」「何に使うか」によって、求められる品質が変わります。異物混入に関しても、非常に高い品質を求められるものもあれば、そこまで厳しくなくてもいいものが混在する業界です。

鉄道車両の部品

鉄道車両部品(提供:二豊鉄工所)
鉄道車両部品(提供:二豊鉄工所)


電車内で使用する部品は、常に振動や圧力が加わる上に、中には人命に関わる部品もあることから強固さが求められます。破損する可能性が一番高いのが溶接や接着を行った部分であるため、その部分が割れたり外れてしまったりしないような工夫を施す必要があります。

航空機の部品

人命を預かる機器の部品のため、何か問題が発生した場合に、どの部品がどこでどのように作られたかが即座にわかるようにトレーサビリティーに力を入れています。そのため、材料のロットから加工に使用した機械、検査に使った検査具など全てを記録しなければなりません。また、保管に関しても温度管理が必要で、管理に使用した温度計自体に狂いがないかの証明も求められます。こういった厳しい要求に応える必要があります。

食品製造機械の部品

食品製造機器は、毎日必ずメンテナンスや清掃を行います。そのため、清掃時にケガをしないように、他の業界の製品よりもバリ取りや面取りを十分行わなければなりません。通常ではバリ取りや面取りをしない機器の裏側もきれいにする必要があります。

業務用冷蔵庫

業務用冷蔵庫は、価格競争が厳しい業界です。動かすものではないこともあり、強度よりもいかに価格を下げて作るかが重視されます。そのため、複数の加工が必要なものは金型を使って1回の加工で済むようにしたり、何度も作る品物に関しては治具を制作したりすることで工数や手間を減らして価格を下げています。


手をかけすぎない、適切な品質を見極める知識と経験

このように、幅広い業界のさまざまな金属部品の製造に携わってきた二豊鉄工所だからこそ「業界に合わせた適切な物づくり」ができることが同社の強みです。代表取締役社長の戸高信一郎氏は次のように語ります。
「高い基準の仕事を手がけると、それに倣ってすべての仕事をその基準に合わせてしまう企業も多いです。しかし、すべてのお客様に対して、厳しい基準での製造・管理を行うと、当然コストが高くなってしまいます。実際は必要最低限の要件を満たしていれば良いという場合も多いため、弊社では最初の打ち合わせでしっかり顧客の求める品質を確認。お客様が求める以上には手をかけず、求められている部分に関しては必要な手を加えて作ることを大事にしています。この見極めが意外と難しいようです」

また、「機械で加工して終わり」ではなく、機械で加工した後に職人の手技で溶接や歪み取りができるのも同社の強みです。近年求められることが多い、手作業溶接にも応えられるように、溶接ができる職人を30人ほどそろえています。

顧客によっては、アッセンブリーまでして納品してほしいという企業もあるため、部品調達から組み付けまですべて社内で一貫して行っているのも同社の特徴です。
「一貫生産しているという企業も、実際は協力会社に依頼していることが多いですが、弊社はすべて自社で行っています。社内で行うことで、物を運ぶ時間とコストの削減が可能です。品質に関しても、自社できちんと基準をクリアできるよう管理できます。これらのことから、お客様が求めるQCD(品質、コスト、デリバリー)を最小限に対応しています」


アッセンブリーの様子(提供:二豊鉄工所)
アッセンブリーの様子(提供:二豊鉄工所)


このように、二豊鉄工所が加工からアッセンブリーまでできるようになったのは、創業当時から顧客の要望に一つずつ応えて設備と人材をそろえていったからです。この顧客の要望に応える姿勢は今も変わらず、初めて扱う素材の加工を依頼された際も、断ることなく挑戦しています。
「以前、これまでに扱ったことがない、粘性の強いステンレスの加工を依頼されたことがありました。通常のステンレスと同じ条件では、うまく加工も歪み取りもできなかったために苦戦しましたが、付き合いのある工具屋さんや機械メーカーさん、材料屋さんなどにもいろいろと教えていただきながら取り組み、無事に加工できました」


質の良い金属部品を製造し、「凡事徹底」で納期通りにお届けする

二豊鉄工所が大事にしていること。それは「凡事徹底」です。当たり前のことを当たり前に徹底して行う。「それが難しい」と戸高氏は語ります。
「部署や人によって『当たり前』の認識は違います。今は、そこをそろえていこうをしている最中です。弊社の当たり前は『図面通りに制作した良品を、納期通りに納める』こと。これを実現するために、全員が行うべきことの認識を合わせています」

顧客の要望に応えるために設備を拡大し、どの工程であっても顧客の要望通りの品質のものを提供してきた二豊鉄工所。
「初めてのお客様からは『何が得意なの?』と聞かれることがよくありますが、今、まさにどの工程においても設備や技術がバランスよく充実してきたところです。一度工場見学に来ていただければ弊社でできることも一番イメージしやすいと思います。ぜひお声掛けください」


株式会社二豊鉄工所
大分県佐伯市にある金属部品製造の会社。4つの工場で精密板金・機械加工から製缶、塗装、組み立てまで自社で一貫して行うことができる。非常に幅広い業界に携わっているため、それぞれの業界が求める適切な品質の金属部品を、QCDを最小限に提供するのを得意としている。
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