木材乾燥機の技術と製品選びのポイントとは。木材乾燥技術を活用したバイオマスボイラも手掛けるヒグマ乾燥機に学ぶ

INTERVIEW

ヒグマ乾燥機株式会社
代表取締役社長
鈴木 吉彦

装置内に人工的に温風を発生させ、投入した木材を乾かす木材乾燥機。自然乾燥で3〜4ヶ月かかる工程を7〜10日ほどに短縮できる利便性から導入が拡大しています。木材乾燥機は乾燥中に複雑な操作を行う必要がないので、装置の品質が仕上がりを左右するそうです。今回は、木材乾燥機の製造ならびに販売事業を手掛る北海道上川郡に本社を構えるヒグマ乾燥機株式会社に木材乾燥機の概要と製品選びのポイントと、木材乾燥のノウハウを活用した木質バイオマス温風発生装置「エコボイラ」についてお話を伺いました。

北海道上川郡に本社を構えるヒグマ乾燥機株式会社は、木材乾燥機の製造ならびに販売事業を中心に手掛けています。今回はヒグマ乾燥機株式会社の代表取締役社長 鈴木 吉彦氏にお話を伺いました。本記事では、同社の主力製品である木材乾燥機の概要と製品選びのポイントと、木材乾燥のノウハウを活用した木質バイオマス温風発生装置「エコボイラ」についてご紹介します。木材加工、および廃材などの活用に関心をお持ちの方はぜひご覧ください。

全国に木材乾燥機装置を納入。木材加工を支えるヒグマ乾燥機

ヒグマ乾燥機株式会社は木材乾燥装置の製造・販売・メンテナンスを主力事業とし、建築資材を中心に、日本全国の木材加工工場や木材販売会社などに製品を納入しています。技術員による巡回サービスや修理に強みを持ち、他社メーカーの機械でも修理やメンテナンスに応じていることが特徴です。

ヒグマ乾燥機社屋外観(提供:ヒグマ乾燥機)
ヒグマ乾燥機社屋外観(提供:ヒグマ乾燥機)


木材乾燥機とは、温度・風速・風圧を操って木材を乾燥させる装置のこと

木材乾燥機は装置内に人工的に温風を発生させ、投入した木材を乾かす機器です。自然乾燥で3〜4ヶ月かかる工程を7〜10日ほどに短縮できる利便性から導入が拡大しています。
伐採した生木を木材に加工する際には、木を乾燥させて含水率を減少させる必要があります。伐採したばかりの状態で使用すると、水分量の変化によって反りや寸法の狂いが生じてしまうためです。
また、木材の乾燥にあたっては、木の種類や産地も考慮する必要があります。例えば寒冷地の木材は目が細かく水が抜けにくいので、同種の木材でも自然乾燥の期間に違いが生じるなどの特性があります。


木材乾燥機(提供:ヒグマ乾燥機)
木材乾燥機(提供:ヒグマ乾燥機)


木材乾燥機を選ぶポイントは「風の制御」「サポート体制」「装置の耐久性」

木材乾燥機は乾燥中に複雑な操作を行う必要がないので、装置の品質が仕上がりを左右します。頻繁な買い替えが難しいだけに、後悔しない製品選びをしたいものです。検討に役立つ3つのポイントを鈴木氏に聞きました。

(1)風の制御

乾燥の早さと質を決めるのは、装置内で発生させる風です。風の流れをコントロールする装置内部の構造に着目するとよいでしょう。ヒグマ乾燥機の製品には、装置の下部に風が到達しやすいように下部整流管を設置しています。鈴木氏は「木材に対する風の当たり方がスムーズ。割れの度合いが非常に少なく、お客様にも喜んでいただいています」と語ります。

温度・風速・風圧を指定する制御プログラムも重要です。どの顧客にも一律のプログラムを提供するメーカーもありますが、ヒグマ乾燥機では製品を納入した後に現地に留まり、設置場所の環境や乾燥の仕上がり具合をもとにプログラムを調整しています。


取引先の現場で活用される木材乾燥機(提供:ヒグマ乾燥機)
取引先の現場で活用される木材乾燥機(提供:ヒグマ乾燥機)


(2)サポートの充実度

万一の不具合へのサポート体制も重要です。木材乾燥機は仕上がりまで7〜10日ほどかかりますが、故障や不具合によって工程が中断すると材木に割れや変色が生じてしまいます。建材などの大型の木材の場合は乾燥の遅れが全体の作業工程に影響する場合もあり、損害額が数百万円にのぼる場合もあります。

ヒグマ乾燥機は依頼を受けて全国で修理・メンテナンスに応じられる体制を整えています。遠方の顧客には、現地に到着するまでの間に電話でサポートを行うこともあるそうです。

「お客様からは『忙しいから対応できない』『人員がいないので現地に行けない』とサポートを断られ、売りっぱなしになっているメーカーもあると聞きます。当社ではそうした声を受け、現地での修理・サポートができる人材を自社で養成しています」(鈴木氏)


(3)装置の耐久性

そもそも故障しにくい製品選びも大切です。装置によっては、使用している金属部品に含まれる不純物によって腐食が進みやすいケースがあります。

「他社製品をメンテナンスしていると、海外製の部品は腐食が進みやすい印象があります。当社は国内産のパーツにこだわっているので価格は安くありませんが、長い目で見れば安いのではないかと思います」(鈴木氏)

安価な装置は、使われている素材やパーツの質を見極めましょう。たとえ初期投資が抑えられても、不具合が頻発すれば結果的にランニングコストが高くつくかもしれません。


木材乾燥機のノウハウを生かした暖房機「エコボイラ」

ヒグマ乾燥機は近年、間伐材などを燃料として温風を発生させるバイオマスボイラ「エコボイラ」の製造やメンテナンスも手掛けています。

エコボイラは木材加工や間伐材をそのまま燃料として使用できるのが特徴です。既存のバイオマスボイラは廃材をチップやペレット状に加工するコストや、数時間で燃焼してしまうので燃料補給のための手間と人件費が課題でした。エコボイラは間伐材を1メートルほどの長さにカットして投入するだけで、3〜4日は補給なしに温風を発生させることができます。

製品開発には木材乾燥機で培ったノウハウが生きています。内部装置には一般的に使用される耐火煉瓦ではなく、木材乾燥機でも使われている耐久性の高いステンレスを採用。木材をそのまま燃料として使用でき、温度管理までを自動で制御するプログラムは試行錯誤を重ねて生み出しました。

鈴木氏は開発の裏側をこう語ります。「制御プログラムづくりは大変苦労しました。種類や含水率が異なる木を投入するので、含水率と温度のムラをいかに処理するかが悩みどころでした」

こうして製品化まで3年をかけたエコボイラは、農業関係者や木材加工工場を中心に導入が広がっています。

「忙しい農家の方でも手間暇をかけずに利用できるのが強みです。今まで何百万円とかかっていたビニールハウスの暖房代が無料になったという声もありますね。副産物として生じる木酢液も肥料として活用できるので喜ばれます」(鈴木氏)


「絶対にお客さんに喜ばれる」エコボイラ開発に至ったものづくりへの想い

エコボイラの構想は約7年前、愛媛大学の教授との出会いがきっかけでした。最初は作る気はなかったという鈴木氏ですが、教授からの「これは絶対に売れる、お客さんに喜ばれる」という熱意を受けて開発を決心したそうです。

顧客に求められる製品を提供しようとする想いがヒグマ乾燥機のものづくりを支えています。同社の木材乾燥機は顧客のニーズや使用環境にあわせ、装置の大きさや扉の位置、騒音対策などのカスタマイズに応じています。

「既製品を納入して終わりではなく、お客様に合った製品を届けたい。設計や製造は大変ですが、柔軟な対応ができるからこそ喜んでいただけるのだと思います」(鈴木氏)


製造風景(提供:ヒグマ乾燥機)
製造風景(提供:ヒグマ乾燥機)


まとめ

資源の有効利用への関心が高まる昨今、木材を無駄なく高い品質で加工することや、廃材まで余すことなく活用することが急務とされています。高品質でサポートの充実した木材乾燥機や、運用コストを抑えた木質バイオマス温風発生装置を導入することは、長い目で見て賢い選択といえるでしょう。興味をお持ちいただけた方は、ぜひヒグマ乾燥機株式会社に相談してみてはいかがでしょうか。木材乾燥機は全国の代理店を通じて、エコボイラはヒグマ乾燥機に直接問い合わせをいただきたいとのことです。

ヒグマ乾燥機株式会社
2000年設立。北海道上川郡の本社と東京都世田谷区の営業所を拠点に、木材乾燥機の製造ならびに販売事業を手掛る。また、技術員による巡回サービスや修理に強みを持ち、どのメーカーの機械でも修理、オーバーホール、メンテナンスも実施している。2017年頃から木質バイオマスの熱利用の事業化に取り組み、木質バイオマス温風発生装置「エコボイラ」を製造、販売を開始した。
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