大型機械加工でチェックすべきポイントとは。船舶や自動車関連部品の設計・製造・組立までをワンストップで実現する桜田工業に聞く

機械加工とは、機械や工具を使い、製造に必要な形状に材料を加工することの総称です。その中でも、船舶や自動車などに関連する大型機械加工は、製造する業種や企業によって大きさや形状が様々であり、大型機械加工を発注する際、適切な加工メーカーを探すため注意すべきポイントがあるといいます。今回は、岡山県内にある2つの工場を中心に、大型機械と精密機械の加工を行っている桜田工業株式会社に、大型機械加工メーカーを探す際のポイントや同社の技術やノウハウについてお話を伺いました。

桜田工業株式会社は岡山県内にある2つの工場を中心に、大型機械と精密機械の加工を行う会社です。船舶や自動車などに関連する大型機械加工の設計・製造・組立を得意とし、その技術やノウハウを活かした提案を行っています。
本記事では、社長の菅波克広氏、専務の菅波洋平氏、常務の森本豊氏、取締役総務部長の赤木郁雄氏に、桜田工業株式会社の大型機械加工のポイントや同社の強みを伺いました。

大型機械加工の設計・製造・組立にお困りの方は、ぜひご覧ください。


岡山県に本社を構える大型機械加工メーカー「桜田工業株式会社」

岡山県岡山市に本社を構える桜田工業株式会社は、産業用機械部品や船舶部品などの製造を行う機械加工メーカーです。1964年の創業当時は、外部委託にて部品の製造を行い、客先に納品するなど商社的な役割を担っていました。その後、取引量の増加に伴い、工場の設置、設備の導入、製造の内製化へと発展していますが、今までに築いた幅広いネットワークを活かし、現在でも製造に必要な部品を集め、一括で納品しています。社員数は約100人。岡山県内にある2つの工場で大型機械、精密機械の加工を行う一方、組立工場の新設により部品の製造から組立まで一貫した製作が可能となりました。大型機械加工に関連する業務を多岐に渡り一手に担っています。

大型機械加工でチェックすべき3つのポイント

五面加工機(左)、NC横中ぐり盤(右)(提供:桜田工業)
五面加工機(左)、NC横中ぐり盤(右)(提供:桜田工業)


機械加工とは、機械や工具を使い、製造に必要な形状に材料を加工することの総称です。一口に大型機械加工と言っても、製造する業種や企業によって大きさや形状は様々です。実際に大型機械加工を発注する際、どのようなことに注意をしながら加工メーカーを探せばよいのでしょうか。桜田工業での具体的な取り組み事例と合わせてご紹介します。

1.製造を見据えた無駄のない設計を行っているか

設計をする上で、製造や加工、組立まで一連の工程を理解していることが重要です。製造工程を考えずに設計をすることで、本来必要のない材料や作業工程が増えたり、実際には製造できない図面を描いてしまったりするケースも多く見られます。製造に無理がないか、オーバースペックになっていないか、チェックしてみましょう。

「無駄な材料を減らし、作りやすい設計をすることが全体のコストダウンや、製品精度の向上に繋がります。桜田工業では、製造しやすく、実現しやすい機能を重視した設計をしています。お客様とコミュニケーションを取りながら、要望を一からヒアリングし、必要に応じてオーダーメイドで部品の製造も行うことも多いです。設計後に必要な部品の製造先を探し、どこも対応できないと断られたとご連絡をいただくケースも多いです。多品種少量オーダーにも対応しているので、お客様から高い評価をいただいています」(菅波専務)

2.機械部品の安全性を高めるテストにも対応しているか

船舶や自動車関連製品、水素ステーション部品などの機械加工において、ミスや欠陥は大きな事故に繋がります。高い安全性の追求は最重要事項であり、製品の品質を確認するためには厳しいテストが欠かせません。製造する際には、製品のテスト環境も確認しておきましょう。

「桜田工業の工場内には、鋳物・鋳鋼部品の耐圧検査を実施できる設備や技術が整っています。削った部品をカバーでふさぎ、注射器の要領で圧力を中にかけ水槽に沈める耐圧テストの実施が可能です。もし欠陥があった場合、穴から気泡が発生します。通常では耐圧テストで不具合が見つかったものは、処分をしなければならず、材料や時間が無駄になってしまいますが、桜田工業では、小さな不具合であれば、廃棄せずにリカバリーする方法をご提案することもあります。例えば、気泡が漏れた部分を追加加工し、プラグを製作して穴を埋めたり、部分的な溶接をしたりするなどです。材料や製品をどうしたら無駄にせずに生かせるのか、どのような道具があれば製品テストができるのかを考えた製造、機械加工を行っています」(菅波社長)

3.加工技術や機械の選択肢が豊富にあるか

理想にあった製品を製造するためには、それを実現するための高い技術力と機械が必要です。保有している機械の種類に関しては、会社の規模や注力している加工によって異なるため、どのような機械加工を得意としているか確認しましょう。


桜田工業の保有する加工機械の一例

・北浦工場:NC横中ぐり盤、五面加工機、NC立旋盤などを用いた中~大型の部品加工機械
・大崎工場:NC旋盤、CNC治具ボーラー、ワイヤーカット、放電、研磨、超音波などの精密加工用機械


北浦工場のNC立旋盤(左)、大崎工場の放電加工機(右)(提供:桜田工業)
北浦工場のNC立旋盤(左)、大崎工場の放電加工機(右)(提供:桜田工業)


「それぞれの工場で得意とする分野が異なるため、幅広い種類の機械が揃っています。過去には、円筒状のもので1,000分の5㎜の精度を出して欲しいというオーダーを受けたこともありました。本来、機械で加工をすると機械精度になるため、普通の加工技術では作れません。そこで、基準となるゲージを作成し、外部機関に校正に出し、保証したゲージと比較測定をして、その商品の精度を出しました。もちろん機械の種類の豊富さも強みではありますが、経験がなくても、どうすればできるかと社員が知恵を出し合い創意工夫する環境も私たちの強みだと考えています」(菅波社長)


精密な大型機械加工、調達、組み立てをワンストップで

桜田工業の強みは、精度調整を含めた精密な大型装置の設計から製造、部品の調達、組立までをワンストップで行えることです。大型機械加工と精密機械加工のそれぞれを得意とする2つの工場間で、知識や情報の共有を行っています。そのため、プレス機などの一般産業装置から大型機械、各種精密金型まで幅広いニーズに対応できる技術力と充実した設備を社内に完備。特殊材や高硬度の材料が入った装置など、他社では実現の難しい、創意工夫が必要な加工を得意としています。


桜田工業で機械加工を行っている製品の一例

・船舶用推進器:ハウジング、クロスヘッド、シリンダ
・産業用コンプレッサー:シリンダ、シリンダライナ、ピストン、コネクティングロッド、クランクケース
・タービン・ポンプ:ハウジング、軸受ケーシング
・プレス機:ベースプレート、ロッド、ブッシュ、シリンダ、ピストン

産業用コンプレッサー(左)、船舶用推進器部品(右)(提供:桜田工業)
産業用コンプレッサー(左)、船舶用推進器部品(右)(提供:桜田工業)


桜田工業の加工技術の一例 

・難削材の加工技術
・特殊工具、専用治具の開発技術
・組立時の精度調整技術
・機械及び手作業による研磨技術
・焼きばめ、冷やしばめの技術を使った組立・修理
・CAD/CAMを駆使した機械加工技術

時代の流れに柔軟に対応し、将来性を見据えた開発に挑む

これまでに培ってきたノウハウを活かし、近年では水素ステーションの水素圧縮部品、電気自動車・HV自動車向け設備の製造、半導体関連の部品にもチャレンジしています。新しい案件に積極的に取り組むことで、社内に新たな知識やノウハウが蓄積し、時代のニーズに応えることができます。

社長 菅波克広氏(左上)、専務 菅波洋平氏(右上)、常務 森本豊氏(左下)、取締役総務部長 赤木郁雄氏(右下)(提供:桜田工業)
社長 菅波克広氏(左上)、専務 菅波洋平氏(右上)、常務 森本豊氏(左下)、取締役総務部長 赤木郁雄氏(右下)(提供:桜田工業)


「今後は時代の変化に合わせ、脱炭素化を支える新電力やEVなどの領域に対するニーズに柔軟に対応していきたいと考えています。今はまだ存在しない部品の提案や加工技術の提供から装置設計、製品実現の組み立てまで、新たに挑戦したいと思っているので、開発をご検討中の企業様はぜひお気軽にご相談ください」と社長の菅波氏。創業時から現在に至るまで、様々な技術と知見を蓄積してきた桜田工業。時代の変化とともに、さらなる技術や知見の蓄積を目指します。


桜田工業株式会社
岡山県岡山市に本社を構える大型機械と精密機械の加工メーカー。産業用機械部品や金型・精密部品の設計、製造、組み立てをワンストップで行っている。近年では、船舶や自動車部品製造で培ったノウハウを活かし、水素ステーションや液化天然ガスなど脱炭素化をはじめとした、環境問題や新エネルギー関連事業にも注力している。
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