非破壊検査システムは「実はオーダーメイドがいい」理由とは。海外メーカーからも支持される検査システムのプロ、エヌ・ケイ・システムに聞く

INTERVIEW

株式会社エヌ・ケイ・システム
代表取締役
島津 悠輔

部材の中や表面の欠陥を調べるのに、対象物の形状や機能を損なわず検査ができる非破壊検査。オーダーメイドで作る非破壊検査機器や検査システムは、性能面で過不足がなく、操作性もよく、使い勝手のいい検査システムを構築することができるだけでなく、コストや品質管理などの面でメリットがたくさんあるそうです。今回は、山口県岩国市に本社、韓国に子会社を構え、非破壊検査機器の設計、制作、販売を手掛ける有限会社エヌ・ケイ・システムに「オーダーメイドの非破壊検査システム」には、どのようなメリットがあるかお話を伺いました。

アジア圏の自動車メーカー各社が支持する非破壊検査機器を開発したエヌ・ケイ・システム。同社が得意とする「オーダーメイドの非破壊検査システム」には、どのようなメリットがあるのでしょうか。社長の島津悠輔(しまづ・ゆうすけ)氏に伺いました。


アジア圏で存在感を放つ非破壊検査システムのトップランナー

万が一壊れたら重大な事故につながる。そうした部品は、製造過程における検査が欠かせません。例えば、自動車のエンジンを構成する部品の一つであるピストン。これを検査する超音波検査機器「ピストン耐摩環接合検査装置」は、世界中の自動車メーカーで使われています。

中でも、山口県岩国市に本社を置く有限会社エヌ・ケイ・システムが開発した製品は、日本を含め、アジア圏の自動車メーカーに対してもっとも多くの納入実績があります。世界一大きなピストンメーカーであり、複合的な内燃機関メーカーなどでも自社製品の検査にエヌ・ケイ・システムの機器を使うよう推奨するほどです。

「韓国に子会社があり、現在は韓国、中国、ベトナム、タイ、インドネシア、インド、アメリカ、メキシコに商品を納めています」
こう話すのは、エヌ・ケイ・システムの社長である島津悠輔氏。同社独自の超音波検査機器を開発したきっかけは、ある自動車メーカーから「使い勝手や機能面でちょうどいい検査装置がほしい」と要望を受けたことでした。

顧客のニーズに迅速に対応し続ける中、検査機器の製造や検査システムのアップデートも含めて、徐々に内製率を上げていった同社。強みは、非破壊検査機器の設計から製造・販売まで一貫して自社で行えることです。プログラミングなども含めて、基盤作りからゼロイチでシステムを組むことができるため、顧客の要望に合わせて一から作るオーダーメイドの非破壊検査機器の製造、非破壊検査システムの構築を得意としています。


ピストン耐摩環接合検査装置(提供:エヌ・ケイ・システム)
ピストン耐摩環接合検査装置(提供:エヌ・ケイ・システム)


オーダーメイドの非破壊検査システム4つのメリット

部材の中や表面の欠陥を調べるのに、対象物の形状や機能を損なわず検査ができる非破壊検査には、さまざまな手法があります。エヌ・ケイ・システムでは、クライアントの要望や目的に沿いながら最適な手法を見極めて提案していきますが、同社が得意とする「オーダーメイドの非破壊検査システム」は、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

1.使い勝手のいい検査システムが構築できる

「オーダーメイドの非破壊検査システム」とは、検査機器と検査システムをオーダーメイドで作ること。要望や目的に合ったものを一から作るので、性能面で過不足がなく、操作性もよく、使い勝手のいい検査システムを構築することができます。

「他社製の検査機器を買って機械に取り付ければ、検査自体はできるかもしれません。けれども、どういう検査手法があり、それぞれどういう特性があり、目的をクリアするにはどういう検査システムを構築する必要があるのか。システムアップも含めて検査を熟知する経験と知識があって初めて、お客さまそれぞれに最適な検査システムが見えてきます」(島津氏)


2.実はコストを抑えられる

オーダーメイドと聞くと、何となく「高そう」というイメージが付きまといます。ところが非破壊検査のオーダーメイドは、顧客の目的や要望に沿ってオーバースペックにならないよう作るため、費用は抑えられるのです。

「例えば、完成した製品を超音波で検査する際、本当は探傷機にセンサーを10個付けて検査を自動化したいのに、既製品の探傷機には取り付けるチャンネルが2つしかないとします。その場合、探傷器を何台も並べる必要がある。それならセンサーを10個取り付けられる探傷器を1つ作った方がコストは抑えられます。その方が操作性も上がりますから」(島津氏)

「作業者の方が手作業で検査するなら、出来合いの検査機器を使ったほうがたしかに費用は抑えられます。けれども検査を自動化したり、機能する検査システムを構築したりする計画があるなら、性能や操作性、システムアップのことを考えて、オーダーメイドを選ぶ方が費用対効果はあると考えています」(島津氏)


3.自動化検査システムで品質を一定に保てる

熟練の検査員なら一目で判別できても、新しく入った検査員には判別できなかったり見逃してしまったりしてしまう。あるいは熟練の検査員であっても、高い感度を長時間維持したまま検査しつづけるのは難しい。このように人が行う検査では、検査の品質にムラが出るという難点があります。そこでエヌ・ケイ・システムは、検査の品質を一定に保つべく、検査の自動化を積極的に推進してきました。

「人のスキルに左右されず、一定基準の品質で検査を実施したい。一定の品質が保てる検査を自動化したい。当社の検査システムは、そうしたお客さまの声を受けて開発してきたものなので、たとえ熟練の検査員がいなくても検査の品質を担保できます。それに、検査で得た結果はデータとして残すことができるので、ものづくりの現場にフィードバックし、改善に役立てることもできます」(島津氏)


打音検査機器(提供:エヌ・ケイ・システム)
打音検査機器(提供:エヌ・ケイ・システム)


4.責任の所在が明確

万が一、検査においてトラブルが起こったときも、オーダーメイドで手掛けた検査システムであれば、エヌ・ケイ・システムが一貫して責任を請け負います。そのため顧客にとっては、責任の範囲が曖昧にならずやりやすいというメリットがあります。

「例えば、お客さまが既製品の検査機器を買って、電気工事を外注して、後々トラブルが生じたとします。そのとき誰が責任を負うのか。オーダーメイドは当社が一貫して手掛けるものなので、検査におけるトラブルの一切は当社が責任を持って対応します」(島津氏)


オーダーメイド検査システム導入の3ステップ

エヌ・ケイ・システムが手掛けるオーダーメイドの検査システムは、具体的には以下のプロセスで導入されています。

□ヒアリングと打ち合わせ

製品のどういった部分を検査したいのか、欠陥のサイズはどれくらいか。まずは細やかなヒアリングと打ち合わせを踏まえて、顧客のニーズや目的を引き出します。

□実証実験を踏まえて提案

製品サンプルを使ってさまざまな実証実験を社内で実施。結果を踏まえて、「これならできる!」と顧客が納得のいく検査システムを提案します。

実証実験風景(提供:エヌ・ケイ・システム)
実証実験風景(提供:エヌ・ケイ・システム)


□検査結果の整合性を両者で確認

「検査システムの自動化」と聞くと、「目に見えないのに本当にきちんと判別できるの?」と疑問を持つ方も。検査システムの結果がどれくらい確からしいのか、顧客とともに整合性を検証します。ここでは、鋳鉄部品の素材が確かなものか超音波で検査する機器を検証したときの事例を紹介します。

<事例>
・従来は、検査員が鋳鉄部品のテストピースを顕微鏡で目視し、素材が確かなものか検査していた。

・その検査をボタン一つでOKかNGか判別がつくよう、エヌ・ケイ・システムが超音波の検査機器を開発。

・超音波は目に見えないため、超音波の値と実際に目視で確認した値を突き合わせながら、両者で整合性を検証。

・顧客から「これなら使える」という判断をいただき無事納品。今では「これがないと困る」と言われるのだとか。

検査結果がシンプルでわかりやすい検査機器(提供;エヌ・ケイ・システム)
検査結果がシンプルでわかりやすい検査機器(提供;エヌ・ケイ・システム)


まとめ

欠陥のないものづくりの現場に欠かせない非破壊検査。中でもオーダーメイドで作る非破壊検査機器や検査システムは、機能性やコスト、品質管理などの面で実はメリットがたくさんあります。非破壊検査で悩みや困りごとがあれば、一度ぜひエヌ・ケイ・システムにご相談ください。



有限会社エヌ・ケイ・システム
1996年創業。山口県岩国市に本社、韓国に子会社を構え、非破壊検査機器の設計、制作、販売を手掛ける。ピストン耐摩環接合検査装置はアジア圏で一番の納入実績を誇る。オーダーメイドで作る非破壊検査システムを得意とする。
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