山形で頼られる産業機械部品メーカー髙榮工業。短納期・高精度で顧客の困りごとを解決

産業装置部品の機械加工・製造を短納期・高精度で行うことは簡単ではありません。短納期・高精度の加工を実現するために、多能工化は大きなポイントです。多能工化を実現するために自主的な相談なども日常的に行い、学びあう姿勢を大事にし、朝夕の全員ミーティングをはじめ、社内コミュニケーションを増やす工夫がされているそうです。今回は、創業当初から一貫して産業装置部品の機械加工・製造を行う山形県米沢市の有限会社髙榮工業に産業機械部品を中心に仕事の依頼が絶えない同社の強みとものづくりへの姿勢についてお話を伺いました。

山形県米沢市の有限会社髙榮工業は、従業員10名ほどの小さな機械部品メーカーですが、産業機械部品を中心に仕事の依頼が絶えないといいます。同社の強みとものづくりへの姿勢とは。代表取締役社長の髙橋一弘氏と、工場長の髙橋雅弘氏、従業員の石澤真也氏に詳しくお話を伺いました。

幅広い材質、加工に対応し、短納期・高品質で困りごとに柔軟に応える髙榮工業

お話を伺った髙橋一弘社長(提供:髙榮工業)
お話を伺った髙橋一弘社長(提供:髙榮工業)


──── 髙榮工業の事業や強みを教えてください。

髙橋社長:
髙榮工業は1983年に先代社長が始めた会社で、創業当初から一貫して産業装置部品の機械加工・製造を行っています。2004年頃からは半導体製造装置部品を、2013年頃からは航空機整備用の部品・工具なども作っています。最近は、半導体製造装置部品の仕事が多くなっています。

私たちの強みは、どのような加工も短納期・高精度で行う点です。特に、工夫しないと作れないような、難易度の高い試作品や部品の加工を得意としています。加工の順番・持ち方・押さえ方などの段取りをよく考えて、的確な手法で短納期・高精度を目指します。お客様が部品を破損した際には、まず代替品を1~2日で作ってから、後ほど正規部品を作るといったことにも柔軟に対応しています。材質にも幅広く対応しており、通常の金属加工に加え、樹脂や超硬合金なども扱い、切削加工・研削加工・放電加工などの加工機械は一通り揃えています。多品種・小ロットも大歓迎です。

普段、お客様から「髙榮工業さんが頼りなんです」と言われることがよくあり、励みになっています。そうした言葉をいただくことが、日々頑張る原動力です。お客様の困りごとを何とかしたい、と気持ちでものづくりに臨んでいます。


これまで製作した産業装置部品の一例(提供:髙榮工業)
これまで製作した産業装置部品の一例(提供:髙榮工業)


──── 会社の社風を教えてください。

髙橋社長:
一言で言えば、「全員で協力しあう会社」です。日々の点検は全員で力を合わせて行いますし、短納期・高精度で仕上げるための自主的な相談なども日常的に起こっています。技術面で言えば、多能工化を目指しており、全員がさまざまな機械を扱えるようになるため、学びあう姿勢を大事にしています。

私は社長として、毎日朝夕の全員ミーティングをはじめ、社内コミュニケーションを増やす工夫を用意しています。ものづくりは人づくり・集団づくりです。小さな組織ではありますが、困りごとを抱えるお客様に役立てる集団、そのとき必要とされていることに全力で協力できる集団、人のために働ける集団でありつづけたい、と思っています。今後もそのための人づくり・集団づくりに励みます。


髙榮工業は現場のコミュニケーションで生産性向上、短納期を実現

お話を伺った髙橋工場長(提供:髙榮工業)
お話を伺った髙橋工場長(提供:髙榮工業)


──── 髙橋工場長から見て、髙榮工業はどのような会社ですか?

髙橋工場長:
「現場での関わり合い」が多い会社だと思います。臨機応変にみんなで話しあいながら仕事を進める雰囲気があり、社員間で自主的に相談しあうことが頻繁にあります。また私は工場長として、急な仕事が入ったときなどには、あらかじめ工場内で共有し仕事の重複を避けるようにしています。

そして、一人ひとりが専門家としての誇りを持っています。機械の点検は全員で協力して行いますが、工具の管理は決して人任せにせず、個人が責任を持って行います。


社内工場の様子(提供:髙榮工業)
社内工場の様子(提供:髙榮工業)


──── 髙橋工場長の仕事と特に記憶に残っている事例について教えてください。

髙橋工場長:
私は研削加工を長く担当した後、現在はマシニングセンタを扱っています。工場長として納品前の検査も行っています。仕事で嬉しい瞬間は、やはり製品ができ上がって、お客様に問題なく納品できたときです。少し大げさかもしれませんが、手塩にかけた我が子が巣立っていく気分、我が子をお客様に託す気持ちになります。そして、今回も自分の役割が果たせた、という達成感を得ることができるのです。

特に記憶に残っている仕事は、以前、点滴容器を製造する型を真鍮で作ったことです。真鍮はマグネットにつかないため、押さえ方が難しく、加工は苦戦しました。高い精度を求められる仕事でしたから、慎重に加工していったのを覚えています。だからこそ、完了後に点滴容器製造用の型だと知って、医療に貢献する仕事をやり遂げたことを嬉しく思いました。

今後は工場長として、工場全体の生産性をさらに高めたい、と考えています。たとえば、人が機械を離れても動かせるような仕組みを作れたら、もっと短納期で、もっと多くの仕事を受けることができます。多能工化も大きなポイントです。より良い工場にするためにできることはまだまだある。一つずつ変えていきます。


1/100ミリ単位の高精度な加工と作業効率向上を日々追求

お話を伺った石澤氏(提供:髙榮工業)
お話を伺った石澤氏(提供:髙榮工業)


──── 石澤さんから見て、髙榮工業はどのような会社ですか?

石澤氏:
現場に裁量があり、失敗も糧として次に活かそうとする社風で、チャレンジできる空気があります。社長や工場長が自分の意見に耳を傾けてくれて、アイデアを試すことができます。

たとえば、アルミの削り出し加工は1/100ミリ単位の平行度が求められますが、それを実現するのは簡単ではありません。熱処理の仕方によって、さまざまな種類の反りが出るからです。そこで、私はどう熱処理するのがベストかを突き詰めてきました。髙榮工業は、そうした挑戦や実験を積極的に認めてくれます。


──── 石澤さんの仕事とやりがいについて教えてください。

石澤氏:
私はフライス盤から始めて、マシニングセンタ、NC旋盤を主に扱ってきました。ものづくりが好きで、いつも楽しんで作業をしています。知識・段取り・柔軟性のすべてが求められる仕事で、新たなアプローチ、新たな方法を考えつづける日々です。1/100ミリ単位の仕事を確実にこなすことを目指して、日夜励んでいます。

今後も技術を磨き、最終的には、できない加工をなくしたいと思っています。最近は特に、作業時間を細かく計算しながら、複数の機械を同時並行で動かし作業効率を上げるノウハウを蓄積しています。


──── 最後に、読者へのメッセージをお願いします。

髙橋社長:
未知の仕事に挑戦してみたい、という想いがあります。たとえば、ロボット関連や宇宙関連の部品製造など、大歓迎です。産業装置部品でお困りの際はぜひお声がけください。



有限会社髙榮工業
1983年に山形県米沢市で創業。創業当初から一貫して産業装置部品の機械加工・製造を行っている。半導体製造装置部品や航空機整備部品なども得意としている。主な取引先は、(株)小向精機、(株)鏑木ツール、ケミコン山形(株)米沢工場、ケミコン山形(株)長井工場、(株)デンソー山形、堀口エンジニアリング(株)など。
有限会社髙榮工業