ステンレスを中心に、難削材への対応も可能! 少数精鋭で顧客の要望に応える渡辺工作所

INTERVIEW

有限会社渡辺工作所
代表取締役社長
大久保 俊彦
取締役
佐藤 美穂

山形県東村山郡山辺町にある有限会社渡辺工作所は、ステンレス加工を中心とした、精密部品製造を行っている会社です。経験豊富な技術者とさまざまな種類の材料と加工に対応できる機械がそろっており、顧客の要望に幅広く応えています。
今回は、代表取締役社長の大久保俊彦氏と取締役の佐藤美穂氏に、渡辺工作所の加工技術やものづくりへの思いについてお話を伺いました。


高い技術を要するステンレス加工が得意な渡辺工作所

渡辺工作所外観(提供:渡辺工作所)
渡辺工作所外観(提供:渡辺工作所)


有限会社渡辺工作所は、業務用機械器具の部品製造を行っている会社です。ステンレスを中心に鋳物やアルミ、チタン、鉄などの材料に、旋盤加工や切削加工を施しています。取引先は、日立ハイテクや日立ハイテクソリューションズなどを中心に、約25社。工業計測機器から医療機器・航空関連部品、食品製造関連部品など、幅広い分野の部品を製造しています。

同社は、扱いの難しいステンレスのほか、難削材の一つと言われるハステロイ(R)などの加工も行うことができる、高い技術力を持っています。
「ステンレスは硬化しやすい上に、熱伝導率が悪く熱が逃げづらいため、刃物に熱が溜まりやすいもの。その結果、刃物の摩耗が早まったり欠損しやすくなったりするので、少し早めに刃具を交換したり、穴開け加工の際には硬くならないような加工方法を工夫したりしています。ステンレス加工を始めて20年程になるのですが、これらはその間に蓄積してきたノウハウです。また、ハステロイ(R)やチタンなどの削りにくい材料も対応できます。他社で『難しい』と言われた場合は、気軽に相談していただきたいですね」と語るのは、代表取締役の大久保氏。長年の経験が、難削材の加工も可能にしています。


作業風景(提供:渡辺工作所)
作業風景(提供:渡辺工作所)


このように幅広い種類の材料を加工することができるもう一つの理由は、同社には腕利きの技術者がそろっているからです。社員数は役員含め12人と決して多くありませんが、同社の強みはそのうち8人が技術者であること。しかも技術者全員が、プログラム作成から機械の段取り、加工まで一貫して作業することができます。まさに、少数精鋭です。
「小さい会社ではありますが、7割が技術者。余程難しいものでない限り、誰もが自分で判断して作業を進められるので、臨機応変な対応が可能です。小回りが効くので、お急ぎの納期にも対応しやすいのが強みだと思っています」(大久保氏)。
経験の長い社員が多く、平均年齢は50歳とベテランぞろい。安心しておまかせできるスタッフがそろっていることもあってか、顧客からの紹介で受注に至ることも多いのだそうです。

多品種小ロットでの部品製造がメインである同社。中には、同社では加工・製造が難しい小物部品や量産に関するご依頼をいただくこともあります。その場合は、窓口となって協力工場とともに対応。そうすることで、顧客が複数の企業に発注する手間を省き、コスト削減ができるようにしています。


加工から検査まで、充実した設備で対応します

検査設備の操作風景(提供:渡辺工作所)
検査設備の操作風景(提供:渡辺工作所)


同社のもう一つの強みは、幅広い種類の材料を加工できるだけの機械もそろっていることです。同社にある機械は、旋盤や縦型マシニングセンター、横型マシニングセンター、タッピングセンター、複合加工機など、実に多種多様。加工できる金属の種類が多いだけでなく、丸物や角物、鋳物など、さまざまな形の材料の切削から穴開けまで一貫して加工することができます。取締役の佐藤氏は、次のように話します。
「鋳物やFC材(ねずみ鋳鉄)の加工をできる会社が少なくなっているため、弊社にご依頼いただくこともあります。また、弊社では大体の加工ができるので、加工内容に合わせて2〜3社に発注していた部品を、弊社1社で全て加工できるようになったこともあります」。

完成品は、三次元測定機やCNC画像測定機でしっかり検査。三次元測定機は、直接品物に機械を当てて寸法を測る必要がありますが、CNC画像測定機は直接製品に当てられない部分も、画像を取り込むことで測定することができるのが利点です。加工だけでなく、検査のための設備も整っています。

試作に関しては、アルミ鋳物の試作や治具の製作から依頼されることが多いそうです。
「設計担当の方と打ち合わせを行い、アルミの型を起こす前からご相談に乗る事もあります。また、治具の製作については、設計から製作まで一貫し行い、試作段階での設計変更にも柔軟に対応を行っています。」(佐藤氏)。


チャレンジし続ける気持ちを忘れず、常に進化し続ける

打ち合わせの様子(提供:渡辺工作所)
打ち合わせの様子(提供:渡辺工作所)


「弊社は、人数が少ないので、役員と従業員といった隔たりもありません。気軽に意見が言い合える雰囲気ですね。『家族』と言うと大げさかもしれませんが、チームで働いています」と笑顔で話す大久保氏。役員含め12人と、少人数だからこそチームのような雰囲気で日々業務にあたっている渡辺工作所。技術者はみんな、図面を渡せば自分でスケジューリングをして、納期もしっかり守ることができる人ばかり。そのため、会社が時間外の管理などを特に行うこともなく働いているといいます。

「何か不具合があれば、私たち役員に逐一相談が来ますし、私たちも役員とはいえど常に現場にいます。ですから、問題があればタイムリーに解決して、歩留まりが低くならないようにしています。もちろん、役員ではわからないことがあっても、それぞれ得意分野があり詳しい技術者もいるので、みんなで情報共有しながら業務を進めています」(大久保氏)。

経験豊富な技術者が大半を占め、技術に関する議論を交わしながら日々の仕事を進めている渡辺工作所。その高い技術力の背景には、ものづくりへの熱い想いがありました。
「今持っているノウハウや技術だけに満足することなく、いろいろなことにチャレンジし続けなければならないと考えています。新しい技術を取り入れることもそうですが、今まで扱ったことがない素材などにも取り組んでいきたいですね」と大久保氏。まだ製造したことのない分野にもぜひ取り組んでいきたいと考えています。

最後に読者のみなさんに向けて、大久保氏からメッセージをいただきました。
「弊社は部品製造なので、加工できるものの大きさには制限がありますが、材料に関しては幅広く対応しています。弊社では取り扱えないものに関しては、協力工場をご紹介したり、弊社が窓口になって対応したりすることもできますので、気軽にご相談いただきたいですね。また、会社によっては、工場見学に行っても見せられる範囲が決まっているところもありますが、弊社は問題ありません。工場内に入っていただいて、全ての設備を見ていただけますので、興味がある方は気軽にお問い合わせください」



参考情報
・ハステロイは、ヘインズ インターナシヨナル インコーポレーテツドの登録商標です。


有限会社渡辺工作所
山形県東村山郡にある、ステンレス加工を主とした精密部品製造の会社。ステンレスや鋳物、アルミ、鉄などの材料に切削加工を行う。ハステロイやチタン材などにも対応可能。さまざまな材料と加工に対応できる機械と経験豊富な技術者がそろっており、顧客の要望に幅広く応えている。
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